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海外ドラマや映画の感想いろいろ書いてます。

Sherlock:The Abominable Bride その11

2016-01-26 12:00:58 | The Abominable Bride
ネタバレを含むストーリーの詳細ですのでご注意ください。

墓地でシャーロックが何を探していたのか気になっていたので今日DVDを見直してみたら、
私のタイピングが間違っているところがあったので地味ながら修正しています。
なのですが、ここの冒頭のモリアーティのゴングがDVDは銃になっていて、
これはどっちが正しいんでしょうね。
私は、この時代にゴングは無いって事だと思ったのですが、よく考えてみると、特別な衣裳はありますよね。。。
もしかしたら、僕たちはドラを鳴らさないし、衣装も着ないって意味なのかも。
あ、銃は・・・・これはDVDの字幕が間違っているような気もするので、映画で確認します。
どちらにしても、モリアーティが言いたいのはこんな世界を妄想しちゃってバカじゃないの?って事なのかなーと。

で、結局何を探していたのかはわかりませんでした。


追記:探し物がなかったあとにシャーロックが結論を出しているので、
もしかしたら、自分の時のように身代わりの死体があるはずだと、それを探していたのかも・・・と
今日一日もんもんと考えていたら、Mistyさんから同様のコメントを頂きました。
やっぱり怪しかった部分の訳が間違っていました。でもこれで何を探していたのかわかりましたです。
もうひとつ、I'm in oneの部分も教えていただきました。
本当にありがとうございました!




SH:違う。お前じゃない。お前であるはずない。
JM:おいおい、冗談だろ。コスチューム、ゴング?
犯罪の黒幕として言うけど、ゴングも鳴らさないし、特別な衣裳も着ないから。

現代版のジョンの声
JW:どうなってるんだ?

再びモリアーティ
JM:まだ満足しないのか?ゴシックとかさ、もうじゅうぶんだろ?
君だってこんな奇行はもういいんじゃないの?
理解できないよ、シャーロック。だって現実じゃないんだよ。なにひとつ。


ジョンの声。
JW:何を言ってるんだ?

モリアーティ。
JM:これは全て君の頭の中なんだ。


ジョン。
JW:シャーロック?
JW:ホームズ?

モリアーティ。
JM:君は夢を見てるんだよ。


MM:夢を見ているの?


MH:戻ってきたな。一瞬、お前を失ったかと思ったぞ。
確認だが、適量って言葉の意味がわかってるか?
SH:エメリア・リコレッティ夫人、彼女がどこに埋葬されたか知りたい。
MH:120年前のか?
SH:そうだ。
MH:記録があったとしても、探し出すのに数週間はかかるだろう。私が手助けしたとしても。
MM:見つけたわ。


場面は墓地に変わります。
JW:よくわからないんだけど、これはどういう関連があるんだ?
SH:僕の考えが正しいかどうか知りたい。確信はあるんだ。
MM:要するに、モリアーティがどうやってやったのかって事?
SH:そう。
JW:だけど、それって君の頭の中の出来事で現実の話じゃないよな。
SH:僕の捜査はそうだけど、説明したように犯罪自体は実際に起きているんだ。
MM:墓碑は彼女の友人たちによって建立されているわ。
MH:お前はここで何を見つけようと思ってるんだ。
SH:確かめるんだ。


SH:リコレッティ夫人はここに埋葬されているが、もう一方の死体はどうなった?
偽装自殺の後に入れ替えた死体は?

※ここのセリフ
「Mrs Ricoletti was buried here, but what happened to the other one?
The corpse they substituted for her after the so-Called suicide?」
私の訳はかなり怪しいです。脳みそフル回転させてもわからなかったので・・・

JW:その人たちが移したんだよ。
SH:だけど、どこに?
JW:まあ、ここじゃないよな。
SH:彼らが動かしたのは間違いないだろうけど。内情を知っている共謀者がいるんだ。
彼らは死体を探したんだ、僕のために死体を探したモリー・フーパーの様に・・・

ジョンが怖い顔をしているので、
「もちろん、そんな事をする必要は2度とないけどね。」とフォローしちゃってるシャーロック。

JW:まさか本気でじゃないよな?
SH:本気だからここに来たんじゃないか。必要なんだ。
JW:中毒者の話だろう。
SH:僕には重要なんだ!
JW:違う、スリルを味わいたいだけだ。
SH:ジョン・・・・
JW:モリアーティが戻ったんだ。今すぐ調べないと。現実の世界で起きた問題があるんだ。
SH:リストの次に載ってるから、ちゃんとやるよ。先にこれをやらせてくれ。
JW:君はいつも人を思い通りにしてきたよな。その結果がこれなんだよ!
SH:John, please...


JW:今度こそはやらないからな。シャーロック。
事件にとりかかる準備ができたら連絡してくれ。僕はメアリーを連れて帰る。
MM:何ですって?
JW:メアリーが僕を家に連れて行く。
MM:当然よ。

ジョンはメアリーを連れて帰ります。

MH:彼は正しいよ、おまえもわかってるだろうが。
SH:正しいから何だ?彼はいつも正しいよ、退屈なほど!

と、怒った後に上目遣いで「君たちは手伝うよね?」とレストレードとマイクロフトに伺います。
マイクロフトはレストレードと目を合わせたあとに言います。
MH:Cherchez la famme. ※フランス語で女性を探すという意味らしいです。
お兄ちゃん、弟に甘いっすね。


夜になっても掘りつづけているシャーロックとレストレード。
レストレードってすごくとばっちりのような気が・・・・
そしてマイクロフトはライトを持って高みの見物状態。

まさかのスーパーナチュラル!

