遅生の故玩館ブログ

中山道56番美江寺宿の古民家ミュージアム・故玩館(無料)です。徒然なる日々を、骨董、能楽、有機農業で語ります。

青磁象嵌草花紋花瓶 ~土産の虫にも五分の魂~

2021年08月27日 | 古陶磁ー高麗・李朝

今回は、青磁象嵌草花紋花瓶です。

最大径 11.5㎝、口径 9.9㎝、底径 9.6㎝、高 17.7㎝。近年作。

どこから見ても新しい品です。

それもそのはず、これは韓国土産でもらった物です。当然いい加減な扱い。通り一遍のお礼を言った後は、しっかり見たこともありませんでした(^^;

妙に整っていて綺麗、しかし全体に力がない。

これは、悪意があるかないかにかかわらず、コピー品がもっている特徴です。

肩の連弁紋も、ひょろひょろした線。

これは象嵌ではなく、筆で描いたに違いない ・・・・

と思いきや、拡大してみると ・・・・・

白線に沿って、貫入が入っています。

 

草花の黒い茎にも・・・・

貫入が入っています。

象嵌で地を削ると、模様に沿ってひずみが生じるので、焼成した後、上釉に貫入が入るのです。

下部の連弁紋内の黒丸の中には・・・・

上釉がはじけて、黒土がのぞいています。

これまで、土産物の青磁ではね、と思っていたのですが、真面目に造られているのですね。

しかし、こうなってくると逆に、高麗、李朝物に対する見方が、ますますわからなくなってきました。

ふっと底を覗くと・・・

上側の造りとは不似合いな底造り。

製作者も息が抜けてしまったらしい(^.^)


コメント (2)    この記事についてブログを書く
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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
遅生さんへ (Dr.K)
2021-08-27 18:58:25
これ、本歌だったら国宝級ですよね(^-^*)
私も、これとそっくりのものを、やはり知人からもらって持っています(^_^)
でも、なかなか良く出来ていますよね。
私も、しみじみと見ていないのですが、私の所持品も、底までは息が続かずに終わってしまっているのかもしれませんね(^_^;
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Dr.kさんへ (遅生)
2021-08-27 19:28:55
Drも持っていますか。
こういう機会でもないと、しみじみとは眺められません(^^;

それなりによくできているのですが、うったえるものがありません。アンドロイド美人みたいなもんです。多少オカチメンコでも、やはり。・・・・(^^;
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