英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

舟を編む ~私、辞書作ります~ 最終話(第10話)

2024-04-23 19:03:50 | ドラマ・映画
【関連記事】
「第1話」「タイトルに違和感」

 面白かった!
 こういう収束に向かう連続ドラマで10話というのは、わざわざ困難やイベントを挿入してダレてしまったり、ストーリーに齟齬、矛盾が生じたりするのだが、ずっと面白くて、長さを感じなかった。
 ドラマ構成としては、中辞典を完成させるため、「言葉の選定」「語釈」「紙づくり」「図版」「表紙デザイン・装丁」「紙発行の中止」など段取り(工程)消化や難問解決を段階的にクリアしていく。そういう行程・工程も目新しいということもあったが、新人?女性編集員の成長や、彼女の新たな視点や疑問、柔軟な考えなどに応える編集スタッフたちの真摯で熱い情熱などを視聴者(私)は照射し続けられた。
 先週(第9話)では、“あるべき言葉”の漏れが発見され、すべての候補言葉を再チェックという地獄を見た。で、最終話……これ以上のイベント?があるのか?と思ったら、松本先生(柴田恭兵)が食道がんに罹患していることが分かり……《嗚呼、先生は発刊を見ることなく……》となるのか?と思ったら、違った。その代わり、アレがあった……
 新型コロナウイルスの感染拡大だ。

 ただし、《コロナによる編集スタッフが離脱》とか、《製本などの工程が進まない》とかではなく……
……「パンデミック」「濃厚接触者」「クラスター」「テレワーク」「不要不急」「生活様式」「密」「エアロゾル」など新型コロナウイルス感染拡大関連の言葉の重みが増してしまった。
 新たに加えなければならない言葉や、コロナ関連の収録言葉の語釈も再考する必要がある。……となると、ページ構成さえも変わってしまう。
 もちろん、「《新語などは、しばらく様子を見てその言葉が定着するか見極める必要がある》ので、無理ににコロナ関連の事項を修正しなくてもよい」と考えることもできるが、《辞典の意義…使用者の手助けになる》ということから、修正した方が良いのでは?
 そこへ、松本先生の奥さんが訪問し、お礼の言葉やお土産?(芋羊羹?)と共に、翠への手紙と編集スタッフへ松本先生の用例採集カードの束
 松本先生は、入院中でも辞典づくり(言葉の探求)に燃えていたのだ。

 《やはり、修正しよう》という意志が固まり始め、《どのようにしたら、発刊が遅れないようにできるか》と考え始めたところに、「印刷所(印刷機)が見つかりました」と製紙会社社員・宮本(矢本悠馬)が飛び込んできた。
 校了の遅れを印刷所を増やすことでカバー(究極の紙なので、どんな印刷機にも対応できるらしい)。

 もちろん、新たに語釈や図解を加える分を、他の言葉の語釈を用例などを削るのと、新たな語釈の検証なども行わなければならず、苦闘の日々が続いた末(当然、印刷開始の遅れは少ない方が良い)、無事校了を終えた。最終話も大変だった。
 ……という流れだったが、実は、最終回の主題はこれではない。

 新型コロナウイルス感染拡大により、
・松本先生と面会がままならない
・馬締氏の妻・香具矢が、小料理店「月の裏」の客足が途絶え、彼女の師の京都の料亭の手伝いをすることに
 という事態になってしまった。

 馬締氏は《香具矢がもし京都で感染したら、身近で支えることも出来ないし、もしかしたら、会うことも出来ないかも》と危惧し、「いってらっしゃい」という言葉を香具矢に掛けられなかった。

 馬締は
「距離には負けます。
 引き裂かれそうに苦しい時、そばに体温を感じられる距離にいられることに、比べたら……
 言葉なんて無力です

そんな馬締に、みどりは……!

 
 みどりは熱い恋心を綴った長文ラブレターを取り出し、熱く語る。
「滅茶苦茶感じた!……マジメさんのドキドキも、ちょっと上がった体温も、手の震えも、滲んだ汗も、不安も焦りも切なさも……
 溢れて溢れてどうしようもない香具矢さんへの恋と愛。
 それを伝えようって言葉を綴ったんじゃあないですかっ!
 この言葉たちは、そのために生まれてきたんじゃないですか?
         ………
 (『大渡海』への馬締の熱い思いを、みどりは訴える⇐申し訳ありません、省略します)
         ………
 負けちゃうんですかっ?距離なんかに!」


さらに、編集スタッフたちに松本先生からメール(ccメール、一斉メール)が届く

=========================================

(担当医に手足の痺れについて、「ピリピリと電気が流れる感じ」なのか、「氷水に長い時間浸していたような感じ」なのか、「ゴム手袋を何枚も重ねてはめている感覚」なのかを尋ねられたが)
「驚きました。私は手足に電気を流したことも、長時間氷水に手を浸したことも、ゴム手袋を何枚も重ねたこともないのに、ありありとその感覚が分かるのです。
 言葉の持つ力とは、何と不思議なモノでしょう。何と素晴らしいものなのでしょう

「病になって、やはり死について考えます。もう十分生きたはずなのに、恥ずかしながら、堪らなく恐ろしくなることもあります。そんな時、私はこんな想像をするのです……
 ………私の死後、あなた方が言葉を潤沢に、匠の使い、私の話をしてくれる。
 その時、私は確かにそこにあなた方と共にあるのです。
 言葉は死者とも、そして、まだ生まれていない者とさえ、繋がる力を持っているのだと。
 繋がるために、人は言葉を生み出したのだと……そう思えてならないのです。

 その瞬間、死への恐怖は、打ち上がった後の花火のように散り去って、
 消えることのない星の輝きだけが残るのです。

 新型コロナウイルスによって、人々が分断されてしまった今、まさに、言葉の力が試されているのかもしれません。
 無論、言葉は負けないでしょう。
 距離を超え、時を超え、
 大切な何かと繋がる役目を、見事果たしてくれることでしょう



  “辞書の鬼”と松本先生は評されるが、“辞書への情熱が常人とかけ離れている”ことへの比喩で、人柄は“仏”のようである。
 熱い情熱と奥行きのある温かさ……ぜひとも教えを請いたいなあ。
 そう言えば、柴田さんが『空飛ぶ広報室』で演じた鷺坂正司も素敵だったなあ。

 松本先生とみどりの言葉に後押しされて、馬締氏は出発間際の香具矢の下に駆けつけ、「行ってらっしゃい」と送り出す。
 「体温を感じられる距離には負けます」という馬締の弱音に対し、松本先生の言葉が《そんなことはないんだよ》と背中を押し、みどりの“叱咤激励”が尻を叩く……とても良いシーンだった。
 でも、馬締の弱音については、不満(疑問)を感じた。
 “言葉大好き人間”の馬締が「(言葉は)距離には負ける」と言い切ってしまうことに違和感があり、たとえ、そんな弱音を吐いたとしても、自力で思い直す……それが馬締なのではないだろうか!

 まあ、《香具矢を愛しく思うあまりに弱気になってしまった》というのも分からないではないので、《みどりに尻を叩かれる》というのもありだと思う。(みどりがヒロインだし)
 ただ、みどりの叱咤激励だけではなく、さらに松本先生の言葉に後押しされた後、馬締がようやく足を踏み出すというのは、どうなのか?
 せめて、自分のラブレターを見て、香具矢の下に駆けだし、そのシーンに松本先生の言葉がが被せられるというのなら、納得できる。

 


★最終話でこれまでのエピソードをきちんと回収していたなあ
「恋愛」(第2話)
 第2話で、《みどりは「恋愛」は男女間(異性間)には限らないのでは?》と疑問を呈した。(さらに、“恋”とは? “愛”とは?と深く考える…そんなエピソードが盛り込まれていた。
☆その時に、みどりが考えた【恋愛】の語釈
 ……特定の二人の互いの思いが、恋になったり、愛になったり、
   時には入り交じったりと、非常に不安定な状態。

 今回、病院から松本先生が奥さんに託した手紙に、その回答が書かれていた
 ……特定の二人が、互いに引かれ合い、恋や愛という心情の間で揺れ動き、
   時には不安に陥ったり、時には喜びに満ち溢れたりすること。


 みどりの語釈を尊重したモノだった。
 個人的には、「恋になったり、愛になったり」や「恋や愛という心情の間」というのではなく、「恋」や「愛」を用いない別の表現をして欲しかった。

 さらに、
「三年間の観察・検証の結果、『大渡海』の恋愛の項目には、「異性」「男女」の表記は不要とする」
という注釈もつけられていた。



「なんて」(第1話)

「なんて」……みどりがよく口にする言葉。無意識に使ってしまっていて、無自覚に人を傷つけていた
 (感嘆の気持ちを強調する”副詞”もあるが)
副助詞として――次に来る動作・内容を、軽視する気持ちを込めて例示する
副詞として―――軽視する気持ちを込めて、同格の関係で次の語を修飾する
副助詞として――無視または軽視する気持ちを込めて、事柄を例示する。
《用例》?
「ほんと助かる。朝から電話する余裕なんてないからさぁ」(人気料理店の予約をしてくれた友人に対して)
「言葉と説明が並んでいるだけですよね、辞書なんて」
「辞書なんて、どれも同じだと思っていたんです」
「あとにして、カメラなんて」
 この《軽視》の他に、「私なんて」と《卑下》する用法(意味)もある。

