うっかりしておりました(汗)。
毎年参加している、『猫友日めくりカレンダー』、先月末だったか、届いていたのですが、写真アップするの忘れてました(^_^;)
年々、表紙もパッケージも可愛くなって、もはや市販の日めくりカレンダーより、クオリティ高いんじゃないだろうか!?
さて来年分、掲載日と写真に迷いましたが、12月21日(ひなの命日)、ユズの写真にしました。
窓のフチに手をかけた横顔が、子猫っぽくて(実際は中年おっさん猫なわけですがww)、気に入っております(*^_^*)
9月はまだまだ暑かったですね。
怖い本は好きなので、年中読んではいますが、暑いうちは、やっぱりいつも以上に怖い本が読みたかったような。
大して涼しくはならないのに、不思議です。
が特にオススメ!
2012年9月の読書メーター
読んだ本の数:24冊
読んだページ数:4247ページ
ナイス数:678ナイス
狐火の家
★3.5 ドラマが面白かったので。『ガラスのハンマー』『鍵のかかった部屋』は、予約待ちだったけど、なぜかこれだけ、待たずに借りられた。
ドラマの途中からハマったので、知らない話もあったけど、原作をうまく脚色したりアレンジして、よく纏まっていたような。原作が先だったら、印象違うんだろうけど。 トリックだけ同じで、大幅に変えてあった『犬のみぞ知る』なんて、原作はおふざけっぽいので、ドラマの方が、それらしいミステリーになってた(^_^;) 『狐火の家』が一番純粋に謎解きが楽しめた。
『黒い牙』は、青砥さんと同じく個人的にアレが苦手なので、厭な話だったんだけど、トリックの衝撃は大きかった。でもまさか、青砥さんの推理が正解だとは(^_^;) 突飛過ぎるので、あの後榎本が現れて、青砥説は一蹴するのかと…。『盤端の迷宮』将棋界が舞台。ちょっと地味だったかな。
読了日:9月1日 著者:貴志 祐介
くるねこ 10
★4 もんさんのことは、ブログで見て知ってはいたけど、また泣けてしまった。白黒ハチワレで、人間からも猫からも一目置かれるキャラクター、うちの猫(他界)と、よく似てて(うちのも「さん」付けだし)、思い入れのある子でした。もんさん、たくさんの楽しい話、ありがとうね。
読了日:9月1日 著者:くるねこ大和
昭和の怪談実話 ヴィンテージ・コレクション (幽クラシックス)
★4 実話系怪談が流行した昭和初期や戦後の、入手困難な稀覯本4点から、より抜いた作品を収録。当時の挿画も入った、マニアックなアンソロジー。装丁も魅力的で、読む前からワクワク。
▷『古今怪異百物語』から22話。原本は、きっちり百話収録。短めの怪談を、古今東西片っ端から集めた感じ。意外と因果応報になってないのや、化け猫話が複数あるのが、時代なのか…。猫好きとしては猫に肩入れ。猫は悪くないじゃん!
『怪異怪談集』からは、海外の話5話を収録。ミステリー仕立ての作品もあり、ポーなどの海外怪奇小説っぽい雰囲気。
『扉の怪異』からは3話、よくある怪談、という感じで、若干地味。
『オール怪談』から1話、退屈な部分もあったけど、日記のくだりは、ちょっと夢野久作っぽくて面白かった。
読了日:9月7日 著者:
絵本版 ガマの油
★3.5 味わい深い表紙に惹かれて。
《僕のお父さんはガマガエル。仕事はガマの油売り。》
ユーモラスな感じの絵本かと思ったら、死生観の話だった! 死んでしまった人の記憶、残された人の思い出…。味のある絵とあいまって、ほんわかした読後感。 ▷役所広司さん監督・原案って?と思ったら、そう言えばそんな映画あったような。実写だったはずだし、こんなお話じゃないと思うけど、根底にあるメッセージが同じってことかな。
読了日:9月7日 著者:
ノラネコの研究 (たくさんのふしぎ傑作集)
★4 著者は、ネコ科の生態を研究する学者さん。ノラネコのナオスケの一日を、24時間追跡・観察した絵本。ナオスケに付いて歩く様子を通して、猫を観察する時の注意点や、猫の生態が、分かりやすく理解できる。 著者さん、猫から目が離せないから、ご飯を食べるタイミングばかり気にしてたのが笑える(*^^*) でも、ノラネコがこんな風に暮らせる場所、減ってきてるんだろうな。猫が人とのんびり共存できる町は、人間の気持ちも穏やかだと思う。
読了日:9月7日 著者:伊沢 雅子
