難航していたサッカー日本代表の次期監督問題にようやく終止符が打たれました!日本サッカー協会は8月30日、イタリア人指導者のアルベルト・ザッケローニ氏が次期監督に就任することを発表。一夜明けた31日に就任会見が行われました。
協会によると、ザッケローニ氏は29日に極秘で来日し、30日に9月の代表2連戦で監督代行を務める原博実・強化担当技術委員長と小倉純二協会会長と会談し、交渉では基本的合意に達したとのこと。日本代表の外国人監督は史上6人目、イタリア人監督はこれが初めてとなります。
31日の就任会見では、冒頭で「よろしくお願いします」と日本語で挨拶。就任要請については「すぐにでもチャレンジしたい気持ちになった」と即決であることをアピールし、日本代表を引き受けた理由は「大きな挑戦を経験するには代表監督の仕事をしたかった」と述べました。来年1月のアジアカップでは「トップ3を狙わないといけない」と最低でもベスト4入り、2014年のブラジルW杯では「そのお祭りに日本も立たないといけない」とW杯出場を目標に掲げていました。
会見では他にもイタリア時代は「ザック」と呼ばれていた、好きな日本語は「サムライ」、寿司も大丈夫で、「日本人の気持ちにならないといけないので、次の会見では日本語でやりたい」と冗談を交えながら日本での生活に意欲を見せておりました。
代表人事では、U-21代表監督が内定している関塚隆氏(元川崎フロンターレ監督)がフル代表のコーチを務めること、イタリア人コーチを3人招く予定だそうです。ザッケローニ新監督は、9月の国際Aマッチ2試合は就労ビザの発給の関係で指揮を執れずにスタンド観戦、初采配は10月8日のアルゼンチン戦でとなります。
代表に召集されている海外組の選手も続々と来日し、新監督がザッケローニ氏に決まったことについてのコメントが相次いでおります。本田圭佑選手は「名前はもちろん知っているけど、詳しいことは分からない」に留め、香川真司選手は「全然知らない人」と言いつつ、「イタリア人というのはびっくりした」と驚きを隠せず。セリエAで活躍する森本貴幸選手は新監督の下でのプレーを楽しみにしていて、長友佑都選手は「代表監督がイタリア人になるのは個人的にうれしい」と歓迎していました。
新監督となったザッケローニ氏の経歴を見ると、1983年に30歳の若さで指導者のキャリアをスタートさせ、これまでにACミラン、ラツィオ、インテル、ユヴェントスといったセリエAの名門クラブなど13チームの監督を歴任。1998~1999シーズンにはミランをスクデット(優勝)に導きました。しかしその後は、成績低迷による解任が続き、昨季に指揮を執っていたユヴェントスではシーズン7位に終わり、オフに解任されました。このため現地・イタリアでは「過去の名将」「賞味期限切れ」と言われています。
日本代表にとって世界的に知名度のある指導者が監督になるのは恐らく初めてじゃないかと思います。不安点を挙げるなら、日本代表史上初のイタリア人指導者、監督本人が代表クラスで指揮を執るのが初めてだということでしょう。戦術面では「カテナチオ」より攻撃サッカーを好む人物なので、ザッケローニ流で決定力不足が解消すればいいですね。そのためには、森本選手には頑張ってほしいところです。
事前に来日し、就任会見での「親日家」アピールで日本代表を本気で強くしたいかどうかわからないけど、新監督の手腕で来年1月のアジアカップ制覇、その先のブラジルW杯出場に導いてくれることを願っています。