今日の朝日新聞朝刊9面14版に、小さな記事ではありますが「国の借金985兆円」という、非常に気になる記事があります。24日提出の今年度(2011年度)第4次補正予算案で明らかになりました。
今年度末の時点における借金の残高は、これまででも1024兆円ほどと、確実に1000兆円を超えると見込まれていたようですが、第4次補正予算案で985兆3586億円という見通しが出されました。かろうじて1000兆円を下回ることになります。しかし、これも束の間のことで、2012年末には1085兆円となるということです。
国の借金は、国債の他、様々な借入金からなります(http://kraft.cside3.jp/finanzrecht06-4.htm)。そもそも、国債という言葉にはいくつかの意味があり、広くとれば「財政上の必要による国の債務で償還期限一年以上の公債および借入金の他、資金繰りの必要による大蔵省証券等の短期証券および一時借入金をも包含する」ということになります(杉村章三郎『財政法』〔新版〕(1982年、有斐閣)64頁)。朝日新聞の記事における「国の借金」は「広義の国債」ということになるでしょう。
2011年度中に1000兆円に達しなかったことの大きな理由として、政府短期証券があげられます。最大で165兆円と見積もられていたのが129兆円に収まるためだとのことです。また、普通国債の発行残高も4000億円ほど減るようです。
しかし、2012年度は、復興債として2兆7000億円、それ以外の国債として44兆2000億円が発行分として予定されています。こうなると確実に残高が1000兆円を超えます。
これまで、1975年度以来、ほぼ毎年、赤字国債が発行されています。三位一体改革などの行革が進められたとしても、残高は増える一方です。勿論、「改革が不十分であったからこうなった」という評価もあるでしょう。それは大きな原因でもあります。しかし、それだけではないはずで、税制の歪み、社会における人口構造など、複数の原因があります。IMF関係者が、日本の消費税率について15%ほどが望ましいと発言したそうですが、むしろ歳出の見直しのほうが避けられない情勢です。
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