2012年のシーズン1をボチボチと観始めましたのであらすじと感想を。
ネタバレを含みますのでご注意ください。
構成としては
Ep1がリチャード二世
Ep2がヘンリー四世パート1
Ep3がヘンリー4世パート2
Ep5がヘンリー5世
となっていて全11話あります。
シーズン2が薔薇戦争のタイトルでヘンリー六世とリチャード三世になっています。
Ep1のリチャード二世はリチャード二世からヘンリー四世に譲位されるまでのお話で全3話ありました。
主なキャストです。
リチャード二世・・・ベン・ウィショー
ヘリフォード公ヘンリー・ボリングブルック・・・ローリー・キニア
ヨーク公エドムンド・オブ・ラングリー・・・デヴィッド・スーシェ
ランカスター公ジョン・オブ・ゴーント・・・パトリック・スチュアート
ノーサンバランド伯ヘンリー・パーシー・・・デビッド・モリシー
それにしても豪華な顔ぶれです。
歴史物は登場人物が多いのと名前が長いので誰が誰なんだかわからなくなるのですが
リチャード二世は比較的人物も少なくてシンプルだったと思います。
ウィキに系図がありますのでこれを観るとわかりやすかったです。
引用元 リチャード2世 (イングランド王)
それではあらすじと感想です。
The Hollow Crown:Richard II
Based on Richard II by William Shakespeare
Screenplay:Rupert Goold Ben Power
Directed:Rupert Goold
Ben Whishaw as Richard II of England
Rory Kinnear as Henry Bolingbroke
Patrick Stewart as John of Gaunt, Duke of Lancaster
David Suchet as the Edmund of Langley, Duke of York
David Morrissey as Henry Percy, Earl of Northumberland
冒頭は玉座に座る王の広間から。
(リチャード二世)
ヘンリー(後のヘンリー四世)がノーフォーク公が軍資金の横領や過去18年間の謀反にも関与しているとして
王の裁定を求め、王は和解をさせようとしますが結局決闘へと発展します。
決闘の途中で王が職杖を投げ入れ中断を命じ、ヘンリーには6年の追放ノーフォーク公には永久追放を言い渡します。
(左:ヘンリー 右:ノーフォーク公)
リチャード王は平民に心を寄せるヘリフォード公を疎ましく思っていましたので
追放した今はアイルランド問題を片付けるため戦場に赴こうとしますが軍資金が不足していました。
その時、ランカスター公が病に倒れたことを知り、王は公の死後はその財産を軍資金に当てようと考えます。
(ランカスター公)
ランカスター公は王の所業を憂い、ヨーク公やノーサンバランド伯の立ち合いのもと王に訴えますが、
王の耳には届かずランカスター公は死に至ります。
(ノーサンバランド伯)
王は公の財産をすべて没収しようとします。
ヨーク公はヘンリーの正当な権利を奪えば人民の心が離れ自分を危うくすると制止しますが
王はそれにも耳を貸しませんでした。
さらにリチャード王は貴族たちからも不当に罰金を徴収したので貴族たちからも敵視されるようになります。
(ヨーク公)
王が遠征に出かける中、ヘンリーが正統な権利を取り戻そうと戻ってきたので
ノーサンバランド伯たちがこれを出迎え、協力します。
(ヘンリー)
留守を任されたヨーク公が謀反になると認めませんでしたがヘンリーたちに説得されます。
(遠征に旅立つリチャード王)
この事を知った王の側近たちが王に使者を送り、王に忠実な兵を集めますが
いつまでたっても王からの連絡がなかったので兵たちはヘンリー側につきます。
王が遠征から戻った時にはイングランドはヘンリーの手におちていたも同然でした。
ノーサンバランド伯を先頭にヘンリーの軍がフリント城に入城するとリチャード王が待ち構えていました。
