カンボジア経済

カンボジアの経済について、お堅い数字の話から、グルメ情報といったやわらかい話まで、ビジネス関係の方にお役に立つブログです

2021年 インターネット使用者 人口を上回る

2022年06月17日 | 経済
 2021年の携帯電話・インターネットの現状等について、カンボジア通信監督機構(Telecommunication Regulator of Cambodia: TRC)が統計を発表しています。発表によりますと、2021年末の携帯電話加入者数(SIMカード数)は、1989万9790台で、2019年末の2167万5523台、2020年末の2082万7435台から頭打ちとなっています。携帯電話は、カンボジア全土で普及しており、複数台・複数SIMを保有する人も多いため、携帯電話加入者数は人口(1555万2211人:2019年)を上回っています。他方、固定電話加入者数は減少を続けており、2014年の36万1056回線から2018年末には8万6354回線、2019年末5万7438回線、2020年末4万9381回線となり、2021年末には4万296回線にまで減少しました。インターネット利用数(移動体・固定合計)は、2014年の502万5945回線から、2018年末1385万9571回線、2019年末1612万6356回線、2020年末2034万480回線となり、4倍以上に増加しました。しかし、2021年末は、1787万2173回線と、頭打ちとなっています。インターネット使用者数も、スマホの普及に伴う個人向けインターネットの浸透により、人口を大きく上回っています。TRCが公式に発給しているインターネットカフェのライセンス数も、スマホが十分浸透していなかった2017年の251件から、2021年には20件に激減しています。
 カンボジアは、世界で初めて携帯電話の契約者数が固定電話の契約者数を上回った国といわれています。携帯電話は、固定電話のように電話線の引込み等の工事や固定設備を必要とせず、手軽に利用を開始できるため、通信インフラ基盤が十分に整備されていなかったカンボジアでは、固定電話が普及する前に携帯電話が浸透したと見られます。このようにカンボジアは、固定電話を飛び越えて、最先端の光ファイバー、ワイヤレス、インターネットプロトコール(IP)で、低コストで全土に通信網を構築し、農村部にまでインターネット環境を広げてきました。途上国では、先進国が一歩一歩進めてきた技術革新を一気に追いつく「蛙飛び」という現象がみられることがありますが、カンボジアの通信セクターは、まさにその好例と言えます。
 また、カンボジアの大手携帯会社であるマレーシア系スマート、地場セルカード、ベトナム系メットフォンの3社に加え、中国系のキングテルやシンガポール系のシーテル等合計5社が、5Gの試験的運用を開始済であり、早急に本格的使用が開始されることが期待されます。
(写真は、全国どこにでもある携帯電話アンテナのタワー)

カンボジア通信監督機構のサイト(英文です)
https://www.trc.gov.kh/



↓にほんブログ村のランキングに参加しています。よろしければクリックしてください↓
にほんブログ村 海外生活ブログ カンボジア情報へにほんブログ村
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

アジア経済研究所 ナショナルインターネットゲートウェイ導入で強化されるカンボジアの言論統制

2022年06月16日 | 経済
 アジア経済研究所は、「ナショナルインターネットゲートウェイ導入で強化されるカンボジアの言論統制」と題する記事を公表しました。著者は、アジア経済研究所地域研究センター東南アジアII研究グループの新谷春乃先生です。
 記事では、比較的自由と考えられてきたカンボジアの言論環境に対する統制が徐々に強まっているとしています。2021年2月、政令第23号に基づきナショナルインターネットゲートウェイ(National Internet Gateway)の導入が決定されました。これは、すべてのプロバイダがインターネット通信サービスを提供する際、国が管理する接続ポイントを介さなければならない仕組みであり、中国の「グレート・ファイアウォール」に類似したものです。政府による事実上のインターネット検閲として、国内外の人権団体やジャーナリストから懸念が示されているとのことです。
 「2013年の国民議会選挙で野党・救国党がソーシャルメディアを活用して躍進すると、政権は危機感を抱き、言論統制の強化に舵を切った。その主たる対象はインターネット上の言論空間であった。人民党政権批判も厭わない独立系の英字新聞社やラジオ局を閉鎖するなどマスメディアに対する締め付けが強化されるだけでなく、ソーシャルメディアへの投稿をめぐり一般人が逮捕される事態にまで至っている。」と分析しています。結論として、「吐口がない国民の不満が爆発する可能性はゼロではない。言論統制を強化しながら国民の不満爆発を抑え切ることができるのか。人民党は自らに難しい課題を課したといえる。」と結んでいます。
 インターネット上の情報規制や圧力による自主規制の強まりを指摘するだけでなく、政権が人々の不満を察知する手段等にも言及されており、カンボジアの現状を知ることができます。ぜひ、ご一読ください。
(写真は、AKPより)

