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海外ドラマや映画の感想いろいろ書いてます。

Sherlock:The Abominable Bride その6

2016-01-16 11:08:56 | The Abominable Bride
ネタバレを含むストーリーの詳細ですのでご注意ください。


Mistyさんからご指摘いただいた部分を修正しています。青字部分です。
Mistyさん、毎度ありがとうございます!前文まるっと頂いちゃいました。



今回も会話ばかりです。
シャーロックとユースタスの会話と、
後に出てくるジョンとシャーロックの会話が難しくて3日くらい悩みましたが、
多分こんな感じじゃないかと・・・
他にもちょっと違う?な部分がたくさんありましたが、
100年悩んでも答えが出なさそうなので気にしない事にしました(いい加減)
もし映画を観る事ができたらこっそり修正しようと思います。
(S3の時も同じこと言ってたなー・・・進歩してないのね。)

列車に乗ってカーマイケル家に向かうシャーロックとジョン。


JW:君は言わないだろうけど・・・
SH:僕は言わないし、君もそうするべきだ。
JW:私が何を言うつもりだったのか君は知らないだろう。
SH:君はこの件を扱っている超自然現象の機関があるかもしれないと提言しようとしていた。
君がそれを言ったら僕は笑い飛ばしていただろうね。
JW:だけどまた花嫁だよ、ホームズ。エメリア・リコレッティだ。大地を歩く死んだ女性。
SH:君には驚くよ、ワトソン。
JW:なんで?
SH:君はいつからその手の創作をするようになったんだ?
JW:おそらく一般読者に無節操な麻薬中毒者を紳士だと思わせた時からだな。
SH:君が今その話を出してくるのには感動すら覚えるよ。
だが、この世にゴーストはいないから安心しろ。
(小声で)自分たちで生み出したもの以外は。


JW:え?何て言ったんだ?ゴーストは自分たちが生み出すってどういう意味?



カーマイケル家でユースタスと話しをしています。
ユースタス = Eu


Eu:夢遊病だ。
JW:今、何と?
Eu:私は夢中歩行する、それだけだ。ありふれた病気だよ。
あなたは医者だったはずだ!すべては悪い夢だったんだ。
JW:あなたが受け取った封筒の中身もですか?
Eu:そうだ、あれはグロテスクな冗談なんだ。
JW:あなたが奥さまに与えた印象とは違いますね。
Eu:彼女はヒステリックで、よく妄想するんだ。
SH:違う。


Eu:失礼だが、今何とおっしゃった?
SH:違うと言ったんです、彼女はヒステリックではありません。
類まれな見識のあるとても聡明な女性です。
Eu:妻はオレンジの種に何か恐ろしいものを見たんだ。
SH:あなたの妻は誰ひとりとしていかなる価値も見出せないものを理解する事ができます。
Eu:妻が?どうやってそれを証明するんです?Mr.ホームズ。
SH:あなたと結婚したからです。彼女は動機を見つけ出す事ができたんですよ。
シャーロックに皮肉られちょっと怒り気味のユースタス氏。


SH:今夜、あなたを守るべく最善を尽くしますが、
最初にあなたがリコレッティの事件との繋がりを説明してくれると助かります。
Eu:リコレッティ?
SH:詳しく話してください。
Eu:彼女の事など聞いたことが無い。
SH:興味深いですね。僕は女性だとは言っていませんよ。
さて、我々は外にいます。朝に再び会えるといいですね。
Eu:そうはならないよ。
SH:そうなれば残念ですが僕があなたの殺人を解決することになるでしょう。
ではこれで。

部屋を出て使用人に「カーマイケル夫人に渡してくれないか。」とメモを渡すシャーロック。

JW:何だったんだ?
SH:カーマイケル夫人は今夜は激しい頭痛がすると言ってひとりで眠ることになる。
家のドアと窓は全て鍵をかけてね。
JW:は!君は亡霊・・あー、花嫁が再びユースタス卿を外に誘い出すと思ってるのか?
SH:当然だ。これ以上に不吉な脅しはないよ。「今夜あなたは死ぬ。」だ。
JW:彼女を追っていかないんじゃないか?
SH:彼が何をするのかを一言で言うのは難しいな。罪の意識が彼の魂を蝕んでいる。
JW:罪の意識?何に対して?
SH:彼の過去の何かだよ。オレンジの種がそれを思い出させるんだ。
JW:冗談ではないのか?
SH:まったく違う。オレンジの種は死によって報復するという伝統的な警告でアメリカに由来している。
ユースタス卿がなぜ罰せられるのか、彼は痛いほどよく分かっている。


JW:エメリア・リコレッティに関係しているのか?
SH:恐らく。誰にでも過去はあるよ、ワトソン。ゴーストだよ。
それらは幸せな日々につきまとう影なんだ。

ユースタス卿は自分がマークされていることを知っている。
彼は殺されるよりも恐れている何かがある。
亡きリコレッティ夫人の死体が蘇った事によって地獄に引きずり込まれると思っているんだ。
JW:そんなのすごくバカげてないか。
SH:まったくだ。君、リボルバー持ってきたか?
JW:ゴーストに効力があるのか?
SH:そうだな。で、持ってきたのか?
JW:もちろんだとも。
SH:ではいくぞ、ワトソン。The game is afoot.




