カゼ薬を飲んでも病院にいってもちっとも治らない

今年は「カゼ」の流行が早いようです。おなかのカゼ（感染性胃腸炎）も秋に入った途端に増え、咳のカゼ（ＲＳウイルス感染症）やインフルエンザも流行中です。

「感冒薬」を飲めば「カゼが治る」と思いがちですが、ウイルスや肺炎菌などと戦ってカゼを治しているのは自らの回復力です。
感冒薬などは症状を抑えているにすぎず、つまり「熱や咳や鼻水を抑えて少し体が楽になったその間に、自らの体力で風邪を治しなさい」という意味です。抗生物質や抗ウイルス薬もありますが、それも「回復力」をつけてくれるわけではありません。

「風邪薬を飲んでも病院に行ってもちっともカゼが治らない」
と嘆いている方々は、正しい養生を行うことが必要です。

・外の冷たい風に当たらない
・肺や首を冷やさないようマフラーやマスクをする
・冷たいものや生ものを食べない（胃腸を冷やさない）
・鍋料理など体が芯から温まるものを食べる
・早く寝る

東京で見かけたクリスマスアレンジメント。キノコは木彫りです。キノコも免疫力を高める食材ですね。

漢方薬では、
のどの痛みや黄色い痰の出る状態（炎症が明らかな時）は
銀翹散（天津感冒片）、板藍根、麻杏甘石湯などで炎症を冷ましますが、寒気がある時は、葛根湯や桂枝湯、麻黄附子細辛湯を温かくして飲みます。
体力が不足してしまったときは、柴胡桂枝湯や参蘇飲、補中益気湯など補気するものを用います。
咳が長引いた場合、温度差などちょっとした刺激で咳き込むときは、蘇子行気湯（平喘顆粒）、痰が少なくのどに絡むまたは無痰の空咳状態なら、麦門冬湯など、と症状に応じて対応します。
よく症状を相談してお選びください。


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