勿忘草 ( わすれなぐさ )

「一生感動一生青春」相田みつをさんのことばを生きる証として・・・

花かげ

2007-04-07 19:43:51 | Weblog
 台東区谷中といえば、谷中の墓地として名高い谷中霊園がある。知る人ぞ知る桜の名所でもある。

 葉が目立ち始めた桜も、最後の命を惜しむように、花吹雪となって、桜並木に薄紅色の絨毯を敷き詰め、道行く人を楽しませてくれている。

 はらはらと散る花びらの向こうから、悲しげなメロディーが流れてきた。曲は子供の頃よく歌った「花かげ」。眼をやると、お歳を召した二人の男性が、笛の二重奏を楽しんでいる。何と風流な・・・♪

花かげ



十五夜お月さま ひとりぼち

さくら吹雪の 花かげに

花嫁姿の お姉さま

車にゆられて ゆきました


十五夜お月さま 見てたでしょう

さくら吹雪の 花かげに

花嫁姿の 姉さまと

お別れおしんで 泣きました


十五夜お月さま ひとりぼち

さくら吹雪の はなかげに

遠いお里の お姉さま

私はひとりに なりました


詩・大村主計

 谷中霊園 には、15代将軍・徳川慶喜の墓もあり、他にも、昭和の大スター・長谷川一夫さんをはじめ、日本画の巨匠・横山大観さんなど数多くの著名人が眠っている。

 満開に咲き誇った桜の花も、春風に舞い散る姿は、哀しげでもあった。
2007.04.07