掘りつづけていたその時、ようやく棺を掘り当てます。
レストレードと上に運び、蓋を開けて中を探ります。


MH:Oh, dear....The cupboard is bare.
※The cupboard is bareは直訳すると戸棚は空っぽ、
必要なものは何も無いというイディオムだそうです。

SH:下側に埋めたんだよ。棺の下だ。
そう言って再び穴に入り懸命に掘っているシャーロック。


GL:気の毒だが、シャーロック。彼らは別の方法で死体を処分したんじゃないか。
SH:違う。
MH:それは大いに考えられる。いずれにしてもかなり昔の事だろう。
我々には現在、少々差し迫った問題があるんだがね、弟よ。
モリアーティだ。死から蘇っただろう?

♪Do not forget me.


その時、エメリアの歌が聞こえ、死体がシャーロックに覆いかぶさってきます。

その瞬間、場面はライヘンバッハの滝に変わります。
倒れていたシャーロックが目を覚まします。
SH:ああ、そうか。僕はまだ目覚めていないんだな?


そして目の前にはモリアーティが立っています。


JM:深いぞ、シャーロック。あまりにも深すぎる。
おめでとう、君は歴史上初のマインドパレスで葬られる男になるんだよ。


SH:メロドラマ的な舞台だな。そう思わないか?
JM:君と僕のか?全然思わないな。


SH:お前は何なんだ?
知ってるだろう。僕はモリアーティだよ。犯罪界のナポレオンだ。
SH:モリアーティは死んだんだ。
JM:君の中では死んでない。死ぬこともない。君は脳をハードディスクと言っていたな。
それじゃ、ウィルスに挨拶をしよう。これが僕たちの終わらせ方だ。
常にここで。常にふたりで。
SH:君は素晴らしい頭脳の持ち主だな、モリアーティ。敬服する。僕に匹敵さえすると認めるよ。


JM:感動したよ。光栄だね。
SH:しかし、崖っぷちで素手による戦いに至るのは・・・
君はわざと負けようとしてるんだろう、ちびだし。


その言葉にモリアーティがブチ切れ取っ組み合いになるふたり。

JM:君は背が高くて強いと思ってるんだな、シャーロック。僕と違って。
僕は君の弱点なんだぞ!僕はずっと優位に立ってるんだ。
君がつまづいた時、失敗した時、弱った時にはいつも僕がいるんだ!


もう戦おうとするな。寝てろよ、どうせ負けるんだ!
一緒に落ちるか?一緒じゃないとだめなんだろう?
最後はいつも僕たちだけだしな!

劣勢なシャーロックですがその時、咳払いが聞こえます。

ジョンが銃を構えていました。

JW:プロフェッサー、もしよかったら僕の友人から離れてくれないか。
少々迷惑なほどのあなたの心遣いは彼もわかっていると思うよ。
JM:フェアじゃないぞ、ふたりもいるなんて!
JW:僕たちはいつもふたりなんだ。ストランドマガジンを読んでないのか?
そう言ってシャーロックに帽子を投げます。


JW:ひざまずくんだ、プロフェッサー。両手を頭の後ろに。
SH:サンキュー、ジョン。


JW:いつから君は僕をジョンと?
SH:驚かせたか。
JW:いや、そんな事はない。もう起きる時間だ、シャーロック。
私は物語作家で、、そこに自分がいるんだからわかるよ。


SH:もちろんだ。もちろんそうだ、ジョン。
JW:で、私はどんな感じだ?違う世界のもうひとりの私は?
SH:見かけよりも賢いぞ。
JW:それならかなり賢いと言う事だな。
SH:かなり賢いよ。
JM:頼むからふたりだけでやってくれない?


JW:偉そうに。
SH:目ざわりだな。
JW:では、構わないかな?
SH:もちろんだよ。
※このあたりの会話、ジョンの「Actually, would you mind?」が何に対してお伺いをたてているのか
よくわからなかったので、モリアーティを落としちゃってもいいかな?って事にしておきました。

ジョンはモリアーティに近づくと崖から落としてしまいます。
叫びながら落ちていくモリアーティ。


JW:私の出番だった。
SH:確かにそうだな。
JW:君はどうやって目を覚ますんだ?
SH:こうすればいいんじゃないかな。

シャーロックは崖の淵に立ちます。


JW:確かか?
SH:ここだけの話だが、ジョン。僕は落ちても死なないんだ。
JW:どうしてだ?
SH:Elementary, my dear Watson.(基本だよ、ワトソン君)


シャーロックは帽子を滝に向かって投げ、続いて自分も滝に向かってジャンプします。


落ちていくシャーロックとそれを見守っているジョンでした。


続きます。

今回もあちこち怪しい訳なのですが、
実は、墓地でシャーロックが何を探しているのかわかっていません・・・・
死体を探しているのかと思ってんですけど、ちゃんと入っていたし。
読解力が無いのか、それとももしかしたら訳がまったく間違っているのかも(涙)

Sherlock:The Abominable Bride その10

2016-01-24 10:36:33 | The Abominable Bride
ネタバレを含むストーリーの詳細ですのでご注意ください。


メアリーの元に向かうふたり。


JW:教えてくれないか、彼女はどこにいるんだ?どうなっているのか、教えろよ。
SH:相変わらずだな、ワトソン。君が質問をしてこなかったら僕たちはどうやって時間をつぶしたらいいんだ?
※「Oh, good old Watson. 」は「最後の挨拶」のラストでのホームズのセリフにもありますが、
訳す方によって違うし状況によっても変わると思うので難しいです。
ちょっとケンか気味のセリフなので何となくこんな言葉にしてみました。


突然、現代版のジョンが出てきます。
JW:シャーロック、僕の妻がどこにいるか教えろよ。
君は横柄で嫌な奴だな、教えないと殴って気絶させるぞ!