王位を狙うのは反逆だと言う王にノーサンバランド伯が要求は権利の返還のみだと伝えると
王は正統な要求はすべて受け入れ、ヘンリーに王位を譲渡すると言います。
ウェストミンスター大会堂でリチャード王を待っていたヘンリーたちの前に王の代理としてヨーク公が現れます。
そして王が正式にヘンリーに王位を譲るとヨーク公から説明されますが、
ヘンリーはまわりを納得させるためにもリチャードから直接譲位するように言います。
王の広間に現れたリチャード王は潔く王冠を渡そうとはせずに周囲をうんざりさせます。
ヘンリーに譲位された後リチャード王はロンドン塔に幽閉されます。
(素直に王冠を渡さないリチャード王)
リチャード王の側近だったヨーク公の息子、オーマール公が謀反の一味に加わりますが
オーマール宛ての手紙によって知ったヨーク公自らヘンリー王に知らせます。
ヘンリー王は一味全員を処罰しますがオーマールは母の命乞いを受け入れ見逃します。
しかし王の言葉を曲解した騎士エクストンによってオーマールは幽閉されているリチャード王を殺してしまいます。
それを知ったヘンリー王は罪を清めるためエルサレムに巡礼に行きます。
ここまでが「リチャード二世」です。
それにしても王様って大変だなーとつくづく思います。
ほんの子どもころに即位しているし、まわりは食えない大人ばかりだったと思うので
相当孤独だったのかもしれません。
だから自分を慕ってくれて(王様にへつらうイエスマンだったとしても)軽口をたたけるような
ちょっと身分の低い男たち(ゲイ仲間)を側においたのかなーと。
しかもイングランドの王様って大体、外にも中にもそこら中敵だらけで、
お城の中は陰謀渦巻き、油断すればうっかり暗殺されかねないような状況を考えれば
王様の半分以上は疑心暗鬼になって自滅してしまうのではなかろうかと。
性格が歪むのも仕方ないです。
ドラマは舞台のような作りになっていて、
目線が時々カメラ目線になるのも観衆に向けてセリフを言っているような感覚で面白かったです。
見どころはひとつは第4幕にあたるリチャード二世からヘンリーに王冠が譲渡される場面。
ベン・ウィショーとローリー・キニアの対決がすごく良かったです。
饒舌に語るリチャードとそれをじっと聞いているヘンリー。
ヘンリーは王を炎に自分を水に例えるセリフがありましたが、
抑制しながらもローリーさんの表情からいろいろと伝わってくるものがありました。
リチャードに自分の罪状を読ませようとする場面でリチャードはノーサンバランド伯たちをピラトに例え
自分をイエスに見立て「手を洗っても罪は洗い流せないぞ」というセリフがあります。
リチャードの衣装も側近を使途に見立てた衣裳も、弓によって暗殺されたリチャードの最期の姿もイエスのイメージなんですよね。
もうひとつの見どころはリチャード王が遠征から戻りウェールズの海岸で側近たちと会話をする場面。
ずっと海岸での場面でここは本当に舞台を見ているようでした。
そしてジョン・ウィショーの演技が凄いです。
始めは自分には援軍がいると信じているので余裕を持っていますが次々と悪い報告が入り
次第に自信が揺らいでいくんですね。
なのでフリント城でノーサンバランド伯たちを出迎えた時の仰々しい出で立ちは自信の無さの表れとも言えるのかも。
そして一度は正当な要求は全てのむと言ったリチャードですが、
王としての威厳を保とうとしたりヘンリーに王位を譲ると言ったり揺らいでいました。
ウェストミンスター大会堂でも言動が不安定で子どもが駄々をこねてる状態でしたが、
でもリチャード王はいくつもの深い言葉を言っていたように思います。
原作を読んでいないのであまり語る事もできませんがこれを観る限りでは、
我儘で浅慮で暴君の面も見え隠れする結構嫌な王様なのですが、
でもこの王様は生まれてから純粋に自分の意思で何かを欲したりしたことがなかったのではないだろうか、
そんな事を考えると、結構かわいそうな王様だと思えてきました。
そしてヘンリー四世へと続いていきますが、これもまたまとまったら感想書こうと思います。