 最終話では、松本先生のスタッフへの感謝の言葉の中で
「あなた(みどり)が来てくれた3年間は、なんて素敵な楽しいものだったでしょう!」と述べていた。


「言葉の国」「上がる」(第1話他)
 馬締は、気になる言葉があると、それに考えをめぐらし、他の刺激(声)を受け付けなくなる。……この状態の馬締に対して、周囲は「言葉の国に行ってしまった」とあきらめの気持ちで表現している。
 香具矢も馬締との遊園地デートの時、馬締が“言葉の国”に行ってしまい、置き去りにされてしまった経験があると語っていた。
 で、この最終話、間締とみどりの会話の中でそのエピソードについて、「遊園地デートの時は何の言葉で“言葉の国”に行ってしまったのか?」とみどりが尋ね、
 「確か……「上がる」という言葉……」
 「「あっ!」」二人同時に叫ぶ。
 みどりが食堂で友人と会話中「上がるよね」と発したのを聞いて、「その“上がる”というのは、どういう状況に於いて…」と質問したのが、ふたりの初対面だったのだ。


 エピソードの回収という訳ではないが……
・【癌(がん)】(校了前の語釈)
 ……生体を死に至らしめる病気

 これを馬締が「生体に深刻な害を与える」と修正。

 でも、「死に至らしめる」という表現は、馬締たちの信条の「(辞書は)手助けになりたい」というモノとは、かなり離れているように感じた。“らしくない”のである。
 ちなみに、旺文社『国語辞典」(重版)では、①[医]悪性腫瘍の総称。表皮・粘膜・腺などの上皮組織にできる悪性のできもの。「胃―」②組織や機構上、最大の障害となるもの。根強いさまたげ。

・「コロナウイルス」の“コロナ”の由来が、コロナウイルスの画像(電子顕微鏡)が太陽のコロナに似ている…ことらしい
 

【最終話・あらすじ】
 「大渡海」校了直前、松本先生(柴田恭兵)が入院する。
 すぐにまた会えると信じるみどり(池田エライザ)たちだったが、新型コロナウイルスで世界が一変。暮らしが大きく変わる中、馬締(野田洋次郎)のある問いかけが、辞書編集部に衝撃を与える。一方、客足の途絶えた店で、香具矢(美村里江)もある決断をしていた。
 十数年の時をかけた辞書作りは、彼らに何をもたらすのか。令和の「舟を編む」の結末がここに…!

原作:三浦しをん『舟を編む』
脚本:蛭田直美
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

アリバイ崩し承ります スペシャル(2024年4月6日)

2024-04-20 15:49:07 | ドラマ・映画
 2020年2月1日から3月14日まで、テレビ朝日の「土曜ナイトドラマ」で放送された。
 大山誠一郎による推理小説が原作(2014年から2017年にかけて実業之日本社の雑誌『月刊ジェイ・ノベル』に掲載)


 このドラマで初めて浜辺美波を拝見。
 《やたら、かわいいなあ》と思った記憶がある。この頃、小芝風花も初見、《非常にかわいい》と。小芝風花は、2020年『美食探偵 明智五郎』(日本テレビ)、『妖怪シェアハウス』(テレビ朝日)、2021年『モコミ〜彼女ちょっとヘンだけど〜』など立て続けに視聴したが、変わった個性のキャラが多く、ドラマに恵まれないなあと残念に思った記憶がある。
 浜辺美波は、NHK朝ドラの『らんまん』で再会(←私が一方的に)。素敵な演技だった。

 で、4年前のドラマだが、アリバイ崩し(アリバイ工作)は楽しめたが、ドタバタが強すぎて楽しめなかった。
 今回もその基調は変わらず、残念感が強い。
特に、渡海刑事( 成田凌)がウザい。
 ドタバタは諦めて、浜辺美波とアリバイトリックを楽しめばいい……とは思うが、事件の構造(関係者の行動)が不可解すぎる!

容疑者・朝倉正平(矢本悠馬)のアリバイ工作
 《宅配便を自宅で受け取った》という事実により、殺害現場に行って犯行を行うのが時間的に不可能というもの。
 アリバイからくりは、宅配の発送者も朝倉で、受け取り票に予め透明インク(冷やされることで文字が現れる性質)で書いておいて、宅配を受け取った身代わりが冷却された下敷きを使用し文字を出現させたというもの。
 配達人は「フードを被り、サングラスにマスク着用。部屋には花のようないいにおいがした」という証言もあり、この身代わり受取人は医師・江島聡美(高梨臨)と判明。彼女も認めたが……

 ……ところが、朝倉はアリバイ工作を認め、さらに、「殺害しに行った」とは認めたが、「被害者の父・資産家の富宰建一は既に殺されていた」と主張。さらに、「自分は先端恐怖症で包丁を握るどころか、見るのも無理」だと。実際、先端恐怖症と診断されており、犯行は不可能とされた(実際にも別の人物の犯行だった)
 ただし、「故意に被相続人又は相続について先順位若しくは同順位にある者を死亡するに至らせ、又は至らせようとしたために、刑に処せられた者」という相続欠格により、相続することはできないらしい。


で、真犯人・江島聡美の意図
 《自分(聡美)が朝倉のアリバイ工作に協力した(朝倉の住居に居た)》と認定されることで、聡美の富宰健一殺害に関するアリバイが成立することになる。
 その後に、朝倉を殺せば、富宰の財産絡みの連続殺人と考えられ、自分は容疑者から外れる

という筋書き。
 ……警察視点、視聴者視点であれば、《おお、なるほど!アリバイ工作を利用した逆転のアリバイ構造だったのか!》となるわけだが……
……【朝倉の行動・心理】は全く不合理!理解不能だ!

 《アリバイ偽装トリックを見破られる》のが犯人の目的だったと、ヒロイン・美谷時乃(浜辺美波)は語るが、それは犯人の聡美の都合であって、朝倉にとっては何のメリットもない。朝倉が身代わり(代行)の宅配受取人として振る舞い、実際に透明インクのトリックを使用したのだから、朝倉が自宅にいたという証明が難しい。
 まあ、朝倉は“先端恐怖症”という刃物を扱えないという根拠があるので、アリバイを主張する必要性は薄い。しかし、その“先端恐怖症”を後から明らかにする理由もない。《聡美のアリバイを作るために偽装したと思わせた》ということも考えられるが、そういう訳でもなく、聡美に誘導されて偽装工作をしただけのようだ。まあ、理由があるとしたら、作者の都合であろう。
 そして、何より不可解なのは……アリバイトリックの準備をしながら、実際は自宅にいただけだったこと
 朝倉が聡美に協力して聡美のアリバイを作るためだったのなら、理解できるが、上述したように、そういう関係ではない。だとしたら……
 ……だとしたら、朝倉は(聡美に誘導されて)アリバイ工作を思いつき、実際に聡美がアリバイ工作に協力した痕跡(人相を不明にして香水をつけた)を残して、じっと自宅にいた。……いったいどういう理由で、こんな行為をしたのだろうか?全く分からない。
 殺意があり、計画を立てたのに、何も行動を起こさず、自分に不利になることをしただけ。
 しかも、「殺すつもりで殺害現場まで行った」とまで供述。意図が分からない!

 おかげで、《殺害計画を立てた》ということで、相続欠格になってしまった。これも、よく考えたら、《アリバイ工作を考え実践した》だけで、実際に殺害どころか、現場にもいっていないのだから、セーフなのでは?
 …理由を上げるとしたら、《殺害場所の部屋のソファーなどの配置換えを知らずに、「被害者・伯父が血だらけで倒れていた」といいう証言が嘘》という推理を時乃に語らせるためなのだろう。

 実際にアリバイ工作を実行し、朝倉に伯父を殺害させ、その後で聡美が朝倉を殺害すればよかったのでは?


江島聡美の行為もおかしい!
 婚約者が朝倉のパワハラに追い詰められて自殺。その復讐心は理解はできるが、遺産相続絡みの連続殺人と思わせるために、何の恨みもない富宰を殺害。
 勤務している病院で「パワハラは許せない」と叱っていたのに、殺人は良いのか?

