ぼくが高校生であった時、テレビ朝日で、木曜日の深夜に「ピーク・ア・ブー」という番組が放送されていました。1986年4月から9月までのことです。
タイトルロールが非常に印象的で、番組のテーマ曲が好きでした。その曲のために、無理をして起きていたくらいです。「青いメビウス」の、退廃的とも思える画像もよかったし、日本では作れないだろうと思えるようなアンニュイなBGMも素敵でしたが、やはりテーマ曲の節を聴きたかったのでした。
こんなようにテレビ番組のテーマ曲を知り、手に入れたくなったことは、この時くらいです。
ジャズ・フュージョン系ということだけはすぐにわかったのですが、演奏者や曲名は番組で明らかにされていません。
当時、六本木WAVEにも行っていたのですが、曲の手がかりがありません。スイングジャーナルの質問コーナーにも葉書を出したのですが梨の礫というところです(テレビ朝日に尋ねればよかったのですが)。
学部生になってしばらく経ってからですから、「ピーク・ア・ブー」の放送時から2年か3年が経っていました。六本木に行き、WAVEの4階にあったジャズのコーナーでLPを買おうとあれこれと棚を見ていたら、偶然、見つけたのでした。いや、正確に記すならば、ヴァイオリニストによるフュージョンで、ジャマラディーン・タクマなどのアルバムも発売していたグラマヴィジョンのLPなので面白そうだと思い、買ったのです。John Blake Jr., Twinkling of an Eye(日本盤では「オーシャン・ウォーキング」)です。ちなみに、ぼくが買ったLPのレーベルの中央右側にはGEMA(Gesellschaft für musikalische Aufführungs- und mechanische Vervielfältigungsrechteの略)の文字がありました。アメリカ盤ではなくドイツ盤だったのか、それともアメリカ盤ではあるがドイツで製造されたのか、よくわかりません。
帰宅してターンテーブルにLPを載せ、針を落としてみたら……
そう、「ピーク・ア・ブー」のテーマ曲でした。A面(輸入盤なので1面)の1曲目です。曲名はLa Verdaです。
「ようやく見つかった」と興奮しました。このような形で手に入るとは思ってもいなかったからです。
それ以来、何度となく聴き続けました。LPですがこの曲だけを聴くこともあったのです。
その後、John Blake Jr.のアルバムを3枚買いましたが、やはりLa Verdaを超える曲はなかったのでした(あくまでもぼくが思うところですので、あしからず)。
John Blake Jr.は2014年に亡くなったそうですが、英語版(おそらくアメリカ版)のウィキペディアには、何故か彼のリーダーアルバムが記されていません。John Blake Jr. という名称のサイト(公式サイトでしょう)には、全部ではないようですがディスコグラフィーに彼のリーダーアルバムが紹介されています。ぼくが持っているグラマヴィジョンの4枚は全て取り上げられています。
La Verdaの印象が強すぎるからかもしれませんが、ぼくがJohn Blake Jr.のアルバムでおすすめするものは"Twinkling of an Eye"です。LPやCDでは中古盤を探すしかないようですが、アップルミュージックであれば入手可能でしょう。ぼくも、La Verdaだけは数年前にiTunesStoreでダウンロードしました。
幼少時から小学校6年生までヴァイオリンを習っていたからかどうかわかりませんが、ジャズ・フュージョン系のヴァイオリニストのアルバムも時々買っています。ぼくがとくに気に入ったのは、Jean-Luc Ponty "Fables"、L. Subramaniam "Indian Express"、 L. Subramaniam "Confortable" (但し、これはキリンビールのCM曲でもあるタイトル曲が収録された日本盤のみのタイトルで、アメリカ盤などは"Spanish Wave")です。"Fables"は西武ライオンズ優勝記念セール(六本木WAVEでは行われていたのです)においてCDで購入したので、今でも車の中で聴いたりします。"Indian Express"はLPで買い、必ず通しで聴いていました。
それにしても、六本木WAVEは楽しかったなあ。
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