夜。
物置小屋のようなところで屋敷を見張るシャーロックとジョン。
画面が非常に暗いです。


ワトソンがうめきながら立ち上がるので小声で怒るシャーロック。
SH:かがんでろ、ワトソン、頼むよ、ホントに!
JW:悪い。けいれんだ。灯りはまだついてる?
シャーロックは部屋の様子を見ながらついてる、と答えますが
その時、ユースタス卿の部屋の灯りが消えました。

SH:ユースタス卿の部屋が消えた。カーマイケル夫人もだ。家中が眠りについたな。
JW:やれやれ、私の人生で一番長い夜になるよ。
SH:忍耐だよ、ワトソン。
JW:ようやく夜中だ。我々がこうして一緒に座るのは珍しいよな。
SH:僕も座るべきだな。膝を痛めそうだ。
JW:旧友ふたりのおしゃべりタイムだな。1対1で。


何か嫌な予感がするのかキョドるシャーロックが(笑)
何だか気まずそうな雰囲気のふたりなんですけど。

JW:その、素晴らしい女性だな。
SH:誰が?
JW:カーマイケル夫人
SH:女性は君の得意分野だ、ワトソン。君が言うなら確かだろう。
JW:君だって彼女が好きだろう。「とても聡明な女性」って。
SH:それに、土踏まずが非常に発達している。彼女が部屋に入ってすぐに気づいた。
JW:彼にはもったいない女性だよ。
SH:そう思うのか?
JW:いや、君がそう思ってるんだろう。僕にはわかる。


SH:それどころか、それに関しては何の見解もないけど。
JW:いや、あるね。
SH:結婚は僕が論じるテーマではないよ。
JW:そうか?
SH:今夜の君はどうかしたんじゃないのか?
JW:君が身につけている懐中時計の内側に写真があるだろう。
以前、ちらっと見たんだ。あれはアイリーン・アドラーだよな。


SH:ちらっと見たんじゃない、君は僕が眠るまで待って、それを見たんだ。
JW:確かにそうだ。
SH:僕が気づかないとでも思ってたのか?
JW:アイリーン・アドラー。
SH:手ごわい相手だった、驚くべき冒険だ。
JW:すごくいい写真だよね。
SH:君はなぜこんな話をするんだ?


JW:なぜ君はそんなに独りでいようとするんだ。
SH:どこか具合が悪いのか?ワトソン。
JW:そんなに妙な質問か?
SH:ウイーンの精神科医ならともかく、退役軍医の質問としては、全く妙だ。
(ウィーンの精神科医はフロイトの事なんでしょうね。ホームズVSフロイトとかいう話もありました。
このあたりの会話も訳がかなり怪しいです。大事な場面なのに多分に間違いがあると思います・・・すみません。)
JW:誰ひとりとして異議を唱えることはないと確信しているが、私たちは親友なんだ。
SH:それは認める。
JW:私は今、君とごく普通の会話をしようとしてるんだ。
SH:やめてくれ。
JW:なぜ孤独になる必要があるんだ。
SH:君が恋愛問題に言及するなら、ワトソン、残念だが、
以前から説明している通り全ての感情は僕にとっては忌まわしいものなんだ。
「The crack in the lens.」だよ。
(※「The crack in the lens.」は物語のタイトルですがタイトルのセンス皆無なので訳しませんでした。
「The crack in the lens.」という本は実在するようです。日本語版はなさそうですけど)
※※「The crack in the lens」はボヘミアの醜聞からの引用との事でした。
確かにアイリーンと彼の感情についてワトソンが言及していました。なるほどです。
なのでThe crack in the lensは「拡大鏡のひび割れ」なんですね。


JW:ああ、「The crack in the lens.」か。
SH:そうだよ、そこでも同じことを言っているだろう。
JW:違うよ、私がその話を書いたんだ。君は自分でストランドマガジンから引用したんだよ。
SH:確かにそうだな。
JW:私の言葉であって、君のではないんだよ!
君についての考察を私が読者に公表したんだ。心のない頭脳。計算機。
私がそのすべてを書いてるんだ、ホームズ。そして読者がそれを楽しむ。
だが私は君がそうだとは思ってないぞ。


SH:では、僕は君の編集者に手紙を書くことにしよう。
JW:君は生きて、呼吸をしているんだ。君は人生を送ってるし過去もある。
SH:何だって?
JW:だから君にもあったはずだ・・・・
SH:何が?
JW:わかるだろう。
SH:わからない。
JW:経験だよ。
SH:リボルバーを貸してくれ。急に必要になった。
JW:ホームズ、君は生身の人間なんだよ、感情もあるし、君は・・・欲求だってあるはずだ。
SH:頼むからやめてくれ、僕は今ほど殺人ゴーストに襲われたいと思ったことはない。
JW:君の友人として、君を心配する者として言ってるんだ。何が君をそうさせる?


SH:何を言っているんだ、ワトソン・・・僕は僕の意思でそうしているんだ。


その時、あたりを動き回る物音と気配がし、シャーロックは思わず、
「レッドベアード?」と呟きます。

ワトソンが「何だ?」と言い、視線のほうを見ると花嫁衣裳の女性が現れ宙に浮いていきます。


JW:どうする?
SH:話をしようじゃないか。


外に飛び出すシャーロックと後を追うジョンでした。

続きます。

最後の会話はトレーラーの時もかなり悩みまして、
そんなに間違ってはいないと思うのですが(・・・間違ってないよね・・・??)
何だかしっくりこないのはやっぱりセンスなんでしょうか。
良い日本語が思いつきません(涙)

