国鉄時代には数少ない黒字路線の一つでもあり、現在でも混雑率の高いことで知られる南武線の川崎駅から立川駅までの区間では、E233系8000番台が運用されています。しかし、見た目だけではわかりにくいとは言え、1編成だけ、8000番台ではないものがあります。それが、下の写真にある鎌倉車両センター中原支所N36編成です。
分倍河原駅に、各駅停車立川行きの8500番台が到着するところです。外見は8000番台と同一と言ってもよいかもしれません。私も区別がつかなかったのでした。しかし、番台が違うということは、細かい所に差異があるということです。
まず、上の写真ではLEDのためにわかりにくくなっていますが、前面の行先表示が異なっています。8500番台では、行先表示の左側に列車番号が表示され、ほぼ中央に種別が、右側に行き先が表示されます。これに対し、8000番台では、列車番号が行先表示の箇所ではなく、下の写真(武蔵新城駅で撮影)でおわかりの通り、正面窓の左側下にあります。
よく見ると連結器の形も異なります。8500番台には電気連結器が備えられているのに対し、8000番台には装備されていません。
側面を見ると、ドアのそばにボタンが付けられています。これも南武線では8500番台のこの編成のみです。このボタンは半自動ドアのスイッチになっておりますが、南武線では使われておりません。最近ではこのような半自動ドアのスイッチが付けられている電車も増えているようで、私がよく利用する都営三田線で運用される相鉄21000系、東急東横線や東京メトロ副都心線で運用される相鉄20000系にも取り付けられています。
これに対し、E233系の8000番台には半自動ドアのスイッチが付けられていません。私が知る限りでは京浜東北線用の1000番台、常磐線各駅停車用の2000番台、横浜線用の6000番台にも装備されていません。
8000番台は、南武線用の新車として投入されました。これに対し、8500番台は、元々、中央本線、青梅線および五日市線のための車両である0番台であり、南武線に残っていた209系の置き換えのために同線に移ってきた車両です。勿論、南武線で運用されるにあたって改造を受けています。
ここで、1編成しかない8500番台がどのような車両によって構成されているのか、編成図(?)を示しておきましょう。左側が川崎方面で、右側が立川方面です。
クハE233-8570(1号車)・モハE233-8570(2号車)・モハE232-8570(3号車)・モハE233-8770(4号車)・モハE232-8770(5号車)・クハE232-8528(6号車)
6号車のみ車両番号が8528となっており、8000番台と異なって編成において番号が揃っていないことがわかります。