漢方薬剤師の日々・自然の恵みと共に

漢方家ファインエンドー薬局(千葉県)
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山本兼一著「利休にたずねよ」・自己美を追い求めた

2013-08-02 | 
近々映画化されるとあって読んでみた。

歴史小説はあまり読まない。もともと歴史音痴だし、
本屋の文庫本コーナーの歴史小説棚に行くとなぜか男性しかも中高年(かな?)が多いから。
それに、宮部みゆきや畠中恵も歴史物だけど、圧倒的に著者は男性。
したがって、物語の視点が男性目線(と思い込んでいる)

で、この「利休にたずねよ」、
当然男性目線、だけど面白いです。
政治の表裏の現場では男たちは絶えず値踏みされていてストレス多いですね。
だけどこうやって歴史や文化って作られていくんだなあ。

利休はその美学を押し通して高い地位につき、茶の道を造ったのだから
彼は、商才もある天才で、そりゃ男たちのねたみを買うしかないわなあ。
それにしても、そんな世界に次々と入り込んでしまう男たちは、これ性分でしょうか。
骨董趣味も圧倒的に男性が多いしね。

木槿(ムクゲ)の花が男性の憧れ(女性)として印象的に描かれています。
だけど利休はあの女性に、人として愛情を持ったのではないと思うなあ。
これ女性目線。

山本兼一:1956年(昭和31)京都市生まれ。