Tinker Tailor Soldier Spy 続きです。
スパイを題材にしてるけど、派手なアクションも危険なスタントも撃ちあいも無い静かな映画です。
特に主役のスマイリーは己の経験と勘と頭脳を基に感情を荒げる事無く淡々と任務をこなしていくのですが、
その姿にいつの間に引き込まれていきます。渋く抑えた演技が光るゲイリー・オールドマンをはじめ皆さん本当に素晴らしいです。
ここから自分の整理も兼ねてあらすじを追いながら感想を書いていきます。
以下、ネタバレを含みますのでご注意ください。
1973年ロンドン。
英国諜報部「サーカス」のリーダー、コントロールがジム・プリドーを呼び出し、ハンガリー行きを命令します。
亡命を希望しているハンガリーの将軍から情報が聞き出せるかもしれないと考えジムを派遣します。
コントロールはMI6に潜む2重スパイの存在を疑っていました。
「誰も信じてはいけない」コントロールの言葉がこの先を示唆しています。
ハンガリーで将軍の仲介役と会うジムですが様子がおかしいので一旦その場を去ろうとした瞬間撃たれてしまいます。
仲介役はKGBでその場所もKGBの手先たちに見張られていました。
自分以外の人物がほとんど関係機関の人間だったんですよねー恐ろしい世界です。
ここではまだジムの生死はわかっていません。
「サーカス」の会議室では幹部が勢ぞろいしています。
責任を追及されたコントロールは右腕だったスマイリーとともに引退することになり、書類に署名をして去っていきます。
新しいリーダーはアレリンです。
ちょっと複雑な構造の「サーカス」内部を歩いて行くふたりを悲しい顔で見送るピーター・ギラムやコニーの姿がみえます。
門の前で無言で顔を見合わすふたり。これが最後の別れとなってしまいます。
辞職後コントロールは死亡します。死亡の原因は明確にされていませんが自殺かもしれないしKGBの暗殺かもしれないですね。
その頃、アレリンとブランドは「ウィッチクラフト作戦」のために経費を認めてほしいと英国政府の諜報機関監査役、
レイコンに掛け合います。作戦の要、情報提供者となるソ連の文化担当官、アレクセイ・ポリヤコフと密かに会うための
家の家賃なので公に出来ないと言います。
レイコンに緊急の電話がかかってきます。
リッキー・ターと名乗る男は自分の身元はピーター・ギラムだけに確認してくれと言います。
レイコンがギラムに電話をし、スマイリーを連れてオフィスに来るように言います。
(この時点でリッキーの存在はギラムには明かされていません)
コントロールやスマイリーの失脚でギラムさんも閑職に追いやられたんですよね。
このペン落としちゃった、は慣れないオフィスで落ち着かないよって事ですか?
リッキーから「もぐら」の存在を明かされたレイコンはスマイリーにモグラ探しを依頼します。
実はレイコンはコントロールから「もぐら」の話を聞いていましたが、「被害妄想」だと判断していました。
しかし、今回のリッキーからの話で信憑性が出てきたため調べることにしたようです。
元々コントロールやスマイリーの時代の遺産である事と今は外部の人間だからと説得されました。
スマイリーはギラムとコンビを組むこ事と警視庁のメンデル元警部もチームに引き入れる事を条件に承諾します。
ここから「もぐら」探しが始まります。
時間軸が過去にいったり現在に戻ったりするし登場人物も多いしウィッチクラフト作戦も含めた複雑な背景もあったりで、
状況の把握がかなり難しいのですが、気楽に楽しむ事も大切です(笑)
行動開始です。
ホテルアイレイを拠点にし、まずはコントロールの自宅を調査します。
しばらくするとギラムが何かを見つけたようでスマイリーのほうを振り向きます。
やっぱり襟を立ててるし(笑)
ギラムが見つけたものはチェスの駒にサーカス幹部4人の写真と名前がつけられていたものでした。
パーシー・アレリンはティンカー。ビル・ヘイドンはテイラー。ロイ・ブランドはソルジャーでトビー・エスタヘイスはプアマン。
おお!タイトルに繋がった。これだったのですね。
て、事はスパイはプアマン?とか思っちゃいましたけどね私。