そして、出てきましたねーレッドベアード。
そういえば御大たちがレッドベアードについて言及したことがありました。
シャーロックはREDBEARDが死んだときマイクロフトに
「REDBEARDは幸せの谷に行ったんだよ」と言われそれをずっと信じていたという話です。
そしてマインドパレスでレッドベアードと再会したときのセリフ、
「They're putting me down, too, now」は僕も殺される、とか死んじゃうとか、
そんなニュアンスだと思われるのでレッドベアードに何らかの秘密がありそうな・・・・予感です。

Sherlock:The Abominable Bride その5

2016-01-14 14:37:29 | The Abominable Bride
ネタバレを含むストーリーの詳細ですのでご注意ください。

会話ばかりになっていますが、相変わらず怪しい訳です。


2人はマイクロフトに向かい合って席につきます。
MH「数日前にマナーハウス事件の件でお前に会えると思っていた。
あれには少し困っているんじゃないかと思ってね。」
SH「いや、もう解決した。」
MH「当然、アダムズだった。」
SH「そう、アダムズだったよ。」
(この事件はマイクロフトが登場したギリシア語通訳からの引用ですね)


MH「嫉妬による殺人。
彼は王立天文学会に黄道の傾斜角の論文を書いたがその後に彼を凌ぐような論文を読んだ。」
SH「知ってる、僕も読んだ。」

MH「理解できたかね?」
SH「もちろんだ。極めてシンプルだ。」
MH「そうじゃない、嫉妬による殺意を理解しているのか?
偉人がさらなる偉人を眺めるのはたやすい事ではない。」
SH「あんたは僕に屈辱を与えるためにここに呼んだのか?」
MH「そう。もちろん違うとも。しかしそれもまた間違いなく無上の喜びだ。」
マイクロフトの言葉に席を立つシャーロック。

SH「で、呼び出した理由を説明してくれないか?」
MH「我々の生き方は見えない敵の恐怖にさらされている。
毎日のように我々のそばをうろついている。
こういった敵が至る所にいる・・・ひっそりとね・・・どうにもならない。」

JW「社会主義者?」
MH「社会主義者ではないよ、ドクター。」
JW「アナーキスト?」
MH「違う。」
JW「フランス人?婦人参政権論者?」
MH「君は心配にならない身体の大きな人がいるのかね?」
JW「Dr.ワトソンは際限なく用心深いんだ。詳細を・・・」
MH「捜査だ。私の憶測はあるが、お前に裏付けてもらいたい。」
と、いう会話をしているのにジョンは「スコットランド人?」とまだ敵が誰なのか、
気になるようで、思わずシャーロックが「スコットランド人?」と反応しています。
マイクロフトが「君はパラノイアに関する新しい理論を知っているかね?」と言うと、
「セルビア人か。」とジョンの言葉に少々呆れ気味のシャーロック。


「女性がお前を訪ねるだろう、カーマイケル夫人だ。彼女の依頼を受けて欲しい。」とマイクロフトに
「しかし、こうした敵について我々に何も教えないのであればどうやって倒せばいいんだ。」と、
まだまだやる気のジョン。

MH「倒すことはしない。我々は間違いなく負ける。」
JW「なぜ?」
MH「なぜなら、彼らが正しいからだ。そして我々は間違っているんだ。」

SH「カーマイケル夫人の事件とは?」
MH「興味を引く特徴があるから安心しろ。」
SH「僕はそんな事は絶対に言わない。」
JW「絶対に言っているぞ。」
SH「あんたは既に解決していると思うが?」
MH「私の頭ではね。お前の聞き込み捜査が必要なのだよ。」
JW「なぜあなたの回答を教えてくれないんです?」
MH「気晴らしをするにはどこでやるのかね?
やってくれるだろうね、シャーロック?お前に上質の娯楽を約束しよう。」

SH「ひとつ条件がある。プラムプディングをもうひとつ食べろ。」
MH「すぐに届くよ。」
SH「2年11か月と4日だ。」
MH「面白くなるな!チックタック、チックタック、チックタック。」

シャーロックたちがいなくなるとワイルダーがプディングを持ってきます。
MH「ありがとう、ワイルダー。」
Wi「Mr.メラスも来ておりますが、Mr.ホームズ。」
MH「5分待ってくれ、私は勝つ賭けをする。」


221B
カーマイケル夫人が訪ねてきています。


La「Mr.ホームズ、私は助言を求めに来ました。」
SH「それは容易い御用です。」
La「そして助けを。」
SH「必ずしも簡単ではありません。」
La「何かが起こったんです、Mr.ホームズ。何かが・・・普通ではない恐ろしい事が。」
SH「あなたは運が良いですよ。」
La「運が良い?」
SH「それらは私の専門です。ふむ、これは非常に期待ができる。」
JW「ホームズ・・・」
SH「何があなたを悩ませているのか話してください。」
La「私はどうすればよいのかずっと必死に考えましたが、
私の夫があなたのお兄様と面識があることを思い立ち、もしかしたら彼を通じて・・・
実を言えば、あなたの範囲内なのかわかりません、Mr.ホームズ。
信じられない事ですが、もしかしたら神父様の範疇ではないかと。」

カーマイケル夫人の回想。

Eu「今朝は何をして脅かすのかな?
精力的な刺繍縫い?疲労困憊な帽子職人の指名?」
La「あなたをいじめたいわ、ユースタス。」

届いた封筒を開けるとユースタスの顔色が変わります。
ただならぬ空気を感じ夫人は子どもたちを部屋から出します。
「ダニエル、ソフィー、向こうで遊びなさい。」

そして、夫人が封筒の中身を見るとそこにはオレンジの種5粒が入っていました。

La「これは何なの?ユースタス。」
Eu「死だ。」
La「何ですって?」
Eu「死ぬということだ。」
Eu「ああ、いや、何でもない。何でもないよ。私の勘違いだ。」
La「顔色が悪いわ。」
Eu「何でもないんだ!」

