2014年のJRAGⅠ開幕戦・第31回フェブラリーステークス(GI・ダート1600m 16頭立て)が23日、東京競馬場で行われました。ダート最強馬を決めるこのレース、昨年の最優秀ダートホース⑪ベルシャザール、交流GⅠ2連勝中の⑮ホッコータルマエ、2年連続3着⑦ワンダーアキュート、ユニコーンステークスを勝った②ベストウォーリア、東海ステークスで復活勝利を挙げた⑦ニホンピロアワーズ、根岸ステークスを制した①ゴールスキー、他にも⑫ブライトライン、根岸S2着⑥ノーザンリバー、⑩ドリームバレンチノ、⑤エーシントップなどが参戦しました。
直前の単勝のオッズは、ベルシャザールが2.7倍で1番人気、ホッコータルマエが2番人気(3.6倍)、3番人気はベストウォーリア(7.0倍)、4番人気のニホンピロアワーズ(7.8倍)までが10倍以下で、5番人気以降はワンダーアキュート、ゴールスキー、ブライトライン、⑨アドマイヤロイヤル、⑯シルクフォーチュンと続きました。
芝コースからのスタートは、16頭ほぼ揃い、目立った出遅れは無し。先行争いでエーシントップが先手を奪い、2番手に⑭コパノリッキー、3番手に⑭ダノンカモンと③ソロルが並び、5番手にノーザンリバー、その外の6番手にホッコータルマエがいる。その後ろの中団グループには、ベストウォーリア、ワンダーアキュート、ドリームバレンチノ、ブライトライン、にホンピロアワーズ、ベルシャザールと有力勢が固まっている。中団より後ろには、ゴールスキー、⑧グランドシチー、しんがりスタートのシルクフォーチュンが内から追い上げ、アドマイヤロイヤルが最後方に。
16頭一団の状態で3コーナーに差し掛かり、依然としてトップが先頭でレースを引っ張り、前半800mを48.0秒で通過。タルマエは6番手阿あたりを追走し、ブライトラインも好位置につける。ベルシャは後方に下げてから、大外に持ち出す。4コーナーを回って最後の直線に入り、先頭争いはエーシントップ、コパノリッキー、ダノンカモン、ブラントライン、ホッコータルマエの5頭が並び、残り400mでリッキーがわずかに前に出るが、タルマエとブライトが差を詰めにかかる。ベルシャザールも懸命に追い込むが、思うように伸びてこない。残り200mでコパノリッキーが単独先頭に立ち、ホッコータルマエが2番手から追いかけるが、リッキーがタルマエを振り切ってそのままゴールイン!人気薄の伏兵・コパノリッキーが粘り勝ちで大金星!タルマエ&ベルシャの2強を抑え、GⅠタイトルを掻っ攫いました!
全着順&払戻金
1着⑬コパノリッキー 1分36秒0
2着⑮ホッコータルマエ 1/2馬身
3着⑪ベルシャザール 1馬身3/4
4着⑥ノーザンリバー クビ
5着⑫ブライトライン クビ
6着④ワンダーアキュート ハナ
7着⑭ダノンカモン 1馬身1/2
8着⑦ニホンピロアワーズ ハナ
9着⑩ドリームバレンチノ クビ
10着①ゴールスキー 3/4馬身
11着⑧グランドシチー アタマ
12着③ソロル クビ
13着②ベストウォーリア ハナ
14着⑨アドマイヤロイヤル ハナ
15着⑯シルクフォーチュン 1馬身3/4
16着⑤エーシントップ 8馬身
単勝 ⑬ 27210円
複勝 ⑬ 3310円 ⑮ 140円 ⑪ 140円
枠連 [7]-[8] 10560円
馬連 ⑬-⑮ 84380円
馬単 ⑬-⑮ 256050円
ワイド ⑬-⑮ 15760円 ⑪-⑬ 14890円 ⑪-⑮ 240円
3連複 ⑪-⑬-⑮ 55360円
3連単 ⑬-⑮-⑪ 949120円
ベルシャザールVSホッコータルマエのダート頂上対決と言われていた今年のフェブラリーステークスですが、誰もがビックリするような、大波乱の結果となりました。単勝オッズ272.1倍、出走メンバー中最低となる16番人気だったコパノリッキーが、2強を抑えて優勝。単勝の27,210円は、GⅠ史上歴代2番目の高額配当で、馬単⑬-⑮で25万を超え、3蓮単で94万9120円もつきました。最低人気でのGⅠ勝利は、1989年のエリザベス女王杯のサンドピアリス(20頭中20番人気。単勝の配当43,060円はGⅠ歴代最高額)、2000年スプリンターズステークスのダイタクヤマト(16頭中16番人気。単勝25750円)以来史上3頭目です。
コパノリッキーはGⅠ初出走で初優勝、鞍上の田辺裕信騎手はデビュー13年目で悲願の初制覇。リッキーを管理する村山明調教師は、2012年のテスタマッタに次いで同レース2勝目。この馬の父は、2003年の勝ち馬・ゴールドアリュールで、エスポワールシチーに続いての親子制覇となりました。そして、馬主の小林祥晃さんは、風水学者「Dr.コパ」の愛称で知られており、2009年の全日本2歳優駿を勝ったラブミーチャン(笠松所属)、重賞2勝のコパノリチャード、コパノフウジン(今月5日に亡くなったばかり)などを所有しています。
まさかの大波乱を演出したコパノリッキーは、デビューからずっとダートを走っていて、昨年5月の兵庫チャンピオンシップ(@園田競馬場。交流重賞)では、ベストウォーリアやソロルを破って重賞初制覇。その後に右橈骨(とうこつ)を骨折して半年間も休養。復帰後は霜月ステークスで10着、フェアウェルステークスで9着と惨敗続き。しかし、復帰3戦目となった今回のフェブラリーSで、最低人気を覆しての復活勝利を成し遂げました。GⅠホースの仲間入りを果たしたリッキーは、3月のドバイ国際競走で「ゴドルフィンマイル」と「ドバイワールドカップ」の2レースに予備登録。ドバイ遠征が決まったら、どっちのレースを使うのだろうか?
上位人気勢は、2番人気のホッコータルマエが2着、1番人気だったベルシャザールは直線の追い上げも及ばず3着まで。3番人気・ベストウォーリアは13着に沈みました。タルマエは芝スタートをうまくこなしたけれど、前を行くコパノリッキーの粘りの前に完敗。連戦の疲れもあるだろうし、距離が短かったと思います。昨年のジャパンカップダートで3着、フェブラリーで2着となかなか中央GⅠのタイトルが届かない…。ベルシャは休養明けが響いたかもしれません。この2頭は「ワールドカップ」の出走を受諾しております。日本代表として恥じない走りをみせてほしい。