場面は過去に戻りスマイリーの回想。
「サーカス」の会議室。アレリンがウィッチクラフト作戦で入手した情報がいかにもな内容なのでコントロールが問題にしています。
「西側が欲しがりそうな情報なのが怪しいけど本物かもしれないよ」とビルが中立の立場をとります。
アレリンは、入手先のポリヤコフの身元は秘密だとし最高機密にすることも既に政府にも了承を得ていたので上司である
コントロールの頭越しに進められていることに憤慨します。
そして現在。
チェスの駒はスマイリーもありました。
更にKGBの大物「カーラ」の名前の駒もあったのをみたスマイリーはギラムにサーカスに保管してある退職者の一覧と
アレリンの下で再編成された組織図をとってきてくれ、使われた経費の詳細もだ、と指示をします。
ぶっちゃけ泥棒してきてねって命令ですよね、これ。
ドキドキと本部に入りキョキョロと厳重に保管されているキャビネットから書類を抜きとり「はー」とエレベーターで
うな垂れていると後ろにいたブランド(ソルジャー)が話しかけてきます。
内心「ひえー」のギラム君、その場を凌いで立ち去ろうとすると更に「どこに行くんだ?」と聞かれて「ランチ」と
答えると「一緒にいく」とブランドがくっついてきます。
ここでこの場面は終わるのですが、実はこのあと二人のランチシーンも撮影されていました。カットされたんですね。
ブランドが「職場に秘書たちがコントロールを恋しがってパーシーをこけにしてる。当分期待できないな」
ギラム君が「何を?」と聞くと「忠誠心」と返ってきます。
そして「タバコあるか?」とおもむろにギラム君のジャケットを探り慌ててギラム君が「そっちじゃない」とジャケットを取り返します。
彼らはギラム君が何か嗅ぎまわっている事を感づいているようで、この時もギラム君が何か持ち出したんじゃないのか?と
言わんばかりにジャケットをごそごそしたりしてギラム君を脅してるような場面でした。
この時の動揺を隠して平静を装うギラムくんですが、何気なくキョドった表情作るの、この人は本当ににうまいですね。
このシーン何でカットしちゃったんでしょうね、もったいない。
サーカス幹部がこの頃から既にギラム君を疑っていた事、そしてコントロールのカリスマ性がよくわかるシーンなのに。
退職者リストを見ているとコントロールとスマイリーが辞めた2週間後にコニー・サックスが退職したと記録にあったので、
スマイリーは彼女の訪ねるためオックスフォードに向かいます。
外務英連邦大臣とレイコン次官がスマッシュで運動しているところへ、アレリンが現れます。
アメリカの情報機関に接触することに消極的だった大臣を説得しにきました。
「ウィッチクラフト作戦でアメリカの価値のない情報をソ連に流しソ連から重要機密を流させます。なのでアメリカの情報機関と情報を共有することが重要なんです。これからはアメリカと関係を築いていかなければなりません」
その言葉に大臣は了承します。
コニー・サックスを訪ねるスマイリー
彼女は退職したのではなく解雇されたと言います。
在ロンドン大使館に文官として着任しているポリヤコフが文官ではなく軍人だということを突き止めアレリンに報告します。
カーラが元軍人を集めて組織を作り「もぐら」として潜り込ませているという噂が真実だという確信を持ちます。
しかしポリヤコフはウィッチクラフト作戦でソ連とのパイプ役を務めていたので報告を一蹴し、さらに解雇してしまいます。
コニーは昔を懐かしむように写真を出してきてスマイリーに見せます。
そこにはジム・プリドーとビル・ヘイドンの仲良し写真もありました。
そして場面は再び過去に遡ります。サーカスのクリスマスパーティでした。
みんなが楽しそうに歌をうたいながら歓談しています。
最愛の妻、アンとスマイリー。
ギラム君も楽しそう。
ちょっと怪しい雰囲気のジムとビル・ヘイドン。
そしてアンさんにちょっかい出す気満々のヘイドンさん。
今はもう集まることのできないメンバーがそれぞれ抱えてる思惑を胸に秘めてこの時だけは楽しんでいる、
そんなせつない場面ですが、もう既に悪夢は始まっているんですよね。