221Bに戻ります。
SH「封筒は保管してありますか?」
La「夫が破棄しましたが、封筒には何も書かれていませんでした。名前も住所も何も。」
SH「ユースタス氏はアメリカで過ごした事はありますか?」
La「いいえ。」
SH「結婚する前もありませんか?」
La「私の知る限りではありません。」
SH「どうぞ、あなたの興味深い話を続けてください。」


La「事件は月曜日の朝に起こりました。
夫が初めて彼女を見たのはその2日後の水曜日です。」
JW「誰を?」


再び回想です。
夫人が目を覚ますとユースタスが窓の外を見つけて脅えていました。
La「ユースタス?」
Eu「彼女が私を迎えに来た、ルイーザ!神よ、私の罪が暴かれるのだ!」
La「誰が迎えに来るの?ユースタス。脅かさないで。」
Eu「見ろ!彼女が見えないか?」
La「いいえ、誰もいないわ。」
Eu「消えた」
La「あなたははたくさんの隠し事があるけど、これもそうなの?誰を見たの?」
Eu「彼女だった。花嫁だ!」

221B
「花嫁」という言葉にシャーロックとワトソンは一瞬顔を見合わせます。
SH「あなたは何も見ていない?」
La「はい。」
SH「あなたの夫から何か説明は?」
La「今朝までは何もありませんでした。」

回想。
夫人が目を覚ますと再びユースタスの姿がありませんでした。
夫人は屋敷の外に出て、迷路になった生け垣を探します。
La「ユースタス?どこなの?」

どこからか歌が聞こえてきます。

♪Do not forget me

夫人はユースタスを見つけますが彼の前には花嫁姿の女性が立っていました。


「誰なの?誰なのか言いなさい。」
夫人はユースタスの腕をつかんで「ユースタス、話して。お願いだから。」と言います。
Eu「彼女・・・彼女はエメリア・リコレッティ。いや、違う、そんなはずはない。」
ユースタスはひどく脅えています。

女性は近づくと、
「今夜、ユースタス・カーマイケル、あなたは死ぬのよ。」と言って
顔のベールを取ろうとしますが、夫人が気絶したユースタスに気を取られているうちに
女性の姿は消えていました。

221B


JW「ホームズ?」
SH「静かに、ワトソン。」
JW「だが、花嫁のエメリア・リコレッティって。」
La「名前をご存知ですか?」
SH「彼には分かった事を口にする熱意があります。マニアみたいなものです。
失礼ですが、今朝のあなたの夫の様子はどうでしたか?」


La「そのことについて彼は私に一斉何も話しません。もちろん、私は彼に家を出るように言いました。」
SH「いや、彼は家にいなければなりません。」
La「では、彼に危険はないと?」
SH「ああ、いや、もちろん誰かが彼を殺そうとしていますが我々には都合が良いのです。
餌無しで罠を仕掛ける事はできませんから。」


La「夫は餌ではありませんわ、Mr.ホームズ。」
SH「もちろん、だが我々がうまくやれば彼は安全です。
さて、よろしいですか、あなたはすぐに家に帰るのです。Dr.ワトソンと私は次の電車で追いかけます。
一刻の猶予もありません、ユースタス氏は今夜死ぬのですから。」
JW「ホームズ。」
SH「我々はそれを回避すべきでしょう。」
JW「間違いなくだよ。」
SH「間違いなく、回避します。」


場面はマイクロフトに変わります。

MH「当然ながら、弟は依頼を受けた。
私はあなたがこの件から目を離さないと信じているが、私のために動いていることを決して彼が知ることはない。
わかっているね?ワトソン。」
マイクロフトの背後に現れたのはメアリーでした。
MM「任せてください、Mr.ホームズ。」


Sherlock:The Abominable Bride その4

2016-01-12 23:47:46 | The Abominable Bride
ネタバレを含むストーリーの詳細ですのでご注意ください。



221B
レストレードが来ています。
GL「5件とも、ひとつ残らず同じだ。」
SH「静かにしてくれ、これは極めて重要な問題なんだ。」
GL「何が?」
SH「黄道傾斜角だ。僕はこれを理解しなければならない。」
GL「あんたはすべてを理解していると思ってたよ。」
SH「もちろんそんなことはない。脳のスペースの最悪の浪費だ。
僕は専門的に追及する。」
GL「なんでこれがそれほど重要なんだよ?」
SH「5つの退屈な殺人がなぜそんなに重要なんだ?」
GL「退屈じゃないだろう。5人の男が死んでるんだ。
彼らは自宅で殺されて、床には結婚式のように米粒がまかれ、壁には「YOU」と書かれた血文字があるんだ!
それって、それって彼女だよな、花嫁の。どういうわけか、また起き出してきたんだ。」
SH「解決したよ。」
GL「解決してないだろう!」
SH「もちろん解決だ。至極単純な事だよ。
あの世からの殺人者、ミステリアスなリコレッティ夫人の事件は大衆紙に大きく報じられた。
どうしようもなく愚かなスコットランドヤードを混乱させるため、
民衆が彼ら自身で面白くもない小さな殺人をゴーストの仕業に偽装した。
ほら、解決した。帰るときはハドソンさんのところに寄ってくれ、彼女はそういうのが好きなんだ。」