 朝倉殺害時も、「どうして?」と朝倉が呻いたが、恨みをぶつけてから朝倉を殺さないと意味が薄い。


【その他の疑問点】
・テレビの密着取材はドラマに必要だったのか?(目立つのを牧村匠(勝村政信)に持っていかれてしまったというオチの為?)
・容疑者のひとり、女優・宇川蒔絵(雛形あきこ)の付き人が、意味深に登場したが、関係なかった


【ストーリー】(番組サイトより)
 美谷時計店の若き店主・美谷時乃(浜辺美波)が那野県警捜査一課を訪れると、管理官・察時美幸(安田顕)らが人気テレビ番組『県警密着24時』が、捜査一課に密着することになったと大騒ぎ! 察時は、この密着取材中に事件を華麗に解決し、東京の警察庁に返り咲こうと目論んでいた。番組のプロデューサー・君嶋薫子(松本若菜)も、《アリバイ崩しの名人》として名をはせる察時に注目しているというのだが、実はその察時から時乃が“アリバイ崩しを承っている”ことなど知るよしもなく…? 一方、無関心を装う巡査部長・渡海雄馬(成田凌)だが、密かに想いを寄せている時乃が番組のファンだと知るやいなや、なんとしてでも密着取材で自分をクローズアップしてもらおうと張り切り始める。
 捜査員たちが盛り上がる中、フザイ建設の社長で資産家の富宰建一(春海四方)が自宅で刺殺されたと通報が入り、察時や雄馬らは番組のクルーを引き連れてさっそうと事件現場に臨場! しかし、検視官・樋口秀人(柄本時生)いわく、刃物のようなもので刺されたにも関わらず、現場には凶器が見当たらず…。
 重要参考人として名前が挙がったのは、元フレンチシェフ・朝倉正平(矢本悠馬)、女優・宇川蒔絵(雛形あきこ)、フットサル選手・井田泰明(山本涼介)の3人。いずれも被害者の姪・甥で、かねてから遺産争いでもめていたという。しかし涙ひとつ流さず口論を続ける3人には、死亡推定時刻に完璧なアリバイが!
 捜査を進めた察時は、自宅で宅配便の荷物を受け取ったとアリバイを主張する朝倉が、実は替え玉を使ったのではないかと疑い、送り主の医師・江島聡美(高梨臨)に話を聞きに行くのだが…!?
 そんな中、聡美のもとで実習中の医学生・葉加瀬裕次郎(葉山奨之)が、時乃に会いに時計店にやってくる。葉加瀬は時乃の高校時代の先輩で、どうやら初恋の相手らしい。組織犯罪対策課の刑事で親友でもある真壁剛士(間宮祥太朗)の後押しでようやく時乃とのデートにこぎ着け、上機嫌の雄馬は、突然現れた葉加瀬に敵意むき出し! しかも、葉加瀬が富宰殺害にも絡んでいるかもしれないという新たな疑惑までぼっ発し、とうとう公私混同のドタバタ捜査を開始する。
 一方、自力で事件を解決すると意気込むも、なかなかアリバイが崩せず焦る察時に、時乃が意気揚々と協力を申し出る。しかし、真のアリバイ崩しの名人・時乃をあざわらうかのように事態は二転三転!
 はたして時乃は、“アリくず”史上最難関のアリバイを崩して、衝撃の真相にたどり着くことができるのか!?

脚本:いずみ吉紘
【原作】大山誠一郎『アリバイ崩し承ります』(実業之日本社文庫)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

舟を編む ~私、辞書作ります~ ……タイトルに違和感

2024-03-23 17:04:57 | ドラマ・映画
“舟を編む”……
 私の違和感については、想像難くないとは思う。《船(舟)なら造る(作る)ではないのか?》
 それを“編む”と表現した理由は、第1話で日本語学者・松本朋佑がドラマヒロイン・岸辺みどりに語った言葉で語られている。
「辞書は…言葉の海を渡る舟だと。
 人は辞書という舟に乗り、暗い海面に浮かび上がる小さな光を集める。
 最もふさわしい言葉で、正確に、思いを誰かに届けるために。
 もし、辞書がなかったら、私たちはぼうわくとした大海原を前に、佇むほかないでしょう。
 だから………“大海を渡る”…それにふさわしい舟を編む。
 それが私たちの仕事です」


 辞書を編纂する……だから“編む”なのだろう

 でもね、舟は“乗り物”、あるいは“人”そのものだと思う。
 舟(或いは“人”)が旅(航海)に出る場合、資金や食料も必須だが、船(舟・人)そのものが……浮力、頑丈さ、スピード、耐久力、操作性などがしっかりしていなければならない。

 上記の松本氏の言葉…「最もふさわしい言葉で、正確に、思いを誰かに届けるために。
 もし、辞書がなかったら、私たちはぼうわくとした大海原を前に、佇むほかないでしょう」

 (今の時代、《“辞書を引く”という行為は減ったかもしれないし、スマホ、ネットで代用》云々は、横に置いて於いて)
 この言葉には同意する。しかし、辞書は、舟というよりは、海図やレーダーや灯台の方がピンとくる。


 へそ曲がりな私の戯言です。呆れてくださってけっこうです。
 第2話も観ました。面白かったです。
 サブタイトル(テーマ・小見出し)をつけるとしたら……
・“恋愛”の語釈。“恋”とは“愛”とは“恋愛”とは?
・辞書編纂は、言葉の観察者・分析者

 レビューは……大変そう。そう言えば、ジャンルは違うが『AIの遺電子』(アニメ)のレビューは大変だった。
 しかも、今回は既に5話まで進み、明日には第6話も……
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

舟を編む ~私、辞書作ります~ 第一話……「なんて」と「右」

2024-03-20 15:02:08 | ドラマ・映画
ドラマ冒頭、夜明け前の岸壁、若い女性が走り寄り……
「嘆息・歎息」「涕泣」「嗚咽」「慟哭」
 これらは、その女性の行為を順に現した言葉だ。
 しかも、感情を添えて説明・表現している。

 夜明け前の暗い場景の中、悲しみに沈みもがき、泣く……
 その情景に、その都度
お えつ【嗚咽】(名)
 声を詰まらせて泣くこと。

などの字幕が重ねられる。
 女性の悲しい気持ちに重なり……陰鬱。
 正直、《最悪だ…観るのやめようかな》と思った。



 日曜日に録画したスポーツ中継やドラマの再生を止めた時、時々、目にしたドラマ。
 すぐ次の再生を始めるまでの一分弱、《面白そうだな》とは思ったが、途中から観るのも中途半端。
 《NHKだから、そのうち、再放送があるだろう》と思っていたら、先日、まとめて再放送していた。
 取りあえず録画したが、放置。リアルタイムで録画した5話までがハードディスクに溜まった。ハードディスクの容量残が少なくなったので、第1話を観て、面白くなかったら消去するつもりだった。
 で、冒頭のシーン……


 思いとどまり、とにかく、1話見よう。………面白かった。

(ドラマの説明は、番組サイトにお任せします↓)
【番組サイトより引用】
誰もが一度は手にしたことのあるぶ厚い本、辞書。一見淡々と言葉が敷き詰められたように見える辞書の裏には、「作り手」の想像を絶する情熱と心血が注がれています。
「ヤバい」に無数の意味を持たせ、込み入った会話は簡略化。空気を読み、雰囲気で済ませてしまいがちな昨今。そんな時代だからこそ、言葉にこだわる辞書作りの魅力を通し、”言葉は誰かを傷つけるためではなく、誰かを守り、誰かとつながるためにある”という未来への希望を伝えたい。
原作の主人公・馬締ではなく、新入り社員・岸辺みどりの視点で描く、まったく新しい『舟を編む』。全10話で放送します。

【あらすじ】
大人気ファッション誌の編集部員・岸辺みどり。雑誌の廃刊が決まり、突如異動になった先は辞書編集部!そこは、ぼさぼさ頭で超がつくほどの生真面目上司・馬締光也を筆頭に、くせ者ぞろい。みどりは、彼らに翻弄されながらも、一冊の辞書を作るために十数年間に及ぶ時間と手間をかける根気と熱意に触発され、次第に自らも言葉の魅力を発見、辞書編さんの仕事にのめり込んでいく。辞書「大渡海」を完成させるまでの、辞書編集部員たちの奮闘物語。

【放送予定】2024年2月18日(日)スタート〈全10話〉毎週日曜よる10時~10時49分(NHK BSプレミアム4K・NHK BS)
【原作】三浦しをん 『舟を編む』
【脚本】蛭田直美(全話) 塩塚夢(第5話共同執筆)
【音楽】Face 2 fAKE
【演出】塚本連平 麻生学 安食大輔
【出演】池田エライザ 野田洋次郎 ほか
【制作統括】高明希(AX-ON) 訓覇圭(NHK)
【プロデューサー】岡宅真由美(アバンズゲート) 西紀州(AX-ON)




言葉にまつわる心に響く言葉が多かった。
たくさん述べたいが、とても大変なので端折ります…
「なんて」……ヒロイン・岸辺みどりがよく口にする言葉。無意識に使ってしまっていて、無自覚に人を傷つけていた
 (感嘆の気持ちを強調する”副詞”もあるが)
副助詞として――次に来る動作・内容を、軽視する気持ちを込めて例示する
副詞として―――軽視する気持ちを込めて、同格の関係で次の語を修飾する
副助詞として――無視または軽視する気持ちを込めて、事柄を例示する。

「ああ、ごめん。ご飯食べてる時間なんて、ないかも」(せっかく、同棲している恋人が作ってくれた朝食を前にして)
「ほんと助かる。朝から電話する余裕なんてないからさぁ」(人気料理店の予約をしてくれた友人に対して)
「言葉と説明が並んでいるだけですよね、辞書なんて」
「辞書なんて、どれも同じだと思っていたんです」
「あとにして、カメラなんて」
「また朝日………綺麗だけどさ…ごめん、て言うか……ありふれているっていうか……大事だと思うんだよね、被写体のインパクトって。結構みんな撮ってんじゃん、朝日なんてさ」(思い入れのある朝日をテーマで写真コンテストを勝負しようとする恋人に対して)

