

冬のダート王決定戦・第14回ジャパンカップダート(GⅠ・ダート1800m 16頭立て)が1日、阪神競馬場で行われました。来年から中京競馬場で「チャンピオンズカップ」が開催されるため、「ジャパンカップダート」としてはこれが最後となります。今年は最終回に相応しく豪華なメンバーが集結。今年GⅠ3勝の⑥ホッコータルマエ、長年ダート戦線を牽引し続け、これが引退レースとなる④エスポワールシチー、昨年の優勝馬⑭ニホンピロアワーズ、3歳ダート王⑤クリソライト、フェブラリーステークスを勝った②グレープブランデー、昨年末の東京大賞典を勝った①ローマンレジェンド、JBCレディスクラシック覇者③メーデイア、JCD2年連続2着の⑧ワンダーアキュートなどGⅠ馬9頭に加え、みやこステークスを勝った⑦ブライトライン、武蔵野ステークスを勝った⑫ベルジャザール、さらにアメリカから⑩パンツオンファイアが参戦しました。
レース直前の単勝のオッズは、ホッコータルマエが単勝1.9倍で1番人気。2番人気はローマンレジェンド(6.3倍)、ベルジャザールが3番人気(8.4倍)。4番人気以降はエスポワールシチー、ニホンピロアワーズ、ワンダーアキュート、ブライトライン、クリソライトと続きました。
スタート前、パンツオンファイアがゲート内で立ち上がるハプニングがありましたが、すぐに立て直す。スタートは16頭ほぼ綺麗に揃い、好スタートを切ったエスポワールシチーとメーデイアが先手を争い、ホッコータルマエとニホンピロアワーズが3番手で並走してゴール板を通過。ローマンレジェンドとワンダーアキュートは中団の位置、ベルジャザールは中団より後ろで1コーナーを回る。
2コーナーから向正面に差し掛かるところで、エスポワールが先手を取り、タルマエが2番手追走。3番手にニホンピロアワーズがつけ、4番手の外側に⑮インカンテーション、内ラチの5番手にメーデイア。6番手にクリソライト、7番手ブライトライン、グレープブランデーが8番手、ローマン9番手、ベルジャ10番手、アキュートが11番手で続く。中団より後ろの12番手グループには⑯テスタマッタ、⑪ソリタリーキング、⑨ナイスミーチューの3頭が並走。後方は15番手にパンツ、最後方に⑬グランドシチーという展開。
3コーナーを回り、先頭のエスポワールシチーは1000mを61秒台後半というスローペースで通過。残り600m地点でタルマエとアワーズがエスポワールに並びかけ、インカンとブライトも先頭集団に接近。さらにベルジャザールとテスタマッタも上がって来た。4コーナーから最後の直線コースに入り、ホッコータルマエがラスト300mで先頭に躍り出て、ニホンピロアワーズが2番手追走。真ん中からベルジャザール、外からワンダーアキュートが追い込み、逃げるタルマエに迫る。残り100mを切って、ベルジャがタルマエを捕らえ、アキュートも襲い掛かるが、ベルジャザールが先頭でゴールイン!ワンダーアキュートはあと一歩及ばず2着、ホッコータルマエは3着で入線。
全着順&払戻金
1着⑫ベルジャザール 1分50秒4
2着⑧ワンダーアキュート クビ
3着⑥ホッコータルマエ 1/2馬身
4着⑦ブライトライン 3馬身
5着⑭ニホンピロアワーズ 1馬身1/4
6着⑬グランドシチー アタマ
7着④エスポワールシチー 1馬身
8着⑯テスタマッタ クビ
9着⑪ソリタリーキング ハナ
10着③メーデイア アタマ
11着②グレープブランデー 1馬身1/4
12着⑨ナイスミーチュー 3/4馬身
13着①ローマンレジェンド 1/2馬身
14着⑮インカンテーション 1馬身1/4
15着⑤クリソライト 1/2馬身
16着⑩パンツオンファイア 3馬身1/2
単勝 ⑫840円
