遅生の故玩館ブログ

中山道56番美江寺宿の古民家ミュージアム・故玩館(無料)です。徒然なる日々を、骨董、能楽、有機農業で語ります。

幕末の仇花『内外新報』1

2023年05月22日 | 高札

今回の品は、『太政官日誌第六』が出た慶應四年三月の翌月、慶応四年四月に創刊された『内外新報』です。これは、戊辰戦争のさなか、佐幕派の橋本貫一らの海運会社が、薩長勢力に対して言論で一矢むくいたいとしてはじめた新聞です。粗末な和紙に木版刷り、3,4日毎に小冊子形式で出されました。

今回の品は、『内外新報』の四月分、1号~18号です。

一か月分の内外新報が糸で綴られ、簡易製本されています。「海運会社執事」となっていますが、「海運会社」の実態はよくわかりません。幕府側の組織であることは確かです。

ページを開くと・・・

りゃりゃ、第ニ号(四月十三日)から始まる?

内側に、「内外新報第一号」(四月十日)が別に入っていました。

紙縒りで綴じてあります。破損が酷い(^^;

なぜ、創刊号だけ別なのかわかりません。レイアウトは一緒です。しかし、紙の大きさが創刊号の方が少し大きい。何らかの事情があったのでしょう。

破れ、虫食いは仕方がないですが、印刷の不鮮明さが目立ちます。

『太政官日誌』と較べると、資金力の差が歴然です。

   『太政官日誌』    『内外日報』  

『内外新報』は、慶應四年六月一日第六十号をもって発刊禁止、廃刊となりました。3カ月足らずの寿命でした。

『内外新報』の内容に関しては、次回ブログで。


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6 コメント

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Unknown (1948219suisen)
2023-05-22 14:25:37
それにしてもこんな貴重な資料をよく保存されていたことに感心します。本来なら残ってはいない資料なのでしょうに…。次回のこの内容の記事を楽しみに待たせていただきます。
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1948219suisenさんへ (遅生)
2023-05-22 17:43:14
世の中が大きく動いている混乱期には、思わぬものが生まれては消えていきます。しばらくたてば、何事もなかったかのよう。
そういうものを見つけ、そっとひろい上げてやるのもガラクタ蒐集家の務めかと(^^;
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遅生さんへ (Dr.K)
2023-05-22 19:28:28
新政府が新聞を発行したことに対抗して、幕府側も新聞を発行していたのですね。
でも、新政府側の発行した新聞は、れっきとした新政府側の発行した新聞と分かるのに対し、幕府側の発行した新聞は、発行主体がはっきりしませんね。それにお粗末ですね。
この情報戦においても、新政府側が優勢であったことが分かりますね。

それにしても、まぁ、よくぞ、流れをフォローして蒐集されていますね(^-^*)
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Dr.Kさんへ (遅生)
2023-05-22 19:46:19
この品は、全く偶然に見つけました。
他に、高札廃止時の県布告にも同じように偶然めぐり合いました。

よく骨董で、欲しいと強く念じれば物の方から寄ってくる、と言いますが、特に強く念じていたわけではありません。だいたい、そんな物の存在すら知らないわけですから。偶然にしては不思議です。見えない手に導かれる!?(^^;
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遅生さんへ(その2) (Dr.K)
2023-05-23 09:02:58
「よく骨董で、欲しいと強く念じれば物の方から寄ってくる」と言われますが、それは、その物の存在を知っているからのことですよね。この場合は、その物の存在させ知らなかったわけですから、念じようもありませんよね(^_^)
それに、私としては、強く念じるといっても、それは、金に糸目を付けずに念じる場合だと思うんです。
強く念じても手に負えない金額では念じようがありませんものね、、、(~_~;)

この場合は、物の方から寄ってきたということでしょうか(^-^*)
「私も仲間にいれてくれ~」って、、、。
私の場合も、何回か、同じような体験をしています(^_^)
突然に、ひょいと眼前に現われるんですよね。
そんな時は、「あれっ、こんなのがあったのか」って思いますよね。
そんな時って、なんか、運命的なものを感じますよね(^-^*)
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Dr.Kさんへ(弐) (遅生)
2023-05-23 10:44:15
やはりDrも経験有りですか。
不思議ですよね。
まあ、大げさに言えば霊的体験。
何がどう転んでそうなるのかはわかりませんが、欲しかったものが芋ずる式に手に入ることも。
まあ、冷静に考えれば、アンテナの感度と守備範囲の問題なのでしょうが、ここはひとつ夢を大きくして、運命の女神が微笑んだことにしておきましょう(^.^)
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