五感で観る

「生き甲斐の心理学」教育普及活動中。五感を通して観えてくるものを書き綴っています。

若きチェリストの音色

2013年05月26日 | 第2章 五感と体感
幼い頃から才能を発揮されている上野通明さんは、只今17歳。

友人の紹介で上野さんの存在を知り、上野さんが高校一年生になったばかりの時に初めて聴かせていただいたのは丁度二年前です。
お父様の仕事の関係で中南米、スペインバルセロナで生まれ育ち、今は日本で暮らしています。

今回の舞台はホテルオークラ東京。月に一度25日に催しているロビーコンサートです。このロビーコンサートも今年で25年になるとか。先日が318回目のコンサートだったそうです。お陰でこのような素敵なメセナ事業をしていることも知り、得した気分でもあります。

土曜日の曲目は、ベートーヴェンのチェロソナタから始まりました。

そして、二曲目。

黛敏郎の「文楽」という現代音楽。

琵琶の音が聴こえてきたり、三味線の音が聴こえてきたり、上野さんが奏でる音色が音色を越えていることに驚きました。チェロの音色は常々ヒトに近いと思っていたのですが、まるで筆で油絵を描くようにマチエール(筆のタッチ)が変わっていくのです。

演奏会後に、ご本人から話を聴くと、去年は出雲大社で雅楽とのコラボもされたそうです。

才能のある若手チェリストであっても、経験の少ない中から邦楽の音の本質を捉えることは、多分身体全体で感じるものから探っていくしかないと思います。
身体全体で感じ取る感性を「音色という投影」で表現することの素晴らしさを改めて感じました。

邦楽を意識した「文楽」を練習し始めたのは最近とのことです。

文楽も好いでしょう。
歌舞伎も好いでしょう。
能楽にも是非触れていただきたいとも思いました。

それにしてもチェロから聴こえてくる琵琶の響きは、能楽蝉丸の哀しき音色にも聴こえ、これからどのくらいになっていくのだろう、、、と思う中、17歳という若さに大きな希望を見させていただきました。

若きチェリストと握手をすると、二年前も感じた柔らかい手が蘇りました。
修行を続ける人の手であるとしみじみ思いました。

今後の更なる成長と活躍を楽しみにしています。

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