え?とワトソンの方を見るとちゃんと髭のワトソンなのでちょっとびっくりのシャーロック。
JW:ホームズ、彼女はどこにいる?
SH:・・・・A de-sanctified church.
(フランス語?google翻訳は「聖別」って言っています。聖別の教会?実際はグロスター大聖堂だと思います。)
SH:彼女は答えを見つけたと考えているが、ただそれだけの理由で彼女はかなり危険な状況に身をおいているんだ。
素晴らしい妻を持ったな。


教会でメアリーと合流します。

JW:どういう事なんだ?
MM:見つけたのよ。

メアリーはふたりを先導します。
JW:一体何だと言うんだ、メアリー?
MM:全ての核心よ、ジョン。謀略の核心。

KKKのような三角頭巾をかぶった沢山の人たちが集まっています。


JW:ここはどこなんだ?君は一体ここで何をしているんだ
MM:調査をしていたのよ。Mr.ホームズに頼まれて。
JW:ホームズ、お前は何を考えているんだ?
MM:彼じゃないわ、賢い方のホームズよ。今回の事件は単独ではないと私には思えたの。
私の見解だとリコレッティ夫人には手を貸している人がいるのよ。彼女の友達とかね。
SH:ブラボー、メアリー。「賢い方?」


JW:私は君を失ったとかと思ったよ。お互いを・・・おろそかにしていたんだろうと思った。
SH:しかし、出て行ったのは君じゃないか。
JW:私はメアリーに言ったんだ。


JW:君はマイクロフトのために働いているのか?
MM:彼は変人な弟から目を離したくないのよ。
SH:そしてスパイを手に入れた。
君は君の妻が看護婦としては過度なスキルがあるとは思わなかったのか?
MM:もちろん思ってないわよ。ナースに何ができるのかを彼は知っているから。
あなたはいつ気が付いたの?
SH:今初めて知ったよ、残念ながらね。
MM:弟がもたもたしてるから大変なのよね。
SH:僕は時間を短縮したんだ。おしゃべりはじゅうぶんだ。集中しよう。
MM:わかってるわ。これは一体何なの?この人たちは何を成し遂げたいの?
SH:なぜ僕たちは見抜けなかったんだろう。


シャーロックたちはみんなが集まっている広間に行きます。
そして目の前にあったドラを鳴らして注目を集めます。


SH:すまない。どうしてもゴングを鳴らしたかったんだ。少々ドラマチックにしたくて。
MM:予想外だったわ。


SH:僕の熱意はわかってもらえたと思う。
素晴らしい。最高の舞台だ。このショーに拍手を贈るよ。
銃で自殺をした彼女が墓から舞い戻り彼女の夫を殺したようだ。
して、その方法とは?起こった事を順に追っていこう。

場面はエメリアが発砲した後に自殺をする場面に変わります。


SH:リコレッティ夫人は非常に効果的に人々の関心を集めた。
彼女は片方のリボルバーを口にくわえ、同時にもう片方を地面に向けて撃つ。
共犯者が血をカーテンにスプレーすれば、見せかけの自殺が驚いた群衆に目撃される事になる。

リコレッティ夫人のよく似ている死体を代わりに置いてモルグに搬送されれば、
取るに足らない自殺などスコットランドヤードはほとんど興味を示さない。
その間に本物のリコレッティ夫人がその場から抜け出す。

本当に賢い部分はここからだ。

リコレッティ夫人は知人のキャブのドライバーに彼の好きなアヘン窟の外で彼を捕まえるようを説得した。
完璧なドラマのための完璧な舞台だ。

場面は花嫁のゴーストが夫を殺す場面に変わります。


SH:確実に本人だと断定される。
今は亡きリコレッティ夫人が墓から戻ったようにちょっとしたメイクアップをすれば
復讐に燃えるゴーストの怒りとしか見えない。

夫を殺した後、ゴーストはマンホールから地下に消えていきます。

SH:まだやるべき仕事が残っている。

「はやくやって。涙はいらないわ。」
エメリアは自ら口を開けて誰かに撃たせます。


SH:あとはモルグにある死体を本物のリコレッティ夫人に代える事だけだ。
今度こそは誰かが彼女の身元を確認することになる、間違いなく彼女であると確定されるように。
MM:だけど、どうして彼女はそうしたの?自分の主張のために死んだの?


SH:あらゆる大義には殉教者が伴う。あらゆる戦争には死の任務がある。そして間違いなくこれは戦争なんだ。
人類の半分が何かしらと戦争している。
我々のそばで家庭の世話をし子どもを育てる姿なき軍隊。彼女たちは無視され、見下され、放置される。
投票権すら与えられない。


ここでみんな一斉に三角頭巾をとります。全員女性でした。


SH:それでも軍隊は大きな目的のために立ち上がろうとした。同じ人間として不当性を正そうとした。
わかるか、ワトソン。マイクロフトは正しかったんだ。僕たちはこの戦争に負けなければならない。
JW:彼女は間近に死が迫っていたんだ。
SH:誰が?
JW:エメリア・リコレッティ。明らかに結核による衰弱の兆候があったから、彼女の命は長くなかっただろう。
SH:だから彼女の死も計算に入れることにしたんだな。