 単に言葉に無頓着なのだろうと思う。優しい面も多いし、強引なところもない。
 でも、言葉に無頓着というのは、人の気持ちを思いやらないことにつながる。

 彼がキレた場面などは、酷い。↓
「おれが馬鹿にされるのは“しょうがない”と思ってる。夢だけ語って、結果出せなくて…。けど、俺が撮りたいと思っているものまで、馬鹿にしなくても」
「待って、してないよ。してないって、馬鹿になんて」
「してるよ」
「いや、してないって。してたら、ウチにおいでよとか言わないし、家賃とか食費なんて出してないって」
「思ってるよ、マジで情けないって」
「言ってないじゃん、そんなこと。馬鹿になんて」
「してるよっ!……ごめん、コンビニ行ってくるね」


 辞書編集部に異動してきた岸辺みどりの歓迎会で、「“右を説明しろ”と言われたらどうする?と問われて、みどりは、お品書きの裏に「→」書いて、皆に見せた。
 一同、呆れたような顔になり、場はしらけた?……
みどりは、場を取りつくように、言い訳をしたが
「私、知らないんです。辞書のことなんて、何も…
 辞書なんて持ってないし、欲しいとも思ったことないし。
 馬締さん(編集長)に貰った辞書も、読んでないというか、正直、すいません、袋から出してもなくて…
 国語の成績もずっと悪かったし、ミラクルだったんです、玄武書房に入れたのも。入りたかったのも、別に本作りたいとかじゃなくて、ファッション誌に関わりたくて……
 だから、作りたいなんて思ったこともないです、辞書なんて」

バチン!(バイトの青年がキレてテーブルを叩く)
「いい加減にしろよ、この人たちの前で、辞書馬鹿にするんじゃんねえよ!」
「してない!」
「したじゃねえかっ!」
「馬鹿になんて…」

 恋人が怒って出ていった理由を考えなかったのだろうなあ。
 同じパターンをここまで繰り返して、ようやく、思い当たるみどり。

 バイト君が出ていき、契約社員のおばさん(ごめん)と社外編集員の初老の男性(ごめん)が彼をとりなしに追う。
 馬締氏と日本語学者・監修者の松本朋佑(柴田恭兵)が残る。
 後悔の念に沈むみどりに、松本が突然、
「げきおこ(激おこ)、ぷんぷんまる!」
「少し気持ちが軽くなりませんか?
 “天童君(バイト君)が怒った”と言うよりも、“天童君が、げきおこぷんぷんまる”と言う方が。
 もちろん、真摯に受け止めなければならない怒りはあります。真剣に怒ってくれた天童君には申し訳ないんですが…
 げきおこ…ゲキオコ、プンプンッマルッ!
 私大好きなんです、この言葉。この言葉がどれだけの人の心を軽くしてきたか…その健気さを想うと、涙すら出そうになります」
「わたし、馬鹿になんてしているつもり、ほんとになくて……
 でも、思われちゃうんです、なぜか、そう思わせちゃう何か、“悪い言葉”を使ってしまっているんだと思います、無意識に」

「不思議ですよね、言葉って。
 どんなに尽くしても、何一つ伝わらないこともあれば、たった一つの言葉で、千も万も伝えられることもある。
 全く意図していないことを言葉が勝手に伝えてしまうこともある。
 でも、この世に“悪い言葉”は存在しませんよ」(馬締氏)
「馬締さんの言う通りです。
 全ての言葉には、その言葉が生まれてきた理由があります。
 誰かが誰かに何かを伝えたくて、伝えたくて、必要に迫られて生れて来たんです。
 悪いのは言葉ではありません。選び方と使い方です。

 私思うんです、岸部さん。辞書は…言葉の海を渡る舟だと。
 人は辞書という舟に乗り、暗い海面に浮かび上がる小さな光を集める。
 最もふさわしい言葉で、正確に、思いを誰かに届けるために。
 もし、辞書がなかったら、私たちはぼうわくとした大海原を前に、佇むほかないでしょう。
 だから………“大海を渡る”…それにふさわしい舟を編む。
 それが私たちの仕事です。

 岸部さん、あなたの柔軟さが私たちの舟を、より強くしてくれるでしょう」

「柔軟さ……いえ、そんな…私なんて全然…」(皆は、“右”の語釈を矢印で表現したみどりの柔軟さを感心した)
「“なんて”……気が向いたら、その言葉、“なんて”を辞書で引いてみてください。
 辞書はあなたを褒めもしませんが、決して責めたりもしません。安心して開いてみてください」

……で、辞書で引いてみて、自分の口癖の“なんて”の罪を悟るのだが、遅すぎ!
 それに、「なんて」を使わなくても、「辞書を欲しいと思ったこともない」云々は酷い!


「右」の語釈……辞書編集部に異動してきた岸辺みどりの歓迎会で、「“右を説明しろ”と言われたらどうする?と問われて
➀矢印「→」
②「“朝日を見ながら泣いた時、暖かい風に吹かれて、先に涙が乾く側の頬っぺた”……それが、“右”です……」(冒頭の慟哭のシーンは、歓迎会の夜、彼に別れを告げられ、彼の好きな朝日を観に行った時のモノだった)
「“なんて”……なんて素敵な“右”でしょう!」と返す馬締氏。

 辞書「大都会」の真意は……「大渡海」だった。
 
【参考?】
「やばい」(以下の表記は辞書での説明ではなく、登場人物が恋愛ドラマを観ての感想で使用した「やばい」の使用例)
➀意外性があって面白かった……「やばいよね、あのラスト」
②危険だ。怖い……「やばいよね、あんな人、隣に住んでいたら」
③素敵、かっこいい……「あそこで助けに来てくれるの、やばいよね」

 ちなみに、1985年版旺文社『国語辞典』には
《俗》危険だ。あぶない。

とだけ。

【第1話・あらすじ】
 岸辺みどり(池田エライザ)は、大手出版社・玄武書房のファッション誌編集者。仕事熱心だが、ある日突然、辞書編集部への異動を命じられ、知らない言葉にやたら食いつく上司・馬締光也(野田洋次郎)や日本語学者の松本先生(柴田恭兵)、社外編集の荒木(岩松了)らと共に、玄武書房初の中型辞書「大渡海」の編纂に関わることになる。
 慣れない辞書作りに戸惑うみどりには、同棲中の恋人・昇平(鈴木伸之)が唯一の癒やしだが…。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

相棒 season22 最終回スペシャル・ 第20話「トレードオフ~AI右京の完全推理」

2024-03-14 15:02:49 | ドラマ・映画
「(私を見くびっていたことを)後悔するならば、
 人殺しなどと言う愚かな真似を、まず後悔なさい!
 そして、恥じなさいっ!」
(by 右京)

……この言葉、そっくり、輿水氏にお返ししたい。
 官房長官が、邪魔者の右京と美彌子を社会的に葬るため、“名探偵・右京”のフェイク動画を流した。そのフェイク動画の材料として、政治学者・乙部を多賀潮少年(青年?)に報酬2000万円で襲わせた。その襲撃の流れを作るために、プロデューサー・西村を抱き込み、乙部に番組で放言させた。フェイク動画などの小細工は、内閣情報官秘書・井上が暗躍。
 乙部を襲わせたのは、私怨を晴らすためでもあった。
 この官房長官・武智は“小さい男”で……
「武智は権力を維持するためなら、何だってする。
 そして、恨みは忘れない。チャンスを待って叩き潰す。
 チャンスが来なかったら、無理やり作る」
(by 下川元法相)

 それにしても、小さなことまでチェックし、その報復をする。資金や人材を私利私欲のために使い放題……そんなことに執着するより、しっかり職務を果たせ!
 そもそも、そんなことに勢力を果たしても、却って、足がつく(ボロが出る)ようにも思うし、《乙部襲撃の教唆》《フェイク動画の発信(教唆)》は、犯罪である。
 いくら何でも、官房長官がそこまでリスクを負うモノだろうか?そんな筋書きの脚本には大いに疑問!


★あり得ない!元・法務大臣と元・東京地検特捜部部長の暴走
元法相・下川――
 上記の官房長官への人物評でも分かるように、官房長官への憎悪はかなりのモノだったのだろう。それに加え、夫の身分を盾にとって、“指揮権”を発動させられたことが引き金になったと考えられる。
 しかし、(元)法務大臣が内閣官房長官を殺害するのは、暴走し過ぎ!