アジア経済研究所のサイト
https://www.ide.go.jp/Japanese/IDEsquare/Eyes/2022/ISQ202220_015.html


↓にほんブログ村のランキングに参加しています。よろしければクリックしてください↓
にほんブログ村 海外生活ブログ カンボジア情報へ
にほんブログ村
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

リアム海軍基地 中国支援で拡張開始 緊張高まる

2022年06月15日 | 経済
 6月8日、シアヌークビル近郊のリアム海軍基地で、中国の資金援助を得て倉庫やドックを建設する工事の起工式が開催されました。式典には、ティア・バン副首相兼国防大臣や中国大使等が参加しました。今回の工事は、同基地の「近代化」を念頭に置いたものであり、乾ドック、埠頭、船台といった設備の建設・改修を行うものとしています。
 他方、米国等は、カンボジアと中国がリアム海軍基地の利用に関して秘密合意を行っていると批判しており、中国軍の拠点拡大の兆候として警戒しています。6月12日までシンガポールで3年ぶりに開催されたアジア安全保障会議(シャングリラ会合)でも、台湾問題、南太平洋への中国進出に加え、本件が取り上げられています。
 リアム海軍基地は、シアヌークビル空港の南の海岸にある小規模な基地で、現在は、桟橋が1本あるだけです。また、周辺海域は、水深が浅く、大型船舶の入港は現状では困難と見られます。直ちに中国軍の軍事拠点となるのは難しいものの、タイ湾の湾口を押さえる重要な戦略拠点となりうる場所にあり、万が一にもこの基地が中国の手に落ち、中距離ミサイル等を配備された場合、タイや周辺諸国との海上サプライチェーンの安全保障に重大な脅威となりかねません。また、3300メートル級の滑走路を有する空港が近いこともあり、航空輸送で展開可能な電子戦部隊の進出等も危惧されます。
 中国としては、直ちに進出しなくとも、有事の際にはいつでも進出できると見せることで、周辺国を威嚇する効果を出すことで得点となっていると見ているものと推測されます。他方、米国もリアム海軍基地が中国軍の影響下にあるとの認識を各国に植え付けることで、有事の際には同基地を躊躇なく攻撃する口実を実質的に確保したものと見られます。また、米国としては、絶対に譲れない一線(レッドライン)を明確にカンボジア側に伝える意図があるものと見られます。
 本件の取扱いはカンボジアにとって非常に重要なものとなりかねません。米中対立激化の中で綱渡り外交を続ける小国カンボジアにとって、慎重な対応が必要な状況と見られます。
(写真は、起工式。AKPより)



↓にほんブログ村のランキングに参加しています。よろしければクリックしてください↓
にほんブログ村 海外生活ブログ カンボジア情報へにほんブログ村
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