カーテン (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)
★3.5 ポアロ最後の事件。再読…なんだけど、ほぼ内容忘れてた(汗)。犯人、この人だったっけ? いやこの人だっけか?とフワフワしたまま、2/3くらいまで…。普通の動機の線では炙り出せない、法にも引っかからない難敵に、ポアロは…。 ヘイスティングズは、娘が絡むだけに、これまで以上に道化と化してるし(^^;) ▷最大にして最後の敵、意外な結末、ミステリとしては大満足なんだけど、ポアロが弱っているために、その魅力があまり発揮されず、いつもより陰鬱な雰囲気で終始していて、ファンとしては物悲しい。
読了日:9月8日 著者:アガサ・クリスティー
ひなこまち
★3.5 《誰からとも誰宛てとも分からない「お願いです、助けて下さい」と書いた木札を偶然手にした若だんな。その言葉が気になって、次々舞い込むいろんな人の悩み事を放っておけず…》5編の連作短編。
木札の事がなくても、若だんなは困った人を放っておかないと思うけど(笑)。河童に振り回されたような1冊。謎も分かりやすいものが多いし、最後の騒動は、細かい所がうやむやになっちゃったし、ちょっと詰めが甘い気はするけど、ここ最近のシリーズの流れの中では、基本に帰った感じがして、面白かった。
▷『ろくでなしの船箪笥』祖父の形見に船箪笥を譲られた小乃屋の兄弟。ところが船箪笥が開かず、中に高価な品を隠していると親戚に疑われ…。
▷『ばくのふだ』怪談が人気の噺家が襲われる。一方、悪夢が現実になる騒動が起こり…。
▷『ひなこまち』大名の側室選びだと噂される、雛人形のモデル選びで町は大騒ぎ。着飾るために古着が人気となるが、着物が盗まれる事件が起きて…。
▷『さくらがり』広徳寺に花見に出掛けた若だんな一行。そこへ河童の大親分・禰々子が、以前河童を助けたお礼にと、河童の秘薬5種を持参。その秘薬を巡って騒動が巻き起こる。
▷『河童の秘薬』秘薬を譲った安居の妻・雪柳が、若だんなを訪ねて来た。薬を飲んだが、何の変化もないと言う。
読了日:9月12日 著者:畠中 恵
50 グレイテスト フォトグラフ 傑作写真に秘められた物語 (日経BPムック ナショナルジオグラフイック)
★3.5 写真の持つ力って凄い。陳腐な言葉でしか語れないことが申し訳ない。本当に凄い写真は、見るだけで圧倒される。一瞬を切り取った静止画から、感情や被写体のパワー、前後の動き、歴史や背景、様々なものが溢れ出してくるよう。説明は簡素なので、撮影された状況や背景がよく分からず、十分に理解できなかった写真もあったけど…。
読了日:9月13日 著者:
iPhone 4S PERFECT GUIDE (パーフェクトガイドシリーズ)
★3.5 「約50本のお勧めアプリも紹介」とあったので、アドレス帳やメモなど、元から入ってる標準アプリより使いやすそうなのが載ってないかと思って。目当てのジャンルのは載ってなかった( ̄◇ ̄;) 50個って、読んでみると意外と少ないのか…。 使い方については、すでにほぼ把握していたけど、一応おさらい的に目を通した。
読了日:9月14日 著者:石川 温,石野 純也,小林 誠,房野 麻子
ネコでプッ! 面白ネコ画像集
★4.5 1冊丸々、ぜーんぶネコの面白画像集。類似本とカブりはあるけど、添えられたコメントが違うので、それなりに笑える。ネコを「毛玉」と呼ぶのもいいなぁ(*^^*) 下ネタ系がほとんどなく、分かりやすい合成写真も少なくて、全体的な安定感があった。単に笑える画像を集めた感じの類似本と比べて、この本の著者は猫好きだから、コメントに愛があるのかも(笑)。
読了日:9月14日 著者:タカハシ ヒカル
見とこ、行っとこ、トコトコ関西 (単行本)
★4 県民性擬人化漫画『うちのトコでは』の作者、もぐらさんの関西(大阪・京都・神戸※兵庫にあらず)旅行漫画。三都の魅力や違いがよく分かる。大阪・京都は、世間のイメージもハッキリしてて、キャラが立ってる感じがして、大体想像通りだけど、神戸の内向きな感じは、ちょっと意外。それにしても、神戸さんは本当に、普通にみんなそんなにハイソな志向なんだろうか?( ̄△ ̄;)
読了日:9月15日 著者:もぐら
後編に続く!
