
■メイン写真
善防山の山頂から、槍のように尖った笠松山を望む
■今回のコース
播磨下里駅→本丸登山口→第2頂上→善防山→吊橋→笠松山→古法華寺→皿池→
播磨下里駅
M社の登山ツアーで、加西アルプスをガイドしてきた。
善防山と笠松山で構成される、標高250m程度のミニアルプスだ。
山は標高だけで評価できない典型で、初球の岩稜が続く絶景のルートは、
山城あり、吊橋あり、磨崖仏ありと、楽しさ満載のエリアだ。
京阪神からは公共交通機関を使った場合、アクセスだけでも、ちょっとした旅である。
JRなら加古川駅で2両編成の加古川線に乗り換え、さらに粟生で単行運行の
北条鉄道に乗る。
神戸電鉄なら鈴蘭台駅から、存続問題の声が起きつつある粟生線に乗り、終点の粟生に
出るという、なかなか「遠い」ところ。
ただクルマでのアクセスは、山陽道の加古川北インターから数キロなので意外に便利だ。

北条鉄道の播磨下里駅は、登録有形文化財にも指定されている、ローカル色たっぷりの駅。

しばらく車道を南に進み、神姫バスの下里農協前バス停のすぐ横にある本丸登山口へ。
朝のうちは雨具が要らない程度の小雨がパラついていたが、天気は回復方向にある。
竹藪を抜けると、コシダが茂る坂になり、続いて岩場が出てくる。
岩場といっても浮石はなく、滑りにくいしっかりした岩質なので、初心者にも扱いやすい。

北側の善防公民館から直登するエボシ岩ルートが見えてくる。

我々が登っている本丸ルートにも、なかなかの岩場が出現。
トラロープが上から垂らしてあるが、少なくとも登りには使わないほうがいい。

第2頂上を経て、善防山の山頂に着く。
山頂部は平坦になっている。
室町時代に赤松氏の善防山城が築かれていたところで、曲輪の跡も残る。
山座同定する札がいくつも立っている。
1441年「嘉吉の乱」で、室町6代将軍・足利義教を暗殺した赤松氏が、幕府方の
細川・山名軍に攻められた場所だ。赤松方は、敵兵が足を滑らせるよう、岩肌に油を
含んだ竹の皮を敷き詰めたが、逆に、そこに火をつけられ城は炎上し落ちたという。
昼食をすませ、山頂をあとにする。急坂を下る途中で振り返ると、善防山の南壁は
ものすごい岩壁になっているのがわかる。天然の要害である。

吊橋を渡る。橋の下は人工的な切通しになっていて、古法華寺に続く車道が通る。

橋を渡ると、一枚岩の急登だ。ちょっぴり緊張するものの、愉快爽快!

登り終えると、ひとつ先の岩尾根と、その先に笠松山が覗く。

岩尾根をよ~く見ると、ダルマ大師の磨崖仏が見える。
調べても由来がよく分からない。

長石(おさいし)の砕石場。
この地域で産出される凝灰岩は長石と呼ばれ、なんと古墳時代から採掘されていた
という。この地域で石像文化が発達したのもうなずける。

笠松山への最後の登り。いよいよ「槍の穂先」だ。

展望台が建つ山頂からは全方位の眺め。
天気が回復して、善防山にいたときよりも周りの景色がクリアに見えるようになった。
空気がもっと澄めば、明石海峡大橋や淡路島まで見えるという。

古法華(ふるぼっけ)寺に下り始めてすぐ、進行方向右側の斜面が黒焦げになっている
2021年11月に山火事が発生したもの。けっこう広く焼けていて、まだまだ痛々しい。

一気に下りる。
収蔵庫には、白鳳時代に作られた最古の石仏で、国の重要文化財である本尊の石造浮彫
如来三尊像が安置されている。
隣に石彫アトリエ館があり、石彫体験(要予約)ができる。
すぐ下に駐車場や公衆トイレがある。

