どっと屋Mの續・鼓腹撃壌

引き続き⋯フリーCG屋のショーモナイ日常(笑)

戦争孤児

2018年08月09日 21時50分00秒 | 話題
終戦の前後、当時「浮浪児」と呼ばれた人たち。

以前、記事にインタビューが掲載されているお二人がTVのドキュメンタリー番組で生々しく語られたのを見た記憶があります。

頼るべき大人達自身、生きるのが精一杯で、政治も行政も見て見ぬふり、ゴミのように見捨てられた存在だったと思います。

高畑勲さんによる「火垂るの墓」や、片渕須直さんの「この世界の片隅に」でも取り上げられており、見捨てられる者、救われる者、それぞれ描かれています。

小津安二郎さんによる「長屋紳士録」(1947年)においても作中で、正に当時リアルタイムの世相として映像が残されています。


恐らくですが、子役を使って演技をさせたのではなく、その場にいた子供達をそのまま撮影したのではないかと...。


上野の西郷像の前...。

ラストカットで、それを重々しく暗く映して終わります。

小津さんの作品でここまで世相をドキュメンタリータッチで表現しているのは非常に珍しい...それだけに何とかこの惨状を伝えたいと強く思っていたのではないかと。

「この世界の片隅に」原作者こうの史代さんも、この小津作品に着想を得てストーリーを紡いだらしいですし。

私の母も、当時の上野あたりで映画と同じような光景を目にし、幼心に怖いな...と思ったそうです。

母は幸いにして戦争で家族を失うことはありませんでしたが、紙一重の事だったんですよね...。

兵隊が戦死する、庶民が空襲や沖縄での惨状に巻き込まれて亡くなる...もちろんそれら被害がどんなだったかを知り伝えていくのも需要なのですが、自活能力もないまま残されてしまった子供はすっと長く苦しみを抱えて生きてきた訳です。ある意味でもっとも戦争の被害を重く受けてきた人たちなのではないかとも。

「戦争孤児」はあまり取り上げられる事はないのですが、戦争の負の遺産として、もっと深く知り、受け止めることが重要なんだろうと感じます。



8月8日(水)のつぶやき

2018年08月09日 06時06分18秒 | 事件・事故・災害