ひろば 川崎高津公法研究室別室

川崎から、徒然なるままに。 行政法、租税法、財政法、政治、経済、鉄道などを論じ、ジャズ、クラシック、街歩きを愛する。

東京五輪公式ショップ そもそも見たことがなかったのですが

2021年03月30日 00時00分00秒 | 社会・経済

 たまたま、YouTubeの「一月万冊」を見て知った話ですが、東京五輪公式ショップの多くが閉店しているようです。

 実のところ、私は東京五輪公式ショップの存在を知りませんでした。コロナ渦に見舞われる前は、東急田園都市線・東京メトロ半蔵門線を軸としつつ東京23区内のあちらこちらへ行くことが多かった私ですが、行動範囲のせいなのか、見たことも聞いたこともありません。そもそも、復興五輪と位置づけられながら東日本大震災からの復興は進んでいませんし、新国立競技場など、とかく問題ばかりが目立ち、興味も関心も持ちえなかったのでした。それ以前に、五輪とワールドカップについては、選手の皆様とは無関係な「世紀の馬鹿騒ぎ」としか思えないのです。

 Yahoo! Japan Newsには、2021年3月19日18時58分付で「東京五輪ショップ、半数以上が五輪前に閉店 なぜこんなことに?事務局に聞いた」(https://news.yahoo.co.jp/articles/fb6d6a9cc42f36670361dba3fb7578505c3b1475)という、元はJ-CASTニュースの記事が掲載されており、3月21日付で京王線府中駅の駅ビルにある公式ショップが閉店すると書かれていました。これは「東京2020オフィシャルショップ」の公式サイトにある「営業時間変更・休業・閉店店舗一覧」にも書かれています。

 一目見て驚いたのですが、東京の木場、名古屋、あべのハルカスなどに3月下旬から4月にかけて数店舗が新規オープンすることも書かれていたとは言え、閉店したところがあまりに多いのです。「営業時間変更・休業・閉店店舗一覧」には「小名浜店・水戸店・浦和美園店・深谷店・上尾店・鷲宮店・蘇我店・成田店・柏沼南店・新浦安店・横浜東口店・横浜西口店・新横浜店・武蔵小杉店・ 橋本店・相模大野店・藤沢店・大和鶴間店・湘南店・銀座店・東京タワー店・新宿東口店・上野店・北砂店・東雲店・渋谷店・池袋東口店・池袋西口店・ 東武練馬店・西新井店・葛西店・立川店・国領店・調布店・聖蹟桜ヶ丘店・新潟店・小松店・浜松店・ナゴヤドーム前店・常滑店・京都河原町店・京都店・ あべの店・心斎橋店・泉南店・岡山店・広島店・天神店・沖縄ライカム店は閉店いたしました」と書かれています。これを都道府県別に分けてみます。

 福島県:1(小名浜店)。

 茨城県:1(水戸店)。

 埼玉県:4(浦和美園店、深谷店、上尾店、鷲宮店)。

 千葉県:3(成田店、柏沼南店、新浦安店)。

 神奈川県:9(横浜東口店、横浜西口店、新横浜店、武蔵小杉店、橋本店、相模大野店、藤沢店、大和鶴間店、湘南店)。←現在、横浜市には一つも店舗がありません。

 東京都:17(銀座店、東京タワー店、新宿東口店、上野店、北砂店、東雲店、渋谷店、池袋東口店、池袋西口店、 東武練馬店、西新井店、葛西店、立川店、国領店、調布店、聖蹟桜ヶ丘店、府中店)。

 新潟県:1(新潟店)。

 石川県:1(小松店)。

 静岡県:1(浜松店)。

 愛知県:2(ナゴヤドーム前店、常滑店)。

 京都府:2(京都河原町店、京都店)。

 大阪府:3(あべの店、心斎橋店、泉南店)。

 岡山県:1(岡山店)。

 広島県:1(広島店)。

 福岡県:1(天神店)

 沖縄県:1(沖縄ライカム店)。

 合計:49店。

 また、私の見落としかもしれませんが、青森県、山形県、栃木県、群馬県、富山県、石川県、福井県、三重県、滋賀県、奈良県、和歌山県、鳥取県、島根県、山口県、愛媛県、徳島県、高知県、佐賀県、長崎県、大分県および宮崎県には、一つも店舗が置かれたことがなかったようです。

 上記記事によると、2020年4月末には89の店舗があったということですから、東京五輪が実際に開催されるか否かは別としても、50%を超える数の店舗が東京五輪開催を前にして閉じられたことになります。新型コロナ禍が大きな要因の一つであることはすぐにわかります(上記記事にも書かれていました)。しかし、それだけなのでしょうか。

 2020年3月に東京五輪の開催延期が決定されました。それから数日間は売上が伸びたということが上記記事にも書かれています。ここから先が書かれていないのですが、上記記事の調子からすれば、延期が決定される前もお客はあまり多くなく、売上も伸びていなかったのだろうという推測も成り立ちえます。その原因はいくつか考えられますが、そもそもコロナ渦よりも前から東京五輪への関心が薄かった、グッズの価額が高い、あるいはデザインが好まれない、店舗の場所が悪い、サーヴィスに問題がある、などとなるでしょうか。一つではなく、複数の原因が絡み合っているのかもしれません。

 あるいは、コロナ渦より前はそれなりに売上があったものの、2020年4月の緊急事態宣言によって売上が落ちたのかもしれません。実際に、4月から5月にかけて、少なくとも首都圏では多くの大規模小売店舗が休業を余儀なくされました。

 いずれにせよ、COVID-19によって、東京五輪は多くの日本国民の関心の対象から外されたと言えます。五輪が開催され、終了して少し経ってから公式ショップが閉じられるのが通常であるとすれば、中止となることが決まっておらず、開催されることが前提となっているのに、開催を前にして次々と閉じられるのは異常です。しかし、これは現在の国民生活を反映していると言えます。あるいは、半分強の公式ショップが閉店したことが東京五輪中止を見据えた動きの一つであると考えられなくもありませんが、それならスッパリと中止を宣言するほうが正しいでしょう。いずれにせよ、少なからぬ国民にとっては関心の外にあるということです。

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