『将棋雑感 ~解説者と聞き手①~』(1月5日)
『将棋雑感 ~解説者と聞き手②~』(1月19日) の続きです。
解説では、聞き手の技量も重要です。
聞き手の技量とは
①話す技量
公の場ですから、きちんとした話し言葉が必要になります。自分の考えを正確に言葉で表現する能力も大切です。さらに、発音の明瞭さも求められます。
②会話能力
解説者の能力を十分に発揮させることも、聞き手の重要なスキルです。解説者が気分良く解説出来れば、解説自体も冴えるし、観客や視聴者も話に移入しやすいです。
解説者のタイプにより、聞き手も対応する必要もあります。三浦八段のようなまじめで誠実なタイプには、聞き手がリードして解説を聞き出したり、魅力を発揮させることが望まれます。エピソードなどを仕入れておいて、場を盛り上げるのも有効な手段です。
逆に、放っておいてもどんどん語ってしまう解説者には、横道に逸れ過ぎないようにコントロールする必要もあります。また、逆に話を遮り過ぎて、解説者のノリを損ねてもいけません。
③棋力
棋力はあった方が良いですが(女流棋士のトップクラスやそれに近いクラス)、それ以下でも解説が理解できる程度があればOKです。
上記の三つの要件を満たしている聞き手だと、解説をスムーズに聞くことができます。三つのうち、どれか一つが苦しくても、他の二つが秀でていたり、解説者との相性が良ければ、齟齬が生じることは少ないです。
せっかく?なので、最近、気になった聞き手の例を挙げます。
ひとり目は、竜王戦で聞き手を務めた山崎バニラさん。活動弁士(サイレント映画の弁士)が本業ですが、多彩な才能を発揮して、マルチに活動されている方で、将棋番組の進行やアシスタントとしても活躍しています。
しかし、聞き手としては棋力が少し足りず、解説についていけなかったり、大盤操作を誤りっぱなしだったので、解説を見る分には辛かったです。本人も辛かったと思います。
二人目は、囲碁・将棋フォーカスの高崎真子さん。この方、将棋普及指導員をされているようなので(私の記憶違いかもしれません)、普段は指導や解説をする機会が多いのではないかと思われ、聞き手をしていても、解説者の言葉を更に自分の解説や解釈をつけるので、くどいし、解説の流れも悪くなってしまうことが多い。一生懸命なのは分かるのですが、聞き手としての役割を考えて欲しいです。
最後は里見女流将棋三冠。③は申し分ないのですが、②がかなり不満。アナウンサー並のかつ舌の良さは求めませんが、もう少し大きな声でハッキリ話すことを心がけるべきです。もっと、自信を持っていいと思います。
『将棋雑感 ~解説者と聞き手②~』(1月19日) の続きです。
解説では、聞き手の技量も重要です。
聞き手の技量とは
①話す技量
公の場ですから、きちんとした話し言葉が必要になります。自分の考えを正確に言葉で表現する能力も大切です。さらに、発音の明瞭さも求められます。
②会話能力
解説者の能力を十分に発揮させることも、聞き手の重要なスキルです。解説者が気分良く解説出来れば、解説自体も冴えるし、観客や視聴者も話に移入しやすいです。
解説者のタイプにより、聞き手も対応する必要もあります。三浦八段のようなまじめで誠実なタイプには、聞き手がリードして解説を聞き出したり、魅力を発揮させることが望まれます。エピソードなどを仕入れておいて、場を盛り上げるのも有効な手段です。
逆に、放っておいてもどんどん語ってしまう解説者には、横道に逸れ過ぎないようにコントロールする必要もあります。また、逆に話を遮り過ぎて、解説者のノリを損ねてもいけません。
③棋力
棋力はあった方が良いですが(女流棋士のトップクラスやそれに近いクラス)、それ以下でも解説が理解できる程度があればOKです。
上記の三つの要件を満たしている聞き手だと、解説をスムーズに聞くことができます。三つのうち、どれか一つが苦しくても、他の二つが秀でていたり、解説者との相性が良ければ、齟齬が生じることは少ないです。
せっかく?なので、最近、気になった聞き手の例を挙げます。
ひとり目は、竜王戦で聞き手を務めた山崎バニラさん。活動弁士(サイレント映画の弁士)が本業ですが、多彩な才能を発揮して、マルチに活動されている方で、将棋番組の進行やアシスタントとしても活躍しています。
しかし、聞き手としては棋力が少し足りず、解説についていけなかったり、大盤操作を誤りっぱなしだったので、解説を見る分には辛かったです。本人も辛かったと思います。
二人目は、囲碁・将棋フォーカスの高崎真子さん。この方、将棋普及指導員をされているようなので(私の記憶違いかもしれません)、普段は指導や解説をする機会が多いのではないかと思われ、聞き手をしていても、解説者の言葉を更に自分の解説や解釈をつけるので、くどいし、解説の流れも悪くなってしまうことが多い。一生懸命なのは分かるのですが、聞き手としての役割を考えて欲しいです。
最後は里見女流将棋三冠。③は申し分ないのですが、②がかなり不満。アナウンサー並のかつ舌の良さは求めませんが、もう少し大きな声でハッキリ話すことを心がけるべきです。もっと、自信を持っていいと思います。
千葉さんは、柔軟で鋭いと思います。
解説者が見えていない筋を、指摘することは多かったです。また、解説者の意図を察知するのも早かったです。
私は、彼女の将棋を買っていまし、棋士としても人間としても好きです。ただ、あの持って回った言い回しがあまり好きでないので、聞き手としては、少し感性が合わないというところもありました。
解説者への余計な質問(突っ込み)は面白かったです。
大盤で手を読むのは、普通の盤面で考えるのより読みづらいです。棋士にとっては、頭の中で考える方がいいという人もいるのではないでしょうか。なので、却って手が見えなかったり、読み落としを生じることもあるように思います。
NHK杯の聞き手は固定されるので解説者より慣れていると考えられます。
昨日のNHK杯戦は、矢内さん、冴えていましたね。
清水女流六段、中井女流六段の両巨頭は、さすがの上手さですね。
中瀬さん、中倉姉妹は棋力が足りていませんでした。長年、間近で男性棋士の将棋を見ているのに、一向に強くならないのは不思議でした。
最近は、女流棋士の代わりに男性アナウンサーが聞き手を務めることが多いですが、お一人相当強い方がいらっしゃいますね。