特別定額給付金、全部無駄なものに使い切りました。
先日半分使って、あと半分どうしようかとしばらく考えていました。
まあ、無駄遣いといえば、楽器ぐらいしか頭に浮かばないのですが、シンセサイザー周辺は、試してみたいものは、ほとんどすでに購入済みで、更に買い足せば、本当に無駄になってしまいそうで、ぼんやりと浮かんでいた候補は具体化しませんでした。
そこで、結局、結果としては前回と同じようなものになってしました。
VOX StarStream Type 1-24 with DiMarzio

VOXは1957年に設立されたイングランドの音楽機器メーカー。
ビートルズのステージのアンプとして有名ですね。

VOX は、昔から変わったギターをたくさん出しています。
びっくりなのが、オルガンギター
1967 VOX v251 Guitar Organ

初代 StarStream
VOX V269 StarStream

1967 に発売した、初代 VOX V269 StarStream は独特のティアドロップ型のボディで、ボディーにビルトインされた機器はさらに珍しいものだったようです。
Eチューナー、ディストーションブースター、トレブル、バスブースター、ワウワウ、リピートパーカッションエフェクト(パーカッシブトレモロ)を装備。
ピックアップは Vox Ferro-Sonic (イタリアの Eko 製)シングルコイルユニット。ボルトオンのメイプルネックにローズウッドフレットボード。21フレット。
1990年にVOXはコルグに吸収されたため、今回の初期モデル 「STARSTREAM TYPE 1」 は、日本のKORG が中心となって開発したもののようです。
発売は、2016年5月28日。

新型の StarStream は、モデリングギター。
新開発の「AREOS-Dシステム」は、ギター用マグネティック・ピックアップ(+ピエゾ・ピックアップ)でひろった信号をデジタル処理し様々なエレクトリック・ギター・モデル(サウンド数: 27)を精緻(各ギターのピックアップの位置やボディでの共鳴、弦や電子パーツなどの各要素を再現するのみならず、細かなニュアンスも余すところなく表現)に再現する。
その他のスペックは
ボディー:マンゴー材~マンゴーは、暖かみのある鳴りの良さに加え、豊かでスムーズなサステインに特徴があり、幅広いギター・モデルのサウンドをよりリアルに、深みのあるものにしている。
ネック: メイプル
指板: ローズウッド
スケール: 25 1/8″ (638 mm)
フレット数: 22
ピックアップ: VOX XLM x 2, ピエゾ・ピックアップ(各サドルにマウント)
ブリッジ: 2 ポスト・トレモロ
生産国:インドネシア
価格は税抜き95,000円ですから、当初7~8万程度で売られていたようで、初心者向け、もしくは、セカンドギターとしての購買層を狙ったものだったようです。更に、LINE 6 Variax Standard の対抗馬としての値段設定を意識したのかもしれません。
今回ゲットした「StarStream Type 1-24 with DiMarzio」は、2017年9月発売。「StarStream Type 1」の後期型となります。
電源を入れずにギター・アンプから音を鳴らせるパッシブ・モードを新たに追加。648mmスケール、ネックにバインディングを施した24フレット仕様、USA DiMarzio製 Three-90ピックアップ、Gotoh製ペグ、ボディ材をマホガニーとして、表面にキルティッドメープル材を貼った、MADE IN JAPAN(従来はインドネシア製)の限定生産版です。
価格:¥150,000 (税別)というレギュラーラインに比べ、だいぶ強気の価格設定でした。

その後、レギュラーラインの「StarStream Type 1」にAREOS-Dシステム をブラッシュアップし、パッシブ・モードを追加した「 Starstream Type 1 Plus」を発売。 更にその後、2018年5月 日本限定モデルとして、フレームにラップ塗装を施した「STARSTREAM TYPE 1 PLUS W」を発売。

現在のところ、どのモデルも生産終了になっている感じです。
で、なんで同じようなものを今回ゲットしたかというと、ギターシンセとして使っている、Squier のプレイアビリティ が、他の手持ちのギターに比べていまいちのところがありました。