SH:彼女はアメリカの秘密結社とはなじみがあった。
差し迫る恐怖で脅迫する方法を利用することにし、公然とサー・ユースタス・カーマイケルに過去の罪を突きつけた。
その時、シャーロックの背後からモリーが話しかけます。


Mo:彼は彼女がアメリカにいたことを知っていた。
彼女にあらゆる約束をした。結婚や地位を。そして彼女を思い通りにし・・・・見捨てた。
彼女は捨てられ無一文になったのよ。
SH:フーパーか!
ここでS3の場面がフラッシュバックします。


Mo:ホームズ。
JW:ホームズ、ちなみに私は彼女に騙されていないぞ。

と、ジョンがまわりを見渡すとひとりの女性が手を振ります。
ワトソン家のメイドでした。


今度はジャニーンが出てきます。
Ja:エメリアはリコレッティと幸せを見つけたと思っていたのに、彼は残忍な男だった。
エメリア・リコレッティは私たちの友人だったの。
あなたはあのろくでなしが彼女をどう扱ったか知らないでしょう。


JW:しかし、ホームズ。私たちは花嫁を、彼女を見たんだ。
SH:そうだよ、ワトソン。
ガラスの割れる音が聞こえただろう?あれは窓じゃなく昔の演劇で使われたトリックだ。
それはペッパーズ・ゴーストと呼ばれ、生きている人間をガラスに映し出すシンプルなトリックだよ。
唯一のミスはその姿を消してからガラスを割ったことだ。


SH:まわりを見ろ。この部屋の女性は全員花嫁だ。一度立ち上がれば誰でも彼女になりえるんだ。
報復のゴースト。
誰にでも悪意により恐怖心を引き起こす伝説。
長い間報いを受ける事なく罪を免れてきた野蛮人たちに忍び寄る亡霊。


SH:怒りを呼び覚ます復讐の女神。僕・・・僕たちに欺かれ裏切られた女性たち。
無視をし、放置してきた女性たち。
その考えが存在する限り、それが終る事はない。
※僕と言いかけたのはジャニーンだからでしょうか・・・


SH:これは確固たる信念を持つ者の仕事だ。
ユースタス卿の精神的虐待を直接知っていた人。

シャーロックの背後から花嫁姿の女性が近づいてきます。


SH:ずっと隠されてきた秘密。彼女の夫から数年前に不当な扱いを受けていた女性、
エメリア・リコレッティを含む彼女の親しい友人たち以外は。
ゴーストを無視するなら、容疑者はひとりしかしない。
違いますか?レディ・カーマイケル?


SH:しかし、僕には理解できない部分がある。
なぜあなたが犯すつもりでいた殺人を阻止するために僕に依頼を?

その問いに答えた声はカーマイケル夫人ではありませんでした。
「理解できない、理解できない、もちろん理解できないだろう。これは現実じゃないんだ。」


え?な表情で少し固まっているシャーロック。
「Oh, Sherlock」と顔を覆っていたベールを取るとそこにはモリアーティがいました。


続きます。

Sherlock:The Abominable Bride その9

2016-01-22 20:26:12 | The Abominable Bride
ネタバレを含むストーリーの詳細ですのでご注意ください。

※リストの部分、Mistyさんからご指摘いただいたので青字で修正しています。
毎度ありがとうございます!



夢うつつのシャーロックは着陸したと声をかけられ、
「やめてくれ、よりによってこんな時に!」と怒っています。
そしてマイクロフトとジョン、メアリーが飛行機に乗り込んできました。

MH:我々が想像していたよりも若干短い亡命だったな、弟よ。しかしOCDのレベルにはじゅうぶんだろう
マイクロフトがそんな事を言いながらシャーロックに近づくといきなり
「戻らないと!」と言うので「え?」と怪訝そうな顔をします。

SH:もう少しだった、もう少しでわかったんだ!
MH:お前は何を言っているんだ?
JW:どこに戻るんだ?そんなに遠くには行ってないぞ。


SH:リコレッティと忌まわしき妻だ!わからないか?
MM:わかるわけないわ。あなたの言葉は意味をなしていないのよ、シャーロック。
SH:100年前に起きた有名な事件だ。
僕のハードディスクに格納してあったんだ、彼女は死んだように見えたけど戻ってきた。


JW:それって、モリアーティのようにか?
SH:そう、モリアーティのように、彼女は自分で頭を撃ちぬいた。
MM:だけどあなたは知った知ったばかりじゃない。
国中のあらゆるモニターに彼が出ていることが発覚した事を。
SH:だから?マイクロフトの電話から5分たってるぞ。進展はあったのか?何をしてた?
そんなシャーロックにジョンが鼻で笑います。
JW:それよりも、君は何をしていたんだ。
SH:もちろん、マインドパレスにいたんだ。
JW:そうだよな。
SH:実験してたんだ。もし僕が1895年にいたらどうやって犯罪を解決していたのか?


