魍魎の匣
戦後間もなくの東京。元女優、陽子の娘が行方不明になり、探偵・榎木津が捜査を依頼される。
一方、作家・関口と記者・敦子は、不幸を匣(はこ)に封じ込める謎の教団の陰謀を掴むべく調査していた。
更に巨大な箱型の建物の謎を追う刑事・木場。
全ての事件は、複雑に絡まり、一つに繋がっていた。それぞれの謎を解くため、彼らは古書店・京極堂の店主、中尊寺のもとに集まった。
監督が亡くなったので、2作目は無いだろうと思っていたのですが、原田眞人監督で映画化。
私が今までで読んだ推理小説の中でも、一番好きな作品です。
前作を見た感想が、イマイチだっただけに、今度もあまり期待しないでおこう、と思いながら公開を待っていました。
で、見た感想ですが…
「原作とは別物」として見れば、それなりに面白かったです。
原作のエッセンスだけ使って、キャラもストーリーも大胆に再構成して「別の作品を作った」、という感じです。
パラレルワールドのような、似て非なる物語。
原作に比較的忠実に作られた実相寺監督の前作に比べると、思い切り変えちゃった分、諦めがつくと言うか…(笑)
原作と同じ部分を探す方が難しいくらいで。
そう割り切って見る事ができれば、所々コミカルな場面があったりするのも面白かったし、怖ろしい所はとことんグロテスクにしたりと、嫌いじゃない演出でした。
それでも、「○○(←ほぼ全キャラ)はそんな性格じゃないやい」とか「箱館はこんな感じじゃないよう」とか、「これはやりすぎてギャグになっちゃうよ」とか突っ込みたくなるのは、原作ファンとしては仕方ないですが…
大体、物語としても結構破綻してると思う
特にラストにかけてのドタバタ?は、「なんかもう無茶苦茶ですがな…」と思いました。
でも、いっそここまで突き抜けてやりきっちゃうと、(くどいですが、別物としては)アリかなぁ?と苦笑いしながら許せちゃうような。
一緒に誘った友人(私ほどの思い入れは無いようだけど京極ファン)も、随所で笑ってましたし(笑うところじゃなくても、あまりにも原作と違っていて笑えてしまう)、「結構面白かった」と言ってました。
批判してるんだか褒めてんだかよく分からない感想になってしまいましたが、いろんな意味で楽しめたし、「こんなんじゃなーいっ」と怒らなかっただけでも良しとします。
ただ、この映画を見て、原作を未読の方に、「これが『魍魎の匣』かぁ」、と思われちゃうと、悲しいなぁ。
これは、ぜひ先に原作を読んでから見に行って欲しいし(そうしないと、たぶん話についていけないと思う)、もう見ちゃった人も、ぜひ原作を読んで欲しいです。
「えっこんなに違うの」とビックリしますよ
さて、大掃除を中断して今日はお出かけだったので、明日も掃除をしなければ
(あ、日付変わってますね。「今日」だ。)