2013年の中央競馬総決算・第58回有馬記念(GⅠ・芝2500m 16頭立て)が22日、中山競馬場で行われました。毎年劇的なドラマが生まれるこのレース、今年は現役最強馬⑥オルフェーヴルの引退レースとして注目が集まっていました。昨年の勝ち馬⑭ゴールドシップは、ライアン・ムーア騎手とのコンビで連覇に挑戦。ゴルシの主戦騎手だった内田博幸騎手は⑯トーセンジョーダンに騎乗。他にも屈腱炎から戻って来た④ウインバリアシオン、⑩アドマイヤラクティ、⑨ルルーシュ、金鯱賞を勝った③カレンミロティック、ステイヤーズステークスの勝ち馬⑤デスペラード、⑮ナカヤマナイトなどが参戦しました。
レース直前の単勝の上位人気は、オルフェーヴルが単勝1.6倍と圧倒的1番人気を集め、ゴールドシップが2番人気(4.4倍)で追う。10倍を切ったのはこの2頭のみで、3番人気以降はアドマイヤラクティ、ウインバリアシオン、トーセンジョーダン、カレンミロティック、デスペラード、②ヴェルデグリーンと続きました。
注目のスタートで、ゴールドシップとオルフェーヴルはスタートしてすぐに後方に下げる。先行争いで、好ダッシュを見せたルルーシュが先手を取り、カレンミロティックが2番手につける。①ダノンバラード3番手、⑧ラブリーデイ4番手。その外側にアドマイヤラクティとナカヤマナイトが接近。1周目のスタンド前に差し掛かり、ルルーシュが単独先頭。ラクティが6番手。中団グループにはジョーダン、⑬トゥザグローリー、デスペラード、ウインバリアシオン、ゴールドシップ。オルフェは13番手でゴール板を通過。
1コーナーを回り、先頭のルルーシュは前半1000mを60秒8で通過。カレンミロティックが相変わらず2番手、3番手集団はダノンバラード・ナカヤマナイト・ラブリーデイの3頭が並ぶ。少し離れた中団グループには、アドマイヤラクティ6番手、7番手トーセンジョーダン、8番手にデスペラード、9番手に⑦タマモベストプレイ、トゥザグロ10番手。その後ろにはバリアシオンとゴルシが並走し、オルフェーヴルは13番手。オルフェはゴルシの背後を見る感じ。後方は②ヴェルデグリーン、⑪ラブイズブーシェ、⑫テイエムイナズマがポツンと置かれて最後方追走。
3コーナーを回り、オルフェーヴルが早くも追い出し始め、先頭集団はルルーシュがズルズル後退し、今度はミロティックが先頭に浮上。ゴールドシップも進出するが、オルフェがあっさりとかわし、4コーナーで先頭集団まで上がり、カレンミロティックまで抜いて先頭に躍り出る!最後の直線に入り、オルフェーヴルが一気にラストスパート!後続ではウインバリアシオンが2番手、ゴールドシップが3番手。しかし、オルフェーヴルがぐんぐん差を拡げ、ぶっちぎりで先頭ゴールイン!ラストランの有馬でケタ違いの強さを見せつけ、文句なしの完全勝利!
全着順&払戻金
1着⑥オルフェーヴル 2分32秒3
2着②ウインバリアシオン 8馬身
3着⑭ゴールドシップ 1馬身1/2
4着⑪ラブイズブーシェ 2馬身1/2
5着タマモベストプレイ クビ
6着③カレンミロティック アタマ
7着⑤デスペラード ハナ
8着⑬トゥザグローリー 2馬身1/2
9着⑫テイエムイナズマ 1馬身1/4
10着②ヴェルデグリーン クビ
11着⑩アドマイヤラクティ 2馬身1/2
12着⑧ラブリーデイ 1馬身1/4
13着⑮ナカヤマナイト 1馬身1/2
14着⑯トーセンジョーダン 1/2馬身
15着①ダノンバラード 7馬身
16着⑨ルルーシュ 大差
単勝 ⑤ 160円
複勝 ⑥ 110円 ④ 250円 ⑭ 170円
枠連 [2]-[3] 610円
馬連 ④-⑥ 860円
馬単 ⑥-④ 1020円
ワイド ④-⑥ 350円 ④-⑭ 950円 ⑥-⑭ 250円
3連複 ④-⑥-⑭ 1420円
3連単 ⑥-④-⑭ 5240円
現役最後のレースで強いオルフェーヴルが見られました!2年前にクラシック三冠を制した頃の走りが蘇ったというか、今までで最高のパフォーマンスだと思います。3コーナーからスパートを始め、大外から一気にまくって、4コーナーで早々と先頭に立つと、あとは独走で突き放すだけでした。終わってみれば2着に8馬身差の圧勝で有終の美を飾りました。「8馬身差」は有馬記念史上2番目の最大着差だそうです。ちなみにですが、2003年にシンボリクリスエスがこのレースを勝った時、2着に9馬身差をつけていました。ファン投票第1位&圧倒的1番人気にしっかりと応えたオルフェーヴル、最強のままターフを去ります。
2着に入ったウインバリアシオンは、長期休養からの完全復活を印象付けましたが、最後までオルフェを倒す事ができませんでした。でも、来年に繋がる走りだったと思います。くれぐれも屈腱炎の再発には気を付けて…。ゴールドシップは、乗り替わり&ブリンカー着用とあらゆる策を尽くしたけど、3着まででした。
優勝したオルフェーヴルに騎乗した池添謙一騎手、管理する池江泰寿調教師は、ともに有馬記念3勝目。池添騎手は優勝インタビューで「オルフェーヴルこそ世界一強い馬。この馬に出会えてよかった」と愛馬をねぎらっていました。ステイゴールド産駒は同レース3連覇となりました。ここ5年でステゴ産駒が4勝とかなり相性がいいですなあ。
オルフェーヴルは良くも悪くも記憶に残る馬だったと思います。2歳新馬戦で勝った後に騎手を振り落とし、2011年には史上7頭目の三冠馬。雨のダービーで不良馬場を苦にせず、菊花賞の時も池添騎手を落として新馬戦の再現を行い、有馬記念で「4冠制覇」で国内最強を証明。阪神大賞典での逸走、春の天皇賞での惨敗の後、宝塚記念で復活勝利。凱旋門賞では、直線で先頭に立ったときは「勝った!」と思ったけど、ゴール前でかわされて2着。あの時の落胆は大きかったです。
今年に入ってからは、産経大阪杯で勝利、宝塚記念に登録するも肺出血を起こして直前で回避。フランス遠征の時は、帯同馬に顔を蹴られるアクシデントがありながらも、フォア賞で圧勝。今度こそ凱旋門賞制覇の期待があったけど、本番ではトレヴの前に敗れて2着。着差以上の完敗でした…。そしてラストランの有馬記念で、3年半の集大成と言わんばかりの圧勝劇を見せてくれました。通算成績は21戦12勝、GⅠも通算6勝。
今後は社台スタリオンステーションで種牡馬となり、早ければ2017年にも初年度産駒がデビューします。オルフェの子供が将来、クラシックを勝つのもそうだけど、凱旋門賞に勝つ事もあるでしょう。全ての競馬ファンに感動と笑いを与えてくれたオルフェーヴル、今までありがとう!そして本当にお疲れさまでした。第2の人生=種牡馬としても頑張ってください!