コトバヲツグムモノ

「口を噤む」のか「言葉を紡ぐ」のか…さてどちらの転がっていくのか、リスタートしてみましょう。

平和をわれらに (ジョン・レノン カール・ロジャース お釈迦さま)

2009-12-09 19:11:33 | 日常雑感

12月8日…毎年いろんなことを考えます。

真珠湾攻撃の日(太平洋戦争開戦)
ジョン・レノンが射殺された日
お釈迦様がお悟りを開かれた日(成道会)

今年は、先月購入したまま未見だったジョン・レノンのドキュメンタリー映画が手元にあったので、この日に観ることにしました。
(映画自体のことは音楽ブログで紹介しています)
映画として上映されたときに劇場に足を運んで観ているのですが、今の私が見るといろいろと違った点に気持ちが留まったりします。

それは戦争やお悟りにもつながっていくものですので、ジョンの話題を中心に。


BEATLESの喧騒時代から脱却したくなった彼には、ソロに転向するきっかけとしてヨーコとの出会いがあり、さらにはさまざまな考え方を彼女とともに深めていったようです。
それは「平和への祈り」でした。

インタビューの中でかれは「ガンジー」を引き合いに出し、「非戦・不服従」ということを大事にしています。
彼はそれをさらに進めて、”積極的”にアピールしていく方法を模索します。
BEATLESのジョン・レノンという知名度を利用して、イベント的に「伝える」という方法です。

しかし、そこには「この考えは正しいから受け入れてほしい」という、押し付けに近い方法をとる姿があります。
メディアを利用している彼には、逆にメディアが”自己の利益”につながるように誘導したり、過去の逸話を持ち出したりするという行為に苛立ち、「伝えたいこと」に固執してしまいます。
聞いてほしい話が伝わらないとき、相手を非難し、嘆き、困ってしまっているようでした。

さまざまな法座やワークを通じ、身体的に攻撃することだけが暴力じゃなく、言葉の暴力があることを学んできました。
さらには、相手の思考を妨げることもまた暴力なんだと学びました。

そうすると、ジョンの行為もまたひとつの暴力となってしまっているのです。

「伝えたい」ことがあるときに、相手に納得させるのではなく、相手が自ら気づいていく形で「伝わっていく」

カウンセリングを学ぶ課程で、カール・ロジャース氏がめざした「共に成長する」ということが大事だと知りました。
ロジャース氏もまた「平和」を目指した一人です。


でも、ジョンを非難・批判しようとする気持ちは微塵もなかったりします。
彼が訴えたメッセージは、確実に私の中にあります。

All We Are Saying Is Give Peace A Chance

War Is Over If You Want It,War Is Over Now

 


この日お悟りを開かれたお釈迦様は、争いの流れから離れられない自分たちの姿を「一切皆苦」とお示しくださり、自らの悟りの姿を通して「抜苦与楽」の世界があることを教えてくださいました。

「平和」は祈るものでも、不可能なものでもない…
すべてのものが悟りの世界に入れば、争う種はなくなるのです。
その一歩は、他人をどうこうするのじゃなく、私が聞かせてもらうことから始まります。
十方衆生の救いは、この私が救われないと実現しないのですから。


さまざまな出会いを通して、私の中の「平和」というキーワードがつながっていきます。
12月8日は、それを象徴する日として…