6月19日に始まった夏競馬もいよいよ最終日。9月に入っても真夏のような暑さが続く5日は、新潟と小倉で2歳重賞が行われました。ここから2歳戦線の主役&来年のクラシックで活躍する馬は現れるのか?
小倉のメイン・第30回小倉2歳ステークス(GⅢ)は、芝1200m・17頭で争われました。このレースには、デビュー2連勝の⑭シゲルキョクチョウをはじめ、デビュー戦で6馬身差の圧勝劇を見せた⑧ブラウンワイルドと⑫ドレッドノート、アグネスタキオン産駒の⑦ジンクアッシュなどが参戦してきました。
スタートで①タガノロックオンと②タガノゲンジの1枠2頭が出遅れ、シゲルキョクチョウが好スタートを切って先頭に立ちます。2番手集団には⑥ムジョウ、ドレッドノート、⑰バラードソングがつけ、5番手争いに⑤テイエムターゲットと③モアグレイス。中団の位置にジンクアッシュ、ブラウンワイルドは中団より後ろの13番手で追走。後方には⑬ホーマンルッツが15番手。
4コーナーに差し掛かるところでキョクチョウが単独先頭をキープ、2番手にドレッドノート、バラードソング3番手、⑮トーホウベッグが外に持ち出して直線に入り、シゲルキョクチョウが突き放して逃げ切りを図る。しかし大外からブラウンワイルドが襲い掛かる!さらには⑦スギノエンデバーも伸びてきた!ブラウンワイルドとキョクチョウの差が徐々に縮まり、最後は2頭並んでゴール!大接戦となったゴール前、わずかにブラウンワイルドが差し切って1着!シゲルキョクチョウは最後交わされて2着、スギノエンデバーは及ばず3着でした。
夏の小倉のフィナーレを飾る一戦は、ブラウンワイルドが1番人気の期待にこたえて小倉2歳ステークスを制しました。前走のフェニックス賞ではシゲルキョクチョウに逃げ切りを許してしまいましたが、今回は鋭い末脚で逃げるキョクチョウをゴール前で捕らえ、フェニックス賞の雪辱を果たしました。これで通算成績3戦2勝、次は府中や阪神外回りといった長い直線のある競馬場で末脚を見てみたい。
2着のシゲルキョクチョウは、スタートダッシュが決まったり、直線で他馬を突き放す場面では逃げ切るんじゃないのかと思いました。デビュー3連勝とはならなかったものの、内容ある走りでした。瞬発力の良さなら短距離路線でも活躍できるんじゃないか?
新潟では第30回新潟2歳ステークス(GⅢ)が行われ、⑥サイレントソニックと⑫レッドセインツのディープインパクト産駒2頭が出走し、「ディープジュニア」の重賞初制覇に注目が集まりました。他にも1番人気に支持された④クリーンエコロジー、デビュー2連勝の⑰エーシンブラン、⑱キッズニゴウハン、②リーサムポイントなど将来が期待される馬たちが集結。
スタート前、⑨ホーマンフリップがゲート内で暴れてしまい、その際故障発生したため競走除外。当初のフルゲート18頭から17頭に変更となりました。仕切りなおしのスタートでは、リーサムポイントと⑪ワイルドジュニア、ニゴウハンが立ち遅れ。先行争いでは①マイネルラクリマ、⑦マルタカシクレノン、⑩リュウシンヒーローの3頭が抜け、クリーンエコロジーが掛かり気味で、そのあおりを受けるような感じでサイレントソニックが中団まで後退。レッドセインツは13番手追走、その外につける形でエーシンブラン、キッズニゴウハンが後方2番手という形で外回り3コーナーに入る。
3コーナーでクリーンエコロジーが先頭に立ち、長い直線で先頭争いが激しくなる。サイレントソニックとマイネラクリマ、さらに③マイネフィデリオ、レッドセインツも追い上げる。残り200mでレッドセインツが僅かに先頭に立つが、真ん中でマイネルラクリマ、大外からエーシンブランと⑯マイネイザベルが強襲。ゴール前でイザベルが一気にかわしてゴールイン!イザベル騎乗の松岡正海騎手はガッツポーズ!!
上位人気2頭の決着となった小倉とは対照的に、新潟は伏兵のマイネイザベルが制し、2着も無印だったマイネルラクリマというマイネル軍団の1,2フィニッシュ決着。3連単で86万円台の荒れた決着となりました。ディープ産駒のレッドセインツは3着、サイレントソニックは8着で重賞初勝利ならず。1番人気のクリーンエコロジーは10着、2番人気だったリーサムポイントは12着でした。
優勝したマイネイザベルはデビュー2連勝で重賞初勝利。お父さんは2002年のNHKマイルカップを制したテレグノシス。今年種牡馬デビューを果たしたばかりなんですが、ディープインパクトより先に重賞ウィナーが誕生しました。この勢いで年末の阪神ジュベナイルフィリーズも制してしまうのか?
来週からは秋競馬がスタート!いよいよ秋のGI戦線も本格始動です。中山競馬場の京成杯オータムハンデキャップは、サンカルロ、キャプテンベガ、ムラマサノヨートー、メイショウレガーロ、セイクリッドバレーが出走予定。阪神競馬場のセントウルステークスには、高松宮記念を制したキンシャサノキセキが登場予定。他にも北九州記念を勝ったメリッサ、アイビスSDの勝ち馬・ケイティラブ、ダッシャーゴーゴー、サンダルフォン、ヘッドライナーなどが登録しています。
同じ日には凱旋門賞に挑戦するヴィクトワールピサがニエユ賞、ナカヤマフェスタがフォワ賞に出走します。どちらも凱旋門賞の前哨戦ともいえるレースなので、勝って弾みをつけられるといいですね。ロンシャンで日本の底力を見せつけてくれ!