ネタバレを含みますのでご注意ください。
構成としては
Ep1がリチャード二世
Ep2がヘンリー四世パート1
Ep3がヘンリー4世パート2
Ep5がヘンリー5世
となっていて全11話あります。
シーズン2が薔薇戦争のタイトルでヘンリー六世とリチャード三世になっています。
Ep1のリチャード二世はリチャード二世からヘンリー四世に譲位されるまでのお話で全3話ありました。
主なキャストです。
リチャード二世・・・ベン・ウィショー
ヘリフォード公ヘンリー・ボリングブルック・・・ローリー・キニア
ヨーク公エドムンド・オブ・ラングリー・・・デヴィッド・スーシェ
ランカスター公ジョン・オブ・ゴーント・・・パトリック・スチュアート
ノーサンバランド伯ヘンリー・パーシー・・・デビッド・モリシー
それにしても豪華な顔ぶれです。
歴史物は登場人物が多いのと名前が長いので誰が誰なんだかわからなくなるのですが
リチャード二世は比較的人物も少なくてシンプルだったと思います。
ウィキに系図がありますのでこれを観るとわかりやすかったです。
引用元 リチャード2世 (イングランド王)
それではあらすじと感想です。
The Hollow Crown:Richard II
Based on Richard II by William Shakespeare
Screenplay:Rupert Goold Ben Power
Directed:Rupert Goold
Ben Whishaw as Richard II of England
Rory Kinnear as Henry Bolingbroke
Patrick Stewart as John of Gaunt, Duke of Lancaster
David Suchet as the Edmund of Langley, Duke of York
David Morrissey as Henry Percy, Earl of Northumberland
冒頭は玉座に座る王の広間から。
(リチャード二世)
ヘンリー(後のヘンリー四世)がノーフォーク公が軍資金の横領や過去18年間の謀反にも関与しているとして
王の裁定を求め、王は和解をさせようとしますが結局決闘へと発展します。
決闘の途中で王が職杖を投げ入れ中断を命じ、ヘンリーには6年の追放ノーフォーク公には永久追放を言い渡します。
(左:ヘンリー 右:ノーフォーク公)
リチャード王は平民に心を寄せるヘリフォード公を疎ましく思っていましたので
追放した今はアイルランド問題を片付けるため戦場に赴こうとしますが軍資金が不足していました。
その時、ランカスター公が病に倒れたことを知り、王は公の死後はその財産を軍資金に当てようと考えます。
(ランカスター公)
ランカスター公は王の所業を憂い、ヨーク公やノーサンバランド伯の立ち合いのもと王に訴えますが、
王の耳には届かずランカスター公は死に至ります。
(ノーサンバランド伯)
王は公の財産をすべて没収しようとします。
ヨーク公はヘンリーの正当な権利を奪えば人民の心が離れ自分を危うくすると制止しますが
王はそれにも耳を貸しませんでした。
さらにリチャード王は貴族たちからも不当に罰金を徴収したので貴族たちからも敵視されるようになります。
(ヨーク公)
王が遠征に出かける中、ヘンリーが正統な権利を取り戻そうと戻ってきたので
ノーサンバランド伯たちがこれを出迎え、協力します。
(ヘンリー)
留守を任されたヨーク公が謀反になると認めませんでしたがヘンリーたちに説得されます。
(遠征に旅立つリチャード王)
この事を知った王の側近たちが王に使者を送り、王に忠実な兵を集めますが
いつまでたっても王からの連絡がなかったので兵たちはヘンリー側につきます。
王が遠征から戻った時にはイングランドはヘンリーの手におちていたも同然でした。
ノーサンバランド伯を先頭にヘンリーの軍がフリント城に入城するとリチャード王が待ち構えていました。
