早いもので、兄が亡くなってもう7週間が過ぎました。
菩提寺のある谷中で、四十九日の法要が営まれました。
親族以外に、甥(兄の息子)が中学校時代からお世話になっていたという塾の先生も来ていました。谷中に住んでいるので、近いから、ということです。
実は、この先生、東大で韓国を研究している研究者で、研究のためにしばしば渡韓。私が駐在していたときに、一度電話をいただいたことがあります。そのときは都合が合わなくて会えなかったのですが、今回、初めて直接お目にかかりました。
法要のあと、お寺の喫煙所でひとしきり言葉をかわす機会がありました。
「韓国のどんなことを研究しているんですか?」
「歴史です」
「じゃ、竹島とか、三国時代とか」
「いえ、もっと新しいところの、経済史です」
「朝鮮時代ですか」
「はい、18世紀から19世紀の初めあたりです」
「韓国にはあまり資料が残っていないでしょう」
「そうですね。旧家の蔵に残っている古文書などを調べています」
「漢文ですか?」
「そうです。それも、手書きなので、解読が難しいです」
「昔、中公新書で『両班』という本を読んだことがあります。20年以上前に出た本だと思いますが」
「ああ、宮嶋先生の本ですね。この分野は研究者があまり多くないんです」
「とても実証的で、説得力がある本でした。経済史では、ニューライトの論文もいくつか読みましたよ」
「そうですか。実は、李栄薫先生が私の恩師なんです」
「李栄薫教授といえば、いろいろひどい目にあってましたね」
「民族主義者の前で土下座させられたり…」
李栄薫教授については、このブログでも取り上げたことがあります(リンク1、リンク2)。
話は尽きなかったのですが、法要の後に親族だけの食事会の予約時間が迫っていたので、名刺を交換し、再会を期して別れました。
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