新型コロナ カンボジアの状況 6月13日 日本は外国人観光客受け入れ開始

2022年06月14日 | 経済
 カンボジアの新型コロナウイルスの感染状況は、今年初頭にはワクチン接種の進展に伴い市中感染は大幅に減少していました。2月に入ってオミクロン株の市中感染が拡大しましたが、3月中旬以降ピークアウトし、5月には死亡者数・新規陽性者数はゼロに近いレベルとなっています。6月12日の保健省の発表によれば、死者は累計3056名(6月5日からゼロ名増)です。累計陽性者数は13万6262名(同ゼロ名増)となっています。治癒数は13万3206名(同1名増)です。5月7日から6月11日まで35日間連続で新型コロナ新規陽性者はゼロとなっています。PCR検査数が大幅に減少しているため、ゼロ名という数字が正確かについては議論のあるところですが、死者数はここ6週間ほどゼロ名を続けており、新規陽性者数が低いレベルにあるのは確かなものと見られます。なお、最後の患者が退院し、公式統計上は、カンボジア国内の感染者はゼロ名となりました。
 6月10日、日本は2年ぶりに外国人観光客の受け入れを再開しました。しかし、外国人だけ団体客のみで添乗員の動向が必要等の非科学的・外国人差別的規制が多い点にまたも批判が集まっています。日経新聞では、「2022年3月の国際観光客到着数は前年比3倍に増加した。欧米はコロナ前5割まで回復。国別でみると、日本の減少が突出している。3月の国際観光客到着数はドイツがコロナ前19年3月比で5割まで回復した一方、日本は98%減だった。」と厳しく批判しています。
 先週、オーストリア・ウィーンを訪問しましたが、空港では何のチェックもなく、街中でもマスク着用義務もなくなっており、観光地は観光客であふれていました。また、ウィーン空港、ドーハ空港(カタール)、インチョン空港(韓国)は、いずれもレストランやショップ、高級ブランドの免税店のすべてが開業し、多くの観光客で賑わっていたのに対し、成田空港だけはほとんどのお店が営業を止めて、廃墟のような状況でした。日本政府の非科学的規制が際立っており、批判されるのもやむを得ないと実感しました。また、主要国では日本だけが出国72時間以内の陰性証明書を必要としていますが、ウィーンでも89ユーロ(約1万3000円)のコストがかかる上に、日本人観光客にとっては現地で不慣れな中で時間を取られることになりますので、早期の撤廃が期待されます。なお、6月12日に日本に入国しましたが、ファストトラックがうまく機能して、行列や待ち時間はほとんどなくなっており、前回(5月25日)と比べて格段に改善されていました。しかし、手持無沙汰の多くのスタッフがいたり、不要と思われる手続きが残る等、なおも税金の無駄使いが散見されたのは残念なことです。
 カンボジアでのワクチン接種については、世界的に見ても早いペースで接種が進んでいます。既に、5歳以上~成人についてはほぼ接種を完了していると言ってもよい状況と見られます。6月11日現在で、1505万5464人への第1回接種を完了しています。これは、カンボジアの人口(約1600万人)の94.1%に相当します。成人(18歳以上約1000万人)への接種について見ると、既に目標の103.2%に第1回接種を、99.8%に2回目を完了しています。ブースター接種(3回目)も実施が進められ、6月11日現在930万8786人(うち成人653万1893人)が接種を完了しています。また、4回目の接種を1月14日から開始しました。6月11日現在で265万2522人が接種済です。4回目接種から3カ月以上経過している医療関係者等が対象となる5回目接種も6月9日から開始されました。
 カンボジアでは、感染拡大に歯止めをかけるために2021年はプノンペン等のロックダウンに踏み切る等、厳しい規制を行ってきましたが、秋以降、大幅緩和となっています。なお、入国規制を含めて各種規制が頻繁に変更されていますので、大使館等のサイトで最新情報をご確認ください。カンボジアは、医療体制が脆弱という弱点があり、いわゆる医療崩壊の懸念がありますので、引き続き密を避けるといった基本的な対策の継続が必要と見られます。
(写真は、観光客があふれかえるドーハ空港の免税店街。6月12日撮影)


↓にほんブログ村のランキングに参加しています。よろしければクリックしてください↓
にほんブログ村 海外生活ブログ カンボジア情報へ
にほんブログ村
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

メルマガ「週刊カンボジア経済ニュース」今週号は本日発行です

2022年06月13日 | 一般
 ブログ「カンボジア経済」は、毎日更新して、カンボジア経済情報をデイリーにお伝えしています。これらの情報をまとめて週刊でメルマガ「週刊カンボジア経済ニュース」を発行しています。毎週月曜日に発行しています。「無料」です。
 配信御希望の方は、下記のアドレス、またはブックマークから、まぐまぐのページで皆様のメールアドレスのご登録をお願いします。

