今週の木曜日(22日)に大東文化大学法学部の行政法1、来週の月曜日(26日)に大東文化大学法学部の税法、そして来週の金曜日(30日)に國學院大学法学部の行政法1の期末試験が行われます。
このような時期に答案の書き方を記したりするのは遅きに失するかもしれません。しかし、全く何も伝えないよりはマシだろうと考えます。もっとも、私はこのブログで「法律学の勉強の仕方(その4) 答案練習」(2011年12月6日0時22分47秒付)という記事を掲載しています。これから書くことも、以前の記事と重複する部分が多くなります。あるいは要約のようなものとなるかもしれません(具体例もその記事を御覧下さい)。
まずやるべきことは、問題文を読むことです。論述式の問題の場合、問題文に論点(争点)が隠されています。また、論点以前に何について問われているかを理解しなければなりません(そうしなければ論点もわかりません)。
1.俗に言う一行問題、すなわち「●●について論じなさい」のような問題
この場合には、まず「●●」の定義を記すことから始めましょう。これがしっかりと書かれていなければ、採点者は「この答案を書いた人は●●を本当に理解していないのではないか?」と思います。こう思われたら終わりです。逆に、科目あるいは採点者によっては、定義が正確に(精確に)記されているだけでも合格最低点を付ける人もいるくらいです。
一行問題の場合は、「●●」の定義を記してから、論点(争点)に移ることとなります。出題者の意図は、論点(争点)にあるのです。これがなければ論述式の問題を出す意味がないからです。論点(争点)の背景も記せばよいでしょう。何故にその論点(争点)が存在するか、換言すれば、争われる理由を理解し、書けばよいのです。
論点(争点)が存在するということは、いくつかの理解なり説なりがあるということです。そこで、学説や判例の状況を示す必要があります。この具体的な中身は設問によって異なりますが、判例、通説、有力説の概要を示せば充分です(あまり多いと収拾が付かなくなるため)。
しかし、これで終わるのでは中途半端です。「法律学の勉強の仕方(その4) 答案練習」でも記しましたが、論述式問題で出題者が最終的に尋ねたいことは、解答者がいかなる立場を採って問題を処理しているのか、ということです。そこで、判例や学説の検討に入るのですが、この場合には勿論、解答者がいずれの説を採るかをあらかじめ決めておいた上で、検討や批判を行います。但し、感情的な議論ではだめです。論理構成、法的思考法の有無または程度が問われます。良質の教科書、論文などを参考にしましょう。
最後に結論です。当たり前のことですが、しっかりと記して下さい。
2.事例問題
基本的な構造は一行問題の場合と同じです。ただ、事例問題の場合は、先に事例に関係する論点(争点)を記し、その背景(理由)の一つとして「●●」の定義を記すという筋が一般的でしょう(そのほうが書きやすいはずです)。論点(争点)を示した後の構成は、一行問題の場合と同じです。
3.答案(文章)の構成
常に次の形を基本とすべきでしょう。
一.問題文に示されている用語の定義、その用語に関する論点の摘示
二.論点に関する判例や学説の概要
三.前段で示された判例や学説への検討、批判
四.結論
当たり前のことですが、構成を考えなければなりません。「法律学の勉強の仕方(その4) 答案練習」でも記しましたが、最初から最後まで改行なしという文章が書かれた答案やレポートを見かけますが、このようなものには構成も何もないので、読みにくいのです。
構成を考える際には、段落を活用しましょう。上の一~四は、それぞれが一つのまとまりであることが前提となっています。そのためには、段落を利用するのが最も楽です。