GL「本当かよ。」
SH「本当だよ。帰ってくれ。ワトソン!準備ができたぞ。
帽子とコートを忘れずに。大切な約束があるんだ。」
GL「Dr.ワトソンは数か月前にここを出たんじゃなかったっけ?」
SH「そうだったか?今まで僕が話していたのは誰なんだ?」
GL「それじゃ、どうしようもなく愚かなスコットランドヤードを代表して言わせてもらうが、
その椅子はどう見ても空っぽだぞ。」

SH「そうだよね?しかし、よく驚くほど働くな。実際彼は良くなってると思う。」

ワトソン邸
ダイニングでメアリーのいない椅子を見つめてため息をつくワトソン。
なかなか食事が運ばれてこないのでベルを鳴らすとメイドがやってきます。
JW「どこに行ってたんだ?」
Maid「すみません、旦那様。今朝はかなり遅くなってしまいました。」
JW「君はたまごも茹でられないのか?
火はまともにたけない、至る所に埃が積もってる。
そして君は私のブーツの泥をこすり落としながら破壊した。
スタッフに対応するのが妻の仕事じゃなかったら私は自ら君と話し合うよ。
妻はどこにいった?」
(不器用なメイドはボヘミアの醜聞からの引用なんでしょうか。確かメリー・ジェーン。)
Maid「失礼ながら、旦那様、奥さまは外出しております。」
JW「外出?朝のこの時間から?」
Maid「はい、旦那様。ご存じなかったんですか?」
JW「どこに行ったんだ?彼女は最近いつも出かけているな。」
Maid「ご自身と同じですね・・・・旦那様。」
メイドが鼻で笑うので明らかに憤慨しているワトソン。

JW「何だって?」
Maid「ただの観察です、旦那様。」
JW「もうたくさんだ、君の観察力が鋭いと依頼人が来なくなる。」
Maid「申し訳ございません、旦那様、
私はあなたがめったに家にいないと言っただけです、旦那様。」
JW「君は危険なほど失礼な言い方をするな。君との会話は妻に話しておくよ。」
Maid「そうしてください、旦那様。それで、いつ彼女に会われますか?」
JW「聞けよ・・・」
Maid「ああ、忘れるところでした、旦那様。あなたに電報が届いています。」
JW「忘れる?」
Maid「いいえ、忘れるところだったんです。」
JW「君は午前中ずっと何をしていたんだ?」
Maid「ストランドに掲載されたあなたの新作を読んでいます。」
JW「楽しんだかね?」
Maid「なぜ私の話が出てこないんですか?」
JW「下がってくれ。」

電報を読むワトソン。


Dr.ジョン・ワトソン
都合が良ければすぐに来てくれ。
都合が悪くてもすぐに来てくれ。
ホームズ。

ワトソンは慌てて立ち上がります。
(この電報は「這う男」ですよね。)

馬車の中で。

JW「何がなんだって?」
SH「黄道の傾斜角だ。」
JW「すぐに来てくれって言っただろう。重要な事かと思ったよ。」
SH「重要だ。天球上の太陽の軌道への地球の赤道の軌道傾斜角なんだ。」
JW「猛勉強したのか?」
SH「なぜ僕が?」
JW「賢く見えるように。」
SH「僕は賢いんだ。」
JW「ああ、わかった。」
SH「何がわかったんだ?」
JW「我々はこれから君より賢いある人に会いに行くんだろう。」
SH「うるさい。」


ディオゲネスクラブ
Absolute silence(完全なる沈黙)


ここからは手話のように手振りで会話をします。
ここは大爆笑でした。
それではコントをお楽しみください。

SH「おはよう、ワイルダー。兄はここにいる?」

W「もちろんですとも。朝食のお時間です。」
SH「The Stranger's Room?」
W「はい。」

SH「この紳士は僕の客だ。」
W「Dr.ワトソンでございますね。「青い紅玉」は面白かったですよ。」

JW「ありがとう。気に入ってもらえて嬉しいよ。あなたはとても・・・醜い。」
思わずワトソンを見るホームズ。

W「何とおっしゃいました?」
JW「醜いと。あなたが「青い魚屋」の事を言っていたので。とても醜い。
あなたに私のポテトを気に入ってもらえて嬉しいよ。」

SH「練習が必要だ、ワトソン。ダンスのレッスンに時間をかけすぎなんだよ。」

そしてホームズが行ってしまうので思わず「え?何だって?あ!」と声に出してしまうワトソン。
とりあえずワイルダーに親指たてて挨拶をしてからホームズの後を追いますが
全然伝わってないから、ワトソン先生。


マイクロフトがいるThe Stranger's Room
マーク・ゲイティス自ら、見たらみんなびっくりして腰抜かすよって、
仰っていたマイクロフトが登場です。

MH「人間を観察したいと思うなら、ここは絶好の場所だよ。」
SH「絶え間なく広がるあんたの尻が永久にそこに接着していられるから本当に便利だな。
おはよう、兄さん。」