 メールマガジン「週刊カンボジア経済ニュース」
https://www.mag2.com/m/0001154670.html


↓にほんブログ村のランキングに参加しています。よろしければクリックしてください↓
にほんブログ村 海外生活ブログ カンボジア情報へ
にほんブログ村
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

カンボジア銀行監督年次報告書 2021

2022年06月13日 | 経済
(新型コロナ カンボジアの状況 6月13日は、明日6月14日に掲載予定です。)

 6月1日、カンボジアの中央銀行であるカンボジア国立銀行 (National Bank of Cambodia:NBC)は、銀行監督報告書2021(英語版)を公表しました。この報告書は年1回発表されますが、カンボジアの銀行セクターについて詳細なデータも含んでおり、大変参考になります。
 2020年は新型コロナの影響を受けてカンボジアのGDP成長率はマイナス3.1%に沈みましたが、2021年は約3%にまで回復しました。ワクチン接種が進展し、2回接種率は90%以上に達したことにより、2021年11月には経済を開放できたことが大きかったとしています。輸出志向型製造業が予想以上に健闘した一方、観光セクターの回復には時間がかかるものと見られます。そうした中で、金融セクターは、比較的に耐久力があり健全性を維持したことに加え、新型コロナの影響で返済が困難になった顧客を守ることもできたとしています。
 2021年末の商業銀行54行・特殊銀行10行の総資産は、2020年末から17.5%増加して244.5兆リエル(約600億ドル:約7兆8000億円)に達しました。2021年末の貸付残高は、前年末比22.1%増の164.5兆リエル(約404億ドル:約5兆2500億円)となりました。預金残高も、前年末比16.6%増の142.9兆リエル(約351億ドル:約4兆5600億円)となっています。貸付先をセクター別シェアで見ると、小売15.8%、住宅(個人向け)13.6%、卸売9.4%、建設9.3%、個人向け9.2%、不動産8.6%、農林水産業7.8%等となっています。不動産セクター(住宅、建設、不動産)向けは、2020年からは若干増加しています。
 商業銀行・特殊銀行の平均不良債権比率は、2019年末2.0%、2020年末2.1%、2021年末2.0%と横ばい状態で、引き続き問題ない水準にあります。
 NBCでは、金融の安定性、持続可能で包括的な成長を確保するため、国際的監督基準等に配慮しつつ、効果的な銀行監督を強化してきたとしています。新型コロナの影響下でも、金融のシステムリスクを軽減できたと分析しています。2020年には、中央銀行デジタル通貨のバコンの使用も世界に先駆けて開始できました。また、国家金融包摂戦略の推進、金融リテラシーの向上、消費者保護拡充等にも引き続き取り組んでいくとしています。
 2020年以降、新型コロナの影響はカンボジア経済に大きな打撃を与えました。しかしながら、金融システムが揺らぐことはありませんでした。銀行の健全性を維持するための様々な規制や銀行監督が奏功したものと見られます。また、新型コロナの影響で返済が困難になった顧客については、返済を猶予する等の貸付条件の変更に柔軟に応じたことも評価されます。しかし、新型コロナの終息後には、この貸付条件緩和の終了が見込まれ、不良債権が増加してくる可能性もないとは言えません。今後の状況については、引き続き留意する必要があるものと見られます。

カンボジア中央銀行のサイト(英文です)
https://www.nbc.org.kh/english/publications/supervision_annual_reports.php


↓にほんブログ村のランキングに参加しています。よろしければクリックしてください↓
にほんブログ村 海外生活ブログ カンボジア情報へにほんブログ村
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

