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ひろば 川崎高津公法研究室別室

川崎から、徒然なるままに。 行政法、租税法、財政法、政治、経済、鉄道などを論じ、ジャズ、クラシック、街歩きを愛する。

これぞ大学生の必読書(少なくとも私が大東文化大学および国学院大学で担当する講義・演習について)

2013年08月19日 01時00分22秒 | 本と雑誌

 別に今に限ったことではないのですが、講義でレポート課題を出したりすると、友人のものを丸写ししただけのレポートが提出されることがあります。誰がどう見ても、どこかの解説本か何かの丸写しというレポートもあります(ゼミでの報告レジュメも同様なので、参ることも度々あります)。中身について尋ねると答えられないので、すぐにわかります(変わったところでは「語るに落ちる」型もあります)。

 しかし、最近、何と言っても多いのは、ホームページの、何所の誰が書いたのかわからない記事からのコピペ(コピー&ペースト)です。数年前、レポート課題を出した時には、ホームページ丸ごとコピー&ペーストというレポートが提出されました。そんなものなど、私は採点しません。つまり、評価に値しないということです。御丁寧に出典とアドレスまで書かれていましたが、そうでなくてもすぐにわかります。ひどいものはフォントやサイズや色まで丸ごとコピー&ペーストですから、誰が見ても「パクリ」とわかります。

 そういう中で大学教育に携わり、講師5年、助教授5年、そして教授6年を過ごしてきましたが、文章作成能力、あるいはそれ以前の思考能力に問題があると思えてならないことも少なくありません。夏休み、酷暑の最中でもそのようなことを考え続けていた或る日、朝日新聞の広告で見つけ、「これはよさそうだ!」と思った本がありました。すぐに注文して、18日の午後に青葉台で購入しました。直感は大当たりでした。

 山口裕之『コピペと言われないレポートの書き方教室 3つのステップ』(2013年、新曜社)

 この本は大学生にとっても教員にとっても必読書です。強く推薦します。

 コピペ云々は、おそらく、引用というものがわかっていないことに由来します。引用の仕方、注の活用、接続詞の使い方、さらにメールによるレポートの提出の仕方など、基本と言える部分が全て盛り込まれています。欲を言えば段落についても触れていただきたかったのですが、直接的にコピペと関係がないからでしょう。

 この本に書かれていることで、もう一つだけ、納得したことを記しておきます。私は、基本的にメールを送る際には件名をしっかりと書くのですが、学生などから送られてくるメールには件名に何も書かれていないものが少なくありません。本文にも何も書かれていないようなメールもあります。それで添付ファイルが送られてくるのですから、私のパソコンに入っているメールソフトが「迷惑メール」に振り分けてしまいます。このために、学生はレジュメやレポートを提出したと言い張って、私は提出されていないと言ったことが何度かありました。「迷惑メール」など開いたら危険ですから、「最初から読まれたくないのかな?」などと疑ってしまいます。バイトの迷惑行為などとも共通する、想像力、というより思考力、さらに言うなら演繹力のなさが如実に現われます。気をつけて欲しいものです。

コメント (1)
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