MH「シャーロック。Dr.ワトソン。」

どーーん

JW「お元気そうで・・・」
MH「本当かね?かなり太ったように思うんだが。」
JW「そうですね、あなたがそれについて触れるなら、
食物摂取のレベルはあなたの健康にとって非常に有害です。あなたの心臓は・・・」
SH「それに関しては心配は不要だよ、ワトソン。」
JW「不要?」
SH「心臓が入るべき部分には大きな空洞があるだけだ。
MH「一族の特徴だ。」
SH「批判したわけじゃないぞ。」
JW「もしあなたがこれを続けるなら、私は長くても5年しか与えられません。」
MH「5年?我々は3年だと考えていたよ、そうじゃなかったかね?シャーロック。」
SH「僕は4年はもつと思っている。」
MH「相変わらず、見えてはいても観察はしていないな。
私の白目部分の変色に気づいたか。角膜の周辺にある明らかな脂肪の輪を。」
SH「その通りだな。僕は賭けを3年4ヶ月と11日に変える事にする。」
JW「賭け?」
SH「君の非難はよくわかるよ、ワトソン。
しかし彼が激しい競争だと感じたなら、完璧に早死にするよう彼は力を尽くす。」
MH「それはお前が負わねばならないリスクだ。」
JW「あなたは自分の命を賭けているのか?」
MH「なぜダメなんだ?他のものを賭けるより非常に刺激的だよ。」
SH「もしあんたがプラムプディングを食べるなら、3年ちょうどにするよ。」
MH「決まりだ。」
そう言って大きなプディングを食べるマイクロフトでした。



これぞまさしく正典マイクロフトなんですけど、楽しそうに企画した両御大の顔が浮かびます。
指まで太くなっていて仕上げまでものすごく時間がかかっただろうなあ、と余計な事まで考えちゃいました。


続きます。

Sherlock:The Abominable Bride その3

2016-01-10 13:33:04 | The Abominable Bride
ネタバレを含むストーリーの詳細ですのでご注意ください。


誤訳多々の駄訳ですがご容赦くださいませ。

レストレードとともに馬車でモルグに向かうホームズとワトソン。

SH「遺体安置所の当直は誰が?」
GL「例の男だよ。」
SH「いつもあいつだな。」

モルグに着いた途端、目に入ったのは鎖で縛られているエメリアの遺体でした。

入るなり「どこのバカがこれをやったんだ!」とホームズが叫ぶと
「みんなの安全のためだよ。」とアンダーソンが出てきます。
JW「この女性は死んでいるし、頭の半分は吹き飛んでいるん。誰かを脅かすことはないよ。」
An「そんな事はあそこのシートの下にいる彼女の夫に言うんだな。」
SH「昨夜、ライムハウスで何があったたとしても、死んだ女性の仕業ではないと思うし我々は安全だ。」
An「奇妙な事が起こったんだ。」
アンダーソンの言葉にあきれながら「と、言うと・・・?」とホームズ。
An「だから・・・奇妙な事だよ。」
JW「子どもみたいだな。」
SH「これは明らかにあの男の仕事だ。彼はどこにいる?」

ホームズの言葉に登場したのは・・・


(モリーちゃーん!!これ見た瞬間ひとりで爆笑しちゃいました。)

Mo「ホームズ。」
SH「フーパー。」
フーパーはアンダーソンに「君は仕事に戻りたまえ!」と言ってホームズに近寄ります。
Mo「さて、君は魔法のトリックで我々を脅かしに来たんだろう?」
SH「僕の注意を引きつけるような何かがあるのか?」
Mo「何もないよ、Mr.ホームズ。いつでも帰ってくれて構わない。」
ちょっとケンカ腰のフーパーにレストレードが仲裁に入ります。
GL「Dr.フーパー、私がMr.ホームズに来てくれるよう頼んだんだ。協力してくれないか。」
Mo「・・・・Dr.ワトソンの物語で君がいつも言っているように、「興味を引く特徴」がふたつある。」

その言葉に「言ってない。」と答えるホームズに「かなり言ってるぞ。」とワトソン。


Mo「まず第一に、これは確かにエメリア・リコレッティだ。
彼女だと断定的に確認された。疑いの余地はない。」
JW「それじゃ、昨夜のライムハウスにいたのは誰なんだ?」
Mo「それもエメリア・リコレッティだ。」
JW「それはあり得ない。彼女は死んでここにいたんだ。」
Mo「彼女の夫が死ぬ直前に夫によって特定された。彼にはうそをつく理由がないし間違うはずもない。」
GL「キャビ-も彼女を知っていたし彼女であることに疑いようもない。」
JW「だが、同時に2つの場所にいるなんてできないんじゃないか?」
SH「いや、ワトソン、一か所は厳密にはすぐに死んだという制限がある。」
すると閃いたワトソンはホームズに向かって持論を言い出します。
「ホームズ!双子なんじゃないか?」
しかしホームズはすぐに違うと否定。

JW「なんでだよ。」
SH「絶対に双子じゃないからだ。」
GL「エメリアは双子ではないし、姉妹もいない。4年前に死んだ兄がひとりいたが。」
レストレードの説明にも引き下がらないワトソン。
JW「うーん、多分秘密にされた双子だよ。」
ワトソンの言葉に目を丸くしているホームズ。
SH「なんだって?」
JW「秘密の双子。どうだ?誰も知らない双子だよ。これはすべてが計画の内なんだ。」
SH「受胎した瞬間からか。彼女の予知能力はどれだけ驚異的なんだ。
絶対に双子じゃないぞ、ワトソン!」


JW「じゃあ、君の見解は?」
SH「わかりやすく言うと、何が問題なんだ?って事だ。」
ホームズはレストレードを見ます。

GL「あー・・・よくわからん・・・」
SH「なぜそんなに脅えていた?
僕のデカンタに対する攻撃が正当化されるわけでもないが、
君はなぜ死んだ女性の拘禁を許可しているんだ。」
Mo「ああ、それはもうひとつの興味を引く特徴だ。」
フーパーはエメリアの指の先に付着してる血を見せます。

