漢方薬剤師の日々・自然の恵みと共に

漢方家ファインエンドー薬局(千葉県)
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NASHにDASH食(メタボリック関連で)

2006-06-14 | 漢方的話題
「ナッシュ」に「ダッシュ」を。TV番組「ダッシュ村」の話ではありません。
(でも、そんな生活をすれば体にいいので、まったく無関係ではないかもしれません)

覚えやすいのでこう書いてみました。

「DASH食」(高血圧にならないようにする食事療法)

最近アメリカで考案された食事内容。英語の名前を省略してDASHです。
現代の食事に不足しがちなミネラルを摂取して、飽和脂肪酸を減らすのが目的だそうで、内容は、野菜や果物、木の実、魚などを多くとり、牛肉や豚肉、甘い菓子やソフトドリンクを控えるというもの。

日本食を想定すれば、特に珍しくもないかもしれませんが、あえて「ダッシュ食」と名づけてくれるとやる気が湧くというもの。

これに、毎日20~30分の汗ばむ程度の運動、禁煙、ついでに減塩すれば、生活習慣病もこわくない。

高血圧と内臓肥満に注意を(共同通信社・最新医療情報より)


「NASH」(非アルコール性脂肪性肝炎)

これは数年前に新聞記事に取り上げられちょっと話題になった内容ですが、特に内臓肥満が引き金となることなので、メタボリックシンドロームと関連性が深い。

お酒をたくさん飲まないのに起こってしまう肝炎のこと。
年代的に特徴的なのは、男性の40歳未満と女性の50~60歳代が多いこと。

おそらく、女性の場合は、女性ホルモンの減少とともにコレステロールの代謝が低下し内臓肥満型(いわゆる隠れ肥満型)傾向になることも影響しているのではないかと思われます。
更年期になると高脂血症になる理由

また男性の若年層も食事の偏りなどによって内臓肥満型が増えているらしい。

脂肪肝は一般的にはガンなどに移行することはないと思われているが、NASHの場合は肝硬変や肝ガンへと進行してしまうそうです。

やはり運動と食事の改善が有効とのこと。

注意必要な非飲酒者の肝炎(共同通信社・最新医療情報より)


漢方的な発想で分析すると、

「肝は血を蔵す」(かんはけつをぞうす)
「肝は疏泄を主る」(かんはそせつをつかさどる)
 
肝臓は血液の貯蔵庫であり、さまざまな代謝反応の流れの要所でもあるので、ここに無駄に脂肪などを溜め込んでは、肝臓はしっかり機能しなくなる。
血を養い、血流を改善しておくことが大切。

血流を改善したほうが良い症状
漢方の部屋




好きなものだけ食べたい症候群

2006-06-14 | 薬膳・食育
いまどきのペットの餌のほうが飼い主がこだわっていて、がっちり食育がなされているんじゃないだろうか・・・とさえ思ったTV番組。
NHKスペシャル「”好きなものだけ食べたい”~小さな食卓の大きな変化」6月2日放送

この内容はかなりショック。ここまで食文化は破壊されたていたかと嘆いてしまいました。


「痩せたい願望」が強い一方で、
やせたがりで無月経、抑うつ感、拒食症
小学生の約10人に1人が、あきらかな「肥満」だそうです。これに隠れ肥満を足したらもっと増えるんじゃないでしょうか。
いまや小学生にまで脂肪肝は広がりつつあります。


朝食さえ、3時のおやつかと思うような内容。
「それ以外は食べたがらない」
だから「それ以外は無理に食べさせない」

(実際、うちのペットのほうが良い材料のものを食べている・・・
とこっそり言わせてくだされ
それがバカな飼い主といわれてもいい)

朝寝坊するから(就寝時間がおそい)食べたくない
親と、食事時間がずれている
親も忙しくて、悠長に(?)食事をしている暇がない・・・

そのような食生活の結果、
栄養バランスが考慮された給食をきちんと食べてくれない、
集中力がなく授業がままならない
と悪循環の輪が広がっているとのこと

解決策として紹介されていたこと
野菜を自分で育てる
料理を手伝わせて、いっしょに野菜を切ったりしてみる
みんなでいっしょに食べる


おいしくて贅沢な食事は、外食や買ってきたものではなく、家庭の手作り料理だ。
食材を育てた愛情、料理を作る愛情、家族の愛情、
愛情がいっぱい詰った料理を食べたくないはずがない。
それが食”文化”だと思う。

しかも食べ方は、小学校低学年までの教え込む必要がある。

漢方対策を行うにあたって、食生活の指導もするけど、
次の来店時には、またおなじ食生活に戻っていることがよくあります。
この改善はかなり手ごわいのが事実。
めげずに、おなじ説得をする・・・

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