闘将と風の息子
今年の春3月。
コーキが3年生、カナタが4年生終了時でのお別れだった。
コーキはフォルトゥナSCへ、カナタはヴァンフォーレ甲府へ移籍したのだ。
ずっとそばで見たかった気もするが、
ふたりの新たなチャレンジを祝福しよう。
GOD BLESS YOU!
VAYA CON DIOS!
神様、ふたりを守ってね!
後列左から ユウマ カナタ ハルト コーキ
前列左から シュウ マッつん コトネ
2016 1/31 U-9フェスティバル グループA 1位 7人で!!!
闘将 細田康貴
コーキは園児の頃からブイブイいわせていた^^
根っからの大将気質は、年上の子でも名前は呼び捨てでいく。
「サッカーの時は呼び捨てでいいけど、ふだんは「くん」や「さん」をつけろ」
みんなの手前、一応注意はするけれど、聞くようなタマじゃないのは承知している。
伸びすぎた天狗の鼻はへし折るけど、キバを抜くほどのことじゃない。
園児の頃から「天才」とほめ殺しつづけた(本人じゃなく、お父さんに)
1年生の頃、ベンチでワタシがつぶやいたことを、
そのままピッチ上へ拡声してくれたっけ。
「そこいかないと・・・」
「そこいかないと!!!」
コーキにはまだムズい用語をつぶやくと、そのまんまを大声で怒鳴った後、
振り向いて言った
「どーゆーこと?」
1年生からU-10のセンターバックを任せ、
2年生最初の大会で、優秀選手賞を受賞した(5年生大会で!)
闘将は負けると泣き、負けないでも泣き、鼻血も出した。
お母さんと最後のあいさつに来た時も、鼻ポッチをしていた^^
まさにドゥンガのような少年は、フリーキックもコーナーもPKも蹴った。
読みと戦術眼は凡百の大人を凌駕し、誰よりも早く危険を察知し、
誰もが「やられた!」と思ったシュートを、ゴールの中からクリアしてみせた。
そこにいるか!? ガキんちょのくせに・・・。
チームの穴や水漏れは、もれなく彼が修復した。
これを専門用語でコーキングという・・・(分かる人には分かる)
そのセンスはディフェンスにとどまらず、
アタッカーとしても素晴らしく、何度も何度もゴールを決めた。
美しいインステップを蹴り、大きな子に仕掛けていく技術と度胸があった。
練習前後の整列では、
つねに余計な事を言い、ワタシにインサイドでおケツを蹴られた・・・
・・・と思わせ、身をかわした。
「てめ、やかましいな」と恫喝しつつ近づくと、
「え!? なんも言ってません」と背を向けて逃げる・・・
・・・ふたり、何もなかったように元の位置にもどる。チャンチャン
このお約束ができないのが淋しい^^
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風の息子 濱野哉太
カナタは2年生の始めに、マッつんと一緒に入団した。
なぜか毛ジラミにやられ、頭を丸めた^^
一休さんになったカナタは、みんなからイジられ、
イジけてママに助けを求めた。(最初に一休さん呼ばわりしたのはオレだm(__)m)
すぐに髪の毛は伸び、同時に頭角も現し、
日に日に上手くなり あっという間にエースになった。
一瞬にして伸びたことをママに告げた日のことをよくおぼえている。
「カナタぁ すばらしいよ」と言うと、
「ええっ? ヘタれですよ」
「エースんなりますよ」
「ええっ? ほんとですかぁ・・・」
この程度かなぁ、という私の予想をかなりの確率で上回っていった。
キーパーの出際を、アウトで逆へ転がしゴールを決める。
ループやジャンピングボレー、教えてないのにできてしまう。
イメージを具現化できる能力は稀有なものだ。
独走からキーパーをこっちの想像より早めに抜き、
何もできないキーパーの横をトップスピードで駆け抜け、
迫りくるゴールラインと角度の狭くなるゴールをものともせず、
インステップを振りぬく!
ワラゴール!
なんてヤツだっ!
こんなん見たことないぜ・・・ガキんちょのくせに
でも、ヘディングでリフティングさせると、
「せんだみつお」のナハナハみたく不格好で、3回くらいしかできません^^
カナタにボールが入れば、あとはお楽しみの時間だ。
そして、いったん前を向いたら、無人の野をゆく風のようだ。
サッカーにはたいがいスレっからした私でさえワクワクする。
団を去る日、記念のボールを2個用意して、みんなで寄せ書きをした。
カナタへのボールに、コーキがへたくそな字でこう書いた・・・
“ おたがい、がんばろうな ”
最後もタメぐちだ。
ちゅーか、上からじゃん^^
ワタシは2つのボールに同じ言葉を書いた。
“ カッコいい選手になってください ”