別に「健康のため」という訳でもないのですが、時々、最寄り駅より一つか二つ手前の駅で降りて歩くことがあります(逆に、一つか二つ先の駅で降りることもあります)。何となく、歩いてみたいと思うからです。私が研究室に行く場合には、最寄り駅は都営三田線の西台なのですが、一つ手前の蓮根、二つ手前の志村三丁目、あるいは一つ先の高島平で降り、大学まで歩くのです。気分が変わってよいからかもしれません。
或る日、志村三丁目で用事を済ませ、蓮根を通って大学まで歩きました。蓮根二丁目は、蓮根駅からも西台駅からも近いという場所で、大東文化大学板橋校舎からでも近いのですが、私の通勤経路から外れるので、歩いたことはほとんどありません。
蓮根二丁目の氷川神社です。以前、渋谷の氷川神社を取り上げましたが、大東文化大学の近所にも氷川神社があるというのは、恥ずかしながら、この写真の撮影日(2007年3月9日)になって知りました。 大東文化大学板橋校舎の正門まで、徒歩で10分もかからない所にあるのですが、通勤経路から外れているために、知らないままであったのです。電車通勤ですと、どうしてもこういうことが起こります。自家用車通勤の場合ですと、渋滞を避けるため、何かの用事のため、普段と異なる経路を選ぶことも多いのです(少なくとも、私が大分大学に勤務していた頃はそうでした)。
都営三田線には、本蓮沼、蓮根と、蓮の字が使われる駅名が二つあります。本蓮沼駅は板橋区蓮沼にあるのですが、おそらく東急池上線の蓮沼駅と区別するために本蓮沼としたのでしょう。これに対し、蓮根という駅名は、いかにもオリジナルの名前に見えるのですが、実は市町村合併の産物だったというのを、やはり撮影日になって初めて知りました。上の写真の案内板にあるように、上蓮沼村と根葉村が合併し、両方の一字ずつを取って蓮根としたのです。
最近の市町村合併では、おかしな新自治体名などがたくさん生まれました。歴史に根差している訳でないもの、平仮名書きにしているために経緯などがわかりにくいもの(さいたま市、東かがわ市など)、他の市町村名とよく似ていて紛らわしいもの(例として伊豆市と伊豆の国市)などがあります。
その中で、昔からの常套手段を取った所もあります。福岡県にある福津市がその代表で、合併前の福間市と津屋崎町とが合併する際、両方の頭の漢字を取ってきたのです。このように、合併する市町村の名称の字を一つずつとって新しい市町村の名称を作るという例は非常に多 いようで、東京都では大田区がその典型例です。大田区の「大」は旧「大森区」を、「田」は旧「蒲田区」を意味します。大田という地名があった訳ではないのです。 この大田区と同じようにして名前が作られたのが蓮根村でした。現在は、都営三田線の蓮根駅から西台駅にかけてのあたりを指す地名となっています(西台駅は高島平9丁目にありますが、ダイエー西台店などは蓮根3丁目にあります)。
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