新しいお寿司屋さん 鮨 吾輩

2022年06月12日 | 生活環境
 プノンペン中心部、バンケンコンに開店した新しいお寿司屋さん「鮨 吾輩」です。場所は、スターバックスのすぐ近くです。カウンターだけの小さな可愛いお店です。おすしは本格的で、大将が一工夫してくれたと感じさせてくれます。今回は、ランチでお邪魔しました。ランチメニューは、この時は二種類で、寿司タワー(25ドル)と海鮮丼(18ドル:写真上)でした。寿司タワーは巻きずしのタワーに、ウニやいくら、エビ等のネタが溢れていて、映えます。エビ味噌の効いたお味噌汁も付いています。夜は、お任せ(40ドル~)もありますし、おつまみ系も充実しています。北海道フェアということで毛ガニ等もあるそうです。お値段は、日本では普通ですが、カンボジアでは高級です。お試しください。

鮨 吾輩
https://www.facebook.com/sushiwagahai/

寿司タワー。映えます。



↓にほんブログ村のランキングに参加しています。よろしければクリックしてください↓
にほんブログ村 海外生活ブログ カンボジア情報へにほんブログ村
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ゆったりしたビストロ Le Vin Bitro

2022年06月11日 | 生活環境
 プノンペン中心部、シアヌーク国王陛下像の向かいにあるビストロ「Le Vin Bisto」です。元々は、ジャワ・カフェだったところです。2階にあって、テラス席からは広々とした通りが眺められます。お店は、オープンな造りで天井も高く開放的なコロニアル建築です。抽象画がたくさんかけられているのも素敵です。メニューは、カジュアルフレンチです。フードの数はまだおあまり多くありませんが、枝豆があったり、クメール風があったりと、バラエティに富んだ感じです。今回は、シャルキトリーやブラータチーズ、手羽のレモングラス味等を頼んでみました。店名の通り、ワインは各種揃っています。お客さんは、西洋系の方が多いようでした。ゆったりと一杯やるのにも良さそうです。お勧めです。お試しください。

Le Vin Bistro
https://www.facebook.com/LeVinPhnomPenh

見栄えの良いシャルキトリー。


ブラータチーズとトマト



↓にほんブログ村のランキングに参加しています。よろしければクリックしてください↓
にほんブログ村 海外生活ブログ カンボジア情報へ
にほんブログ村
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ベトナム航空 国営カンボジア・アンコール航空の株式の一部売却

2022年06月10日 | 経済
 新聞報道によりますと、ベトナム航空は国営カンボジア・アンコール航空の株式35%を売却したとのことです。カンボジア・アンコール航空は、カンボジアのナショナルフラッグキャリアーとして2009年7月27日に発足しました。当初、株式は、カンボジア政府が51%、ベトナム航空が49%を保有していました。ベトナム航空は35%分の株式を売却金額3500万ドル(約45億円)で3月29日までに売却しており、約1800億ドン(約10億円)の利益が出ている模様です。なお、売却相手は公表していません。2020年には株式を売却する意向を表明し、中国系企業に売却が決まったとの報道もありました。残る14%の株式についても年末までに売却する方針としています。
 ベトナム航空は新型肺炎の拡大などで業績に悪影響が出ていることから、財務状況の改善が急務と判断して、株式売却に動いたものです。2022年1~3月期の最終損益は、約2兆6000億ドンの赤字でした。2021年12月期まで2期連続の最終赤字になっており、3期連続で最終赤字の場合、ホーチミン証券取引所の上場基準に抵触するため、資産売却を急いだものと見られます。
 世界の航空業界は、新型コロナの影響の影響で厳しい状況が続いています。カンボジアは、比較的早く、国境を越えた移動を再開していますが、観光客数はピーク時の数分の一にとどまっています。アンコール航空は、エアバス3機とプロペラ機ATR-72を3機しか保有していない小規模航空会社であり、今回の新型肺炎問題を乗り切るためには、新たな出資者に加え政府からの支援も重要なものになるものと見られます。



↓にほんブログ村のランキングに参加しています。よろしければクリックしてください↓
にほんブログ村 海外生活ブログ カンボジア情報へ
にほんブログ村
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

