緊急事態宣言がやっと明けました。
地元の感染者数も1日に数人、0の日も。治療薬も出るらしいし、今度こそこのまま終息してほしいです。
(第6波とか言ってるし全然楽観視できないけど)
9月の読書メーター
読んだ本の数:11
読んだページ数:955
ナイス数:147
魂手形 三島屋変調百物語七之続
★4 今回は心底ゾッとする話はなく、怖さは比較的ライトな3話。本編よりも、富次郎の心境や周辺の変化の兆候が描かれて、今後また物語が大きく動くのかなと思わせる締め方だった。それも少々不穏な感じで、次が気になる。
《美丈夫な武士が語る、火災を制す神器「お太鼓様」の真実『火焔太鼓』。団子売りの娘が打ち明けた、両親に纏わる悲しき事件『一途の念』。木賃宿の怪しげな客はお化けを連れていた。宿の息子が関わる事になった復讐譚『魂手形』》
『火焔太鼓』の体験談は、不思議だけど恐ろしくはない、と思って読み進めると、その後に何とも残酷でやるせない結末が。『一途の念』も、不幸な夫婦のひたすら悲しい話だったものが、最後の最後に驚きの怪異を起こす。『魂手形』魂の里の水夫とか魂番とか、妖の姿となった水面とか、かなり魅力的な設定、キャラクターが出てきて、今後またこんな人達が関わってくるかもな、という話だった。
読了日:09月06日 著者:宮部 みゆき
あめつちだれかれそこかしこ コミック 1-9巻 全9冊セット
★4 単行本を2巻くらいまで買って止まってたのを、電子書籍で見かけてまとめ買い。続きを買うほどでもないかなと思ってたんだけど、そこから面白くなってた。年神や納戸神はじめ、人ならぬ者達に振り回される様子が理不尽に感じてストレスだったんだけど、彼らも歩み寄りを見せ、青司も段々図太くなり、さらに共通の敵(というほどでもないのも含め)に協力して対抗したりして、青司が孤独じゃなくなって(理解ある友達もできたし)、俄然面白くなった。稲荷様も最初は嫌な感じだったけどいい人(神)だったし、今では好きなキャラ。楽しい。
読了日:09月12日 著者:青桐 ナツ
金箔のコウモリ
★3.5 バレエ好きのゴーリーが初めてバレエを題材に手掛けた絵本。少女が見出され、出世していく話だけど、単純なシンデレラストーリーではない所がゴーリー。解説による伏線回収のくだりは気付かなかった!
読了日:09月16日 著者:エドワード ゴーリー
街どろぼう (福音館の単行本)
★3.5 《山のてっぺんにたった一人で住む巨人。寂しさのあまり、麓の街から家を1軒持ち去ってしまう。家の住人は、「私達だけでは寂しいので、親戚の家も持ってきてほしい」と頼み…》
麓の建物と人がどんどん頂上に移動され、頂上が街のようになる。そこまでは想定内だったけど、そこからの展開がちょっと意外で、なるほどなと。周りが賑やかでも、心は孤独のまま、ってこと、あるもんな。
読了日:09月16日 著者:junaida
うちのねこ
★4 《春。うちに猫がやってきた》元野良の大人の猫がやってきて、慣れていくまでの話。まずソファーの下から出てこない。かなり手強い。著者の実話みたいで、後書きによると「一生仲良くなれないかもしれない」と心配するほど。焦らずに長い時間をかけて、猫のペースに合わせて、無理強いしないで、ゆっくりゆっくりと。相当根気強く待った著者さん。すごいなぁ。仲良くなれて本当によかった。絵がまた素敵で、丸っこいラインが愛らしいし、色の滲みが、ホワホワの毛の感じをすごく良く表していて、温かさや感触が思い浮かぶ。好き。
読了日:09月16日 著者:高橋 和枝
つくるひとびと クリエイター71人のパワー・ワード