 それにしても、殺害の手際の良さは、アサシン(暗殺者)のようだった。
元特捜部部長・尾上――
 自分を起用した西村プロデューサーが、実は官房長官と結託していたと下川から知らされ、ふたりで共謀して官房長官と西村を殺害。尾上は西村殺害を担当し、捜査を混乱させるため、下川が殺害したような状況証拠をでっちあげる。
 しかし、検事として挫折したとは言え、正義に燃えていた尾上が殺人という大罪を犯すものなのか?
 それに、西村と官房長官が結託して乙部教授傷害事件を仕組んだとはいえ、乙部の番組での言葉に勝手に後押しされただけで、収賄疑惑捜査が頓挫してしまったこととは、直接関係はなく、西村殺害の動機は、相当弱いはず。それに、西村の後ろ盾の官房長官が失脚、あるいは死亡すれば、西村は自ずと衰退するだろう。

 それはともかく、前篇での西村殺害の報道を知った時の素知らぬ顔のフェイク度は反則級。
 下川犯人フェイクに利用された尾上妻は可哀そう。
 
★今回、大爆発した秘書・石川大輔(林泰文)の行動にも、大いに疑問
 これまでずっと美彌子の忠実な部下を務めていたが、出世に目がくらみ、フェイク動画や音声加工した美彌子の声でテレビ局に抗議の細工。
 官房長官が美彌子の後釜の座をチラつかせたとは言え、犯罪のリスクを冒すキャラだとは思えない。
 罵詈雑言掃き放題で、最後に一太刀と襲い掛かるなど、人格が崩壊したかのようだった。
 林泰文さんの演技は、これまでの井上のキャラをぶっ壊されたことへの腹いせだったのだろうか?設定の割には、出番が少なかったうえ、どうしようもない退場の仕方だったことへの不満が込められていたのかもしれない。


★フェイク動画に対する稚拙な警視庁の対応
 動画の件を、右京の仕業と断定し、官房長官に謝罪するのは、あまりにも拙速だった。
 いくら右京を排除したいとは言え、「右京の仕業と断定=警視庁の失態」となってしまう。動画がフェイクである可能性が高く、捏造(加工)かどうかは、分析すればわかるはず。実際、後に警視庁幹部か窮地に陥った。

 “警視庁の名探偵” “正義(“じっちゃん”ではない)の名にかけて” “官房長を殺害したのは僕です”と云うフレーズを右京に語らせたフェイク動画、さらに、それを逆用した右京の反撃などは面白かった。
 それと、《下川が官房長殺害現場に現れた際、裏木戸と外套の位置関係から、入ってきたのではなく、中に居た》という推理は面白かったが……
 ……事件の真相が、官房長官、元法務大臣、元特捜部部長らの行為があまりにも浅はかだった。
 私利私欲にまみれた官房長官が、追い詰められるシーンがなく、殺害されて終わりというのも、すっきりしなかった。

 ……相変わらずの脚本である。

 そういえば、前篇で意味深な表情をしていた乙部教授は、後篇に登場せず。(西村の上司の東都テレビ制作部長も登場しなかった)
 サブタイトルの『トレードオフ』も、実際はあまり関係なかったような……

 あ、そうそう、前篇で誰だか分からなかった山本大輝は、多賀潮から金を巻き上げていた男だった。
 

【ストーリー】(番組サイトより)
事件の黒幕は官房長官か内調か!?
右京の動画がカオスをもたらす!


 「警視庁の名探偵」を名乗る右京(水谷豊)が、一連の事件の黒幕は、武智内閣官房長官(金田明夫)に違いないと断言した動画が拡散され、波紋を呼んでいた。右京自身は「身に覚えがない」と否認していたが、警視庁上層部から謹慎を言い渡されてしまう。
 薫(寺脇康文)は、右京の潔白を証明しようと奔走するが、状況が好転する気配すらなかった。そうこうするうち、殺害されたプロデューサーのスマホに、下川元法務大臣(黒谷友香)からの着信履歴が残っていたことが判明。警察は下川に疑惑の目を向ける。いっぽう、下川が指揮権を発動したことで梯子を外された特捜部長の尾上 (甲本雅裕)は、左遷の憂き目に遭っていた。
 そんな中、“謹慎中”の右京は、政治学者襲撃事件を起こして勾留中の少年にアプローチし、背後関係に迫ろうとしていた。同じ頃、薫は驚きの情報を耳にしていた。それぞれの思惑が交錯する中、一連の事件の核心に迫る“右京の動画”が再び発信される。

真実と虚構が入り乱れる混乱の中、
日本を震撼させる衝撃の事態が!?
特命係が再び巨大な闇と対峙する!


ゲスト:黒谷友香 甲本雅裕 金田明夫

脚本:輿水泰弘
監督:橋本一


第1話「無敵の人〜特命係VS公安…失踪に潜む罠」(初回拡大SP)
第2話「無敵の人~特命係VS公安…巨悪への反撃」(拡大SP)
第3話「スズメバチ」
第4話「天使の前髪」
第5話「冷血」
第6話「名探偵と眠り姫」
第7話「青春の光と影」
第8話「センチメンタル・ジャーニー」
第9話「男の花道」
元日SP 第10話「サイレント・タトゥ」
第11話「その頬に触れるな」
第12話「惡の種」
第13話「恋文」
第14話「亀裂」
第15話「マッターホルンの殺人」
第16話「子ほめ」
第17話「インビジブル」
第18話「インビジブル~爆弾テロ!最後のゲーム」
最終回スペシャル前篇・ 第19話「トレードオフ」
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

相棒 season22  最終回スペシャル前篇・ 第19話「トレードオフ」

2024-03-07 21:43:11 | ドラマ・映画
トレードオフ……
 一方を尊重すればもう一方が成り立たない状態のこと
 一方を追求するともう一方を犠牲にしなければならないという二律背反の状態のこと


前篇ということで、主要人物や事件のあらましだけ。(紺色字の人物紹介は番組サイトより)
政治学者・乙部泰治郎(佐戸井けん太)
大学の研究室に籍を置く政治学者。権力に忖度しない発言が、たびたび物議を醸し、最近はコメンテーターとしてテレビに呼ばれることが減っている。

 TV番組で幹事長の収賄疑惑について激しく糾弾。多賀潮に襲われる。
 襲われた際に、多賀が最後に言った「ごめんなさい」という言葉を、署に来訪し右京に告げる。
 佐戸井けん太さんが演じるキャラらしく、飄々とした性格だが、物思いにふけるシーンも。政界の暗部に関わっているかは不明。
 
多賀潮(島田裕仁)
 高校中退。ネットで政治批判をしていた。
 親が残した多額の借金を背負っている。
 乙部を襲ったのは2000万円の報酬の為。(右京が彼のアパートを捜索して、2000万円を発見)
 情緒不安定。何かを心に秘めているかも。

東都テレビの(元)プロデューサー・西村拓三
 番組に乙部を起用し過激な発言を求めた。しかし、その番組が原因で退社、新会社を設立しようとしていた。
 西村に興味を持った美和子が訪ねたが、ボウガンで射抜かれ死亡していた。

内閣官房長官・武智淑郎(金田明夫)
庶民派を装っているが、内閣を牛耳り、マスコミには睨みを利かせている狡猾な人物。味方になり得る人間には浅ましく手を回すいっぽう、敵と見なした相手はどんな手段を使っても徹底的に叩き潰す裏の顔を持っている。

 幹事長の収賄捜査を、法務大臣に指示し“指揮権”を発動させストップさせた。
 自分に関することを細かくチェックし、攻撃したり懐柔したりする。

法務大臣・下川阿貴(黒谷友香)
武智の指示で指揮権を発動し、収賄容疑を掛けられた幹事長に対する強制捜査を阻む。党内での裏取引により、何らかの見返りを得ると思われるが、詳細は不明。

 西村プロデューサー殺害に関与している可能性がある。
・西村のスマホに、下川からの着信履歴がある
・ボウガンが使用されていたが、下川は過去にボウガンと関わりがあった。(過去のイベントでボウガンを持っている画像が発見される)
・殺害現場にピンヒールのモノと思われる痕跡があり、彼女はピンヒールを愛用。

法務大臣・尾上欣悟(甲本雅裕)
 東京地検特捜部の部長。昨年就任したばかりだが、検察官として気骨があると評され、政治家の汚職に切り込む覚悟を持っている。しかし、指揮権発動を受けて、捜査が暗礁に乗り上げ、責任を問われることに。

 正義に燃えていたが、政府の圧力により捜査は制止され、責任を取らされ閑職へ。その後、前篇では意気消沈しているだけ。

東都テレビ制作部長・金子忠志(仁科貴)
 西村プロデューサーの上司。会社上層部からの圧力(空気)から西村を守り切れず、西村を他の部署への配置換えを決める。「必ず、呼び戻す」と言ったが、西村は退社。
 
 この人物、いろいろ味があった。
 報道関係の状況を右京たちに語る。
……「あの番組のオンエアの直後、強硬な抗議が入った。
番組への抗議は昔からあった。官邸や与党、野党からも文句を言ってくる。それを昔は聞き流してきた。
それを昔は聞き流していた。
…それが何時ごろからか、無視できない空気になってきて……そう、空気……そういう空気が充満してきて…」


 面白かったのは…上記の話中、受付から電話が入り、警察(捜査一課)が来たと知らされ、《また、警察が?》と訝しがる。
「特命係と捜査一課は…どう違うんですか?」
 と問われ、右京も亀山もバツが悪そうな表情に。(その様子が面白かった)

一旦、金子への聴取は終了(おそらく強制終了)したが、その後、金子から電話があり、
「どうやらおふたりは、私が創造していた警察官とは違う。
 警視庁の担当記者に訊くと、《上の言うことをちっとも聞かない…“警視庁の陸の孤島のおふたり”》だそうですね」
と言い、政府(国家)からの圧力は内閣諜報部・内閣情報官の社美彌子だという。
 抗録音した抗議を二人に聞かせる。
「西村を殺した男を捕まえてくれ!」と。
 
内閣諜報部・内閣情報官 社美彌子(仲間由紀恵)
 右京に尋ねられて「そんな抗議はしていない」と。
 抗議の美彌子の音声だが、抑揚が不自然。偽造(フェイク・人工)音声のように感じた
 《乙部泰治郎は要注意リストに入っていない》と言う

《事件についての仮説》
 番組での激しい批判に怒った内閣官房長官・武智やその周辺が、内調を使って、乙部や西村を殺傷した。
 しかし、被害者二人の被害度の差が大きすぎる(乙部は傷害の様子を生配信され、しゃざいを強要されたが軽傷。西村は殺害された)


山本大輝って、誰?
 右京に何やら依頼された角田課長が、呼びかけた男?……誰?(私が見落としただけ?)
 一般人ではなさそうな雰囲気。名字は違うが、多賀潮の父親?


