2016年の上半期の競馬界の総決算・第57回宝塚記念(GⅠ・芝2200m 17頭立て)が26日、阪神競馬場で行われました。春の天皇賞馬でファン投票1位の③キタサンブラック、この秋の凱旋門賞をめざす⑨ドゥラメンテの「4歳2強」に加え、大阪杯を勝った②アンビシャス、昨年の宝塚記念を制した⑦ラブリーデイ、昨年のエリザベス女王杯を制した⑯マリアライト、ドゥラメンテと共にドバイシーマクラシックに参戦した④ワンアンドオンリーと⑥ラストインパクト、他にも春天2着⑩カレンミロティック、阪神コースが得意な⑤シュヴァルグラン、⑫サトノノブレス・⑧ステファノス・⑰ヤマカツエースの「鳴尾記念組」、その他にも⑪トーホウジャッカル、⑮サトノクラウンなどが参戦しました。
単勝の人気は、1番人気がドゥラメンテ(1.9倍)、2番人気キタサンブラック(5.0倍)、アンビシャスが3番人気(9.1倍)。4番人気以降はラブリーデイ、シュヴァルグラン、トーホウジャッカル、ステファノス、マリアライト、サトノクラウンと続きました。
注目のスタートは、キタサンブラックが好スタートを決めたのに対し、ドゥラメンテは後方から。正面スタンド前での先行争いで、キタサンブラック、ワンアンドオンリー、ラブリーデイ、カレンミロティック、トーホウジャッカル、サトノノブレスの6頭が前を行ったが、キタブラがハナに立った。シュヴァルグランは7番手、アンビシャスは内ラチ沿いを通り、ステファノスは中団、マリアライト12番手、ドゥラメンテは14番手でゴール板を通過した。
1,2コーナーを回って、向正面に差し掛かったところで、キタブラが先頭、ワンオン2番手、アンビシャスとジャッカルが3,4番手で並ぶ。その後ろの5番手集団には、ノブレス・シュヴァル・ミロティックの3頭が固まっている。中団グループは、ラブリー8番手、9番手ラストインパクト、内側10番手①フェイムゲーム、外の11番手マリアライト、12番手ステファノス、そしてドゥラメンテは13番手を追走する。サトクラ14番手、15番手⑭ヒットザターゲット、16番手ヤマカツエース、⑬タッチングスピーチがポツンと最後方を進む。
内回り3コーナーを回り、キタサンブラック先頭、サトノノブレスが2番手、ラブリーデイも3番手に進出。大外からマリアライトが先頭集団に加わる勢いだ。アンビシャスは少し後退気味、ドゥラメンテはまだ中団馬群の中。直線でどうやって抜け出すのか?
4コーナーを通過し、勝負はいよいよ最後の直線へ。逃げるキタサンブラックが後続を引き離そうとする、2番手からラブリーデイ、ステファノスが間を割って入ろうとする。大外からはマリアライト、さらにドゥラメンテがグイグイと追い上げてきた!そしてゴール前、マリアが粘るキタブラを捕らえ、外からドゥラが襲い掛かったが、マリアライトが先頭でゴールイン!牝馬・マリアライトが、ドゥラメンテとキタサンブラックを抑えて宝塚記念を制しました!
宝塚記念 全着順&払戻金
1着⑯マリアライト 2分12秒8
2着⑨ドゥラメンテ クビ
3着③キタサンブラック ハナ
4着⑦ラブリーデイ 1馬身1/4
5着⑧ステファノス 2馬身1/2
6着⑮サトノクラウン
7着⑥ラストインパクト
8着⑫サトノノブレス
9着⑤シュヴァルグラン
10着⑭ヒットザターゲット
11着⑩カレンミロティック
12着⑬タッチングスピーチ
13着⑰ヤマカツエース
14着④ワンアンドオンリー
15着⑪トーホウジャッカル
16着②アンビシャス
17着①フェイムゲーム
単勝 ⑯ 2510円
複勝 ⑯ 350円 ⑨ 110円 ③ 150円
枠連 [5]-[8] 1050円
馬連 ⑨-⑯ 2440円
馬単 ⑯-⑨ 8460円
ワイド ⑨-⑯ 770円 ③-⑯ 1150円 ③-⑨ 250円
3連複 ③-⑨-⑯ 2800円
3連単 ⑯-⑨-③ 26250円
今年の上半期を締め括るグランプリレースは、単勝8番人気のマリアライトが優勝しました。牝馬がこのレースを勝利したのは、2005年のスイープトウショウ以来、11年ぶり史上3頭目です。断然の1番人気だったドゥラメンテはクビ差の2着、序盤から逃げ続けたキタサンブラックは3着。昨年の覇者・ラブリーデイは4着、3番人気のアンビシャスは直線ズルズル下がってブービーの16着に沈みました。
勝ったマリアライトは、昨年のエリザベス女王杯以来となる勝利を挙げ、GⅠも通算2勝目。鞍上の蛯名正義騎手と久保田貴士調教師は、宝塚記念初勝利。また、ディープインパクト産駒も同レース初Vで、父子制覇達成となりました。
この日のマリアライトは、スタートから中団に控え続け、3コーナーのところでグイグイ押しながら外から4番手まで浮上。最後の直線では、蛯名騎手の激しいムチに応えるように脚を伸ばし、ゴール前で逃げるキタサンブラックをかわすと、ドゥラメンテの追い上げを凌いでゴールしました。道悪の馬場で強い牡馬を倒したのは大きいし、蛯名騎手の気迫ある騎乗ぶりも素晴らしかったです。それにしても蛯名騎手はGⅠの大舞台で穴を開けるし、外枠の馬に乗って勝つよなぁ…。皐月賞のディーマジェスティの時もそうだったし…。
ところで2着に敗れたドゥラメンテですが、ゴールした直後に故障を発生。ゴール後のVTRを見て、脚がガクンとなってました。恐らくボコボコの馬場に脚を取られたのでしょう。ミルコ・デムーロ騎手が下馬し、馬運車で運ばれたので、「骨折したんじゃないか」と心配になりましたが、「左前肢跛行」と診断されました。軽症で済んでよかったけれど、目標としていた凱旋門賞の挑戦は断念することになりました。強い内容で勝って、凱旋門へ弾みをつけてほしかっただけに、このようなケガに見舞われたのは残念としか言えません。
昨年はダービーを勝った後に両脚を骨折、今年も宝塚記念で左前脚を跛行…。とても強い馬なのに、どうしてケガばかり続くのでしょうか…。今のところ全治は不明、年内も白紙だから、このまま引退の可能性もあると思います。ドゥラメンテには一日でも早くケガを治してほしいです。