その3に続きます。
スパイを題材にしてるけど、派手なアクションも危険なスタントも撃ちあいも無い静かな映画です。
特に主役のスマイリーは己の経験と勘と頭脳を基に感情を荒げる事無く淡々と任務をこなしていくのですが、
その姿にいつの間に引き込まれていきます。渋く抑えた演技が光るゲイリー・オールドマンをはじめ皆さん本当に素晴らしいです。
ここから自分の整理も兼ねてあらすじを追いながら感想を書いていきます。
以下、ネタバレを含みますのでご注意ください。
1973年ロンドン。
英国諜報部「サーカス」のリーダー、コントロールがジム・プリドーを呼び出し、ハンガリー行きを命令します。
亡命を希望しているハンガリーの将軍から情報が聞き出せるかもしれないと考えジムを派遣します。
コントロールはMI6に潜む2重スパイの存在を疑っていました。
「誰も信じてはいけない」コントロールの言葉がこの先を示唆しています。
ハンガリーで将軍の仲介役と会うジムですが様子がおかしいので一旦その場を去ろうとした瞬間撃たれてしまいます。
仲介役はKGBでその場所もKGBの手先たちに見張られていました。
自分以外の人物がほとんど関係機関の人間だったんですよねー恐ろしい世界です。
ここではまだジムの生死はわかっていません。
「サーカス」の会議室では幹部が勢ぞろいしています。
責任を追及されたコントロールは右腕だったスマイリーとともに引退することになり、書類に署名をして去っていきます。
新しいリーダーはアレリンです。
ちょっと複雑な構造の「サーカス」内部を歩いて行くふたりを悲しい顔で見送るピーター・ギラムやコニーの姿がみえます。
門の前で無言で顔を見合わすふたり。これが最後の別れとなってしまいます。
辞職後コントロールは死亡します。死亡の原因は明確にされていませんが自殺かもしれないしKGBの暗殺かもしれないですね。
その頃、アレリンとブランドは「ウィッチクラフト作戦」のために経費を認めてほしいと英国政府の諜報機関監査役、
レイコンに掛け合います。作戦の要、情報提供者となるソ連の文化担当官、アレクセイ・ポリヤコフと密かに会うための
家の家賃なので公に出来ないと言います。
レイコンに緊急の電話がかかってきます。
リッキー・ターと名乗る男は自分の身元はピーター・ギラムだけに確認してくれと言います。
レイコンがギラムに電話をし、スマイリーを連れてオフィスに来るように言います。
(この時点でリッキーの存在はギラムには明かされていません)
コントロールやスマイリーの失脚でギラムさんも閑職に追いやられたんですよね。
このペン落としちゃった、は慣れないオフィスで落ち着かないよって事ですか?
リッキーから「もぐら」の存在を明かされたレイコンはスマイリーにモグラ探しを依頼します。
実はレイコンはコントロールから「もぐら」の話を聞いていましたが、「被害妄想」だと判断していました。
しかし、今回のリッキーからの話で信憑性が出てきたため調べることにしたようです。
元々コントロールやスマイリーの時代の遺産である事と今は外部の人間だからと説得されました。
スマイリーはギラムとコンビを組むこ事と警視庁のメンデル元警部もチームに引き入れる事を条件に承諾します。
ここから「もぐら」探しが始まります。
時間軸が過去にいったり現在に戻ったりするし登場人物も多いしウィッチクラフト作戦も含めた複雑な背景もあったりで、
状況の把握がかなり難しいのですが、気楽に楽しむ事も大切です(笑)
行動開始です。
ホテルアイレイを拠点にし、まずはコントロールの自宅を調査します。
しばらくするとギラムが何かを見つけたようでスマイリーのほうを振り向きます。
やっぱり襟を立ててるし(笑)
ギラムが見つけたものはチェスの駒にサーカス幹部4人の写真と名前がつけられていたものでした。
パーシー・アレリンはティンカー。ビル・ヘイドンはテイラー。ロイ・ブランドはソルジャーでトビー・エスタヘイスはプアマン。
おお!タイトルに繋がった。これだったのですね。
て、事はスパイはプアマン?とか思っちゃいましたけどね私。