事件の全容がつかめない……
『トレードオフ』(一方を尊重すればもう一方が成り立たない状態のこと)の状態になっていそうな人物は、東都テレビ制作部長・金子ぐらいだが、彼は「西村を殺害した犯人を捕まえてくれ」と切望(嘘には思えなかった)
 美彌子はもしそういう状態になったとしても、もっとドライにクールに立ち回りそう(足をすくわれるような行為はしない)
 最近のキャラだと、大河内監察官(神保悟志)や甲斐峯秋(石坂浩二)だが、ふたりとも道を外しそうにない。大河内に至っては、出番少なすぎ!


 と思っていたら、右京が官房長官が黒幕(犯人)であると断言する動画がアップされた!

 発信元も特命係の右京のPCと特定されたが、フェイク動画だろう。
 では、何のために?誰が?


【ストーリー】(番組サイトより)
指揮権発動を発端に事件が発生
右京が再び政界の闇に切り込む


 法務大臣の下川(黒谷友香)が指揮権を発動し、与党幹事長の収賄容疑に関する強制捜査が見送られることになった。裏で糸を引いていたのは内閣官房長官の武智(金田明夫)だったが、官邸の横暴をほとんどのマスコミが黙殺。捜査を指揮していた特捜部長の尾上(甲本雅裕)も、圧力に屈さざるをえなかった。
 唯一噛みついたのが、「特捜部長の気骨に期待する」とテレビで発言したベテラン政治学者の乙部(佐戸井けん太)だった。そんな中、乙部が未成年の男性に襲われる事件が発生。興味を持った右京(水谷豊)が、薫(寺脇康文)と共に動き出すと、被害者である乙部から、意外な証言が飛び出す。

少年はなぜ政治学者を襲ったのか?
背後に見え隠れする巨大権力の闇
そして起こる、さらなる凶悪犯罪
事件を追う右京が驚きの変貌を遂げる!?


ゲスト:黒谷友香 甲本雅裕 佐戸井けん太 金田明夫

脚本:輿水泰弘
監督:橋本一


第1話「無敵の人〜特命係VS公安…失踪に潜む罠」(初回拡大SP)
第2話「無敵の人~特命係VS公安…巨悪への反撃」(拡大SP)
第3話「スズメバチ」
第4話「天使の前髪」
第5話「冷血」
第6話「名探偵と眠り姫」
第7話「青春の光と影」
第8話「センチメンタル・ジャーニー」
第9話「男の花道」
元日SP 第10話「サイレント・タトゥ」
第11話「その頬に触れるな」
第12話「惡の種」
第13話「恋文」
第14話「亀裂」
第15話「マッターホルンの殺人」
第16話「子ほめ」
第17話「インビジブル」
第18話「インビジブル~爆弾テロ!最後のゲーム」
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

相棒 season22  第18話「インビジブル~爆弾テロ!最後のゲーム」

2024-02-29 17:55:46 | ドラマ・映画
独善手……将棋用語。ちなみに、「独善」は《自分だけが正しいと信じ込んで行動する態度。ひとりよがり》。
 つまり、思い込み(錯覚)や勘違いや読み抜けがある疑問手(よくない手)。
 この「独善手」で肝心な点は、《入念に読んだにもかかわらず、読み抜けなどがある》ということ。形勢を良くしたいという思いが強くて、どこかで都合の良い思考が入ってしまうのが原因。いわゆる、“独りよがり”の手である。

………今回のIQ150の天才少年・山田の行動に、“独善手”と云う言葉が浮かんだ。


 今話は、“IQ150の天才”や“右京のチェス好敵手”ということで期待が膨らんだが、がっかりである。
 巧妙な計画や罠があるわけではなく、単に、爆弾事件を起こした動機を右京たちが聞き取り調査で明かしていくだけ。

 施設の兄貴分の警察官・金森が酷い虐め(パワハラ)に遭い、さらに、署長(市長の息子)に「だから施設育ちの(親のいない)奴はダメなんだ」(←意訳)という言葉に心が折れ、自殺……確かに酷い話である。
 《親がいない(親に捨てられた)》《そのことで心や体を傷つけられる》ということは“不運”という言葉では片づけられない辛くて悲しい日々であっただろう。第三者が安易に「自殺してはいけない」とは言えない。(それでも、「自殺の他に手段はなかったのだろうか」と私は考える)
 問題なのは、“IQ150の天才”が連続爆破という卑劣な手段を取ったこと
 右京の明晰な頭脳を見込んで右京を巻き込み、城北中央署で行われたパワハラとその隠蔽を暴いてもらう。それと併せてパワハラの行使者への傷害、パワハラの実行現場の寮の爆破などの復讐も実行。
 しかし、これならIQ150でなくても実行できそう。爆弾製造・設置もそれほど精密な計画や実行とも思えない。
 そもそも、IQ150ならもっとベターな行為ができたはず。右京と面識があるなら、事の経緯を語り、悪行を暴くとか……愚かとしか思えない。

 協力者で爆弾テロの実行犯の本城も会社の先輩には恵まれなかったし、IQ150山田もクラスメイトや担任に恵まれなかったという不運はあるが、親に捨てられたことを考慮しても、もう少し、まともな行動がとれなかったのだろうか?
 おそらく、彼が語った以外に多くの辛い出来事はあったと思うが、周りのものすべてが心無い者ばかりではないと思いたい。
 名付け親の市長がつけた自分の名前が「希望(のぞみ)」、市長の息子の名が「正義(まさよし)」という皮肉めいたモノを感じたというが、全く共感できなかった。市長はあれこれ悩み、実際に彼の顔を見て名前を決めたのなら誇っていいはず。(馬鹿息子が「正義」というのは皮肉ではあるが)
 とにかく、その名前の事で市長を恨み、市長邸を爆破するなんて、逆恨みも良いところだ。“天才”と言うより“馬鹿”としか思えない。

 このストーリーで前後篇というのは酷い……
 前篇で事件の分析をしたが、あほらしい……

 脚本は瀧本智行氏。久々に“要注意脚本家候補”認定。

 


【ストーリー】(番組サイトより)
連続爆破事件の犯人がまさかの自首
右京さえ翻弄する少年の目的とは!?


 右京(水谷豊)とチェスで互角に勝負できるIQ150の天才少年・山田(中川 翼)が、連続爆破事件の犯人“INVISIBLE(=透明人間)”を名乗って所轄署に出頭してきた。抵抗する素振りを見せず、そのまま逮捕された山田だったが、右京以外とは一切話すつもりはないと主張し、取り調べ官に指名。
 しかし、右京の追及に対しても挑発的な態度で応じるだけで、本当の目的を明かそうとしなかった。いっぽう、薫(寺脇康文)は、第二の爆弾テロの被害者が、所轄署の元刑事だと判明したことを受け、何か隠している様子の副署長を追及するが、かわされてしまう。
 同じ頃、第一の爆弾テロの標的となった市長の山田征志郎(升 毅)は、一連の事態を受け、危機感を募らせていた。そんな中、山田と共謀していると思われる本城(吉田日向)が、再び不穏な動きを見せる。

警察を翻弄する爆弾魔の目的は?
背景には右京と天才少年の因縁が…
終わらないテロが驚愕の事態を招く!


