22日に行われた有馬記念は、オルフェーヴルが優勝し、自らのラストランを飾りました。あれから一夜明けた23日、阪神競馬場で今年最後のJRA重賞競走・第8回阪神カップ(GⅡ・芝1400m)が行われました。来年のスプリント戦線を占うこのレースには、3連覇を狙う⑥サンカルロ、マイルチャンピオンシップ2着③ダイワマッジョーレ、今年重賞2勝の⑦クラレント、スワンステークスを勝った⑯コパノリチャード、⑧サダムパテックと⑩リアルインパクトのGⅠ馬2頭、さらには⑱マジンプロスパー、①ラトルスネーク、⑨エピセアロームなどが参戦しました。
スタートで①ラトルスネークがダッシュ付かず。先行争いで好スタートを切ったリアルインパクトが先手を奪い、2番手に⑭ガルボ、コパノリチャードと④タマモナイスプレイが3番手で並び、5番手にマジンプロスパー、真ん中にクラレント、ダイワマッジョーレは7番手辺り追走か。マッジョーレの真ん中に②ニンジャ、外にエピセアローム。スタートで出遅れたラトルは10番手。11番手グループにはサンカルロ、テイエムオオタカ、パテック、⑮スギノエンデバー、⑪ラインブラッド、⑰プリンセスメモリーの6頭。後方は⑫ザッハトルテ17番手、⑬キングストリートが最後方追走。
3,4コーナー中間点を過ぎ、依然としてリアルがレースを引っ張り、ガルボが単独2番手。リチャードが3番手に浮上し、クラレントとプロスパーが5,6番手。マッジョーレは中団、サンカルロは馬群の中。18頭一団のまま最後の直線に入り、ガルボがリアルインパクトに並びかけ、後続ではクラレントとコパノリチャードが追いかける。さらに大外からエンデバーが伸びてくる。ダイワマッジョーレ、サンカルロ、ラトルスネーク、マジンプロスパーの有力勢は馬群から抜け出せない。リアルとガルボの競り合いはラスト100mを切っても続いたが、内側のリアルインパクトが残り50m辺りで盛り返してゴールイン!最後までトップを守り抜き、逃げ切り勝ちで久々の重賞制覇です!
全着順&払戻金
1着⑩リアルインパクト 1分21秒4
2着⑭ガルボ クビ
3着⑦クラレント 3/4馬身
4着⑥サンカルロ 1馬身3/4
5着①ラトルスネーク クビ
6着⑧エピセアローム クビ
7着③ダイワマッジョーレ ハナ
8着⑧サダムパテック アタマ
9着⑮スギノエンデバー クビ
10着⑯コパノリチャード 1/2馬身
11着②ニンジャ クビ
12着⑱マジンプロスパー 3/4馬身
13着⑰プリンセスメモリー ハナ
14着⑤テイエムオオタカ 1馬身1/2
15着⑪ラインブラッド クビ
16着⑫ザッハトルテ ハナ
17着④タマモナイスプレイ 2馬身1/2
18着⑬キングストリート 大差
単勝 ⑩ 1540円
複勝 ⑩ 520円 ⑭ 590円 ⑦ 490円
枠連 [5]-[7] 5340円
馬連 ⑩-⑭ 13870円
馬単 ⑩-⑭ 28440円
ワイド ⑩-⑭ 2760円 ⑦-⑩ 3140円 ⑦-⑭ 3600円
3連複 ⑦-⑩-⑭ 47050円
3連単 ⑩-⑭-⑦ 328560円
2013年最後の重賞ウィナーはリアルインパクト!スタートから先頭に立つと、直線でガルボに一旦は並ばれるも、ゴール前で二の足を使って先頭ゴール。最後まで先頭で逃げ粘りました。リアルに騎乗したライアン・ムーア騎手は、今年重賞3勝目です。3連覇を狙ったサンカルロは4着、1番人気のダイワマッジョーレは7着、2番人気コパノリチャードは10着、マジンプロスパーは12着に終わりました。直線でかなりごちゃごちゃしていたもんなあ。
リアルインパクトは2011年の安田記念以来、実に約2年6か月ぶりの勝利で、通算3勝目を飾りました。安田記念を勝った後は、なかなか次の1勝が挙げられず、2ケタ順位に終わる事もありました。前々走の富士ステークスでは2着と久々に好走し、今回の阪神カップで見事に復活です。この1勝を機にまた飛躍してほしいし、引退までにGⅠ2勝目を挙げてほしいものです。
今年の中央競馬は全ての日程が終了。131勝を挙げた福永祐一騎手が2年ぶり2度目の全国リーディングに輝きました。今年の福永騎手は、菊花賞と秋の天皇賞でGⅠ2勝をマークし、私生活でも松尾翠さんと結婚し、公私ともに充実した1年となりました。翠さん、いい旦那さんを見つけましたね!「関東リーディング部門」では、内田博幸騎手が114勝でトップ(全国4位)。地方・大井競馬から移籍した戸崎圭太騎手は113勝で関東2位でした。
今年の競馬界を振り返って、ロードカナロアが「短距離の絶対王者」ぶりを発揮し、得意の1200mでは無敵を誇り、マイル・安田記念も勝ち、引退レースの香港スプリントで2連覇を達成。1年間でGⅠ4勝を挙げたから、年度代表馬は確実でしょう。3歳戦線では、皐月賞でロゴタイプ、日本ダービーではキズナが優勝、菊花賞ではエピファネイアが快勝しました。メイショウマンボが牝馬2冠&エリザベス女王杯も制し、「最優秀3歳牝馬」は決定的。武豊騎手もダービーをきっかけに復活を印象付け、マイルチャンピオンシップで前人未到のGⅠ100勝を達成しました。
秋にはオルフェーヴルとキズナがフランス遠征を行い、凱旋門賞前哨戦(フォワ賞&ニエル賞)で優勝し、「今年こそ日本勢初優勝か!」と期待していたけど、本番ではトレヴの前に完敗。オルフェは2年連続で2着、キズナも4着でした。昨年の年度代表馬・ジェンティルドンナは、3連敗のあとジャパンカップ2連覇を果たしました。そして暮れの大一番・有馬記念で、オルフェーヴルが8馬身差の圧勝で有終の美。引退レースで最高のパフォーマンスを見せてくれました。
来年の競馬界は、キズナVSエピファの再戦、ジェンティルVSマンボ真の女王対決の実現、さらに現在休養中のフェノーメノ&ロゴタイプの復帰がいつになるのか気になるところです。オルフェ無き後の競馬界の中心に立つのは一体どの馬でしょうか?