今回は、呉須赤絵写しの香炉です。
最大径 8.3m、高 11.7㎝。江戸時代後期。
奔放な絵付けが施された香炉です。
獅子の口から煙が出るようになっています。
相当使い込まれています。内側の汚れは、こびり付いて取れません。
胴に2つ、大きな花が描かれています。
三本の足は、獅子面(鬼面?)になっています。
脚の内側には、焼成時の破裂を防ぐために穴があけられています。
脚の底に、砂が付いています。
香炉の底には、「亀助作」と大きく書かれています。江戸後期の京焼陶工、欽古堂亀祐(きんこどうきすけ、1765~1837)の作と思われます。一般には、亀祐として知られていますが、若い頃は、土橋亀助でした。
江戸時代後期、京都では、青木木米や奥田潁川などの名工が出て、盛んに中国陶磁器の写しを作りました。彼らの作る品には、単なる写しではなく、新たな作品として評されるレベルの物が多くあります。呉須赤絵写しで有名なのが奥田潁川です。欽古堂亀祐はその弟子です。
赤絵の線描だけでなく、獅子の表情なども、どこか優し気(^.^)
上手ですね(^_^)
あざとい写しではないし、日本の感覚がほんのりと感じられます。
それにしても、こんなに大きく自分の名前を書いていいのでしょうか(^^;
幕末期、陶工たちの自負心の大きさがうかがえます(^.^)
書籍で知ったものでしたが、その後は伊万里に行ってしまったので
亀助なる方がその弟子というのは初めて知りました。
(さすが故玩館、勉強になります)
このレベルの品になると、日本製の「呉須赤絵」が確立されているんでしょうね。
この品は、戦前コレクターの関係者から譲り受けた物です。まず大丈夫だと思います。