★3.5 ロバート秋山のクリエイターズ・ファイルシリーズを、雑誌の名言企画風にまとめて収録。キャラクター造形はもちろんのこと、ポーズや写真の撮り方、レイアウト、ワードセンス、本当に実在する人の記事のように見えてくる絶妙さ。ってことは、業界ごとに、個性的なようでも、共通するエッセンスがあるんだろうな。そう思うと、人と違う事を得意げに語るようなとんがった人も、結局誰かと似たようなイメージの中にいるってことで、ちょっと滑稽に見えてくる。
読了日:09月16日 著者:秋山 竜次
おまく (えほん遠野物語 第三期)
★3.5 遠野に伝わる不思議な話。短いエピソードも含め3つの話で構成される。「おまく」は言葉としても初めて知ったし、語源?も推測できない。方言だろうか?生霊のようなものっぽい。最後の空を駆けて故郷へ帰る話が良かった。
読了日:09月19日 著者:京極夏彦
怪談えほん おめん (怪談えほん 14)
★4 絵も話も怖くて好き。《嫌なやつ、いるよね。綺麗なあの子、嫌いなあいつ、いじめっ子。転んでケガすればいい、足が折れてしまえばいい。そんなこと思うことあるよね。そういう時、君の前に現れるお面。これを被ると、人を呪うことができる》人を呪わば穴二つ。手痛いしっぺ返し。
読了日:09月19日 著者:夢枕 獏
野球が好きすぎて
★4.5 プロ野球を題材にした連作ミステリ。面白かった!親娘の刑事(父は熱烈ヤクルトファン)が、プロ野球にまつわる事件に挑む。ベースボールバーの常連であるカープ女子が名推理で助け舟を出す。時は2016年〜2020年の5年間、毎年1話。当時の野球の出来事と連動しているので、そうだった!とシーズンを思い出しながら読んだ。プロ野球ファンなら楽しく読めると思う。カープが三連覇からのBクラス転落と激動の時期でもあるので、「神津テル子」などカープ女子の名乗る仮名(当時のカープの状況をもじった名称)が刺さる(笑)。
《球場帰りのファンがサイン入りのレアなユニフォームを強奪される事件が相次ぐ。ついに抵抗したと思われるカープファンが刺されて死亡。『カープレッドよりも真っ赤な嘘』/巨人贔屓で有名なフリーアナが殺された。その日は阿部の2000安打がかかった試合で、被害者も自宅で観戦していたと思われる『2000本安打のアリバイ』/阪神ファン殺害事件。死亡推定時刻は、阪神戦の3回表と判明するが「タイガースが好きすぎて」廃工場で遺体発見。被害者の自宅の冷蔵庫には、血痕が残されていた『パットン見立て殺人』/小説家殺人事件。腐敗が進み死亡日時の推定は難航。千葉マリンで西日による中断という珍事があった時と判明したが『千葉マリンは燃えているか』》
読了日:09月22日 著者:東川 篤哉
おじさまと猫(8) (ガンガンコミックス pixiv)
★3.5 おじさまの娘と息子が登場。娘も息子も変わり者。娘はわりと伸び伸び自由人って感じだけど、息子は偉大な父に比較されるコンプレックスから、少し歪んでしまっている。しかも猫嫌い。真っ直ぐな性格の森山先生とは合わない感じだけど、なぜか一緒にバンドをすることに。どうなる?!でもこの漫画、大体問題があってもすぐ解決しちゃうから、あまり不穏なことにはならないと思う笑。猫嫌いもあっさり克服したしね。
読了日:09月24日 著者:桜井海
水族館 いきものとひとのいちにち (福音館の科学シリーズ)
★3.5 水族館で働く人達の一日。飼育員さん以外にも、運営に携わる部門や清掃、チケット売場、ショップなど様々な役割の人達が描かれている。開館前から、閉館後の業務、夜勤まで。お客さんから見える部分だけでなく、裏がどうなっていて、どんな設備があって、どんな仕事をしているのか、見えない所まで分かって興味深い。これ読んで水族館に行ったら、2倍楽しめそう。
読了日:09月29日 著者:ほりかわ あやこ
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