原題: Atonement(贖罪)
サスペンスでもなく、戦闘機が出てくるわけでもなく、ゾンビもモンスターも出ない、
派手なアクションもない、歴史上の人物もいない、そんな映画を観たのは久しぶりです(笑)
イアン・マキューアンの「贖罪」を映画化したこの作品はイギリスで制作、2007年に公開されています。
BAFTAで作品賞、アカデミー賞でも作曲賞を受賞しているんですね。
以下、ネタバレが含まれますのでご注意ください。
舞台は1935年のイギリス。
小説家を夢見る13歳の少女、ブライオニー。
昔のヨーロッパの少女服はほんとにかわいいですよね。お部屋もイギリスって感じだし。
お姉さんのセシーリア。
パイレーツ・オブ・カリビアンでおなじみ、キーラ・ナイトレイです。気の強い女性をやらせたら天下一品ですね。
そして、使用人の息子ロビー。
映画を観ながらずーっとどこかで見たことあるんだよねーと思ってたらBand of Brothers、Part4に出てくる
補充兵としてE中隊に配属されたミラーさんでした。10年経ってるから気が付かなかったわ。あの頃は若かった(笑)
セシーリアとロビーは身分の違いを超えて想い合っているのですがなかなか素直になれない二人。
ある日、お庭の噴水の前で言い合いをして最後はセシーリアが下着になって噴水の中に入ってしまうのですが、
2階の窓から目撃してしまうブライオニーにとっては衝撃的でした。
それにしてもきれいなブルーの瞳ですね。
そのあとロビーがセシーリアにお詫びの手紙を書くのですが、なかなかうまく書けず合間にふざけて書いた
手紙を間違えて封筒に入れしかもその手紙をブライオニーに託してしまいます。
「夢の中で僕はキスしてる、君のカントに。君の甘い濡れたカントに。」カントは秘部の事です。
こっそり手紙を読んでしまうブライオニーはまたしてもショックを受けます。
更にその夜、図書室でふたりの情事を目撃してしまい激しい嫌悪感を覚えるブライオニー。
その後のディナーでは何事もなく振舞いますが、泊りに来ている従妹のローラの双子の弟たちがいなくなったので
里帰りしていた長男と友人のポールも含めみんなで敷地内を捜索することに。
ローラさん。
そしてポールさん。あれ?この人どこかで。。。(笑)
捜索中にローラが何者かに強姦されてしまう事件が起き、ブライオニーは現場を目撃してしまいます。
相手をきちんと見ていないにも関わらずブライオニーは犯人はロビーだと証言してしまいます。
「私ははっきり目撃しました。ロビーでした」
そしてロビーは逮捕されてしまいます。
ロビーに対しての嫌悪感もあったでしょう。
情事の場面も彼女にとってはお姉さんにひどい事をしているとしか見えなかったのかもしれません。
だけどブライオニーはロビーに恋もしていたのです。初恋です。
ロビーの気を引くために池に落ち、助けてもらうのですが予想に反してロビーにこっぴどく怒られてしまい傷ついたりします。
13歳という年齢は子供と大人の境目にいます。
特に女の子は、状況判断は子供でも感情は立派な女性だったりします。
彼女がロビーが犯人だと言ってしまったのは、もちろん卑猥な手紙を見てしまったり、様子のおかしい二人を
目撃したことで、思い込みもあったかもしれません。けれど、ジェラシーという感情もあったように思います。
この「嘘」がロビーとセシーリアの人生を大きく変えてしまいます。
13歳のブライオニーにとっては他愛のない嘘だったのですが、子供はある意味大人より悪意をもって嘘をつきます。
計算もします。そして刹那的に生きています。
自分の行動や発言がどんな事になるかなど考えられないのです。
そうして何度も痛い思いをして成長していくのですが、彼女の払う代償はあまりにも大きく悲しいものになってしまいます。
服役していたロビーは減刑を条件に海外派遣兵としてフランスへ出征することになります。
出征直前にセシーリアと会い、戻ってきたら海辺の別荘に行こうと約束します。