それを聞いたマイクロフトはあきれたように「シャーロック・・」と座席に座ります。
SH:ディティールも完璧にしたんだ。僕はこの目で見てたんだ、何もかもすべて。没頭していた。
MH:そうだろうね。
メアリーはシャーロックのモバイルを手に取ると
「ジョンのブログを読んでいたのね。あなたたちのなれ初めの話。」と言います。
※多分、メアリーが手にしたのはシャーロックのモバイルなんじゃないかと思うのですが。
てか、飛行機に乗ってすぐに出会った頃のブログを読むなんて
どんだけジョンとの別れが辛かったんだ、シャーロック・・・・(涙)

SH:時々、ジョンの目を通して自分を見ると役に立つ。僕はかなり賢いんだ。
MH:誰もがお前を信じると本当に思っているのか?
JW:いや、彼ならやるよ、僕は見てきたんだ。マインドパレス。彼の頭には世界がまるごと入っているかのようだ。
SH:そう、だから僕は戻る必要があるんだ。
MH:マインドパレスは記憶術だ。それで何ができるのか私も知っているし、できないことが何なのかもよくわかっている。
SH:あんたが知らない事がひとつやふたつはあると思うけど。


MH:そうかね。リストは作ってあるか?
SH:太っただろう。そのベストは明らかにジャケットよりも新しいな。
MH:黙るんだ!リストは作ったのか?
SH:何の?
MH:全てだよ、シャーロック。お前が摂取したものすべてだ。
JW:そんなわけないよ、彼は一種のトランス状態じゃないのか。



ジョンが言い終わると同時にリストのメモを投げるシャーロック。
それを拾い上げたジョンが中を見て驚いた顔をします。


MH:私と弟は契約を交わしているんだよ、あの日からずっとね。
どこで見つけても、スラム街や安宿であろうと必ずそこにリストがある。


JW:5分じゃこんなにやってるわけないよ。

MH:彼は飛行機に乗る前からハイになっていた。
MM:ハイになっているようには見えなかったわよ。
MH:中毒者は人を騙すんだよ。
SH:僕は中毒じゃない、ユーザーだ。
退屈しのぎになるし、時々思考のプロセスを高めてくれるんだ。
JW:冗談じゃないぞ!これは君を殺すこともできるんだ!君は死にたいのか!
SH:使用をコントロールすれば通常死に至る事はないし自制したところで死なないわけでもない。


「君は何をしているんだ?」とマイクロフトがメアリーに話しかけます。
「エメリア・リコレッティを調べてるの。」とメアリーは自分のモバイルを操作しながら答えます。
MH:やろうと思っていたんだ。私ならMI5の重要なアーカイブにもアクセスできる。
MM:私が見ているのはそこよ。
MH:君はMI5のセキュリティを何だと思ってるんだ?
MM:グッドアイデアだと思うけど。
エメリア・リコレッティは彼が言うように「未解決」になってるわ。
SH:君たち全員、5分でいいから黙っててくれないか!戻らないといけないんだ。
君たちが乗り込んでぺちゃくちゃ喋りはじめなければ、到達できたんだ。
JW:ぺちゃくちゃ?悪かったな、僕たちは君のセッションの邪魔をしたってわけ?


MH:よく聞きなさい、シャーロック。
SH:いやだ、あんたを助長させるだけだ。
MH:私はお前に対して怒っているわけではないよ。
SH:ああ、それはよかった。僕はすごく気になってたんだ・・・・いや、待てよ、僕は気になんてしてないぞ。


MH:以前はお前のそばにいたんだ。またそうする事にするよ。
常に私が守ってやろう。これは私の責任だ。
※最近「I'll be there for you 」というタイトルの曲で動画を作りましたが
私としてはこのセリフはジョンに言ってほしかったんです(涙)


SH:あんたには関係のない事だ。
MH:独房に1週間入ったな。私は気づくべきだったよ。
SH:何を?
MH:お前の場合、独房監禁はお前の最大の敵と一緒にそこに入る事になるんだと言う事をね。
SH:何を言ってるんだ!
JW:モルヒネか?それともコカインか?
SH:何て言った?
JW:何も言っていない。


SH:いや、言ってた・・・ワトソンの声で。今日はどっちだ?モルヒネ?それともコカインか?

「ホームズ?」


JW:モルヒネとコカイン、今日はどっちだ? 言えよ、くそ!


SH:モリアーティがきた。
JW:モリアーティは死んだよ。
SH:僕は飛行機に乗ってた。
JW:何だって?
SH:君と、マイクロフトがいた。
JW:君は部屋から出ていないんだ、ホームズ。それで、モルヒネか?それともコカイン?
SH:コカイン。7%溶液だ。君もやってみるか?


JW:やらないよ。しかし私は君が所有しているもの全部探し出して窓から外に流してやりたいよ。
SH:僕は君を止めないといけないな。
JW:強引にでも、君に思い出させてやろうか。どちらがソルジャーでどちらが麻薬中毒かって事を。
SH:君はソルジャーではない、医者だ。
JW:私は軍医なんだ、君の身体中の骨の名前を言いながらそれを順番に折っていけるんだぞ。


SH:Oh, Dear watson. 君は感情で判定がくもっているんだ。
JW:捜査中はやるな、約束したよな、絶対にやらないって。
SH:違うよ、それは君の小説の中で僕が言ってたんだ。
JW:いいか、私は君のためならバカの真似だって喜んでするんだ。
私はバカみたいに君の後ろで走りまわるし、君が望めば君を賢く見せたりするんだ。
だがまずは、自分で標準以上の生活を維持しろよ。
SH:なぜ?
JW:みんなが君を必要としているからだ。
SH:なぜだ?君のバカみたいな小説のためか?
JW:そうだよ、私のバカみたいな小説のためだ。


その時、アーチー君が電報を持ってきます。

「Mr.ホームズ、電報です。」


シャーロックは電報を読むとジョンを見ます。


JW:どうした?何があった?
SH:メアリーだ。
JW:メアリー?彼女がどうかしたのか?
SH:危険な状況にあるかもしれない。
JW:危険?
SH:一刻の猶予もならない。
JW:コカイントークじゃないのか?メアリーにどんな危険があると言うんだ。
彼女は友人の家に遊びに行っているだけだと思うぞ。
SH:Come on!