JW「彼女の指に血の染みがあるな。だがそれならいくらでも起こり得るだろう。」
Mo「確かに。これがもうひとつの特徴。以前はなかったものだ。」
フーパーの言葉にレストレードが「これもなかったんだ」と、後ろにある壁まで移動し灯りをともします。
壁には血文字で「YOU」と書かれていました。
それはエメリアが銃を撃ちながら言っていた言葉でした。

その文字をじっと見つめるホームズ。
JW「ホームズ?」
SH「銃を口にくわえ、弾丸が脳を貫通し・・・・後頭部はきれいに吹き飛ばされていた。
どうやって彼は生還した?」


JW「「彼女」だろう。」
SH「何だって?」
JW「「彼」じゃない、「彼女」だ。」
SH「もちろん、そうだ。」

その瞬間、ホームズは現実に戻ったかのようにはっとします。
SH「興味深い事件をありがとう。解決したら電報を打つよ。ワトソン、行こう。」
ホームズはそそくさと部屋をあとにするとワトソンがフーパーに言います。
死因は明らかに銃弾によるものだ、だが肺結核による衰弱もみえる。
検死の価値があるかもしれない。我々は入手すべきすべての情報が必要だ。」
ホームズに続いて部屋をあとにしようとするワトソンに、
「おや、パパがいなくても観察力は鋭いじゃないか。」とフーパーが鼻で笑います。
ワトソンは足を止めもう一度フーパーに近づきます。
JW「ホームズが他の事に関してはまるで見えていないが、私はいろいろな点で観察力があるんだ。」
Mo「本当に?」
JW「ああ。・・・・男性社会で成功するとは驚きだ。」
ワトソンは帽子を取り挨拶すると部屋を出て行きます。

ちょっと気分を害しているようなフーパーにアンダーソン。
An「あの人、なんでそんな事を?」
Mo「仕事に戻りたまえ!」



JW「それで、ホームズ?間違いなく君にはいつくかの見解があるんだろう?」
SH「まだだ。深い海にあるんだ、ワトソン。深い海に。」

ワトソンの独白
「我々は数か月中断していたこの奇妙な事件を再開することになった。
そしてそれは思いがけない状況になっていった。」

続きます。


それにしても「彼」と言っている場面を最初に見た時はトリハダものでした。
そうきたかー!って。
久しぶりにワクワクでした。

Sherlock:The Abominable Bride その2

2016-01-08 23:26:19 | The Abominable Bride
ネタバレを含むストーリーの詳細ですのでご注意ください。



依頼人だと思っていた女性はメアリーでした。
JW「メアリー!」
MM「ジョン。」
JW「なぜ君は依頼人のふりをしてるんだ?」
MM「夫に会う方法が他に思いつかなかったからよ。夫にね。」

バイオリンを演奏する横で言いあうふたり。
JW「国際的陰謀の事件だったんだ。」
MM「田舎の大地主が殺されたんでしょ。」
JW「それにしたって、事態は急を要してたんだよ。」
MM「行くのは別にいいのよ、ダーリン、あなたに置いていかれるのが嫌なの。」
JW「だけど君に何ができるって言うんだ。」
MM「じゃあ、あなたは何をしているの?メモをとりながら歩き回る以外に。驚いた顔をする事?」
SH「いい加減にしてくれ!」

SH「舞台が整い幕があがる。始めなければ。」
MM「何を?」
SH「事件を解決させるためにまずは別のものを解決しなければならないこともある。」
JW「新しい事件か?」
SH「かなり古いものだ。僕は深く入り込まなければならない。」
JW「深く?どこに?」
SH「僕自身に。」

と、突然「レストレード!ドアのそばでうろつかないで入ってきたらどうだ。」と声を張り上げます。
ドアを開けながら「なんでわかった?」とレストレード。
SH「その足取りは間違えようがない。ジョーンズよりは軽いがグレグソンよりは重い。」
GL「立ち寄っただけなんだ・・・ハドソンさんは口をきかないし。」
SH「彼女が風刺文芸の批評にまで手を広げないか心配だ。
今の時代の女主人の悲惨な傾向だ。非番の君が何の用だ?」
GL「非番だとなんでわかるんだ。」

SH「君がここに来てから、君の関心の40%以上はデカンターに向かっている。
ワトソン、警部に彼が欲しているものを差し上げろ。」
ワトソンはデカンタからお酒をつぎながら「で、レストレード、用件は何だ?」と聞きます。

GL「顔を出そうと思っただけなんだ、仕事じゃない。」
JW「表敬訪問かよ。」
GL「そんなところだ。クリスマスのお祝いを言おうと思って。」
(※これは青い紅玉からの引用なんでしょうね。実際はワトソンのセリフですけど。)

レストレードが「メリークリスマス」とグラスを上げるとホームズたちも応えます。
「Merry Christmas」


SH「やれやれ。それで、警部は何か奇妙な事があってここを訪れたが説明にも困っているのでは?」
GL「誰から聞いた?」
SH「君だよ。言葉にはなっていないがいろいろ伝わってるぞ。」
JW「おいおい、ホームズ、それは誤診だよ。」
SH「それなら訂正を、ドクター。」


JW「彼は酒が欲しいのではなく、必要なんだ。彼は困っているのではなく、恐れているんだ。」
SH「僕のボズウェルは学んでいるな。あっという間に成長する。
(※ボズウェルは有名な伝記作家でボヘミアの醜聞に「僕のボズウェルがいないと困る、というセリフがあります。)
ワトソン、スコットランドヤードにもう一度勇気を与えてやってくれ。警部、座りたまえ。」
ワトソンはレストレードのためにもう一杯お酒をつぎます。