2万円ぐらいのギターに、多くを求めてはいけないのですが、弾きごこちを、Fender Strato や Gibson Studio に比べてしまうと、ちょっと、悲しい部分があります。
ということで、弾きごこちがよくて、Squier の代替品になるようなものを探していました。
狙っていたのは、MADE IN JAPAN の FUJIGEN の中級品だったのですが、
これに、GK ピックアップ を乗せるのでは、代わり映えしないという感じで二の足を踏んでいました。
これに対して、「StarStream Type 1」は、本体のみでモデリング機能もあるし、デザインも先進的で、GKピックアップとの親和性がある(メカっぽいので)のではないかと。
更に、「StarStream Type 1-24 with DiMarzio」は、当初から指摘されていた部分(①ペグを品質のいいGOTO製(GOTOH SG381)に ②ピックアップのパッシブモード導入 )を修正するとともに、日本製にこだわったというところに惹かれました。
また、VOX は、以前から FUJIGEN から OEM 供給を受けていた経緯(70年代は、マツモク なども供給実績がある)もあるので、明らかにされてはいませんが、今回のギターも FUJIGEN 製ではないかとの淡い期待もありました。
どちらにしても、日本でOEMギターを作れる会社は限られており、どこもその品質は高いので、信頼感はあります。
で、実際、品質は予想通りいいものでした。

①指摘されていた、弦高の高さ(ナットの溝の調整が悪いのが原因)は、まったく感じられず、ぎりぎりまで弦高を下げられる状態で仕上げられています。
②フレットのバリが指摘されていましたが、これも丁寧な仕上げで、指に当たる感覚はありません。
③いうまでもなく、GOTOH製のペグは、動きがスムーズで精度が抜群です。
④リボン状の樹脂を3次元加工したフレームは体にフィットするようよく考えられています。
⑴43mmのネック幅は、バインディング加工がなされているせいか、一見太く感じられますが、アコースティックギターとしての使い道も考えあわせれば妥当なのかもしれません。
⑵モデリングは、Roland の VG-8EX や GR-55 に比べると、だいぶ見劣りします。せっかく、USA DiMarzio製 Three-90ピックアップ を奢っているのに、原音が音やせしている感じが残念な感じです。
これに対して、ピエゾピックアップから拾った原音を加工していると思われる、アコースティックギターのモデリング音は、それぞれのギターの特徴を掴んだ、なかなか素晴らしい音(但し、ナイロン弦の音は無理があったかなと思います)がします。
ブリッジの1ブロックごとに、ピックアップが収められている豪華版ピエゾピックアップがダイレクトに音を拾う構造(弦と直接コンタクトしているので、トラッキングがシビア)が影響していると思われます。
形状からすると、L,R,BagsのX-Bridge の 特注品 を組み込んであるのかもしれません。これって、トレモロユニットだけで、25,000円もしますから、結構贅沢な機構です。
ということで、早速当初予定の改造を開始しました。
まず、ストリングリテーナー(けっこう品質のいいカモメ型がついてはいるのですが)を俵型に変えて、チューニングの安定を図ります。塗装(ポリウレタンだと思う)がきれいにのっていて、作りの丁寧さがうかがえます。

GKピックアップの本体をつける空間が表面にはないので、裏に両面テープで貼り付けました。裏はプラスチックカバーでおおわれているので、心おきなく両面テープを貼れるのもグッドポイント。

Three-90ピックアップの材質や色がGKピックアップと違和感がなく、これも予想外のマッチングとなりました。
ただ、DiMarzio製 Three-90 は、本来 シングル、ハムバッカー、P-90 の3種類の音が出せる性能があるのですが、それ用の切り替えスイッチがなく、本来の機能が発揮できず、パッシブモードでは、ハムバッカーとしてしか働かないようです。

ノーマル・ギター用ケーブルも最短なものを自作して、目立たなく、かつ、ギターを立てかけたときに邪魔にならないように工夫しました。

結論から言えば、当初の計画どおりでうまく収まりました。

最後に、びっくりしたのが、シリアルナンバーです。なんと、30番台。
ただでさえ、生産量が少ない(と想像される)シリーズなのに、豪華版の限定生産ということなので、生産数がほんとうに少ないのかもしれません。
すでに生産終了になっていますので、これはレアアイテム、いや、VOXギター得意のビザール性満点のギターになりそうです。




