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海外ドラマや映画の感想いろいろ書いてます。

THE FIFTH ESTATE その1

2014-08-14 00:10:19 | 映画+Benedict Cumberbatch
「フィフス・エステート/世界から狙われた男」

2013年アメリカ/ベルギー
監督:ビル・コンドン
脚本:ジョシュ・シンガー
原作・脚本:ダニエル・ドムシャイト=ベルグ, デヴィッド・リー, ルーク・ハーディング


フィフス・エステートです。
THE FIFTH ESTATEの意味は様々な説があるようですが、以前調べたときは、
第3が新聞などの紙媒体、第4が放送メディア、で第5がその次世代、つまりネットの媒体です。
でも、第4を総じてジャーナリズムと言われているとか、第5が放送メディアとか、様々なんです。うむむ。

それはさておき、
まさかこの映画を日本語で観れる日が来るとは・・・感慨深いですね。
この映画もいろいろ騒動がありました。
私がベネディクトさんを追いかけはじめた時はもう騒動の真っ最中で、
Twitterでいろいろな方がそんな情報を共有してくださっていたので興味深く追いかけてたりしていました。

そんなわけで、ベネディクトも巻き込んだ一連の騒動やジュリアン・アサンジ、
そしてウィキリークスの事など私のわかる範囲になりますが、そんな事をまとめつつ
あらすじなどをゆるゆるとUPしていきたいと思います。


以下はガーディアン著作の「アサンジの戦争」の中で紹介されていたアサンジさんの生い立ちをまとめてみました。
しばらく私の戯言が続きますので興味の無い方は容赦なく読み飛ばしてください。
クレーム、反論も受け付けます。(弱気)

ウィキリークスの創始者、ジュリアン・アサンジさん(Julian Paul Assange)
1971年7月3日、オーストラリア北部の亜熱帯地域、クイーンズランド州タウンズヴィルに生まれています。
お母さんのクリスティーンの父方、ホーキンズ家は19世紀にスコットランドからオーストラリアに移住したそうです。
アサンジさんの父親についてはほとんど記録が無く、クリスティーンがベトナム戦争反対デモで知り合った若者と
恋におちアサンジさんが生まれたとあります。がすぐに2人の関係は終わっています。

その後すぐにクリスティーンはマグネティック島へ引っ越し、俳優で舞台演出家のブレット・アサンジと再婚します。
アーティストだったクリスティーンと家族3人での演劇活動が後のアサンジさんの基礎となっているようです。
常に身軽で絶えず自分の外見を変えるという事、他人の服を平気で着るなど、自由奔放に育っています。

アサンジさんが8歳くらいの頃、クリスティーンはブレットさんと離婚し、
「シャンティニケタン・パーク・アソシエーション」という悪名高いカルト集団のメンバー、
キース・ハミルトンと恋におちています。

この集団の主宰、ハミルトン=バーンは子供を集め虐待まがいのしつけをしたとされています。
クリスティーンはキースと離婚を決意し、アサンジさんの異父弟のジェイミーと4人で逃亡者のような生活に入ります。
メルボルンなどの避難施設での生活も続いたようでこうしたアサンジさんの育った環境が、
今のアサンジさんに大きく影響しているようです。

そしてアサンジさん14歳くらいの時にパソコンに触れやがて独学でコードの勉強をし、
モデムを手に入れ、そこからハッキング、クラッキングの世界にはまっていきます。
パソコンを唯一の友人としたアサンジさんですが、世界レベルの優秀なプログラマーには、
悲惨な家庭環境で育った人が少なくないそうです。

アサンジさん18歳の時に同棲していた彼女と結婚、ダニエルという男の子が生まれていますが
アサンジさんが所属する非合法のハッカーグループに警察の捜査が及んだため、
奥さんは子供を連れてアサンジさんの元を去ります。

その後アサンジさんのハッキング活動はエスカレートし、1994年に起訴されています。
その時にエピソードに「検察サイドのある女性を気に入ったアサンジさんは花束を持参した」とあります。

寛大な判決を受けたアサンジさんはインターネットセキュリティについてのアドバイスをするサイトを立ち上げ、
その後、フリーソフト・プログラムの共同開発をしていき、
「ラバーホース」という否認可能な暗号化システムも開発します。
そうして徐々にウィキリークスというアイデアを実現していきます。

ウィキにあった2006年ごろのアサンジさん。
アサンジさんには不思議な魅力があって「守ってあげたくなる」そうですが確かにちょっとかわいいんですよね。

ウィキリークスとは何ぞや?
私もここにきちんと書けるほど知っているわけではないので受け売りをちょっとだけ。
ここから先は映画とはあまり関係もないので興味のないかたは飛ばしちゃってください。


その名の通り内部告発サイトなのですが、当初は「ウィキ」として設立されたそうです。
「ウィキ」とはハワイ語での「WikiWiki」(速い速い)を意味するそうです。
閲覧者が編集を行うシステムは「ウィキペディア」が有名ですよね。
だけど、情報の性質から自由に編集できるシステムはよろしくないと判断しこの方式は採用してません。

メインの匿名通信システムは「TOR」(トーア)The Onion Routerとありましたが、
これは接続経路の匿名化を行うソフトウェアで、米海軍調査研究所によって開発されました。
ウィキリークスのメンバーが使うチャットもこのシステムの機能を使用しています。

あまり日本では馴染みのない「ウィキリークス」ですが実は日本政府の関しても公開されているんですよね。
アメリカ国務次官補のキャンベルが民主党政権時代の当時鳩山総理、小沢幹事長のラインを
管、岡田ラインに切り替えるとワシントンに報告した事実を暴露されました。
ご存知の通りその後すぐに鳩山政権は崩壊し管直人政権になり岡田外相が誕生しています。
またアメリカはこれを否定していないそうです。

2011年頃でした。真偽はさだかではありませんし日本のメディアはあまり報道していませんが、
当時はアメリカ陰謀説としてかなり話題になったのを覚えています。

国家や権力者の暴走の抑止としてウィキリークスのような中立の非営利団体は必要だとは思うんです。
特に圧政に苦しむ国民や情報操作をする独裁政権の国にはとても有効だと思います。
だけど、機密文書の公開には当然リスクもありともすれば国家の安全を脅かしてしまう諸刃の剣のような
存在でもあるんですよね。しかも機密文書公開の判断をアサンジさんひとりが担うのはとても難しい問題です。
また、この映画にも出てくる大量の国家最高機密の漏えい。これはひとりの兵士が暴露しましたが、
後にCIAの職員でありNSAの契約局員でもあるエドワード・スノーデンによる前代未聞の機密暴露が行われます。

CIAの職員、つまり国家の組織に所属しその恩恵を受けている職員がやっていいのか?という疑問も、
ほんのちょっとだけあったりもしますが、彼がやらなければ誰がやるんだ、ですもんね。

とはいえ、NSAが全世界のインターネットや携帯電話の利用者の情報を入手し国民の監視を行ってきたという
驚くべき実態と更には報道の自由を規制する英国の実態まで暴いた事はとても勇気ある行動だと思いますし、
国家のためなら何をしても許されるというアメリカの傲慢さに少しお灸を据えたほうがいいんですよ。
たまには痛い目にあったほうがいいのでは?というのが正直なところです。


長文な上に蛇足ばかりですみませんです。
次は映画にまつわる騒動のお話です。