プノンペン環状3号線 工事遅れるも2023年完成を目指す

2022年06月09日 | 経済
 公共事業運輸省によりますと、中国支援のプノンペンの環状3号線の工事進捗率は、73.7%で、2023年第3四半期の完成を目指しているとのことです。工事は、2019年1月に着工し、2021年末の完成を予定していましたが、新型コロナの影響や土地取得の遅れ等もあり、工期が大幅に遅延しています。5月26日に、公共事業運輸省による工事品質についての実地検査が行われました。
 環状3号線は、国道1号線の新プノンペン港付近からスタートして西に向かい、バサック川を越えて国道21号線と交差し、ワールドブリッジ経済特区の南を通り、国道2号線と交差、北西に向かって国道3号線と交差した後、北に向かい国道4号線を越えて、ロイヤルゴルフコースの前を通って向きを東に変え、国道5号線に連結し、プレックプノウ橋でトンレサップ川を渡り、ウィンウィンモニュメントの前を通過して国道6号線に至る延長約53キロメートル、片側2車線、コンクリート舗装の道路となる計画です。
 このうち国道4号線~国道5号線部分の片側2車線への拡張・コンクリート舗装工事は、既に完成しています。国道5号線~6号線部分も一応の整備が完了していましたが、状態が悪化しているため、現在改修工事が行われています。中国が支援対象とするのは南側の1号線から4号線までの部分になります。総工費2億7300万ドルのうち、2億5900万ドルは中国政府の借款により賄われます。建設工事は中国の上海建工集団が請け負っています。
 なお、新プノンペン港近辺からメコン河を渡る橋を建設し、対岸の「プノンペン~ベトナム高速道路」の起点と連結する計画もあります。
 現在、渋滞対策の観点から、朝5時から夜9時までコンテナトラック等の大型車のプノンペン中心部への進入を禁止しています。環状3号線は、拡大を続けるプノンペンの外側を通っているため、プノンペン市内への流入量を削減してプノンペン市内の渋滞を抑制するとともに、主要国道とプノンペン新港を連結する観点からも重要な道路になるものと見られます。また、プノンペン都では、プノンペン市内の工場や倉庫を将来的に環状3号線外側に移転していくという意向を表明しています。
 中国や韓国によるカンボジアでの道路整備については、低品質の施行や、工期の遅れがみられるのが実情です。公共事業運輸省は、こうした事態を防ぐために厳しい検査や指導を行っています。見かけの工期の短さや価格の安さに惑わされることなく、日本や米国が推進する「質の高いインフラ」に軸足を移していくことが期待されます。
(写真は、公共事業運輸省のフェイスブックより)

公共事業運輸省のフェイスブック(クメール語です)
https://www.facebook.com/mpwt.gov.kh/posts/321488946828773


↓にほんブログ村のランキングに参加しています。よろしければクリックしてください↓
にほんブログ村 海外生活ブログ カンボジア情報へ
にほんブログ村
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

カンボジア 来年の東南アジア競技大会開催に向けて

2022年06月08日 | 経済
 5月23日、ベトナムで開催されていた第31回東南アジア競技大会(SEA Games)の閉会式が行われ、来年の第32回大会のホスト国であるカンボジアに大会旗が引き継がれました。次回の第32回大会は、「スポーツ:平和の中で生きる(Sport: Live in Peace)」をモットーとして、カンボジアで2023年5月5日~17日に実施される予定です。プノンペンを中心に、シェムリアップ、ケップ、シアヌークビル等で、合計40種目の競技が行われるとのことです。また、パラ競技大会も2023年6月1日~10日に開催されます。カンボジアが東南アジア競技大会のホスト国となるのは初とのことです。
 今年の第31回大会でカンボジアは合計63個のメダル(金9個、銀13個、銅41個)を獲得しました。一昨年のフィリピンでの第30回の46個(金4個、銀6個、銅36個)から大幅に増加しており、来年の自国開催での大幅なメダル数増加を期待する声も高まっているようです。
 来年の大会開催時には、選手・役員だけでも1万人以上の来訪が予定されています。近隣諸国を中心に競技大会の観客のカンボジア来訪も期待され、新型コロナで深刻な影響を受けた観光業界にとって、カンフル剤となることも期待されます。また、来年は7月に総選挙もあることから、空港や道路、高速道路等のインフラの完成予定も目白押しとなっています。昭和39年の高度成長期の日本での東京オリンピックの時の盛り上がりやインフラ整備の進展、経済への好影響が思い出されるところです。大会の成功が大いに期待されます。
(写真は、AKPより。ベトナムでの閉会式で披露されたアプサラダンス)