王位を狙うのは反逆だと言う王にノーサンバランド伯が要求は権利の返還のみだと伝えると
王は正統な要求はすべて受け入れ、ヘンリーに王位を譲渡すると言います。
ウェストミンスター大会堂でリチャード王を待っていたヘンリーたちの前に王の代理としてヨーク公が現れます。
そして王が正式にヘンリーに王位を譲るとヨーク公から説明されますが、
ヘンリーはまわりを納得させるためにもリチャードから直接譲位するように言います。
王の広間に現れたリチャード王は潔く王冠を渡そうとはせずに周囲をうんざりさせます。
ヘンリーに譲位された後リチャード王はロンドン塔に幽閉されます。
(素直に王冠を渡さないリチャード王)
リチャード王の側近だったヨーク公の息子、オーマール公が謀反の一味に加わりますが
オーマール宛ての手紙によって知ったヨーク公自らヘンリー王に知らせます。
ヘンリー王は一味全員を処罰しますがオーマールは母の命乞いを受け入れ見逃します。
しかし王の言葉を曲解した騎士エクストンによってオーマールは幽閉されているリチャード王を殺してしまいます。
それを知ったヘンリー王は罪を清めるためエルサレムに巡礼に行きます。
ここまでが「リチャード二世」です。
それにしても王様って大変だなーとつくづく思います。
ほんの子どもころに即位しているし、まわりは食えない大人ばかりだったと思うので
相当孤独だったのかもしれません。
だから自分を慕ってくれて(王様にへつらうイエスマンだったとしても)軽口をたたけるような
ちょっと身分の低い男たち(ゲイ仲間)を側においたのかなーと。
しかもイングランドの王様って大体、外にも中にもそこら中敵だらけで、
お城の中は陰謀渦巻き、油断すればうっかり暗殺されかねないような状況を考えれば
王様の半分以上は疑心暗鬼になって自滅してしまうのではなかろうかと。
性格が歪むのも仕方ないです。
ドラマは舞台のような作りになっていて、
目線が時々カメラ目線になるのも観衆に向けてセリフを言っているような感覚で面白かったです。
見どころはひとつは第4幕にあたるリチャード二世からヘンリーに王冠が譲渡される場面。
ベン・ウィショーとローリー・キニアの対決がすごく良かったです。
饒舌に語るリチャードとそれをじっと聞いているヘンリー。
ヘンリーは王を炎に自分を水に例えるセリフがありましたが、
抑制しながらもローリーさんの表情からいろいろと伝わってくるものがありました。
リチャードに自分の罪状を読ませようとする場面でリチャードはノーサンバランド伯たちをピラトに例え
自分をイエスに見立て「手を洗っても罪は洗い流せないぞ」というセリフがあります。
リチャードの衣装も側近を使途に見立てた衣裳も、弓によって暗殺されたリチャードの最期の姿もイエスのイメージなんですよね。
もうひとつの見どころはリチャード王が遠征から戻りウェールズの海岸で側近たちと会話をする場面。
ずっと海岸での場面でここは本当に舞台を見ているようでした。
そしてジョン・ウィショーの演技が凄いです。
始めは自分には援軍がいると信じているので余裕を持っていますが次々と悪い報告が入り
次第に自信が揺らいでいくんですね。
なのでフリント城でノーサンバランド伯たちを出迎えた時の仰々しい出で立ちは自信の無さの表れとも言えるのかも。
そして一度は正当な要求は全てのむと言ったリチャードですが、
王としての威厳を保とうとしたりヘンリーに王位を譲ると言ったり揺らいでいました。
ウェストミンスター大会堂でも言動が不安定で子どもが駄々をこねてる状態でしたが、
でもリチャード王はいくつもの深い言葉を言っていたように思います。
原作を読んでいないのであまり語る事もできませんがこれを観る限りでは、
我儘で浅慮で暴君の面も見え隠れする結構嫌な王様なのですが、
でもこの王様は生まれてから純粋に自分の意思で何かを欲したりしたことがなかったのではないだろうか、
そんな事を考えると、結構かわいそうな王様だと思えてきました。
そしてヘンリー四世へと続いていきますが、これもまたまとまったら感想書こうと思います。