美濃は1,300年の歴史を持つ日本の誇る和紙の里であり、美濃町は目の字型の町割りが特徴の、伝統的建造物群保存地区だそうだ。
その町の中を、美しさと強さ、やわらかさが魅力の、ピンクの美濃和紙で飾られた花みこし約30基が練り歩く『美濃まつり』は始まる。
「オイサッ、オイサッ」の掛け声が、周囲の山々にこだますると、町は熱気の渦に巻き込まれ、
まつりは最高潮に達し、和紙のまちは、濃淡混じりあったピンク一色に染め抜かれる。 熱気と活気に満ちた一日が暮れると、街角には、郷土芸能『美濃流し仁輪加(にわか)』が現れ、各町内で、ユニークな衣装と素朴な美濃弁を駆使した、社会風刺のコントが繰り広げられ、町内を回って、仁輪加コンテストが行われる。
そうして町の中は、午後10時過ぎまで、あちらこちらから聞こえてくる笑い声で夜は更けて行く。
夜が明けると、前日に花みこしで賑わった町は、江戸時代に製作されたという6両の貴重な山車が繰り出し、前日同様の賑わいを見せる。こうして2日間にわたる美濃のまつりは幕を閉じ、うだつのあがる町並みはまた元の静寂が戻るのである。
美濃町の美しい町並みの特徴は、和紙を扱い、財をなした商人が築いた町家の屋根にあがる、威風堂々とした『うだつ』の美しさでもある。
明日は、そのうだつについて、うだつのあがらない僕がお話します。
2007.04.17