出張二日目の夜は武橋洞に行きました。
武橋洞は、15年前に私が韓国で駐在生活を始めたときに事務所があった場所。飲み屋も多く、なつかしいドンネ(町)です。
ただ、韓国を離れて5年もなると、私が知っていた店の多くが代替わりやら、商売替えやら、再開発でなくなっているのが寂しい。
食事につきあってくれたのは、会社の同僚の男性(H氏)と、二人の共通の知り合いの女性(Sさん)。ともに日本語はしゃべれません。
Sさんは、肉よりは魚と言うので、そういえば武橋洞に刺し身屋があったなあと思い、武橋洞に向いました。刺し身は仁寺洞や明洞にもありますが、武橋洞のほうが庶民的な店が多い。
あ、ここもつぶれた、あそこもつぶれた、などと言っているうちに、目当ての刺し身屋に着きました。ここはまたつぶれていなかった。
ここはタイ(トミ)、ヒラメ(クァンオ)、メバル(ウロク)などの高級魚はない。カジャミセゴシというのがメニューにあったので、それを頼みました。
はて、カジャミとは。
連れの二人に聞いても日本語訳がわかるはずもなく、かばんから電子辞書をとりだして調べると「カレイ」でした。
犬「あれ、カレイはトダリじゃなかったっけ。カジャミとトダリは同じもの?」
S「違いますよ。カジャミとトダリは目の向きが違うはずです」
H「いや、それはクァンオ(ヒラメ)とトダリ(カレイ)の違いだよ」
結局、その場ではわからずじまい。あとで調べたところでは、カジャミは「カレイ」、トダリは「メイタガレイ」で、カジャミのほうが広い意味を持つようです。
韓国語の魚の名前は難しい。複数の名前をもつ魚がありますが、韓国人に聞いても違いがわからない。
イシモチは「クルビ」ともいうし「チョギ」とも言う。
ファンテもプゴもミョンテも「スケソウダラ」らしい。
ムノ、ナクチ、チュクミはみんなタコ。
恐怖の悪臭魚、エイはホンオともいいカオリともいう。
「カジャミセゴシ」の「セゴシ」は日本語起源です。
集英社国語辞典によれば
せごし【背越し・瀬越し】[料]川魚料理の一つ。魚を骨ごと薄い筒切りにして、酢味噌などで食べるもの。特に、若アユが賞味される。
となってます。
私は韓国に行って、初めてこの日本語に接しました。日本では川魚料理ですが、韓国ではこの料理法が海の魚にも拡大適用されているようです。釜山に行ったときは穴子のセゴシを食べましたし、済州島では済州島特産の魚(名前は忘れた)のセゴシを食べました。
刺し身を骨ごと、唐辛子酢味噌で食べ、骨を噛みしめたときに滲み出るうまみを味わいます。ただ、骨の入った刺し身を食べ慣れていない日本人は違和感を覚える場合が多い。
続いてメウンタン(魚の辛い鍋)を食べようかとも思いましたが、店に入る前に通り掛かったカムジャタン(豚の背骨とジャガイモの辛い鍋)が食べたくなったので、私のわがままを聞いてもらい、カムジャタンの店に。
そこでSさんの妹さんが合流しました。
妹さんには5、6年ぐらい前に新村の冷凍ビールの店で会ったことがあります。当時はLGの携帯電話の店で働いていたということですが、今はペット関係の仕事。この一家は動物好きで、家には犬が4匹、エンムセが3羽。
エンムセとは漢字で鸚鵡セ。オウムのことです。最近でこそ愛玩犬を飼う韓国人が増えましたが、オウムを飼っているというのは珍しい。
お姉さんのほうは、ポシンタン(犬鍋)も好きで、私も何回かいっしょに食べましたが、妹のほうは「犬を食べるなんて信じられない」とのこと。
最後はホープ(ビヤホール)で生ビール。韓国では、焼酎を飲み食事を済ませたあとに、ホープで生ビールというパターンが多い。私の場合、アルコールの度数が途中で下がるのは好きじゃないので、ビール→焼酎→洋酒(ウイスキー)というコースが多いですが…。
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釣り仲間では、ムノは大型(マダコ)、ナクチは中型(サンナッチのタコ)、チュクミは小型(イイダコ)と使い分けていたと思います。
イカもオジンオよりも小さい奴(江原道特産)には別の名前がついていたと思いましたが、忘れてしまいました。