成長したブライオニーはナースになります。
そして成長するにつれ自分のしたことの大きさを実感していきます。
ある日、ローラとポールが結婚することを知り結婚式に参列しますが、その時ローラを襲っていた男の顔が鮮明に蘇ります。
その男はポールでした。
ブライオニーはすべてを話そうとセシーリアのところに行きますが、そこにはロビーもいました。
ダンケルクの戦いで悲惨な経験をしたロビーはブライオニーを責めます。
ブライオニーは真相をみんなに知らせること、そして「2度と会わない」と約束しその場を去ります。
更に時が経ち、ブライオニーは小説家になっていました。
年老いた彼女は贖罪の意味を込めて今までの出来事を小説にし、その本を最後に筆を折ることをインタビューで明かします。
更にセシーリアに許しを請いに訪ね、そこにロビーがいた事はフィクション、創作だった事も話します。
実際には、ブライオニーはセシーリアを訪ねる勇気もなかったのです。
ロビーはダイナモ作戦でイギリスに帰るべくフランスのダンケルクで船を待ちますが、そのまま敗血症で亡くなり、
同じ年にセシーリアもブライオニーにも一度も会うこともなく防空壕で亡くなっていました。
ブライオニーは言います。
「自分の都合のいいように創作したのではない。
最後まで二人は一緒になることもなく死んでしまいました。私のせいで。
あの事がなければふたりは引き裂かれることなく、幸せに暮らしていたのです。
だからこそ物語の中ではせめて二人が幸せになれるよう、そう思ったのです。」
そして彼女の命が残り少ない事も判明します。不治の病に侵されていました。
ラストは本当にせつないですね。
子供の頃のちょっとした偽証が大切な人の人生を、そして自分の人生を大きく変えてしまいました。
だけど最後の彼女は凛としていてとても晴れやかな表情でした。
小説を書いたことで、その中で二人を幸せにしたことで彼女の贖罪が終わったのかもしれません。
それにしても。
一番悪いのはこの男なんじゃ・・・・・(笑)
サスペンスでもなく、戦闘機が出てくるわけでもなく、ゾンビもモンスターも出ない、
派手なアクションもない、歴史上の人物もいない、そんな映画を観たのは久しぶりです(笑)
イアン・マキューアンの「贖罪」を映画化したこの作品はイギリスで制作、2007年に公開されています。
BAFTAで作品賞、アカデミー賞でも作曲賞を受賞しているんですね。
以下、ネタバレが含まれますのでご注意ください。
舞台は1935年のイギリス。
小説家を夢見る13歳の少女、ブライオニー。
昔のヨーロッパの少女服はほんとにかわいいですよね。お部屋もイギリスって感じだし。
お姉さんのセシーリア。
パイレーツ・オブ・カリビアンでおなじみ、キーラ・ナイトレイです。気の強い女性をやらせたら天下一品ですね。
そして、使用人の息子ロビー。
映画を観ながらずーっとどこかで見たことあるんだよねーと思ってたらBand of Brothers、Part4に出てくる
補充兵としてE中隊に配属されたミラーさんでした。10年経ってるから気が付かなかったわ。あの頃は若かった(笑)
セシーリアとロビーは身分の違いを超えて想い合っているのですがなかなか素直になれない二人。
ある日、お庭の噴水の前で言い合いをして最後はセシーリアが下着になって噴水の中に入ってしまうのですが、
2階の窓から目撃してしまうブライオニーにとっては衝撃的でした。
それにしてもきれいなブルーの瞳ですね。
そのあとロビーがセシーリアにお詫びの手紙を書くのですが、なかなかうまく書けず合間にふざけて書いた
手紙を間違えて封筒に入れしかもその手紙をブライオニーに託してしまいます。
「夢の中で僕はキスしてる、君のカントに。君の甘い濡れたカントに。」カントは秘部の事です。
こっそり手紙を読んでしまうブライオニーはまたしてもショックを受けます。
更にその夜、図書室でふたりの情事を目撃してしまい激しい嫌悪感を覚えるブライオニー。