ここからは車道を歩くことになる。さっき渡った吊橋の下をくぐる。

皿池のめがね橋(全長70m)、弁天島との架け橋だ。
皿池は、湿地観察デッキ、東屋、藤棚、噴水などが整備された親水公園だ。
20分ほどで、播磨下里駅に戻れる。1時間に1本の気動車を待つ間、お客様たちと
いろいろ雑談。こうした時間も貴重で楽しい。
善防山の山頂から、槍のように尖った笠松山を望む
■今回のコース
播磨下里駅→本丸登山口→第2頂上→善防山→吊橋→笠松山→古法華寺→皿池→
播磨下里駅
M社の登山ツアーで、加西アルプスをガイドしてきた。
善防山と笠松山で構成される、標高250m程度のミニアルプスだ。
山は標高だけで評価できない典型で、初球の岩稜が続く絶景のルートは、
山城あり、吊橋あり、磨崖仏ありと、楽しさ満載のエリアだ。
京阪神からは公共交通機関を使った場合、アクセスだけでも、ちょっとした旅である。
JRなら加古川駅で2両編成の加古川線に乗り換え、さらに粟生で単行運行の
北条鉄道に乗る。
神戸電鉄なら鈴蘭台駅から、存続問題の声が起きつつある粟生線に乗り、終点の粟生に
出るという、なかなか「遠い」ところ。
ただクルマでのアクセスは、山陽道の加古川北インターから数キロなので意外に便利だ。

北条鉄道の播磨下里駅は、登録有形文化財にも指定されている、ローカル色たっぷりの駅。

しばらく車道を南に進み、神姫バスの下里農協前バス停のすぐ横にある本丸登山口へ。
朝のうちは雨具が要らない程度の小雨がパラついていたが、天気は回復方向にある。
竹藪を抜けると、コシダが茂る坂になり、続いて岩場が出てくる。
岩場といっても浮石はなく、滑りにくいしっかりした岩質なので、初心者にも扱いやすい。

北側の善防公民館から直登するエボシ岩ルートが見えてくる。

我々が登っている本丸ルートにも、なかなかの岩場が出現。
トラロープが上から垂らしてあるが、少なくとも登りには使わないほうがいい。

第2頂上を経て、善防山の山頂に着く。
山頂部は平坦になっている。
室町時代に赤松氏の善防山城が築かれていたところで、曲輪の跡も残る。
山座同定する札がいくつも立っている。
1441年「嘉吉の乱」で、室町6代将軍・足利義教を暗殺した赤松氏が、幕府方の
細川・山名軍に攻められた場所だ。赤松方は、敵兵が足を滑らせるよう、岩肌に油を
含んだ竹の皮を敷き詰めたが、逆に、そこに火をつけられ城は炎上し落ちたという。
昼食をすませ、山頂をあとにする。急坂を下る途中で振り返ると、善防山の南壁は
ものすごい岩壁になっているのがわかる。天然の要害である。

吊橋を渡る。橋の下は人工的な切通しになっていて、古法華寺に続く車道が通る。

橋を渡ると、一枚岩の急登だ。ちょっぴり緊張するものの、愉快爽快!

登り終えると、ひとつ先の岩尾根と、その先に笠松山が覗く。

岩尾根をよ~く見ると、ダルマ大師の磨崖仏が見える。
調べても由来がよく分からない。

長石(おさいし)の砕石場。
この地域で産出される凝灰岩は長石と呼ばれ、なんと古墳時代から採掘されていた
という。この地域で石像文化が発達したのもうなずける。

笠松山への最後の登り。いよいよ「槍の穂先」だ。

展望台が建つ山頂からは全方位の眺め。
天気が回復して、善防山にいたときよりも周りの景色がクリアに見えるようになった。
空気がもっと澄めば、明石海峡大橋や淡路島まで見えるという。

古法華(ふるぼっけ)寺に下り始めてすぐ、進行方向右側の斜面が黒焦げになっている
2021年11月に山火事が発生したもの。けっこう広く焼けていて、まだまだ痛々しい。

一気に下りる。
収蔵庫には、白鳳時代に作られた最古の石仏で、国の重要文化財である本尊の石造浮彫
如来三尊像が安置されている。
隣に石彫アトリエ館があり、石彫体験(要予約)ができる。
すぐ下に駐車場や公衆トイレがある。

ここからは車道を歩くことになる。さっき渡った吊橋の下をくぐる。

皿池のめがね橋(全長70m)、弁天島との架け橋だ。
皿池は、湿地観察デッキ、東屋、藤棚、噴水などが整備された親水公園だ。
20分ほどで、播磨下里駅に戻れる。1時間に1本の気動車を待つ間、お客様たちと
いろいろ雑談。こうした時間も貴重で楽しい。