9月後半です
が特にオススメ!
とっさの方言 (ポプラ文庫)
★4 64人の作家や著名人が、47都道府県の方言(+α)について書いたエッセイ集。
方言の話って、なんでこんなに面白いのかな。「えっ?これ方言だったの!?」という定番エピソードはもちろん、ネイティブwじゃない人(家族の出身地や、仕事上の関係が深い場所など)の、外から見た方言、というのも面白い。地元周辺や、過去に暮らしたことがある馴染みの土地なら、「あるある」と共感できるし、初めて知る土地の方言も楽しい。地理的には離れているのに、「あ、こっちでも言う!」なんてことも。 ビバ方言!!
広島弁と言えば、達川さんなんですね。2度も登場してて笑ったww
そういえば、「はぶてる」は、他県の人にも評判いいなぁ。昇格すると嬉しい(笑)。
巻末の、全国の「おはよう」「ありがとう」マップには、ツッコミたい!「がんした」は使わんよ!広島でも使うのはごく一部じゃないんかな〜? 最近アンガールズが、ローカル番組で「美味いでがんす!」を連発するのを聞くようになって、「がんす」って広島弁なん?と知ったくらい、馴染みがないし、代表的な広島弁と紹介されるのには、違和感あるよ…。
読了日:9月16日 著者:小路幸也,大崎善生
八月の暑さのなかで――ホラー短編集 (岩波少年文庫)
★3.5 金原瑞人さん自ら選定・翻訳した、13編のホラー・アンソロジー。
▷冒頭、ポーの『こまっちゃった』が超訳でビビる(汗)。これはこれで、シュールなスプラッタ・ギャグになってると思うけど、心の準備が(笑)。以降の作品は、普通の訳でホッ。この話、覚えが…と思ったら、乱歩!元ネタはポーだったのかぁ。
▷表題作 W・F・ハーヴィー『八月の~』は、ゴーリーのアンソロジーで既読だった。途中であの扉絵がパッと蘇って、思い出した。さすがゴーリー! 既読だけど、この話が一番不気味で秀逸。
▷サキ『開け放たれた窓』、さんざん盛り上げといて…! 落語みたい(笑)。
▷リチャード・ミドルトン『ブライトンへいく途中で』は、似たような話で、もっと怖いのがあったような。←『モンタギューおじさんの怖い話』の『道』かも?
▷レノックス・ロビンスン『顔』不気味でジワジワくる。
▷E・M・デラフィールド『もどってきたソフィ・メイソン』古典的でつまんないけど、ラストに軽く一ひねり。
▷L・P・ハートリー『ポドロ島』既読。後味悪くて嫌な感じがなんとも上手い。
▷フランク・グルーバー『十三階』ビルの怪談系の定番っぽい話だし、途中ちょっとダレたけど、何か好き。
▷ロアルド・ダール『お願い』これは、分かるけど、ホラーじゃないなぁ(笑)。
▷ローズマリー・ティンパリ『ハリー』スタンダードなホラー。雰囲気はいい。
▷ロード・ダンセイニ『谷の幽霊』、フレドリック・ブラウン『後ろから声が』、ジェイムズ・レイヴァー『だれかが呼んだ』などは、雰囲気はあるけど、パンチが弱く、あまり怖くなかった。
▷▷全体的に、古典的で分かりやすいスタンダードな話が多く、「ホラー」?と疑問符を付けたい話も混じってたりしたので、期待してたような、自分の好みに合う作品は少なめだった。訳も、カラッと乾いた感じで、怖さを感じにくい気がした。 2冊目も借りてるので、次に期待!