よろけながら階段を降りるシャーロック。
JW:何があったんだ? そもそも君は行ける状態にあるのか?
SH:メアリーのためだよ。心配するな、ワトソン。心配はいらない。
コートを着ながらシャーロックは呻きながら倒れそうになります。
「ホームズ?」と手を貸そうとするワトソンに「大丈夫だ!」とシャーロックは、
シルクハットに手を伸ばしますがワトソンがそれを制し、
「それじゃない!こいつだ。」と鹿撃ち帽を渡します。


SH:なぜだ?
JW:君はシャーロック・ホームズなんだ。こいつじゃなきゃダメだ。



ふたりは馬車に乗り込みます。

※マイクロフトの独房の話は何度も考えたんです。
S2のモリアーティを監禁した話かなーとも思いましたが、
S3でシャーロックが何度か刑務所に入ったような話をマイクロフトがしていたので
結局、それを前提にしちゃいました。間違ってたらすみませんです。
ジョンとの会話も難しいですがマイクロフトとの会話も遠回しすぎて難しいです。

Sherlock:The Abominable Bride その8

2016-01-20 17:20:56 | The Abominable Bride
ネタバレを含むストーリーの詳細ですのでご注意ください。



ビクトリア版マインドパレスのシャーロック。
シャーロックの目の前を次々と横切る新聞の切り抜きを手にとっていきます。


しかし傍から見たら部屋の中で微動だにしないシャーロックがいるだけなんですね。
ハドソンさんとレストレードがそんなシャーロックを心配そうに部屋を覗いています。


MrsH:2日間、ずっとああしてるのよ。
GL:食事は?
MrsH:ほんの一口よ。
GL:マスコミが大騒ぎしている。レポーターがまだ外にいたよ。
MrsH:いつもいるのよ。追い払えないの。お茶を入れるのも大変だったわ。
GL:どうして彼にお茶を?
MrsH:わからないけど何となくやっちゃうのよ。
GL:「容疑者はひとりだ。」と言った後にその場から立ち去ってから何の説明もないんだ。
MrsH:おかしいわね、彼はそれを披露するのが好きなのに。
GL:すごく簡単だから私でも解決できると言っていたよ。
MrsH:大げさに言ったのよ。
GL:彼は何をしているんだと思う?
MrsH:待ってるって言ってたわ。
GL:何を?
MrsH:悪魔よ。私はもう驚かないわ。あらゆるものがここに来るの。
GL:では、何か変化があったら電報してくれ。
MrsH:わかったわ。

ハドソンさんたちが消えたのを見計らってシャーロックはコカインに手を伸ばします。


目を閉じて自分の世界に入っていくシャーロック。


その時、ふと影が通り背後から声がします。


「私が言うべきことは全て君の脳裏に浮かんでいる。」

シャーロックは答えます。
「僕の答えも君の脳裏に浮かんでいるはずだ。」
男が答えます。
「弾丸のように。」

シャーロックは立ち上がり後ろを振り向きます。
そこにはモリアーティが立っていました。


JM:ドレッシングガウンのポケットの中で弾丸の入った拳銃を触るのは危険な習慣だ。
それとも僕に会えて嬉しいだけか?
SH:安全策を取ってるんだ、許してくれ。
JM:警戒してくれなかったら僕は傷つくよ。君に返礼をするつもりだからね。
モリアーティはポケットから銃を取り出します。


JM:僕は君の部屋が好きなんだ。実に男らしい匂いがする。
SH:君自身がよく知っている匂いだと思うが。
JM:ストランドの小さな冒険ではいつも君は遠くに行くね。
イラストレーターは君と一緒に旅行するのか?
君が推論している間はずっとポーズをしているのか?


SH:6つの根拠が僕の不在中に君がここを訪れたことを示している。
JM:そうだろうね。

モリアーティは暖炉に近づきます。
JM:ところで君のベッドは素晴らしく寝心地がいいね。
君は塵の大部分が人間の皮膚からできてるって知ってるか?
SH:知っている。


そしてマントルの埃を手に取りそれを舐めます。
JM:味が変わった。君の皮膚も生え変わるんだな。少しだけサクッとしている。
SH:座らないか?
JM:凡人とはみなそうしたものだ、わかるだろう、やがて塵はばら撒かれる。
そしてそれは至る所にたどり着く。
呼吸を繰り返し、日の光の中で踊り、疲れ切って死んでいく凡人たち。
SH:興味深いね。座ってくれないか・・・
JM:凡人、凡人、凡人!自分では輝くこともできない。
僕がこれを撃つかどうか気にしてるのか?
空にするだけだよ。

モリアーティがシャーロックに銃を向けるのと同時にシャーロックもモリアーティに銃を向けます。
お互いに銃を向けたまましばらく向かい合うふたり。


シャーロックが銃をテーブルの上に置きます。
JM:そうだね、遊ぶのは止めよう。我々が殺し合うのにおもちゃは要らないし。
どこか人目につかない場所はある?
SH:座れ。
JM:なぜ?何か用があるんだろう?
SH:君がここに来たんだ。
JM:違うな、それが真実ではないことは君もわかっているだろう。
何が欲しい?シャーロック。
SH:真実。


JM:それね。真実なんて退屈なんだよ!
君は僕が犯行現場に現れるなどとは思っていなかった。そうだろう?
気の毒な老ユースタス卿。彼は当然の報いを受けた。
SH:だが、彼を殺したのは君ではない。
JM:だから?そんなのどうでもいいじゃないか。君はユースタス卿や花嫁なんてどうでもいいんだ。
今回の一連の事件でひとつだけ、君が興味を持つ事がある。
SH:(君が何をするか僕にはわかる)