「恐れているわけではないんだ。」とレストレードが座ります。
SH「恐怖は危険に直面すれば常識だ、恥じる事は何もない。」
GL「Thank you.」
SH「では最初から話せ。」
と、ホームズがパイプに火をつけた瞬間、ウェディングドレスを着た女性が、
逃げ惑う市民に向かい、両手の拳銃を撃ちます。
「You!」
「You?」


「ちょっといいか。」とホームズが手を挙げた瞬間、その場面がストップします。
ホームズたちが部屋からその様子を見ている、という場になっています。

SH「これはいつだ?」
GL「昨日の朝だよ。」
SH「花嫁の顔はどのように述べられていた?」
GL「顔は死のように白く、口は血のように赤かったと。」

SH「事実か?それとも詩か?」
GL「彼らのほとんどが同じことを言ってるよ。」
SH「ばかばっかりだな。それで事実なのかそれとも詩なのか?」
GL「私も見たんだ。そのあとに。」
SH「あととは?」

花嫁は「You? Or me?」と言うと自ら拳銃を口にくわえ、自殺します。

SH「ああ、レストラード、本当に君は女性が人前で自分の頭を吹き飛ばしたから犯人を割り出すのに助けが必要だと?
スコットランドヤードは最低の水準に達したような気がするよ。」
GL「私がここにきた理由はそれではないんだ。」
SH「そうだろうな。」
JW「花嫁の名前は?」
GL「エメリア・リコレッティ。昨日は彼女の結婚記念日だったんだ。
もちろん、警察が呼ばれ、死体はモルグに運ばれた。」
SH「一般的な手順だ。なぜ君は推定できることを我々に話す?」
GL「その後に起こったことが理由だ。」


場面は夜のライムハウス地区チャイナタウンに変わります。
※このあたりは当時東インド会社の船員として英国にきた中国移民たちがチャイナタウンを作ったそうです。
詳細はこちらにありました。
チャイナタウン探偵団

歩いている男性をレストレードが説明します。
GL「数時間後のライムハウス。トーマス・リコレッティはエメリアの夫だ。」
SH「彼女の遺体を確認するためにモルグへ行く途中だったのだろう?」
GL「結果的に、その手間は省かれてしまったが。」

1台の馬車がトーマスに近づきます。
女性が歌を口ずさみながら馬車から降りてきます。
♪Do not forget me.....

ウェディングドレスを着た女性は顔をベールで覆い、トーマスに向かってライフルを構えます。
ゆっくりと近づく女性に「誰だ?なぜこんな事を?誰なのか言え!」とトーマス。
「この歌に聞き覚えがあるでしょう?結婚式で私が唄った歌よ。」と、女性がベールを取ります。
「エメリア?君は死んだんだ、ここにいるはずがない。」
「私は美しくないの?トーマス。あなたと結婚した日は美しかった?」
エメリアの後ろから警察官がやってきます。
「これは一体何なんだ?」と警察官に「夫のハンサムな友人ね。何だと思う?」と、
エメリアは「It's a shotgun wedding.」と言うとトーマスを撃ち殺します。

※「It's a shotgun wedding.」はできちゃった婚とか強制結婚だそうです。

倒れるトーマスを見ながら「死がふたりを分かつまで。この場合は2度だが。」とホームズ。

女性は霧の中に消えていき、警察官がホイッスルを鳴らします。

「異様だ。」とワトソンが、
「あり得ないわ。」とメアリーが言いますが、ホームズは椅子から立ち上がり、
「素晴らしい。街頭劇の自殺、死体による殺人。レストレード、君は我々を甘やかしすぎだよ。」と言います。
そして「ワトソン、君の帽子とコートを。」と、自分も身支度をします。
JW「どこに行くんだ?」

SH「モルグの話ができなかった。急ごう、時間が無い。」
MM「で、私はここに座ってるだけ?」
JW「そんなことはないよ、メアリー。私たちはきっとあとで腹が減る。
ホームズ、おい、ツイードのスーツでモルグに行くのか?」
SH「背に腹は代えられないよ、ワトソン。」

ふたりが部屋から出て行くとメアリーが「私はキャンペーンの一員なのよね。」と言います。
GL「キャンペーン?」
MM「女性参政権よ。」
GL「で、君は賛成派?それとも反対派?」
MM「出て行って。」

誰もいなくなった部屋でため息をつくメアリーのところにハドソンさんがやってきます。

MrsH「あら、みんなまた出て行っちゃったのね?
私にはわからないけど、あの紳士たちは何という人生を送っているのかしら。」
MM「そう。あの紳士たちね。」
MrsH「あら、気にすることはないのよ。
いけない、忘れるところだったわ。あなたにこれがきてるの。」
メアリーはハドソンさんから封筒を受け取ります。
カードには「M」の文字と、裏にはImmediately(至急)の文字。
それを見たメアリーは急に笑顔になります。

MM「ハドソンさん、夫に遅くなると伝えて。ちょっと急用ができたから。」
MrsH「大丈夫なの?」
MM「えーと、その、友人が困ってるの。」
MrsH「あらまあ。どんな友人?」
MM「イングランドよ。」
メアリーはそそくさと部屋をあとにし、残ったハドソンさんが
「それじゃ曖昧すぎるわよ。」と、こぼします。


続きます。