読了日:9月17日 著者:
南から来た男 ホラー短編集2 (岩波少年文庫)
★4 金原瑞人さん自ら選定・翻訳した、11のホラー短編アンソロジー第2弾。
こっちの方が、好みの作品が多かった! 1弾目は、古典的でオーソドックスなタイプが中心だったけど、こっちは、設定も展開もひねりが効いた、先が読めない話が多くて、退屈しなかった。
▷エドガー・アラン・ポー『ナンタケット島出身の~』は、前回と同じく、原作のいいとこだけを抽出して訳者が翻案。名前の符合についての事実を、上手く取り入れてあって、原作と創作の部分が、見事に融合していた。
▷ロアルド・ダール『南から来た男』どうなるのか、ハラハラドキドキ。内容には関係ないけど、ラスト近く、揺すぶられ過ぎて輪郭が消える描写が漫画的で、緊迫感から一転する場面ということもあって、妙に笑えた(*^m^*)
▷オー・ヘンリー『家具つきの部屋』比較的スタンダードなタイプの話。
▷H・G・ウェルズ『マジックショップ』これもどんな展開が待ち受けるのか、あれこれ想像してハラハラ。登場するのが、躾のできたいい子っていう所がポイントかも。結末もユニークで不思議。
▷ウォルター・デ・ラ・メア『不思議な話』タイトルそのまま。細かい謎は明かされないまま、ただ不思議がある。なんとも言えない余韻。
▷アルジャーノン・ブラックウッド『まぼろしの少年』切ないホラー。
▷ウィリアム・フォークナー『エミリーにバラを一輪』エミリーの一生、それ自体がホラーだったと。
▷エリザベス・ボウエン『悪魔の恋人』他に比べたら薄味。
▷レイ・ブラッドベリ『湖』ロマンチックなホラー。
▷ロバート・ルイス・スティーヴンソン『小瓶の悪魔』シンプルな怪奇譚として話が終わりそうな所から、また更に展開していく所がにくい!オチの付け方も上手い。
▷エレン・エマーソン・ホワイト『隣の男の子』途中までは、本当にアメリカの片田舎でありそうな話。そして結末のつけ方は、日本のホラーでもよくある感じの今っぽさ。現代作家の現代的な話。
読了日:9月18日 著者:
どうかと思うが、面白い
★3 まさにタイトル通り、どうかと思うような、「イタい」人のエピソードてんこ盛り。心霊系のヤバイ実体験なんかもあるかな、と思って読んでみたけど、エロ・グロ・シモ系が中心だった。そういう話にも耐性はある方だと思うんだけど、それでも引くほど濃くて濃くて、そういう話もちょこっと読むなら楽しいんだけど、全編通して濃厚なクオリティが維持されている(笑)ので、かなり胃にもたれる感じ。いや、面白いんですよ?でも、うん、もう本当、どうかと思います(笑)。
読了日:9月20日 著者:平山 夢明
蟹塚縁起
★3.5 梨木香歩・作、木内達朗・絵
【真夜中、とうきちがザワザワという音に目を覚ますと、大量の蟹が沢から山の方へと大移動をしていた。蟹の行先を追ううち、とうきちは昼の出来事に思い当たる…】
哀しいような温かいような切ないような。スタンダードな昔話のようで、もっと奥深い気がするのは、幻想的な絵のせいもあるかも。顔のない登場人物、時間の流れも止まっているような静けさ、まるで全てが夢幻のような、引き込まれる絵。
読了日:9月21日 著者:梨木 香歩
マジョモリ
★3.5 梨木香歩・作、早川司寿乃・絵
【ある朝つばきが目を覚ますと、机の上に「まじょもりへ ごしょうたい」と書いた手紙が。窓を叩く草のつるに導かれ、大人が「御陵」と呼ぶ“まじょもり”へ…】
細く繊細な描線、淡い色彩、日本画っぽくて静けさのある絵が、話の雰囲気と合う。筒状の光?の、中なのか外なのか分からなくなりそうな表現とか、いいなあ。この話も、ハナさんの正体は予想がつくし、スタンダードな展開のようで、お母さんの不可思議なキャラとか、出てくる食べ物の描写とか、絶妙に魅力的。御神饌クリームサンド、食べたい!!
読了日:9月21日 著者:梨木 香歩
ワニ―ジャングルの憂鬱草原の無関心
★4 梨木香歩・作、出久根育・絵
【いばりんぼうのワニ。もっとも、ワニ自身はいばっているつもりはなく、ただ無理なく自然に生きているだけ。でも…】
シュールというか、深いというか、言葉使いも難しいし、真面目に捉えたら大人でも難解で、考え込んでしまう。ワニには好感が持てないけど、言ってる事はあながち間違いでもなく、でもワニのような生き方は、したくないと思う。お母さんワニが、何かに思い至る場面とか、ゾクゾクする。考えれば考えるほど、怖くなる。あっさり結末をつけてくれたライオンの行動に、むしろホッとしていたりして。
読了日:9月21日 著者:梨木 香歩
ペンキや
★4 梨木香歩・作、出久根育・絵
【しんやはペンキ屋見習い。お父さんもペンキ屋で、しんやが生まれる前にフランスに渡り、そのまま亡くなった。そのお墓には、「ふせいしゅつのペンキや ここにねむる」と書かれているという。】
父の足跡を追い、成長するしんや。ラストの余韻にしみじみ。言葉で一口に「赤」と言っても、イメージされる色は人の数だけある。逆に同じ色を見ていても、違う色と認識している可能性もある。その人の望む色は、その人にしか分からず、時には本人ですら分かっていない。そんな要望に応えていくペンキ屋って、深いね。
読了日:9月21日 著者:梨木 香歩
熊谷守一の猫
★3.5 シンプルな描線と色彩、デザイン化されたような絵。ぱっと見、下手なように見えて、「ふーん」で終わりそうになったんだけど、何度か見ているうちに、「ああ、しっかり猫だなぁ」とじわじわ惹きつけられた。たとえ弛緩しきって軟体動物のようにぐにゃんぐにゃんに見える時でも、中の骨格の野性的でゴツッとシャープな所が感じられるのが猫。そうそう、曲線だけじゃない、この直線っぽい所や、角張った所、絶妙。「ふーん」で片付けようとして、すみませんでした!
