漢方薬剤師の日々・自然の恵みと共に

漢方家ファインエンドー薬局(千葉県)
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冬季うつ病、不眠・体内時計のずれと合わせ方

2011-11-18 | 気持ち・眠り
先日体内時計の話を書いたけど、続編を。

末梢時計:精巣を除くすべての臓器に『時計細胞』がある(なぜ精巣にないのか気になるけど
中枢時計:末梢時計をコントロールする中枢時計が脳内(視交叉上核)にあり
     指揮者のようにコントロールしサーカディアン(概日)リズムを
     作り出している

哺乳類の時計遺伝子が発見されたのは1997年(ごく最近

生理機能のリズム
夜は成長ホルモンの分泌
⇒昼間の活動で受けた組織のダメージを修復する
朝方はコルチゾールやアルドステロンなどのホルモン分泌が高まる
⇒覚醒を促す。血液の固まる能力を高め活動期に負傷しても出血量を少なくする
夕方は血液線溶活性が高まる
⇒睡眠中に血栓(エコノミークラス症候群)ができるのを防ぐ

地球の自転と体内時計がずれると
⇒時差ぼけ、季節性感情障害(睡眠障害、冬季うつ病など)
体内時計が長期にわたってずれると
⇒メタボリックシンドローム(肥満、糖代謝異常、脂質異常、高血圧など
睡眠と肥満の関係
そしてこれらの疾患が体内時計を乱すという悪循環に陥る

体内時計の合わせ方
朝の太陽光で中枢時計を合わせ、朝食で末梢時計を合わせる
実は体内時計は地球の自転とは少しずれがある
人間25時間、マウス23.5時間 ラット24.5時間など
そのため毎日微調整しないと人間では12日たつと昼夜逆転することになる。
脳の中枢時計は、毎朝太陽の光を浴びることによってリセットされている。
しかし臓器時計は光を浴びてもなかなか調整されず特に消化器系の時計は厄介。
中枢と末梢の時計がずれても時差ぼけが起こる。
そこで消化器の時計をリセットするにはどうするか?⇒朝食を食べて目覚めさせる。

(薬剤師向けの月刊雑誌「クレデンシャル」2011/11月号NO.38
 『時間薬理学、時間医学の方向性を探る』参考)

朝日とともに起き、朝食を抜かず、規則正しい時間に食事を摂り、
夜は穏光で脳の興奮を鎮め、夜更かししない

これはまさに、中国古書「黄帝内経素問」に書かれた養生法そのものだ。

日が短くなると気分が落ち込む人は確かに多い。
早速、体内時計を合わせてみてはいかが?


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