複勝 ⑫ 250円 ⑧ 260円 ⑥ 110円
枠連 [4]-[6] 2490円
馬連 ⑧-⑫ 4850円
馬単 ⑫-⑧ 9810円
ワイド ⑧-⑫ 1360円 ⑥-⑫ 380円 ⑥-⑧ 340円
3連複 ⑥-⑧-⑫ 2160円
3連単 ⑫-⑧-⑥ 24440円
オールスター級のメンバーが揃った最後のジャパンカップダートは、ホッコータルマエが一旦は先頭に立つも、真ん中から追い込んで来たベルジャザールがゴール前でタルマエを差し切り、ワンダーアキュートの追撃を抑えて優勝。ワンダーアキュートは昨年に続いて2着惜敗。JRAの同一GⅠ競走での3年連続2着は史上初だそうです。圧倒的1番人気に支持されていたホッコータルマエは、2頭にかわされて3着。抜け出した時は決まったかなと思ったんですが、最後まで粘れずに終わりました。幸英明騎手の乗り方もなんか変で、地方所属の騎手に乗り替わったのかと思いました。ムダな動きをせず、綺麗に乗っていたら勝てたのに…。
連覇を狙ったニホンピロアワーズは5着、ラストランのエスポワールシチーは7着に終わり、3番人気のローマンレジェンドは見せ場なく13着と惨敗。唯一の外国馬・パンツオンファイアは最下位の16着に沈みました。「お尻に火がつく」どころか「尻すぼみ」ですやん…。
優勝したベルジャザールの鞍上のクリストフ・ルメール騎手は、カネヒキリとのコンビで勝った2008年以来、2度目のJCD制覇。JRAのGI勝利は2009年ジャパンカップのウオッカ以来4年ぶりとなります。ベルジャを管理する松田国英調教師も同レース2勝目。2001年のJCDで圧勝したクロフネもマツクニ厩舎でした。また、キングカメハメハ産駒はJRAのダートGⅠ初勝利です。キンカメ産駒はベルジャとタルマエの他にもハタノヴァンクール、タイセイレジェンドといったダートGⅠ馬を輩出しております。
ベルジャザールは2011年の日本ダービーで3着の実績がありましたが、2012年のダービー卿チャレンジトロフィーで15着で大敗後、骨折と喉鳴りで1年間の長期休養を余儀なくされました。復帰後は「骨折した馬に芝のレースを走らせたくない」という松田調教師の意向によりダート路線に転向。復帰初戦の「1990sダービーメモリーズ ナリタブライアンカップ」で3着、2戦目の白川郷ステークスで約2年半ぶりの勝利を挙げ、ラジオ日本賞2着、ブラジルカップ1着の後、武蔵野ステークスで重賞初勝利。そして今回のJCDを制し、3連勝でGⅠ制覇。骨折を乗り越え、ダートで才能を開花させ、ダート6戦4勝で砂の頂点に立ちました。来年はフェブラリーステークス、その先のドバイワールドカップの挑戦も期待されます。
トーセンラーがマイルCSで勝ち、ベルジャザールがJCDを勝ったりと、クラシック競走でオルフェーヴルに太刀打ちできなかった馬達が次々とGⅠ勝ち。ウインバリアシオンも屈腱炎から復活し、復活への道を歩み始めました。オルフェも同期の頑張りを見て、刺激を大いに受けたに違いない。
来週は2歳女王決定戦・阪神ジュベナイルフィリーズが行われます。今年の2歳牝馬戦線は非常にハイレベルと言われており、重賞2勝のホウライアキコ、新潟2歳ステークスを勝った良血馬ハープスター、札幌2歳ステークス覇者レッドりヴェール、アルテミスステークスを制したマーブルカテドラル、松田博資厩舎期待の一頭・レーヴデトワール、他にもクリスマス、フォーエバーモア、モズハツコイなどが登録しております。
同じ日には、香港のシャティン競馬場で「香港国際競走」もあります。トウケイヘイローが「香港カップ」、アスカクリチャンが「香港ヴァーズ」に、ロードカナロアが「香港スプリント」に出走します。カナロアには是非とも連覇で有終の美を飾ってほしい!