↓にほんブログ村のランキングに参加しています。よろしければクリックしてください↓
にほんブログ村 海外生活ブログ カンボジア情報へ
にほんブログ村
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

世界銀行 洪水被害を受けた地方道路改修を支援へ 日本の資金も投入

2022年06月07日 | 経済
 5月25日、世界銀行は、カンボジア政府に対し、カンボジア災害リスク管理事業(第2期)に関し、世界銀行グループの国際開発協会(IDC)から1億6900万ドル(約215億円)の譲許性借款を供与すると発表しました。また、日本政府が全額拠出して設立した「日本・世界銀行災害リスク管理強化共同プログラム」からも45万ドル相当の贈与が行われます。この事業では、洪水被害を受けた地域において、地方道路や橋梁を修復するとともに、農村開発省を中心とする政府職員に対し、災害リスク管理、気候変動への対応、災害後のニーズ調査等に関する研修を実施します。この事業では、7つの州の550万人が裨益するとしています。
 カンボジアは、気候変動の影響を受けやすい国の一つであり、洪水や干ばつといった災害のリスクが高くなっています。また、カンボジアの地方のインフラ(道路・橋梁等)は、こうした災害により被害を受けることも多く、脆弱な状況です。地方道路は、多くの住民にとって日常生活に不可欠であり、災害で寸断されると、病院や学校、市場等に行来することができなくなり、困難な情況に置かれることとなります。そこで、カンボジア農村開発省では、災害に強い道路等の建設や改修に努力しており、この事業は、そうしたカンボジア政府の政策を支援するものです。
 カンボジアでは、国の基幹となる一桁国道の整備や高速道路の建設が進められていますが、人口の7割が住む地方部の開発も必要であり、世界銀行や日本の支援を受けて、地方の基礎インフラの改善が進むことが期待されます。
(写真は、AKPより。2020年の洪水の状況)

世界銀行の発表
https://www.worldbank.org/en/news/press-release/2022/05/25/world-bank-financing-will-improve-disaster-and-climate-resilience-of-flood-damaged-rural-roads-in-cambodia


↓にほんブログ村のランキングに参加しています。よろしければクリックしてください↓
にほんブログ村 海外生活ブログ カンボジア情報へ
にほんブログ村
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

メルマガ「週刊カンボジア経済ニュース」今週号は本日発行です

2022年06月06日 | 一般
 ブログ「カンボジア経済」は、毎日更新して、カンボジア経済情報をデイリーにお伝えしています。これらの情報をまとめて週刊でメルマガ「週刊カンボジア経済ニュース」を発行しています。毎週月曜日に発行しています。「無料」です。
 配信御希望の方は、下記のアドレス、またはブックマークから、まぐまぐのページで皆様のメールアドレスのご登録をお願いします。

 メールマガジン「週刊カンボジア経済ニュース」
https://www.mag2.com/m/0001154670.html


↓にほんブログ村のランキングに参加しています。よろしければクリックしてください↓
にほんブログ村 海外生活ブログ カンボジア情報へ
にほんブログ村
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