ゲスト:中川 翼 吉田日向 升 毅

脚本:瀧本智行
監督:守下敏行


第1話「無敵の人〜特命係VS公安…失踪に潜む罠」(初回拡大SP)
第2話「無敵の人~特命係VS公安…巨悪への反撃」(拡大SP)
第3話「スズメバチ」
第4話「天使の前髪」
第5話「冷血」
第6話「名探偵と眠り姫」
第7話「青春の光と影」
第8話「センチメンタル・ジャーニー」
第9話「男の花道」
元日SP 第10話「サイレント・タトゥ」
第11話「その頬に触れるな」
第12話「惡の種」
第13話「恋文」
第14話「亀裂」
第15話「マッターホルンの殺人」
第16話「子ほめ」
第17話「インビジブル」
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

相棒 season22  第17話「インビジブル」

2024-02-22 14:05:14 | ドラマ・映画
【冒頭の2つのシーンから感じたこと】
1.爆弾を製造する青年
2.チェス大会の準備(研究・トレーニング)に励む右京

 昨年の大会でIQ150の青年に苦戦したと右京は言う。亀山、暇か課長との会話で、“右京は少年時代から利発で協調性に欠ける性格”であったことが確認できたが、それはともかく、爆弾製造していた青年は、《そのIQ150のチェスのライバルであろう》と予想した視聴者は多いはず。
 それと、これらのシーンで、エンドロール?(出演者や製作スタッフなど)が流れたので、《今回は前後編モノ》と予想できてしまった。

爆破事件その1
 標的は次期都知事の最有力候補の東都市長・山田邸
 灯油が仕込まれていたこと、在宅中の妻と家政婦に避難するよう電話があったことから、殺害の意思はなく、《火事を起こすのが目的》と推察できる

爆破事件その2
 標的は警備会社勤務の牧野文雄
 殺傷能力を高める金属片が仕込まれていなかったことから、《殺害の意図はなく、重傷を負わせるのが目的》と推察できる

右京を観察する視線
 右京は“視られている”という感覚に2度襲われるが、二度目の直後、チェスライバル青年が登場。名前は“山田”と右京が語る。亀山は「市長と同じ名前」と何気なくヒント台詞。

この2件の爆破事件を結び付けるモノ
・第2の被害者牧野は元警官で、山田市長の息子が署長として着任している城北中央署に勤務していた。警備会社には副所長の斡旋があった
宅配員を装って爆発物を届けた協力者・本城卓……電気設備会社に勤務しているが、先輩社員からイビリに合っていた。

二人の青年
 爆弾製造計画者・IQ150山田と実行者・本城が、最終計画の打ち合わせ。
 本城は、その準備として爆発物を現場に仕込んでおいた。
 IQ150山田はその爆発物の製造の他、改造銃?も製造していた(これより前のシーンで)
 
城北中央署にて
 爆破事件に関係ありと踏んだ特命係、捜一トリオが城北中央署で聴き取り捜査をしている矢先、IQ150山田が現れ、「僕がインビジブル、連続爆弾事件の犯人です」と自首の様子を生配信
 その一方で、空調設備の修理で署に入った本城が、何やら事を始める様子

【前篇終了時点での考察・疑問点】
・連続爆破事件の動機・標的は、城北中央署の署長(山田市長の息子)、その一派(副所長のその部下、被害者の牧野)の犯した罪。
・城北中央署の連中が何を犯したかは不明
・それらに、本城がどう絡んでいるのかも不明



【ストーリー】(番組サイトより)
都知事候補を狙う爆弾テロが発生
神出鬼没の“透明人間”の正体は!?


 五期連続で市長を務め、次期都知事の最有力候補と目される山田征志郎(升 毅)の自宅に爆弾が届けられた。差出人の欄には、右京(水谷豊)の名前と“INVISIBLE”(=透明人間)という意味ありげな英単語が。幸い市長宅で怪我人は出なかったものの爆弾によって火災が発生。警視庁はテロ事件として捜査を始める。
 いっぽう、自分が事件にかかわるように仕向けられていると感じた右京は、薫(寺脇康文)と共に独自の捜査を開始。征志郎から事情を聞くが、私怨で狙われる覚えはないとの証言しか得られなかった。
 そんな中、警備会社に勤める男性が、宅配業者に届けられた爆弾で重傷を負う、第二の事件が発生。配達人は本城(吉田日向)と名乗る若い男だったが、警察は正体さえ掴めずにいた。
 そうこうするうち、右京は街角で山田(中川 翼)と名乗る顔見知りの少年と遭遇。山田は、右京が「チェスのライバル」と評するIQ150の天才で、右京は再戦を楽しみにしていたが、山田は意味ありげな言葉だけを残して去っていった。

警察を翻弄する爆弾魔の目的は?
背景には右京と天才少年の因縁が…
終わらないテロが驚愕の事態を招く!


ゲスト:中川 翼 吉田日向 升 毅

脚本:瀧本智行
監督:守下敏行


第1話「無敵の人〜特命係VS公安…失踪に潜む罠」(初回拡大SP)
第2話「無敵の人~特命係VS公安…巨悪への反撃」(拡大SP)
第3話「スズメバチ」
第4話「天使の前髪」
第5話「冷血」
第6話「名探偵と眠り姫」
第7話「青春の光と影」
第8話「センチメンタル・ジャーニー」
第9話「男の花道」
元日SP 第10話「サイレント・タトゥ」
第11話「その頬に触れるな」
第12話「惡の種」
第13話「恋文」
第14話「亀裂」
第15話「マッターホルンの殺人」
第16話「子ほめ」
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

相棒 season22  第16話「子ほめ」

2024-02-16 16:56:26 | ドラマ・映画
橘亭青楽(小宮孝泰)と妻の美奈子(大西結花)が、22年振りの登場。(Season1 第3話『秘密の元アイドル妻』(2002年10月23日)以来)
当時同様に小宮さんが味のある落語家・青楽を演じていたが、いろいろ物足りなさを感じた話だった。


青楽ともう一人の主要人物・受刑者・根津(菅田俊)以外は、アドベンチャーゲームの登場キャラクター並の心理描写の浅さだった。(真犯人は、ストーリーの都合で深く描けないのはやむを得ないが)
妻・美奈子
 season1では、自分の為に夫が殺人を犯してしまい、その後の苦労は大変だったと察する。でも、20年余りの年月を語っていたら前後編でも足りなくなってしまうので、夫が落語家に復帰でき、それを支えているという描写だけで十分だと思う。しかし、今回の事件での彼女は、青楽と根津との関わりを語るぐらいで、夫を心配するだけに留まっていた。もっと必死に探し回っていれば、監禁されていた青楽を発見できていたように思う(下手に発見したら、巻き添えで二人とも殺害されていた可能性もあるが)。
根津の元妻・高尾紺子
 「息子を目を離したスキに水難事故で亡くしてから、荒れた」と語っただけで、根津に対する感情を表すことはなかった(恨んでいたのか、愛していたのか?)。
 夫の病状を案ずることもなく(知らなかった?)、夫の死に際も関与せず。

根津にも多少の疑問
・刑務所所員が「根津が笑うのを、初めて見た」とか言っていたが、冷え固まっていた根津の心が、青楽の落語によって溶けていったような描写が薄かった
・今際の際(いまわのきわ)で、右京に説得されて、23年前の強盗殺人の真相を話す……師匠と思う青楽。その青楽に相談した為、青楽が危険に遭ってしまった。なのに、なぜ、右京が面会に来た時、話さない?
今回の落語ネタについて
・私がぼおっとしていたのかもしれないが、《あれこれ褒めて、タダ酒を飲もうとする。“年齢についてなら若く見える”とか”子どもがいたら人相を褒める”とか指南を受ける》というネタ自体が、事件と関連しているわけではなさそう。
 season1では、《落語で手紙を読む仕草の小道具として、青楽が手拭いでなく扇子を使ったことに、疑問を感じた》が、そういうことも、今回はなかった(と思う)
・ラストの落語、語りが早口すぎのように感じた

事件については、分かりやす過ぎ
真犯人のクラブのオーナー・瀬尾福一
・落語と場違いなクラブで落語の独演会。斬新な気もするが、落語はやりにくそう。
・元受刑者の落語家を応援。いかにも曰くありそう
・「青楽の体調が悪くなり今回は中止です。すいません」←謝罪の気持ちが薄い
・右京たちを出迎えた時と、公演中止を告げた時とで服装が違う
・「青楽が電話で口論していた。地名が聴こえた」と証言。“目黒”→“地名”とぼかしたが、却って、作為を感じる

 それにしても、瀬尾はクソ過ぎ。
 23年前の強盗も、強引に根津を誘い、現場で犯行が見つかると躊躇なく社長を殺害。自発的に根津が罪を被ったが、全く反省せず、今回も罪を重ねる……

 相棒に限らず刑事ドラマの過去の事件は、その当時の捜査が杜撰すぎ!


【ストーリー】(番組サイトより)
あの落語家の周囲で再び事件が!
失踪と殺人の意外な繋がりとは!?


 右京(水谷豊)は、薫(寺脇康文)と連れ立って、橘亭青楽(小宮孝泰)の落語会を訪れる。青楽は、薫が特命係に配属された当初、元アイドルの妻・美奈子(大西結花)を脅迫していた男を殺害した罪で服役していた人物。出所後、落語界に戻り、世話になった右京たちを復帰公演に招いたのだった。
 ところが、その舞台の直前、青楽がどういうわけか姿を消し、そのまま行方不明になってしまう。そんな中、都内のバーでマスターが刺殺される事件が発生。現場には、青楽の物と思われる手ぬぐいが落ちていた。調べると、被害者は元受刑者で、刑務所で青楽から落語を教わっていたという事実が判明する。
 青楽が何かしらの事件に巻き込まれていると察した右京と薫は、独自の捜査を開始。青楽から特に熱心に稽古をつけてもらっていたという受刑者・根津(菅田俊)から事情を聞く。しかし、根津は何かを隠しているようで、多くを語ろうとしなかった。

青楽の愛弟子がひた隠す衝撃の事実
右京と落語の不思議な縁が
過去から現在に続く事件を照らす!