その時、地震のように部屋が揺れシャーロックは思わず目を閉じます。


JM:花嫁は自分で銃をくわえ、後頭部を吹っ飛ばし、また戻ってきた。
あり得ない。しかし彼女は戻ってきた。君はその方法が知りたい。どうやって?
そうだろう?
それは君の世界をバラバラに引き裂くんだ、知らずにね。
SH:君は僕を止めようとしているんだ・・・・僕の気を散らし、挫折させるために。
JM:もうひとつのケースを思い出せないから?すべては以前に起きたことじゃないのか?
この世界に新しいものなど何もない。何だっけ?覚えているか?
(のどまで出かかっているんだけど。のどまで出かかっているんだけどね。
それは僕の舌に先端が乗っている・・・)
※ここは「It's on the tip of my tongue. 」というセリフで、
のどまで出かかっている、という意味だそうですが、
このセリフを言いながらモリアーティが自分の舌に銃を押し付けているので、
両方の意味を掛けているのかなーと。


何度も部屋が揺れる中、シャーロックは何とかこらえ、冷静に言います。
SH:ハドソンさんの壁紙のために君の指が少しでも変なマネをしたら君は死ぬことになるって事を覚えておけ。
銃をくわえながらごにゃごにゃ言うモリアーティ。
SH:何だって?
JM:死は・・・新しいセクシーだ。
再び部屋が揺れる中、モリアーティは口にくわえた銃を撃ちます。


が、すぐに立ち上がりおどけて見せるモリアーティ。
この時のBGMは例のアレですよ。シャーロックが落ちるときの曲なんです。


JM:じゃあ、こうしよう、頭のモヤモヤを吹き飛ばすんだよ。
SH:なぜ生きているんだ?
JM:どう思う?正直言うと、注目に値する?
SH:君は自分で頭を吹き飛ばしたのになぜ生きている?
JM:逆毛を立ててたからかもね。
SH:君が死ぬのを見た。なぜ死んでいないんだ?
JM:君が落ちても死ななかったからだよ、シャーロック。
他の誰よりも君は知っているべきだ。落ちなかった、決して落ちなかった。


「着陸するよ!」
モリアーティの言葉に突然部屋が大きく揺れます。
そして、
飛行機が着陸します。


S3のラストでシャーロックを乗せた飛行機が戻ってくる場面になります。
様子を見守るジョンとメアリー。
飛行機が到着するとシャーロックの後ろ姿が映ります。


※ライヘンバッハでのモリアーティとの対峙を彷彿させる場面でしたが
アンスコさんのモリアーティはどこか壊れている感じがして
何というか、紙一重な部分を絶妙に演じている印象を受けます。
このふたりの対決はいつ見ても凄いです。

SPの撮影でジョンとメアリーのこの姿の画像があったのでどこかで現代とリンクするとは思いましたが
まさか、シャーロックに会えるとは思っていませんでした。
クルクルヘアーが愛しいです・・・・(変態)

続きます。

Sherlock:The Abominable Bride その7

2016-01-18 22:57:04 | The Abominable Bride
ネタバレを含むストーリーの詳細ですのでご注意ください。



シャーロックとジョンの目の前には花嫁姿の女性がいました。
SH:リコレッティ夫人だ、間違いない!時節柄、楽しい夜じゃないか。
と叫ぶシャーロックを制するように
「そんなはずはない、ホームズ、あり得ない!」とジョンが言うと
「その通りだ。」とシャーロック。


ゴーストが消えかかったその時、ユースタス卿の叫び声とガラスの割れる音がします。
家の中に入ろうとするシャーロックですが鍵がかかっていました。
JW:鍵がかかってるのか?
SH:指示通りだ。
JW:窓が割れたよな?
SH:僕たちが目をつけていた窓がひとつだけあるからそこから入ろう。
シャーロックは小さな窓のガラスを割り、中に入ります。


家の中に入りランプに火をともすシャーロック。
SH:そこにいろ、ワトソン。
JW:は?やだよ。
SH:家中のドアや窓は鍵がかかっている。ここは唯一の出口なんだ。だから君はここにいろ。
JW:しかし、音はすごく近かった。家のこちら側からだ。
SH:動くなよ!
シャーロックはジョンを残し部屋を出ます。


シャーロックはランプを片手に2階にあがると夫人の叫び声が聞こえてきます。
シャーロックがその部屋に入ると床には血の跡があり、夫人が立っていました。
「あなたは彼を守ると約束したのに。」と夫人。


ジョンはどこからか足音が聞こえてくるのでリボルバーを構えます。
そしてゆっくりと部屋を出て広間に向かいます。


JW:君は人間だろう、わかってるぞ。
我々が暗がりで立っていても何の役にも立たないな。

ジョンは手元にあるロウソクに火をつけます。

JW:しょせん、ここは19世紀だ。

シャーロックは廊下に倒れているユースタス卿を見つけます。
彼は胸を刺されて死んでいました。


と、突然どこからか女性の悲鳴が聞こえます。
後ろを振り返るシャーロック。
そして悲鳴がした途端にジョンの手元のロウソクが消えます。
ちょっとドキドキしながらもう一度火をつけるジョン。
もう一方の手にはリボルバーが握られています。

その時、ジョンの後ろに花嫁が現れます。


「Do not forget me」

その声に恐る恐る後ろを振り向くジョン。
女性が両手で襲うような身振りをするとジョンは一目散に逃げ、シャーロックとぶつかります。

JW:彼女がいた!彼女が出たんだ!
SH:まさか君の持ち場から離れたとは言わないだろうな!
JW:何言ってるんだ、ホームズ、彼女が出たんだ、私は見たんだぞ!

