遅生の故玩館ブログ

中山道56番美江寺宿の古民家ミュージアム・故玩館(無料)です。徒然なる日々を、骨董、能楽、有機農業で語ります。

亀助作『呉須赤絵獅子香炉』

2021年12月22日 | 古陶磁ー大皿・大鉢・壷

今回は、呉須赤絵写しの香炉です。

最大径 8.3m、高 11.7㎝。江戸時代後期。

奔放な絵付けが施された香炉です。

獅子の口から煙が出るようになっています。

相当使い込まれています。内側の汚れは、こびり付いて取れません。

胴に2つ、大きな花が描かれています。

三本の足は、獅子面(鬼面?)になっています。

脚の内側には、焼成時の破裂を防ぐために穴があけられています。

脚の底に、砂が付いています。

香炉の底には、「亀助作」と大きく書かれています。江戸後期の京焼陶工、欽古堂亀祐(きんこどうきすけ、1765~1837)の作と思われます。一般には、亀祐として知られていますが、若い頃は、土橋亀助でした。

江戸時代後期、京都では、青木木米や奥田潁川などの名工が出て、盛んに中国陶磁器の写しを作りました。彼らの作る品には、単なる写しではなく、新たな作品として評されるレベルの物が多くあります。呉須赤絵写しで有名なのが奥田潁川です。欽古堂亀祐はその弟子です。

赤絵の線描だけでなく、獅子の表情なども、どこか優し気(^.^)

 


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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
遅生さんへ (Dr.K)
2021-12-22 10:13:43
なんとなく、和風な穏やかさを感じますが、「亀助作」の銘がなかったら、呉須赤絵の本歌と間違えてしまいそうですね。
上手ですね(^_^)
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Dr.kさんへ (遅生)
2021-12-22 12:23:15
こういう品を見ると、ホッとします。
あざとい写しではないし、日本の感覚がほんのりと感じられます。
それにしても、こんなに大きく自分の名前を書いていいのでしょうか(^^;
幕末期、陶工たちの自負心の大きさがうかがえます(^.^)
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遅生さんへ (酒田の人)
2021-12-22 20:48:55
呉須赤絵写しといえば「奥田潁川」というのは、焼物に興味を持ち始めた頃に
書籍で知ったものでしたが、その後は伊万里に行ってしまったので
亀助なる方がその弟子というのは初めて知りました。
(さすが故玩館、勉強になります)
このレベルの品になると、日本製の「呉須赤絵」が確立されているんでしょうね。
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酒田の人さんへ (遅生)
2021-12-23 06:08:56
青木木米はもとより、奥田潁川など、京都陶工の品を簡単に入手するのは難しいです。評価が高いのですね。もちろん、コピー品もいっぱいです。
この品は、戦前コレクターの関係者から譲り受けた物です。まず大丈夫だと思います。
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