時代劇でおなじみの脇息(きょうそく)です。
横 41.8cm、縦 39.5cm、高さ 27.6㎝。江戸時代。
骨董に狂いはじめたころ、右も左もわからないまま、思わず手を出した品です。
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相当古い布です。扇面模様でしょうか。
かなりへたっています。
骨董屋女主人の言う「しょう(性?生?精?)がぬけた」状態ですね(^^;
この種の品のウリは蒔絵と品格。
どんなお方が使っていたのか、興味あるところです。
脇息は今でも作られています。将棋の藤井聡太棋聖、対局の時に脇にあります(もちろん、対戦相手の脇にも)。でも、普通の生活の中ではなかなか見られません。
ところが、どこの骨董市をのぞいても、脇息はあります。誰も手を出しませんから(^^;
そんな不要物をなぜ買った?
一度、言ってみたかったのです・・・・
『苦しうない。もそっとちこうよれ』(^.^)
脇息にもたれて、梨子地の重箱を眺める、いいですねぇ。
主人公の姿がだんだん見えてきましたよ。
しょうが抜けた、とは祖母の口から聞いたことかあります。
布の引っ張りかなくポロっと破れたときに。
こういうのは張り替えると価値が下がるのですか?
布は張り替えられます。業者でなくても、大抵の女性なら、自分でできると思います。そのまま使えます。ただ、骨董的価値はなくなります。
主人公の姿は虚像です。実体は、「しょうがぬけて」います(^.^)
『苦しうない。もそっとちこうよれ』と言いたいがために脇息を買ってきたのですか(笑)。
でも、古い布のものは貧乏たらしくみえますね。
それに反し、蒔絵のものは品格がありますね。
蒔絵の脇息を使っている人から『苦しうない。もそっとちこうよれ』と言われたら、おもわずひれ伏してしまいそうです(^_^;
古布を取り替えても無理でしょう。
わかっちゃいるけど止められない。
要するに、妄想遊びです(^^;
本当にそうですね。
普段の生活が当たり前すぎて、気づく事はほとんどないですが、外国で暮らしてみると、普通の生活の中にまだ残っている伝統や歴史の重みをひしひしと感じますね。