その後のディナーでは何事もなく振舞いますが、泊りに来ている従妹のローラの双子の弟たちがいなくなったので
里帰りしていた長男と友人のポールも含めみんなで敷地内を捜索することに。
ローラさん。
そしてポールさん。あれ?この人どこかで。。。(笑)
捜索中にローラが何者かに強姦されてしまう事件が起き、ブライオニーは現場を目撃してしまいます。
相手をきちんと見ていないにも関わらずブライオニーは犯人はロビーだと証言してしまいます。
「私ははっきり目撃しました。ロビーでした」
そしてロビーは逮捕されてしまいます。
ロビーに対しての嫌悪感もあったでしょう。
情事の場面も彼女にとってはお姉さんにひどい事をしているとしか見えなかったのかもしれません。
だけどブライオニーはロビーに恋もしていたのです。初恋です。
ロビーの気を引くために池に落ち、助けてもらうのですが予想に反してロビーにこっぴどく怒られてしまい傷ついたりします。
13歳という年齢は子供と大人の境目にいます。
特に女の子は、状況判断は子供でも感情は立派な女性だったりします。
彼女がロビーが犯人だと言ってしまったのは、もちろん卑猥な手紙を見てしまったり、様子のおかしい二人を
目撃したことで、思い込みもあったかもしれません。けれど、ジェラシーという感情もあったように思います。
この「嘘」がロビーとセシーリアの人生を大きく変えてしまいます。
13歳のブライオニーにとっては他愛のない嘘だったのですが、子供はある意味大人より悪意をもって嘘をつきます。
計算もします。そして刹那的に生きています。
自分の行動や発言がどんな事になるかなど考えられないのです。
そうして何度も痛い思いをして成長していくのですが、彼女の払う代償はあまりにも大きく悲しいものになってしまいます。
服役していたロビーは減刑を条件に海外派遣兵としてフランスへ出征することになります。
出征直前にセシーリアと会い、戻ってきたら海辺の別荘に行こうと約束します。
成長したブライオニーはナースになります。
そして成長するにつれ自分のしたことの大きさを実感していきます。
ある日、ローラとポールが結婚することを知り結婚式に参列しますが、その時ローラを襲っていた男の顔が鮮明に蘇ります。
その男はポールでした。
ブライオニーはすべてを話そうとセシーリアのところに行きますが、そこにはロビーもいました。
ダンケルクの戦いで悲惨な経験をしたロビーはブライオニーを責めます。
ブライオニーは真相をみんなに知らせること、そして「2度と会わない」と約束しその場を去ります。
更に時が経ち、ブライオニーは小説家になっていました。
年老いた彼女は贖罪の意味を込めて今までの出来事を小説にし、その本を最後に筆を折ることをインタビューで明かします。
更にセシーリアに許しを請いに訪ね、そこにロビーがいた事はフィクション、創作だった事も話します。
実際には、ブライオニーはセシーリアを訪ねる勇気もなかったのです。
ロビーはダイナモ作戦でイギリスに帰るべくフランスのダンケルクで船を待ちますが、そのまま敗血症で亡くなり、
同じ年にセシーリアもブライオニーにも一度も会うこともなく防空壕で亡くなっていました。
ブライオニーは言います。
「自分の都合のいいように創作したのではない。
最後まで二人は一緒になることもなく死んでしまいました。私のせいで。
あの事がなければふたりは引き裂かれることなく、幸せに暮らしていたのです。
だからこそ物語の中ではせめて二人が幸せになれるよう、そう思ったのです。」
そして彼女の命が残り少ない事も判明します。不治の病に侵されていました。
ラストは本当にせつないですね。
子供の頃のちょっとした偽証が大切な人の人生を、そして自分の人生を大きく変えてしまいました。
だけど最後の彼女は凛としていてとても晴れやかな表情でした。
小説を書いたことで、その中で二人を幸せにしたことで彼女の贖罪が終わったのかもしれません。
それにしても。
一番悪いのはこの男なんじゃ・・・・・(笑)