ここしばらく、九谷焼を中心に、色絵陶磁器を紹介してきました。
今回の品は、30年程前に九谷(☜ここ注目)皿として入手した物です。
径 14.0㎝、高台径 8.4㎝、高 2.4㎝。時代?
色絵で花鳥紋が描かれた皿です。
所々に虹彩もみられます。
手慣れた筆使いです。
裏模様もこなれています。
古いタイプに有りの角福銘。
これは・・・と期待されます😊
が、しかし!!(*_*)
古格が感じられません😢
表面の擦れ、小傷が無いのです。色絵陶磁器の赤釉は特に脆いので疵がつきやすく、古い品物の赤色部分には、ほとんどの場合、何がしかの疵がみられます。ところが、今回の品では、細い赤線部分ですら、顕微拡大しても無疵なのです。
どうやら、近代になって作られた古九谷風の品(九谷?皿)とするのが妥当なようです(^.^)
美しく、穏やかで、平和な絵を楽しんでいます。
鳥の胸毛の薄い黄色が絵を統一しているような・・・。
今回の品は、非常に良く出来ていますが、残念ながら時代が新しいです(^^;
棚に飾っておくにはいいですね。地震がきても、青ざめることはない(^.^)
ただ、私がひっかりますのは、その造形です。
捻り縁に作られていますが、古九谷の場合は、型押しして作られたのか、表面も裏面もはっきり捻られたように作られていますよね。その点、これは、裏面が鎬ぎ状に削られて捻りが表現されているんですよね。
このように上手に古伊万里を本歌取りすることが出来るのは、大聖寺かなと思いました。
伊万里の早い頃に作られた古九谷様式のものを、明治になって大聖寺で本歌取りした、大聖寺伊万里ではないかなと思いました。
大聖寺伊万里といいますよ、もっと派手な、金襴手の伊万里写しが多いですが、このような古格を感じさせる上品で力強い絵付けのもあったのだな~と思いました。
もっとも、大聖寺伊万里も九谷といえば九谷ですから、当時としては間違いではないわけですけれど、現時点では紛らわしいですよね(~_~;)
そうなんです、これは型押しではなく、裏を筋削りした、ナンチャッテ鎬なんです(^^; 絵付けには抜かりなかったけれど、ここをはしょったのですね。
私も大聖寺ではないかと思います。
筆の走りが相当なものです。
この辺のキワドイ物については、まだよくわかっていないようです。というより、腫れ物に触るようで、誰も言及しない(^^;
大聖寺も含め、九谷では明治にかなりの量の古九谷風の物が作られたそうです。今回の品の他にもありますので、また、アップします(^.^)