先週、ふと出会ったお母さんとちょっと立ち話。
私の長男とその方の娘さんが保育園からの同級生で、保育園の役員も一緒にさせていただいた。
その中でふと漏らされた言葉が印象的だった。
「子どものことを思って、一生懸命仕事や役を引き受けてがんばってるけど、ふと振り返ったら子どもを置き去りにしてるって気づくときがある」
私が出会うお母さん方は、保育園で一緒になるパターンが多いですから、お仕事を持たれている方が多いです。
朝子どもを保育園に預けて、働きに出て、夕方ぎりぎりになって子供を迎えに行く。
帰ったら帰ったで、食事の用意や家事全般。
そこには「家族のため、子どものため」という「心の支え」を頼りにしておられますが、なかなか余裕はないですよね。
保育園の先生と話すこともあるのですが、その先生にも子どもさんが居られて、朝、別の保育園に預けて、夕方ぎりぎりに迎えに行かれる。
当然、そのあと家のこともしなければなりません。
「いつも、(保育園の)子どものことを大事にしてくれてますね」と声をかけると「自分の子どものことはぜんぜんできてへんけどね」と。
理想としては、ゆっくり自分の子どもと向き合って、共に笑い共に悲しみ、同じ時間をすごしていくことだと思います。
でも、そうできないことを悲しみ、ふっとため息をついてしまう。
頭では「こどものため」と言い聞かせているけれども、理想との差に苦しんでしまう。
私も、そういう「理想と現実」に差があることで「葛藤」を感じ、それが苦しみになっていたことがあります。
あるいは、その苦しみをなんとかごまかそうと、自分で自分を偽り、気持ちを押し殺していたこともあります。
ただ、カウンセリングを学びだしたときに「理想を高いところに置く」ことで「葛藤」し、また「現実を良しとしない」ことで「葛藤」していることを知りました。
このことを解決して「葛藤」を無くそうということはとても難しいのですが、こういうことで「葛藤」があるんだなと一旦押さえることで、大きく気持ちの持ちようが変わった気がします。
ほんとうはこうありたいんだけど(理想)、今はこうなるしかないんだな(現実)
と、一度自分の気持ちを受け止めてあげる。
子どもと一緒にいたいんだけど、そう思って今はがんばってるんだな。
がんばってるけど、ちょっとしんどいなぁ。
あぁ、しんどいと思ってる自分なんだ。
実は自分でこういうことに気づいていくのはなかなか難しくて、他の人に自分の気持ちを聞いてもらうことで、ゆっくりゆっくりと気づいていけます。
こういう「聞いてもらう」ことで自分の内なる声に気づいていく作業…これがカウンセリングの大事なことですね。
決して、何かを解決したり、指針を与えてもらうことじゃないんです。
そういう、楽にいろいろ話しができる機会…
なにかそういうことができればいいなと思っています。
私の先輩方は、各地でそういう活動をいろいろされていますので、いずれ紹介したりネットワーク化していければ、と思っています。
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