犬鍋のヨロマル漫談

ヨロマルとは韓国語で諸言語の意。日本語、韓国語、英語、ロシア語などの言葉と酒・食・歴史にまつわるエッセー。

日本語の乱れ 

2007-03-06 06:37:58 | 言葉
 近頃の若者の日本語は乱れているとか,そういう話ではありません。

 ほかでもない,私自身、滞韓11年を迎え、最近、ときどき日本語が乱れているのではないかと感じることがあります。
 無意識のうちに,韓国語直訳調の日本語を使ってしまう。これを「コパニーズ」と言います。

 典型的なコパニーズが「ケーサン(計算)」。韓国では,買い物(食事を含む)で支払いすることを「計算する」といいます。
 これに関しては,日本にいたとき韓国の留学生がよく飲食店で

「ぼくがケーサンします」

などと言うので,割り勘の割り算を計算してくれるのかなと思ったら,自分で全部はらってあと請求しない。

「日本語ではお勘定っていうんだよ」

と教えてやった記憶があります。
 私の場合,これを間違えることはありませんが,この前,家族から指摘されたのが「文字」

 世の中がケータイ時代に突入したのが,韓国に来てからだったので,携帯電話関連の日本語に弱い。韓国では,ケータイでメッセージをやりとりするとき,パソコンのEメールとは区別して,「ムンチャ(文字)」と言う。

「ムンチャ ポネルッケヨ」

 その習慣がついていたので,家で「モジ送るからね」と言ったら,怪訝な顔をされた。
 日本では,これもやはり「メール」と言うそうですね。まあ,こういう新語については仕方ない。

 もう一つは,正しい日本語を忘れてしまった例。韓国民族は「配達民族」と書いたことがありますが,韓国は日本以上に配達システムが発達している。スーパーでも,ちょっと重いと配達をしてくれる。ピザやチャジャンミョンなども配達という言葉を使う。

 先日,ある翻訳で,「料理を配達する」と書いたら,「配達」を「出前」に修正された。

 そーだ,「出前」という言葉があったんだった。

 あらためて,和語を組み合わせた「出前」という言葉を眺めると,なつかしくも麗しく思えてきました。この言葉、もう,何年も使わなかったなあ。

 こういう,私の語彙から消えかけている美しい日本語が,ほかにもたくさんあるような気がします。

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