ひろば 川崎高津公法研究室別室

川崎から、徒然なるままに。 行政法、租税法、財政法、政治、経済、鉄道などを論じ、ジャズ、クラシック、街歩きを愛する。

基礎的財政収支の黒字化が後退、いや、もう実現不可能

2018年01月24日 00時22分15秒 | 国際・政治

 たまたまgooニュースを見たところ、読売新聞社が1月23日の20時27分付で報じていた記事が転載されていました。「財政黒字化、2027年度に後退…内閣府試算」(http://www.yomiuri.co.jp/economy/20180123-OYT1T50079.html?from=ytop_ylist)です。

 23日に経済財政諮問会議が開かれました。そこで内閣府が基礎的財政収支の黒字化の時期に関する試算を示したそうですが、2025年度→2027年度に変わっていました。

 その理由は、経済見通しの下方修正です。理由の理由という感じもしますが、2019年10月に消費税・地方消費税の税率引き上げが行われたとして「教育無償化」に充てられることも反映されているとのことです。

 ならば、あれだけ国際人権規約A規約の一部留保を続けてきたことは何だったのか、という気もしますが、後の祭りということになりますのでやめておきましょう。

 とは言え、2027年度に達成年度が延期されたとしても、相変わらず前提が楽観的にすぎます。2016年度のGDPの成長率(名目)が1.0%で、2017年度もこの程度であろうと思われますが、2020年度以降には1年で3.1%から3.5%の間で推移する、というのです。これでも3.7%から3.9%という予想からは下方修正されているのですが、高すぎるでしょう。むしろ、内閣府の試算は「日本で基礎的財政収支の黒字化を達成することは、不可能とまでは言わないまでも、非常に困難である」ということを意味する、と考えるのが最も無難で確実性の高いところではないかと思えます。

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