場面は過去に戻りスマイリーの回想。
「サーカス」の会議室。アレリンがウィッチクラフト作戦で入手した情報がいかにもな内容なのでコントロールが問題にしています。
「西側が欲しがりそうな情報なのが怪しいけど本物かもしれないよ」とビルが中立の立場をとります。
アレリンは、入手先のポリヤコフの身元は秘密だとし最高機密にすることも既に政府にも了承を得ていたので上司である
コントロールの頭越しに進められていることに憤慨します。
そして現在。
チェスの駒はスマイリーもありました。
更にKGBの大物「カーラ」の名前の駒もあったのをみたスマイリーはギラムにサーカスに保管してある退職者の一覧と
アレリンの下で再編成された組織図をとってきてくれ、使われた経費の詳細もだ、と指示をします。
ぶっちゃけ泥棒してきてねって命令ですよね、これ。
ドキドキと本部に入りキョキョロと厳重に保管されているキャビネットから書類を抜きとり「はー」とエレベーターで
うな垂れていると後ろにいたブランド(ソルジャー)が話しかけてきます。
内心「ひえー」のギラム君、その場を凌いで立ち去ろうとすると更に「どこに行くんだ?」と聞かれて「ランチ」と
答えると「一緒にいく」とブランドがくっついてきます。
ここでこの場面は終わるのですが、実はこのあと二人のランチシーンも撮影されていました。カットされたんですね。
ブランドが「職場に秘書たちがコントロールを恋しがってパーシーをこけにしてる。当分期待できないな」
ギラム君が「何を?」と聞くと「忠誠心」と返ってきます。
そして「タバコあるか?」とおもむろにギラム君のジャケットを探り慌ててギラム君が「そっちじゃない」とジャケットを取り返します。
彼らはギラム君が何か嗅ぎまわっている事を感づいているようで、この時もギラム君が何か持ち出したんじゃないのか?と
言わんばかりにジャケットをごそごそしたりしてギラム君を脅してるような場面でした。
この時の動揺を隠して平静を装うギラムくんですが、何気なくキョドった表情作るの、この人は本当ににうまいですね。
このシーン何でカットしちゃったんでしょうね、もったいない。
サーカス幹部がこの頃から既にギラム君を疑っていた事、そしてコントロールのカリスマ性がよくわかるシーンなのに。
退職者リストを見ているとコントロールとスマイリーが辞めた2週間後にコニー・サックスが退職したと記録にあったので、
スマイリーは彼女の訪ねるためオックスフォードに向かいます。
外務英連邦大臣とレイコン次官がスマッシュで運動しているところへ、アレリンが現れます。
アメリカの情報機関に接触することに消極的だった大臣を説得しにきました。
「ウィッチクラフト作戦でアメリカの価値のない情報をソ連に流しソ連から重要機密を流させます。なのでアメリカの情報機関と情報を共有することが重要なんです。これからはアメリカと関係を築いていかなければなりません」
その言葉に大臣は了承します。
コニー・サックスを訪ねるスマイリー
彼女は退職したのではなく解雇されたと言います。
在ロンドン大使館に文官として着任しているポリヤコフが文官ではなく軍人だということを突き止めアレリンに報告します。
カーラが元軍人を集めて組織を作り「もぐら」として潜り込ませているという噂が真実だという確信を持ちます。
しかしポリヤコフはウィッチクラフト作戦でソ連とのパイプ役を務めていたので報告を一蹴し、さらに解雇してしまいます。
コニーは昔を懐かしむように写真を出してきてスマイリーに見せます。
そこにはジム・プリドーとビル・ヘイドンの仲良し写真もありました。
そして場面は再び過去に遡ります。サーカスのクリスマスパーティでした。
みんなが楽しそうに歌をうたいながら歓談しています。
最愛の妻、アンとスマイリー。
ギラム君も楽しそう。
ちょっと怪しい雰囲気のジムとビル・ヘイドン。
そしてアンさんにちょっかい出す気満々のヘイドンさん。
今はもう集まることのできないメンバーがそれぞれ抱えてる思惑を胸に秘めてこの時だけは楽しんでいる、
そんなせつない場面ですが、もう既に悪夢は始まっているんですよね。
その3に続きます。