ゲスト:小宮孝泰 菅田俊 大西結花

脚本:竹内清人
監督:権野元


第1話「無敵の人〜特命係VS公安…失踪に潜む罠」(初回拡大SP)
第2話「無敵の人~特命係VS公安…巨悪への反撃」(拡大SP)
第3話「スズメバチ」
第4話「天使の前髪」
第5話「冷血」
第6話「名探偵と眠り姫」
第7話「青春の光と影」
第8話「センチメンタル・ジャーニー」
第9話「男の花道」
元日SP 第10話「サイレント・タトゥ」
第11話「その頬に触れるな」
第12話「惡の種」
第13話「恋文」
第14話「亀裂」
第15話「マッターホルンの殺人」
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

相棒 season22  第15話「マッターホルンの殺人」

2024-02-09 15:10:47 | ドラマ・映画
《マッターホルンからの動画配信中、配信者が襲われ、倒れる》
 ……土師が持ち込んだ動画で特命係が動く
【ドラマ前半までの捜査で判明したこと】
動画配信者の“善ちゃん”こと善家光明
・芸能プロの社員(履歴書の修士号取得は怪しい)。なぜか、急に登山に熱を入れ始めた。
・動画の1週間前に重傷を負い、計画していたスイス行を断念
・スタジオを借りており、動画配信はそこでの偽装だった
・元奨励会員

陰りのある美少女・アリサ
・善家の勤める芸能プロが売り出そうとしていたアイドルグループの主力メンバー
・芸能活動にはあまり乗り気でなさそうだが、母親が非常に積極的で、彼女は「娘もアイドルが夢」と言い切る

天才少年棋士・垣原宗介
・右京たちが過去の動画を手掛かりに、善ちゃんの住居を突き止めた時、善家を心配するメモを発見。さらに、善家のアパートを伺う少年を見かける
・善家が行っていた将棋倶楽部で、将棋を指しており、「自分に勝てたら、善家について教える」と勝負を持ちかける。右京の負け。
・対局中、母の迎えを期待しているそぶりを見せた
・宗介の母は、善家に激しく文句を言っていたようだ
・宗介の両親は「宗助は棋士を目指さず、弁護士を目指している」と言う。宗助の父は、弁護士。登山が趣味で、マッターホルン登頂も目指したが、“高度順応”が上手くいかず、断念したらしい

 この時点で、宗介がキーポイントになっており、善家がマッターホルン登頂に拘っていたのは、宗介の父に関連していると推測はできたが、佐奈子がとの関連は不明。
 この後の展開に、期待を抱いたが……


【ここまででの遺留品や推理】
・現場の遺留品……紐を通す穴があり、アクセサリーに使う石?
・「犯人は善家さんに何かしらの恨みを持ち、善家さんが倉庫を密かに借りていたことを知り得た人物だと、考えられます。(動画での善家さんの)反応から、顔見知りの可能性があります」
・特徴あるスマホの着信シグナル

再びの右京の挑戦!(今度はチェス)……右京の勝利で捜査が進展
宗介からの情報
・「父が出来なかったマッターホルンの登頂が出来たら、奨励会に入る」と善家に約束した
・ストーカーについて、芸能プロの社長と話していた(謝っていた)
   ↓
社長(所長?)による情報   
・アリサはストーカー行為に遭っていたが、善家は表沙汰にせず、報告しなかった
   ↓
ありさの母・戸嶋佐奈子の話
・善家が歩道橋から転げ落ちるのを見た。誰かに突き落とされたのではないか?その人物の腰のあたりがピカピカピカと光っていた
   ↓
宗介の父への聴取
・善家を突き落としたのは、宗介の父だった(歩道橋の防犯カメラでも姿を確認)
・実際は、激高した宗介の父に驚いて、持っていたカップ麺をぶちまけ、熱湯の熱さで転げ落ちた
・パワーストーン(ブレスレッド)は、紐が切れたので処分
・あのブレスレッドは新田神社で買ったもの
   ↓
新田神社で願掛け中の佐奈子に聴取
 ストーカーが善家だったことに気がついていた(画像に写っていた車のミラーに、善家が写り込んでいた)
 善家は、《ストーカー騒ぎで、佐奈子がアリサの芸能活動を諦めるかもしれない》と思ったらしい

佐奈子の供述
 アリサに《無理して芸能活動をすることはない》と吹き込んだ善家に怒り、もみ合いになり、突き飛ばしスチール棚の角に善家が後頭部を強打、昏倒(動画の最終シーン)
★注目ポイント
・スタジオは電気がついたまま、右京たちが来たときは、電気が消えていた
   ↓
電気を消したのは善家本人で、善家は生きている

【事件の真相】
………「夢を追う若者を支えたい」という馬鹿でドジでお人よしの善家が引き起こした騒動だった


・宗介が将棋が好きで続けたいという気持ちは、対局していてよくわかっていた
・アリサは、人前に出るのが苦手で、短いスカートも恥ずかしい。《アイドルになりたくない》というアリサの本心を知った
 ……そこで、色々策を講じるが、やることなすこと裏目に出てしまった


《宗介の父が成しえなかったマッターホルン登頂を果たすこと》で、宗介に奨励会に入らせるという考えが浅はか
そんなことより
・宗介には、ライバルたちと将棋を指すことの楽しさや将棋の面白さなどを味合わせ、宗介にどうしたいかを考えさせる
・両親にも、宗介の対局する姿を見せ、宗介の気持ちを考えさせる
など、するのが本筋

ストーカーでありさの芸能活動をストップ?……そんなことで、解決できるとは思えない
やはり、本人と母親との話し合ってもらうのが本筋(なかなか、難しそうな母親だが)

……善家は“いい奴”なんだけど
・マッターホルン登頂を目指してトレーニング。費用も高額だろう
・スタジオや機材を借りて偽実況。費用がかさむだろう
・歩道橋から転落し、足を重傷しても、訴えない
・佐奈子に突き飛ばされて、昏倒しても、病院にも行かずに隠す


いろいろ雑?な脚本だった
①ハジッチが”完全犯罪”と息巻いたが…どこが?
②マッターホルン登頂は俄か登山家の素人には無理
③熱湯の入ったカップ麺を持って歩道橋を渡る?
④気絶した後の動画は?(配信が切れたタイミングが、違う)
⑤善家が昏倒したシーンで配信が途絶えたら、大騒動になるのでは
➅佐奈子はどのようにして、善家が使っていたスタジオを突き止めたのか?
⑦佐奈子と宗介の父が、同じ新田神社の願掛けお守り(ブレスレッド)をしていたのは、かなりの偶然
⑧右京vs宗介の対局内容は、けっこういい加減だったような気がする


 善家は右京に佐奈子の罪状を気にしていたが、まず、警察に事故だったことを主張し、動画で騒動を起こしたことを謝るべきであろう。起訴はされるだろうが、減刑の材料にはなりそう。
 それでも、佐奈子は《死に至るかもしれない善家を放置した罪》を問われるだろうが。


【ストーリー】(番組サイトより)
ライブ配信中に殺人事件が発生!?
雪山での完全犯罪に右京が挑む!


 サイバーセキュリティ対策本部の土師(松嶋亮太)が、特命係に奇妙な動画を持ち込んでくる。土師いわく、スイスの高山・マッターホルンの山中で“完全犯罪”が行われた証拠映像だという。動画には、「善ちゃん」と名乗る配信者が何者かに襲われ、テント内で息絶える姿が映し出されていた。現場がスイスでは完全に管轄外だが、興味を持った右京(水谷豊)は、薫(寺脇康文)とともに独自の捜査を開始する。
 さっそく、映像から「善ちゃん」が何者かつきとめた右京は、勤め先の芸能プロを訪問。善ちゃんこと善家光明(加治将樹)は、「夢を追う若者を支える仕事に就きたい」と社長に直談判し、6年前から同社で働いていたと分かる。その事務所では現在、ジュニアアイドルグループを売り出し中で、善家はメンバーからも同僚からも慕われていたという。ただ、なぜ急に登山に熱を入れ始めたのかは判然としなかった。
 そんな中、善家には意外な過去があり、その過去をめぐって一人の少年と深い繋がりがあることが明らかになってくる。

特命係がスイスの高山で越境捜査!?
背景には右京をしのぐ天才少年の存在が
交錯する思いが驚がくの事件に繋がる!


ゲスト:加治将樹

脚本:川﨑龍太
監督:内片輝


第1話「無敵の人〜特命係VS公安…失踪に潜む罠」(初回拡大SP)
第2話「無敵の人~特命係VS公安…巨悪への反撃」(拡大SP)
第3話「スズメバチ」
第4話「天使の前髪」
第5話「冷血」
第6話「名探偵と眠り姫」
第7話「青春の光と影」
第8話「センチメンタル・ジャーニー」
第9話「男の花道」
元日SP 第10話「サイレント・タトゥ」
第11話「その頬に触れるな」
第12話「惡の種」
第13話「恋文」
第14話「亀裂」
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする