子どもたちの夏休みが終わろうとしていたころ,我が家に一葉の絵はがきが舞い込みました。
「いま竹島にいます…」
ええっ!? 竹島から?
確かに表の写真は,竹島らしき岩山が写っています。長女のソウル日本人学校時代の同級生の在日韓国人からのものでした。
消印は「ウッルンド」。鬱陵島ですね。
後で長女が聞いたところによれば,夏休みの休暇を利用して「独島ツアー」に参加したとのこと。でも,実際に竹島に上陸できたのは20分だけ。そこに郵便ポストがあったので,すばやく絵葉書を書いて投函しようとしたら,ガイドの人が
「ここは集配しないから,鬱陵島で出してください」
(なら,なんでポストがあるんだよ!!)とその男の子が文句を言ったかどうかはわかりません。
さて,竹島問題。
これは日韓間の扁桃腺のようなもので,周期的に腫れ上がります。最近も社説に取り上げられた(→リンク)。
私がソウルに駐在を始めたあとも,何度かこの問題で紛糾しました。これについては,ネット上でも盛んに論戦が行われていますが,内容が専門的に過ぎて,ついていけない。
おぼろげにわかるのは,
-現在,韓国が実効支配していること。
-日本は,国際法に基づいて(1905年の竹島領有宣言),日本領だと主張していること。
-日本は自分たちの主張に自信があって,国際司法裁判所での解決を希望しているが,韓国はどういう理由からか,それに応じないこと。
私が韓国に関心を持ち始めたのは,1990年ですが,いろいろ調べる中で,竹島問題にぶつかった。日本の島根県に属しているとのこと。
たまたま妻が島根県出身だったので,意見を求めたところ,
「タケシマ? 何,それ?」
なんと,元島根県民が竹島の存在さえ知らなかったんですね。
1996年,私は韓国に赴任しました。出入国管理事務所で3年の就労ビザを申請すると,
「日本の政府が今,独島で怪しからんことを言っているから,3年は出せない。1年だ」。
それ以来,7年間,私のビザは1年更新です(8年目にどうしたはずみか2年ビザが出ました)。
テレビをつければ,住民もいないのに
「今日の独島地方のお天気は…」
などとやっている。
あげくに,カラオケでは「トクトヌン ウリタン(独島はわが領土)」などという歌を若者が歌っている(80年代の歌のようですが)。
これは勝負あった,と思いましたね。
ただ,日本には石油資源が眠っているらしい尖閣諸島問題を中国との間で抱え,何が眠っているかもわからない北方領土問題をロシアとの間に抱えている手前,下手に妥協するとそっちの,もっと重要な領土問題に悪影響を及ぼしかねない。
竹島あたりはイカぐらいしか眠ってないと思うんだけど,そう簡単には引けない事情がある。
当分,扁桃腺は切除できないようで。
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2 コメント
コメント日が
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- 実質的な価値が (スンドゥプ)
- 2007-09-21 08:03:26
- 小さいだけに政治の材料にするには最適でしょう。
- 返信する
- 爆破 (犬鍋)
- 2007-09-23 09:09:32
- 日韓交渉のとき,あんなもの爆破してしまえ,という冗談まじりの発言があったそうですが,島というよりは,爆破しようとすればできるような岩礁ですからね。
- 返信する
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