読了日:9月21日 著者:熊谷 守一
明日もいっしょにおきようね─捨て猫、でかおのはなし
★4 本屋で表紙のでかおと目が合って、何気なく立ち読み。うわーーーん・・・。でかおの強運は、まさに奇跡。本当に助かって良かった。でも、でかおは本当に幸せな例で、同じ施設にいた命、ひいては全国で処分されている無数の命、そのことを思うと、悲しくて悲しくて、ものすごく複雑な感情に襲われた。できることなら、みんなを助けてあげたいけど、現実には、数匹が限度。ノリコさんの苦悩がよく分かる。人間の勝手で、処分されてしまう命。色々考えるきっかけになるだろう絵本。実話だそうです。
【ボランティアで、保健所に収容され、処分を待つ動物達の世話をしているノリコさん。ある日、収容された大きなオス猫。怖い顔をしているけど、恐る恐る世話をしてみると、意外にもおっとりしたおとなしい性格。その猫が気になり、悩んだ末に引き取ることを決めた時…。】
著者は、感動話にしたかったのではなく、でかおの奇跡の陰に、たくさんの犬や猫の命が失われていることを知って欲しくて書いたそうです。絵本なら、その子が成長したときに、安易に飼ったり捨てたりはしなくなってくれるんじゃないか、と。命を軽視するどうしようもない大人になってしまう前に…。 もちろん、大人にも勧めたい本。
読了日:9月22日 著者:穴澤賢
うたう百物語 Strange Short Songs (幽ブックス)
★3.5 百首の短歌と、歌からイメージして書かれた掌編。
見開き2ページ弱の短い物語は、どれも夢幻のような、ぼんやりとした怪しさ。語り手の性別や生死すら不明だったり、登場する人や怪しい存在が何者なのかも、何があったのかもあやふやな、幻想的なものが多い。明解な話が好きな私には、モヤモヤ感があって、1つ読み終わるごとに、「つまりこういうことなのかな?」と話を整理しないと気が済まない感じになるので、読むペースが上がらなかった。 こういう話も決して嫌いではないのに、サラッと楽しめる感性がない自分が残念。
でも、装丁といい、文章といい、短歌の短い言葉に込められた内容の濃密さといい、しっとりと美しい怪しさを味わえる本。
読了日:9月26日 著者:佐藤弓生
うどんのうーやん
★4.5 『ちくわのわーさん』より先に順番が来た! これは文句なしに楽しい絵本(*^^*)
【人手不足のうどん屋さん、うどん自ら走って出前先へ!その道中、いろんなものに出会います。】
うどんが走ってるし!(爆)。関西弁なのも、すごくいい味出してるなぁ。「かめへん かめへん。まぜてしもたら わからへん」とか(笑)。『どこいったん』も関西弁が良かったし、関西弁と絵本て、相性いいんじゃないかな?もっと出たらいいのに! 最後、お客さんはどんな反応を?とドキドキ。あー、面白かった♪ 『ちくわのわーさん』も楽しみだ☆
読了日:9月29日 著者:岡田 よしたか
てふてふ荘へようこそ
★4 新聞にドラマ化の紹介記事があって、あらすじが面白そうだったので。
【敷金礼金なし、家賃一万三千円、最初の一ヶ月は家賃なしの「てふてふ荘」。破格なのには理由があって…各部屋もれなく、幽霊付き!】
1号室から順に、連作短編のような形で話が進む。住人の事情、幽霊の事情、てふてふ荘の秘密などが、次第に明らかになって、その中で、住人達は気持ちを変化させ、それが幽霊にも影響を与え…。展開は割と定石通りで、都合が良すぎる点もあったけど、みんなが幽霊と仲良しなわけでもなく、それぞれに個性があって、飽きずに読めた。
読了日:9月30日 著者:乾 ルカ
読書メーター