新型コロナ カンボジアの状況 6月6日 カンボジア国内でワクチンを充填包装へ

2022年06月06日 | 経済
 カンボジアの新型コロナウイルスの感染状況は、今年初頭にはワクチン接種の進展に伴い市中感染は大幅に減少していました。2月に入ってオミクロン株の市中感染が拡大しましたが、3月中旬以降ピークアウトし、5月には死亡者数・新規陽性者数はゼロに近いレベルとなっています。6月5日の保健省の発表によれば、死者は累計3056名(5月22日からゼロ名増)です。累計陽性者数は13万6262名(同ゼロ名増)となっています。治癒数は13万3205名(同4名増)です。5月7日から6月4日まで28日間連続で新型コロナ新規陽性者はゼロとなっています。PCR検査数が大幅に減少しているため、ゼロ名という数字が正確かについては議論のあるところですが、死者数はここ6週間ほどゼロ名を続けており、新規陽性者数が低いレベルにあるのは確かなものと見られます。
 6月1日、カンボジア保健省は、中国のシノバック社(Sinovac Life Sciences)と、シノバック社で生産したワクチンについて、カンボジア製薬会社(Cambodian Pharmaceutical Enterprise)とシノバック社の合弁会社がカンボジア国内で充填・包装して、カンボジア政府に供給するとの覚書に署名しました。合弁会社は、年間3500万回分の包装能力があり、政府は2024年~2026年の3年間で、合弁会社から合計1億487万3157回分のワクチンを調達する計画です。なお、2022年~2023年については、現在保有している900万回分に加え、中国から1500万回分、米国から550万回分、オーストラリアから50万回分を調達して対応することとしています。
 カンボジアでのワクチン接種については、世界的に見ても早いペースで接種が進んでいます。既に、5歳以上~成人についてはほぼ接種を完了していると言ってもよい状況と見られます。6月3日現在で、1504万5995人への第1回接種を完了しています。これは、カンボジアの人口(約1600万人)の94.0%に相当します。成人(18歳以上約1000万人)への接種について見ると、既に目標の103.2%に第1回接種を、99.7%に2回目を完了しています。ブースター接種(3回目)も実施が進められ、6月3日現在925万9661人(うち成人651万2762人)が接種を完了しています。また、4回目の接種を1月14日から開始しました。6月3日現在で257万9278人が接種済です。4回目接種から3カ月以上経過している医療関係者等が対象となる5回目接種も6月9日から開始される予定です。
 カンボジアでは、感染拡大に歯止めをかけるために2021年はプノンペン等のロックダウンに踏み切る等、厳しい規制を行ってきましたが、秋以降、大幅緩和となっています。なお、入国規制を含めて各種規制が頻繁に変更されていますので、大使館等のサイトで最新情報をご確認ください。カンボジアは、医療体制が脆弱という弱点があり、いわゆる医療崩壊の懸念がありますので、引き続き密を避けるといった基本的な対策の継続が必要と見られます。
(写真は、リノベーションが完了して全面再開しているプノンペン空港の免税店街。5月24日撮影)

カンボジア日本人会のフェイスブック
https://web.facebook.com/Jacambodia/

在カンボジア日本国大使館のサイト
https://www.kh.emb-japan.go.jp/itprtop_ja/index.html


↓にほんブログ村のランキングに参加しています。よろしければクリックしてください↓
にほんブログ村 海外生活ブログ カンボジア情報へ
にほんブログ村
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

お洒落なパン屋さん・カフェ Tatie’s

2022年06月05日 | 生活環境
 プノンペン中心部、国立博物館近くに開店したお洒落なパン屋さん・カフェの「Tatie’s」です。店名のTatieは、フランス語で「叔母さん」という意味らしいです。フレンチ・ビストロのPepeの姉妹店で、場所もPepeの向かいです。Pepeのシェフ等、3人の職人さんたちが集まって始めたそうです。お店は小さいのですが、お洒落な雰囲気で、テラス席もあります。奥の工房では、パンを焼いたり、ケーキのデコレーションをしたりしています。メニューは朝ごはんやサンドイッチが中心ですが、チーズプレート等のおつまみ系もあります。今回はブランチで、「Soon on The Beach」と名付けられた料理(エッグベネディクト風)を頂きました。一手間かけられていて、美味しかったです。お値段は中堅です。お客さんは、フランス系の方が多いようでした。お勧めです。お試しください。

Tatie’s
https://www.taties-phnompenh.com/
https://www.facebook.com/taties.pp/

お洒落なエッグベネディクト「Soon on The Beach」(5ドル:約650円)



↓にほんブログ村のランキングに参加しています。よろしければクリックしてください↓
にほんブログ村 海外生活ブログ カンボジア情報へにほんブログ村
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする