手に取るな
やはり野に置け
蓮華草
やはり野に置け
蓮華草
れんげの美しさは、それが自然の中にあるからで、美しいからといって採って家に持ち帰っても美しいわけではない。どんなものでもそれにふさわしい存在場所があるものだ。
滝野瓢水(たきのひょうすい)氏の句で知られる蓮華の花、岐阜県の県花でもある。花を上から見ると輪になっていることから、仏像の蓮華座に見立てて「レンゲ」あるいは「ケンゲ」というそうだ。花言葉は、「心が和らぐ」「私の苦しみを和らげる」「感化」などの意味を持つという。
人にはそれぞれに存在価値があり、それぞれの個性がある。他人と同じである必要はない。花は誰のためでもなく、何のためでもなく、ただ咲いている。それだけで美しい。野の花を見ると思い出す歌がある。作詞・作曲 浜口庫之助さん、唄 伊藤きよ子さんの「花と小父さん」である。
-花と小父さん-
ちいさな花に くちづけをしたら
ちいさい声で僕に言ったよ
小父さんあなたはやさしい人ね
私を摘んで おうちにつれてって
私はあなたのお部屋の中で
一生懸命咲いて慰めてあげるわ
どうせ短い私の生命
小父さん見てて 終わるまで
可愛い花を 僕はつんで
部屋の机に飾っておいた
毎日僕は急いで家に
帰って花とお話をした
小さいままで 可愛いままで
或る朝花は散っていたよ
約束通り僕は見ていた
花の生命の終わるまで
終わるまで
ちいさな花に くちづけをしたら
ちいさい声で僕に言ったよ
小父さんあなたはやさしい人ね
私を摘んで おうちにつれてって
私はあなたのお部屋の中で
一生懸命咲いて慰めてあげるわ
どうせ短い私の生命
小父さん見てて 終わるまで
可愛い花を 僕はつんで
部屋の机に飾っておいた
毎日僕は急いで家に
帰って花とお話をした
小さいままで 可愛いままで
或る朝花は散っていたよ
約束通り僕は見ていた
花の生命の終わるまで
終わるまで
若い頃、ギターを爪弾きながら、好きで歌ったこの唄。古い歌なので、ご存知の方は少ないと思うが、語りかけるようなフォーク調の歌である。
旅の地で見た蓮華草の花が、今は鮮やかな思い出もいずれはセピア色に変え、心を和らげてくれるだろう。
2007.04.19