その言葉に急いで部屋に向かうシャーロックですが部屋には誰もいませんでした。

SH:もぬけの殻じゃないか!ありがたいね。鳥に逃げられたぞ!
JW:違う、ホームズ、違うんだって!彼女を見たんだ!ゴーストだよ!
ジョンの言葉に大声で「THERE ARE NO GHOSTS!(ゴーストなんていないんだ!)」と叫ぶシャーロック。
ジョンはそんなシャーロックの様子に少し冷静になります。

JW:何があった?ユースタス卿は?
SH:死んだよ。


警察が現場検証をしています。
レストレードもいます。
GL:自分を責めるなよ、わかってるだろうな。
SH:ああ。
JW:わかってもらえてうれしいよ。
SH:ワトソンの行為は犯罪にも匹敵する。


SH:ここだけの話だが、僕たちはしくじったんだ。
僕はあの男を守ると約束したが、彼は胸に短剣を刺されてそこに横たわっている。
と、レストレードに愚痴るシャーロック。
ジョンは死体のそばに行きながら、
JW:実際には、殺人の調査を約束したんだ。
と、言いますが
SH:こんなことにはならない自信があったんだ!
と叫ぶシャーロック。


GL:わかった事を教えてくれ、ドクター。
JW:彼は相当な力で刺されている。
GL:犯人は男か?
JW:おそらく。
GL:非常に鋭利な刃だし、女性の可能性もあるんじゃないか?
JW:理論上では、そうだ。しかし我々は誰がやったのかわかっている。私は彼女を見たんだ。
興奮気味のジョンに「ワトソン」と制すシャーロックですが、
JW:私はこの目でゴーストを見たんだよ!
と、興奮がおさまらないジョンに、シャーロックも大声で応じます。


SH:君は何も見ていない。君は見るんじゃないかと思っていたから見たんだ!
JW:君は自分で言ってたじゃないか、私には想像力がないって。
SH:君の頭を使って、大した頭じゃないが、不可能を除外して、今回だとゴーストだが、
そして遺体をよく観察するんだ。
そうすればこの事件は疑いの余地もないほど明らかだからレストレードだって解決できるんだ!
GL:サンキュー ← レストレード、とばっちり(笑)
SH:あの世のゴーストは忘れろ!殺す動機とチャンスがある容疑者はひとりだけだ。
そいつがメモを残してくれたらよかったのにな。
GL:メモを残したんだ。


SH:それから別の割れた窓の問題もある。
GL:別の割れた窓って?
SH:割れた窓はひとつじゃない。
割れた窓はワトソンと僕が入ったひとつだけだ。にもかかわらずそれより前にはっきりと音が聞こえ・・・・
今、何て言った?メモの事で、何て言ったんだ?


GL:殺人犯はメモを残したって言ったんだ。
SH:そんなはずはない。
GL:短剣にメッセージが結ばれてたんだ。お前は見てるはずだろう!
SH:メッセージはなかった。僕が死体を見つけた時はメッセージなんてなかった。
シャーロックは死体に近づきます。


メッセージを見たシャーロックは呆然とその場を離れます。


不思議に思ったジョンがメッセージを手にするとそこに書かれていたのは・・・


「Miss Me?」

茫然と漂うように階段を下りていくシャーロック


場面はディオゲネスクラブに変わります。
MH:どう思う?
SH:何が?
マイクロフトは「Miss Me?」と書かれたメッセージを見せます。


SH:どうやって手に入れたんだ?僕は犯行現場に置いてきたぞ。
MH:犯行現場?お前はどこでそんな尋常ではない表現を覚えたんだ?
彼がいなくなって寂しいか?
SH:モリアーティは死んだんだ。


MH:にも関わらず・・・?
SH:彼の死体は回収されなかった。
MH:数学教授が滝に落ちたのだから当然だよ。
純粋理性は純粋なメロドラマによって崩壊した。要するにそれがお前の人生なのだ。
SH:あんたはどこでそんな尋常ではない表現を覚えたんだ?


シャーロックはライヘンバッハの滝が描かれている絵を見つめます。


そして再びマイクロフトに向き合い「太ったか?」とシャーロック。
MH:お前はつい昨日、私と会ったのに。あり得ると思うか?
SH:いや。
MH:体重が増えたとしても私はここにいるよ。
イングランドで最高の犯罪捜査官にどんなことを教えてくれるのかな?
SH:イングランドで?
MH:深く入り込んでいるね、シャーロック、お前が思うよりも深く。
リストは作ったか?
SH:何の?
MH:全てのだよ。我々にはリストが必要だ。
シャーロックはポケットからメモ用紙を出します。


MH:いい子だ。
しかしシャーロックは寸前で渡すのをやめます。
SH:ダメだ、まだ終わっていない。
MH:モリアーティとは意見が違うようだな。
SH:彼は僕の注意を逸らそうとしている。僕を挫折させるために。
MH:そう。彼は拡大鏡にひびを入れ、計画を台無しにする、データに入り込むウィルスだ。
SH:僕はこれを終わりにしなければならない。
MH:モリアーティがライヘンバッハの大釜から生き返ったとしたら、彼はお前を探し出すだろう。
マイクロフトの言葉に、「僕はそれを待っているんだ。」と言って部屋から出て行きます。

ひとり残されたマイクロフトは静かに呟きます。

「わかっているよ。お前はそうすると思っていた。」


続きます。